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Liverpool Care Pathway (LCP) 日本語版在宅バージョン 使用マニュアル Ver.01

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Liverpool Care Pathway (LCP)

日本語版在宅バージョン

使用マニュアル

Ver.01

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LCPの使用基準

患者に関わる多職種チームが予後数日または一週間程度と判断し、かつ以下の項目のうち2項目以

上が当てはまる場合:

患者が終日臥床状態である 半昏睡/意識低下が認められる

経口摂取がほとんどできない 錠剤の内服が困難である

■LCP日本語版在宅バージョンは「看取り期」、「日単位」、「数日中の死が避けられない」時期に使用

します。終末期(予後が 6 カ月程度)に使用するものではありません。

■上記の 2 項目に当てはまったら必ず LCP 日本語版在宅バージョン を開始しなくてはいけないと

いうことではありません。たとえば,消化器がんで、「経口摂取ができない」「錠剤の内服が困難

である」場合、ある程度の予後が見込める場合には LCP日本語版在宅バージョンは使用しません。

脳腫瘍や脳血管障害などで意識低下がみられる場合なども同様です。

■予後が数日または 1 週間程度と考えられれば、上記の項目を必ずしも満たさなくても LCP日本語

版在宅バージョンを使用開始して構いません。

■各ページの上部に、LCP日本語版在宅バージョンの開始日、記入者名を記入してください。

■一旦は状況が悪化したが(感染症合併など),看取りの状況からは回復したと判断した場合は LCP

日本語版在宅バージョンの使用を中止してください。

訪問看護ステーションの場合

複数の看護師で判断し LCP 日本語版在宅バージョンの使用開始の有無を判断します。使用の際に、

医師に確認します。

診療所の場合

医師、看護師の間で話し合い、LCP日本語版在宅バージョンの使用開始の有無を判断します。

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セクション1 初期アセスメント

■LCP日本語版在宅バージョン開始時に初期アセスメントを実施してください。

訪問看護ステーションの場合

初期アセスメントシート記入後、患者のカルテに入れ保管します。

診療所の場合

初期アセスメントシート記入後、患者の個人ファイルに入れ保管します。

診断&Demographics・身体症状

診断 & Demographics

病名 : 年齢 女性 男性

身体症状 疼痛

呼吸困難

気道分泌

嘔気・嘔吐

便秘

尿閉、失禁

ある ある ある ある ある ある

なし なし なし なし なし なし

嚥下困難

意識障害

認知障害

不穏、興奮

抑うつ

その他 (例: 浮腫、掻痒)

ある ある ある ある ある ある

なし

なし

なし なし

なし

なし

■LCP日本語版在宅バージョン開始時の患者の身体症状をチェックしてください。

■薬剤などの使用している場合にも、その薬剤を中止することで、その症状が再発することが明ら

かである場合には「ある」にチェックしてください。たとえば、オピオイドで鎮痛が図られてい

る場合には、疼痛は「ある」になります。

■医師/看護師のどちらが記入してもかまいません。

訪問看護ステーションの場合

看護師が記入します。

診断&Demographicsは、訪問看護指示書で確認し記入します。

身体症状については、下記具体的な例を示します。

腸閉塞の場合、便秘はどうなりますか?

→「ある」にチェックしてください。余白に腸閉塞と記載してください。

尿閉で尿道カテーテルを留置する場合はどうなりますか?

→「ある」にチェックしてください。尿道カテーテル挿入中と余白に記載してください。

呼吸困難で酸素投与している場合はどうなりますか?

→「ある」にチェックしてください。酸素投与中と余白に記載してください。

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診断&Demographics・身体症状(つづき)

診療所の場合

看護師が記入します。

診断&Demographicsは、医師の電子カルテの記録を確認し記入します。

身体症状については、項目の横にある余白に対応中の内容を記入します。

安楽の評価

安楽の評価

目標 1: 現在の投薬/処方を見直し、必要でない処方を中止する。 はい いいえ

必要な内服薬を皮下注射、持続皮下注射又は静脈注射、持続静脈注射、坐剤に変更する。

必要でない投薬は中止する。

目標 2: 各施設のガイドラインや手順書に従い、以下の項目について皮下投与又は静脈投与、坐剤での頓用指示を記載する。

疼痛

不穏・興奮

気道分泌

嘔気・嘔吐

呼吸困難

はい はい はい はい はい

いいえ いいえ いいえ いいえ いいえ

鎮痛剤

抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬など

抗コリン剤(ブスコバン、ハイスコ)

