Post on 14-Feb-2021
Application Highlight: Small MoleculeこのApplication Highlightでは、低分子研究の一部としてOctet REDシステムによる分析を特集します。
— Matthew Kirtley, Product Manager, ForteBio
Protein:Peptide Detection
Protein:Small Molecule Detection
0-20 20 40 60 80 140120100
.005
.015
.000
.010
.020
.025
.030
.035
.040
-.005
( I LB
nm)
Time (sec)0-10 10 20 30 8040 706050
.01
.03
.00
.02
.04
.05
-.01
( ILB
nm)
Time (sec)
0-20 20 40 60 80 160140120100
.02
.06
.00
.04
.08
.10
.12
-.02
( I LB
nm)
Time (sec)
-200 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
n( ILB
)m
Time (sec)
Fast Protein Quantitation
Application Note = Highlight = featured Octet RED
創薬およびリード化合物の最適化の作業の多くは、
予測される治療標的に結合する、低分子のアフィニテ
ィの判定と評価です。数千種類ものリード化合物を調
べなければならない創薬の初期段階で、特に重要な
のはスピードです。
SuperStreptavidineバイオセンサーと連動したOctet REDシステムは、低分子およびペプチドの検出ができるように設計されており、シンプルで使い易いワークフ
ローにおいて、迅速なデータ収集機能および高感度な
性能を備えています。
二次的なスクリーニングによって、早期に目的とする
ヒット化合物と候補に適さない化合物を特定する事、
生体分子相互作用の分析はon/off rate、アフィニティ定数、そして定常状態分析のようなカイネティクスパラ
メータの包括的な特性解析を実施する事で、リード化
合物のより詳細な特性の評価に役立ちます。 低分子量化合物のカイネティクス定数を正確に測定
できるOctet REDシステムの性能を実証する為に、よく知られているモデルシステムである1,2炭酸脱水酵
素に対する阻害物質の結合の分析を実施しました。
ビオチン化炭酸脱水酵素をSuperStreptavidineバイオセンサー上に固定してから、スルピリドとベンゼンス
ルホンアミドの会合と解離を発現させました。これらは
それぞれ低アフィニティ阻害物質と低分子量化合物を
代表しています。ビオシチンによって阻害される
SuperStreptavidineバイオセンサーに対するこの化合物の非特異的結合は、試験対象とした濃度範囲
では観察されませんでした。
分析はグローバルな非線形曲線フィットによって実施
されました(図1および2)。 別の試験で(図3)、フロセミド結合データについても、一連の濃度からのデータを用い、グローバルな曲線フ
ィットにより分析したところ、その結果得られたカイネ
ティクス定数であるそれぞれ0.56 X 105 M-1s-1、0.050 s-1、そして890 nMのka、kd、KDは、表面プラズモン共鳴(SPR)法を用いた分析で既に報告されている9.7 X 104 M-1s-1、0.050 s-1、そして513 nMの数値2と極めて近似していました。
● タンパク質:低分子 検出
● タンパク質 : ペプチド 検出
タンパク質とペプチドの相互作用のカイネティクスプロファイルの評価は、最適化の相互作用を介して起こるアフィニティにおける小さな変化の検出に役立ち、通常のエンドポイント法では除外されてしまう情報を提供します。
図4で示されたデータは、SuperStreptavidineバイオセンサーに固定されているビオチン化抗HA抗体に対する、His-tagユビキチンの様々な濃度(10、3.3、1、0.33、0.1 μM)での結合を示したものです。カイネティクスパラメータの計算は、Octet REDシステムのソフトウェアによって自動的に実行されます。
● 迅速なタンパク質定量分析
図1. 微弱な結合相互作用の分析 :スルピリド(341 Da):1%DMSOを含むPBS中の500–63 μMのスルピリド(2X希釈系列)における炭酸脱水素酵素結合データ
図2. 低分子量化合物の分析 :ベンゼンスルホンアミド(157 Da):0.5%DMSOを含むPBS中の100–0.4 μMのベンゼンスルホンアミド(3X希釈系列)における炭酸脱水素酵素結合データ
図3. フロセミドの分析:0.5%DMSOを含むPBS中の30–0.12μMのフロセミド(3X希釈系列、N=5)における炭酸脱水素酵素結合データ
図4. 抗HA抗体に対するHAユビキチン(8 kDa)結合の滴定系列
抗体製剤の定量等を実行する性能は、最良の製剤を生出す調整の選択を支援する上で不可欠です。
Analysis Rmax (∆nm)
Rmax Error koff(1/s) kon(1/Ms) kon Error KD (M) Chi
2 R2
1 0.0975 0.0001 7.83E-02 6.49E+04 4.57E+02 1.21E-06 0.053 0.99
2 0.1017 0.0001 7.88E-02 5.75E+04 3.84E+02 1.37E-06 0.050 0.99