制吐剤

オピオイド

はい はい はい はい はい

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ いいえ

目標 3: 不必要な治療・検査を中止または減量する。

血液検査 (血糖測定を含む) はい いいえ 該当なし

抗生物質 はい いいえ 該当なし

輸液 はい いいえ 該当なし

心肺蘇生をしないこと はい いいえ

(DNRの範囲を以下に記入する)

目標 3a: 不必要な看護介入の中止を決定する。 はい いいえ

ルーチンの体位変換から快適性の目的のみで体位変換へ。縟創予防マットの導入を検討し、皮膚の完全な状態の適切な判断を行う。

バイタルサインの頻回な測定を行っている場合、適宜回数を減らす(例:1日 1回)

目標 3b: 医師または看護師が 24時間以内にシリンジポンプが開始できる。 はい いいえ 該当なし

■患者の安楽を最優先として、実施されている治療、ケアの見直しを行ってください。

■このシートをつける時点で必要でない処方が中止されていない場合、頓用指示が出されていない

場合は「いいえ」にチェックをつけて、バリアンスに変更内容や頓用指示をしない理由などを記

入してください。

■目標1~3は原則として医師が記入します。看護師が記入する場合には、医師の指示に準拠、ま

たは医師に確認をして記入してください。

■目標3では、もともと定期的な血液検査、抗生物質、輸液などが行われていない場合には「該当

なし」にチェックします。

■目標3aでは、看護介入について、バイタルサイン測定や体位変換などのルーチンの必要性の見直

しを行ってください。看護の目的が看取りに向けて患者の安楽に重点を置かれることに注意して

ください。

■目標3bでは、シリンジポンプが 24時間以内に使用できる状態であれば「はい」にチェックして

ください。

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安楽の評価(つづき)

訪問看護ステーションの場合

目標1~3は、医師の指示に準拠、または医師に確認のもと看護師が記入します。

(1) 目標2では、症状に対して薬物療法以外の指示がある場合は、「いいえ」にチェックし、バリア

ンスとして記入します。

例えば、呼吸困難の項目では、薬物療法よりも酸素吸入が第一選択である場合がありまので、

バリアンスとして記入してください。

(2) 目標3は、検査や治療に関しては、疾患によっては必要と判断されることもあるため、患者の

状態や治療方針について医師に確認します。

心肺蘇生に関しては、医師から説明されている内容を記載します。

例えば、心臓マッサージはしないが、最期まで薬剤投与を希望されているなど。

(3) 目標3aは、血圧測定など必要と判断される看護介入であれば、中止をする必要はありません。

(4) 目標3bは、医師が判断して用意、開始するためチェックは該当なしになります。

診療所の場合

目標1~3は、電子カルテに記載されている医師の指示を看護師が記入します。

(1) 目標1では、内服薬の投与経路変更や、持続皮下注射によるモルヒネの開始といった内容につ

いて、項目横にある余白の部分に記入すると分かりやすいと思います。

例えば、ステロイド内服を中止し PPI静脈点滴への投与経路変更や、CSI(PCA)開始など。

(2) 目標2では、症状に対して薬物療法以外の指示がある場合は「いいえ」にチェックします。

「気道分泌」の項目では、施設はこれまで抗コリン薬を使用した患者が 1 例しかなく、対処方

法として早い段階で輸液量の減量や気管吸引といったケアを実施しているために、気道分泌が

患者の QOL を低下することなく効果も得られていることから、ここでは第一選択は薬物療法と

しないこととします。

「呼吸困難」の項目では、施設では患者の苦痛と家族のケアの目的に在宅酸素導入とモルヒネ

を同時に勧めているため、必ずしも薬物療法が第一選択とはしていません。

(3) 目標3では、電子カルテにある医師の記録から、患者の状態や治療方針について確認します。

心肺蘇生に関しては、医師が説明している内容を記載します。

初診外来時に、医師は全ての患者・家族に対して心肺蘇生に関する説明をしており、内容は電

子カルテに記載していますが、この段階で医師が説明した内容についても確認します。

(4) 目標3aでは、多職種による担当者会議を開き、不必要な看護介入の中止について話し合いをし

た場合は、項目の余白に記載していると分かりやすいと思います。

(5) 目標3bでは、医師が指示しますので 24時間以内に準備し開始できるのであれば「はい」にチ

ェックします。

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精神面/病状認識

精神面/ 病状認識 目標 4: 日本語が理解できる(日本語で意思疎通ができる)。

a) 患者 はい いいえ 昏睡

b) 家族/その他の関係者 はい いいえ

目標 5: 病状認識(患者、家族などに確認する必要はない。現時点で認識していると思われるかどうかを記載する)

診断 a) 患者 はい いいえ 昏睡 b) 家族/関係者 はい いいえ

死が近いこと c) 患者 はい いいえ 昏睡

d) 家族/関係者 はい いいえ

■家族/関係者の「関係者」とは、家族以外の親族、身元引受人、内縁の妻、友人など、キーパーソ

ンとなる人物を指します。

■目標5では、記入時点での病状認識の現状をアセスメントしてください。無理に病状認識を促す

ように介入する必要はありません。

バリアンス記入欄

■目標1~5で「いいえ」があったら、なぜそのようなバリアンスが生じたのか、それに対する対

処はどのようにしたのかを記入します。

訪問看護ステーションの場合

目標の「いいえ」は、患者や家族の個別性を表します。「いいえ」に対し、生じている原因や対処に

ついて記録します。

目標1~5で「いいえ」があった場合、記入欄ではなく、電子カルテに記録します。

{カルテを持ち歩くことはできないため、電子端末によって必要な情報(個別の問題)を確認するこ

とができます。}

診療所の場合

記録に関しては、「いいえ」があった場合は電子カルテに記録します。

目標の「いいえ」とは、患者や家族の個別性を表すもので、「未達成=悪い」ではありません。

「いいえ」に対して、生じている原因や対処について記録します。

このページのバリアンス(「いいえ」の項目がある場合、そのバリアンスと対処等をここに記入する)

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宗教/信条

宗教/信条 目標 6: 看取りにあたっての宗教上の要望や信条を確認する。

a) 患者はい いいえ 昏睡 b) 家族/関係者はいいいえ

宗教的習慣を確認したか はいいいえ 昏睡

宗教上あるいは個人の信条にあわせた特別な配慮の必要性(衣装など)があれば以下に記入する

■旅立ちの衣装や、死亡後の処置時に特別な配慮が必要かどうかを確認してください。

■宗教上の要望に限らず、その土地やそのご家庭の文化に沿った意思を確認してください。

家族/関係者とのコミュニケーション

家族/関係者とのコミュ

ニケーション

目標 7家族に看取りの在り方、希望について確認している はい □ いいえ □ 看取りに立ち会う関係者に死が近いことを伝えてある はい □ いいえ □

1.病院で看取りたい はい □ いいえ □

救急車の使用 はい □ いいえ □

2.在宅で看取りたい はい □ いいえ □

緊急時の連絡可能な医療施設(診療所など)

3.看護師に死後の処置を依頼したい はい □ いいえ □

4.特記事項

在宅ケア関係者とのコミ

ュニケーション

目標 8:在宅ケア関係者が患者の状況を把握している はい□いいえ□

もし、在宅ケア関係者が患者の状況を把握していない場合は、連絡する。

在宅医 □ ケアマネージャー □ 介護ヘルパー □ 作業療法士 □ 理学療法士 □ 薬剤師 □

その他 □

■目標7は、家族に看取りの在り方や希望について確認します。

■緊急時の連絡可能な医療施設は、診療所や他の訪問看護ステーションなど施設名を記入してくだ

さい。

■看取りに関する家族の希望(たとえば、できるだけ看取りには付き添いたいなど)は、特記事項

に記録してください。

■目標8の在宅ケア関係者は、在宅医、コメディカル(理学療法士や作業療法士、ヘルパーなど)

が患者の状況を理解しているかどうか確認します。

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家族/関係者とのコミュニケーション(つづき)