3 0.0951 0.0002 8.52E-02 6.76E+04 5.66E+02 1.26E-06 0.067 0.99
4 0.0976 0.0002 7.97E-02 6.20E+04 4.69E+02 1.28E-06 0.059 0.99
5 0.0931 0.0001 8.32E-02 8.72E+04 6.97E+02 9.54E-07 0.063 0.99
Avg 0.097 0.0002 0.081 67836 515 1.22E-06 0.058 0.989
SD 0.003 0.0002 0.003 11453 121 1.57E-07 0.007 0.002
Analysis Rmax (∆nm)
Rmax Error koff(1/s) kon(1/Ms) kon Error KD (M) Chi
2 R2
1 0.036 0.0001 2.63E-01 1.11E+05 2.02E+03 2.37E-06 0.021 0.960
2 0.040 0.0001 3.04E-01 8.41E+04 1.74E+03 3.62E-06 0.027 0.962
3 0.030 0.0001 2.49E-01 2.08E+05 8.70E+03 1.20E-06 0.089 0.691
4 0.035 0.0001 3.29E-01 1.34E+05 2.76E+03 2.45E-06 0.021 0.956
5 0.032 0.0001 3.31E-01 1.96E+05 3.73E+03 1.69E-06 0.017 0.959
6 0.037 0.0001 3.42E-01 1.26E+05 2.85E+03 2.71E-06 0.028 0.955
Avg 0.035 0.0001 0.30 143183 3633 2.34E-06 0.034 0.914
SD 0.003 0.0001 0.04 48779 2579 0.8E-06 0.027 0.109
Octet RED System vs. Surface Plasmon Resonance: Blind Study
Reproducibility
CompoundSize
(Daltons)Octet RED KD
(µM)SPR KD
(µM)
1 258 0.6 0.4
2 165 0.1 0.5
3 168 1.2 3.3
4 269 1.2 4.6
5 269 1.3 0.4
6 221 1.7 1.9
7 296 0.6 0.3
8 295 1.5 1.3
9 324 No binding No binding
10 300 No binding No binding
REFERENCES
図5. IgGタンパク質定量を表したOctetソフトウェア画面 表1. KD判定の精度比較 (Octet REDシステムとSPR)
いったん生産レベルが評価されたならば、最適調製へは迅速かつ容易に進むことができます。 Octet REDシステムによるタンパク質濃度の判定のための分析は、バイオセンサー表面への当該タンパク質の結合率に基づいています。タンパク質濃度が異なれば結合率は異なってきます。 Octet REDシステムのソフトウェアは、標準曲線を生成する既知の数値による基準から結合率を計算します。各基準の結合率はその濃度に比例しています(図5)。
盲検試験において、10種類の化合物(162–330 Daltons)をOctet REDを用いて分析し、その結果を他社 SPRシステムを用いて得られた結果と比較しました。Octet REDシステムとSPRを用いて得られたKD値は表1に示したとおりです。それぞれの化合物について2種類の方法によって測定したKD値は全般的に2-3 Xの範囲内でした。
Octet REDシステム vs. 表面プラズモン共鳴法(SPR):盲検試験
分析機器にとって精度は重要ですが、一方でその後の実験において、それらが再現されなければどのような結果が得られようと意味がなくなります。Octet REDシステムは信頼でき、正確で、かつ再現可能なデータをもたらします。
Octet REDシステムによって得られる結果の再現性を実証するために、炭酸脱水酵素に結合した2種類の異なる阻害物質を分析しました。複数回の分析におけるカイネティクス定数は、ベンゼンスルホンアミドでは30%、フロセミドでは17%未満の範囲で一致しました(表2および3)。
追加の詳細情報、およびデータ分析については、forteBio社 SBS2008年でのポスター発表 “Label-Free Determina-tion of Kinetic Constants for Small Molecule Binding to Proteins Using ForteBio’s Octet Red Multi-Channel platform”「ForteBio社 Octet REDマルチ チャネルプラットフォームを用いたタンパク質に対する低分子結合のカイネティクス定数ラベルフリー測定法」にて紹介されています。
再現性Octet REDシステムによるフロセミド分析の再現性
Octet REDシステムによるベンゼンスルホンアミド分析の再現性
表2・3. フロセミド(上段)とベンゼンスルホンアミド(下段)の再現性データ
1 Papalia et al, Analytical Biochem 359 (2006), 94–105.2 Myszka et al, Analytical Biochem 329 (2004), 316–323.
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April 2008