訪問看護ステーションの場合

(1) 目標7-4の特記事項で家族の介護力について以下の内容をアセスメントします。

介護者の身体的負担;疲労感、睡眠状況、健康状態など

介護者の精神的負担;看取りに対する不安、医療処置や医療器具に対する不安、介護サービス

利用に対する不安など

介護者の経済的負担

介護者の社会的負担;介護者の仕事や家庭での役割遂行が出来ない、社会からの孤立など

(2) 「看護師に死後の処置を依頼したい」の下線欄は、「金額の説明は、済み」などを記録します。

(3) 目標8は、把握している在宅ケア関係者を挙げ、把握していない関係者がいる場合は、「いいえ」

になります。下欄の□は連絡する人にチェックをします。

診療所の場合

(1) 「看護師に死後の処置を依頼したい」の下線欄は、死後の処置をすでに祭典の業者に依頼して

いる場合は、二重請求とならないように配慮する必要がありますが、家族に確認後、「金額の説

明は済み」などを記入します。

「特記事項」では、看取りに間に合いたい家族の緊急連絡先は確認しているかについてなど、

確認したことを記載します。

(2) 目標8では、把握していない在宅ケア関係者がいる場合は「いいえ」とし、チェックします。

ここでは、多職種による担当者会議を開催した場合など、余白に記入していると分かりやすい

です。

まとめ

まとめ 目標 9: ケア計画(死期が迫った患者に対してどのようなケアを計画しているか)を説明、相談している:

a) 患者 はい いいえ 昏睡

b) 家族/関係者 はい いいえ 看取りのパンフレット説明 □

目標 10: 家族/関係者がケア計画を理解している。 はい いいえ

家族/関係者は、現在のケア計画(死期が迫った患者に対してどのようなケアを計画しているか)を理解している。

■目標9では、患者や家族と今後の計画について話し合います。必ずしも話し合う必要はなく、医

療者から説明がなされていれば「はい」につけて構いません。

■目標9の「看取りのパンフレット説明」は、OPTIMパンフレットの「これからの過ごし方」を用い

て説明したかどうかを聞いています。施設独自の看取りのパンフレットがある場合は、そちらを

代用していただいても構いません。パンフレットを基に、家族や関係者に説明することを推奨し

ますが、必要に応じて行ってください。

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まとめ(つづき)

■患者に対して今後のケア計画を説明するケースは少ないかもしれません。無理にする必要はあり

ません。

■目標 10では、今後起こりうること、その対処について、理解していれば「はい」にチェックして

ください。

■目標9と目標 10では、患者と家族の希望を医療者が確認するためのものです。患者や家族の受け

入れの程度に応じて、適切な説明がされているのか確認します。説明が困難であれば、その理由

をバリアンスに記録します。

セクション2(継続アセスメント)

■原則として訪問毎に記入します。

■Aはその項目が「達成:Achievement」したこと、Vは「未達成:Variance(バリアンス)」を意味

します。

■記入時点で、各項目についての目標が達成されている場合(苦痛がない)は、「A」に○をつけま

す。未達成(苦痛がある)で何らかの対処が必要な場合は「V」に○をつけ、具体的な問題点を記

入してください。

■頓用指示を実施し、それにより症状の軽減がみられたのであれば、目標は達成しているというこ

とで「A」に○をつけてください。

■患者の苦痛の軽減について継続的にアセスメント・対処することを意識するツールとして使用し

てください。

訪問看護ステーションの場合

継続アセスメントシートは、チェックリストとして活用します。記録は、症状で挙がっている項目

の隣に番号を記入し、「○番、○番は A。○番と○番は V。」と記録し、Vに関しては、SOAP欄に Vを

記録します。例)Sの欄:1番疼痛 14時 20分オプソ内服するも疼痛軽減なし 14時 50分オプソ

内服し疼痛軽減した。

診療所の場合

継続アセスメントシートは、チェックリストとして活用します。

電子カルテにバリアンスの内容、対処方法、結果を記録します。記録では、症状で上がっている項

目の横に番号を記入し、「○番は A、○番は V」と記録し、Vに関しては、SOAP欄に Vを記録します。

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セクション2(継続アセスメント)(つづき)

(記入例)

セクション 2 訪問日時 11/28 14時

疼痛

目標:患者の痛みがない。 A V A V A V

14時20分オプ

ソ内服するも疼

痛軽減なし。

不穏、興奮

目標:患者が強い不隠、混

乱、興奮状態ではない。

A V A V A V

気道分泌

目標: 過度の気道分泌が問

題とならない。

A V A V A V

嘔気・嘔吐

目標:嘔気が患者にとって苦

痛な症状とならない。

A V A V A V

嘔気著明

呼吸困難

目標: 呼吸困難が患者にとっ

て苦痛な症状とならない。

A V A V A V

その他の症状 (例: 倦怠

感、不眠、浮腫、掻痒など)に

より患者にとって苦痛な症状

とならない。

A V A V A V

腹部膨満感著明

署名

Ns ○野

訪問日時を記入してください。

レスキューを使用した場合に

も、疼痛の軽減ができているな

らば「A」に○をつけてくださ

い。

「その他の症状」は、患者にと

って苦痛な症状があれば記入

してください。

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セクション3(死亡診断)

■死亡時のみ記入してください。

死亡日 死亡診断時刻

死後の処置 目標 11: 死後の処置について相談又は実行する。 はい いいえ

目標 12: 家族/関係者に所定の手続き(死亡診断書、会計など)について説明されている。 はい いいえ

目標 13: 死後以下の手順について話し合いもしくは実行されている はい いいえ

宗教的ニーズ □ 感染症の予防方法 □

死別後のケア

目標 14: 必要に応じて、遺族の悲嘆に対しての支援がされている(遺族会、医療機関や相談先を紹介するなど)。 はい いいえ

■死亡診断後、必要なことが確実に行われているかをチェックします。

■目標 13では、患者の感染症の有無を確認しスタンダードプリコーションに沿って行われているか

チェックします。

■目標 14では、グリーフケアも含まれます。遺族の悲嘆に対しての支援に関しては、必要に応じて

で構いません。たとえば、死亡 3 ヶ月後に遺族会の案内を郵送する決まりになっているような場

合は「はい」にチェックしてください。

訪問看護ステーションの場合

(1) 目標 14のグリーフケアの具体的な場面は、死後のケアの時に、患者と一緒に過ごした時間を遺

族と回想する、遺族を労うなどの関わりがあれば「はい」にチェックします。

(2) セクション3の記録が終わりましたら、カルテと一緒に保管します。

診療所の場合

(1) 目標 11は、看取りに関する作法について記入します。例えば、最期は手を合掌させるや、末期

の水などの家族からの要望があれば、「はい」にチェックします。

(2) 目標 13の「宗教的ニーズ」の項目では、葬儀場への連絡が済んでいるといった事務的な手続き

の説明や、クリスチャンのために牧師が最期の祈りのために訪問するといった特別なニーズが

あれば、「はい」にチェックします。

「感染症の予防方法」の項目では、死後の遺体の変化について家族へ説明を行います。出血や

分泌物がでることが予測されるケースに関する指導をした場合は、「はい」にチェックします。

(3) 目標 14のグリーフケアに関する項目は、施設独自の遺族を対象としたグリーフケアプログラム

があるため、「はい」にチェックをします。また、死後のケアの時に、患者と一緒に過ごした時

間を遺族と回想する、遺族を労うなどの関わりがあれば、その内容をバリアンス分析の欄に記

入します。

(4) セクション3の記録が終了したら、原本を代表者に渡し、鍵のかかるロッカーに保管します。

(5) デスカンファレンスで記録が必要な場合は、閲覧は可能ですが、施設外の持ち出しは原則禁止

とします。

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バリアンス分析

どのようなバリアンスがなぜ生じたか? 対処方法 結果

サイン .

日付/時間 .

サイン .

日付/時間 .

サイン .

日付/時間 .

■本来のパスは、バリアンスが生じるごとに、そのバリアンスがなぜ生じたかなどの分析を行うも

のです。しかし、実際にはすべてのバリアンスについてそのたびに記入するのは非常に大変です。

そこで、LCP日本語版在宅バージョンは LCP日本語版と同様にこのシートへの記入は義務とはしな

いことにしました。

訪問看護ステーションの場合

バリアンス分析は、電子カルテにバリアンスの内容、対処方法、結果を記録します。

診療所の場合

バリアンス分析は、電子カルテにバリアンスの内容、対処方法、結果を記録します。