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10 11 でもパリっ子にその名 を知られている。 パリバゲットコンクー ルはパリ市とパリ商工 会議所の主催で行われ る 、その名の通りパリの ナンバーワンバゲットを 決めるコンクールで、1995 年か ら毎年開催されており、このコン クールで優勝すると、4,000€ の 賞金と、大統領官邸であるエリ ゼ宮に一年間バゲットを納める という名誉が与えられる。毎年 200 近いブーランジュリーがコン クールに参加している。 シェフのレシピ公開 パン作りで最も重要となる製法のポイント、ノウハウをそれぞれの専門家に 詳しく伝授してもらう企画。本紙のために製作したシェフのレシピを公開。 ポンパドウル 渡邉 睦 氏の フランスパン生地の展開 慌ただしい毎日の作業に 、合理性をプラスして作業の軽減化を図るためにポンパドウル(三藤達男社 長)の渡邉睦シェフが考案した 、時間差で 4 品のバラエティを製造する方法を紹介する。ベースの生 地を作ってから、他の生地や種などの材料を足して焼成まで約 6 時間で完了するこの作業フローに は時間短縮 、作業工程を省略する技が随所に隠されている。 ひとつの生地から 3 時間差でバラエティをつくる提案  〜時間短縮、作業工程の省略〜 第3回 まずベースのフランスパン生地を作り、 捏ね上げ直後に牛乳と油脂を混ぜて “ フォカッチャ ”、 ベー ス生地の発酵1時間後に発酵種 、野菜とチーズなどを加えて手混ぜで “ ガレット”、 発酵2時間後 に作り置きしておいたブリオッシュ生地を加えて菓子パン様の生地を作りレーズンをプラスした “レザン ”、 発酵3時間後にはライ麦粉と前処理種を入れた “ サワーブロート” を作っていく。時間 を置いて作る生地には種を添加して後々の作業を短縮 、また一部手混ぜなどを用いてミキサーが汚れにくく 洗浄も簡単な手順を踏み 、工程の省略などを含めた工夫を施している。 作業の フロー 1986 年 の 誕 生 以 来 、チョコ レート好きのフランス人に愛さ れ続けているのがショコラティ エ「Michel Chaudun(ミッシェル ショーダン)」。オーナーのミッ シェル・ショーダン氏はフランス・ よって使い分ける消費者も多い。 決して広くない店内は 、昼時とも なると店の外まで行列ができる。 ここでのおすすめはやはりバゲッ トを使ったサンドイッチ。日本人 から見ると2人前はある大ぶりな サンドイッチばかりだが、やや引 きの強いバゲットのおいしさに素 朴な味付けのシンプルな具材が たっぷりサンドされており、飽き ることなくあっという間に1本食 べてしまうほど。午前中に買い 求めないと売り切れることもしば しばというサンドイッチは 5 ~ 6 ロワール地方 に生まれ 、14 歳で製菓の修 業を始めパリ に上京。スイ ス人のショコ ラティエに師 事し、チョコ レートのおも しろさに魅せられたという。30 歳代より名高い菓子店のシェフ を務めており、氏の作る繊細で 上品なチョコレートの味わいは 、 各方面から常に高い評価を得て 種ほど販売されている。 同店のあるモンマルト ルのアベス通りは近年 パンの激戦区となって きており、2011年のパ リバゲットコンクール優 勝のベーカリー「オ ル ヴァン ダンタン」もこの通りにあ る。また、グルニエ ア パンはデ ゼール協会の会員にもなってい て、ヴィエノワズリーやスイーツ SHOP DATA Michel Chaudun 149 rue de I'Université 75007 Paris ミッシェル ショーダン氏 パリ7区のユニヴェルシテ通りの石畳をイ メージして作ったという、 生クリームをふんだんに 使った『パヴェ』17.5€ 所狭しとチョコレートが並ぶ店内 SHOP DATA Le grenier à pain 住所:38 rue des Abbesses 75018 Paris www.legrenierapain.com/fr ゆで卵とトマトのサンドイッチ 3.9€ フランスではプライスカードにパンの重量 が併記されていることが多い 入口にパリバゲットコ ンクール優勝を示す 表示が掲げられる Michel Chaudun ショコラティエ ミッシェル ショーダン カカオの香りを最大に引き出した チョコレート PARIS いる。代表作はカ カオ80%で香りと 苦味、酸味が味わえる板状のビ ターチョコ『マシャラ』。また、や さしい甘さとカカオの香りも高い 『パヴェ』は 、口の中ですっと溶 ける食感が特徴だ。同店はパリ 以外では日本のみに支店がある。 FRANCE フォカッチャ グランレザン 野菜とチーズのガレット サワーブロート

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でもパリっ子にその名を知られている。 パリバゲットコンクールはパリ市とパリ商工会議所の主催で行われる、その名の通りパリのナンバーワンバゲットを

決めるコンクールで、1995年から毎年開催されており、このコンクールで優勝すると、4,000€の賞金と、大統領官邸であるエリゼ宮に一年間バゲットを納めるという名誉が与えられる。毎年200 近いブーランジュリーがコンクールに参加している。

シェフのレシピ公開 パン作りで最も重要となる製法のポイント、ノウハウをそれぞれの専門家に詳しく伝授してもらう企画。本紙のために製作したシェフのレシピを公開。

ポンパドウル渡邉 睦氏のフランスパン生地の展開慌ただしい毎日の作業に、合理性をプラスして作業の軽減化を図るためにポンパドウル(三藤達男社長)の渡邉睦シェフが考案した、時間差で4品のバラエティを製造する方法を紹介する。ベースの生地を作ってから、他の生地や種などの材料を足して焼成まで約6時間で完了するこの作業フローには時間短縮、作業工程を省略する技が随所に隠されている。

ひとつの生地から3時間差でバラエティをつくる提案 〜時間短縮、作業工程の省略〜

第3回

まずベースのフランスパン生地を作り、捏ね上げ直後に牛乳と油脂を混ぜて“フォカッチャ ”、ベース生地の発酵1時間後に発酵種 、野菜とチーズなどを加えて手混ぜで “ガレット”、発酵2時間後に作り置きしておいたブリオッシュ生地を加えて菓子パン様の生地を作りレーズンをプラスした“レザン ”、発酵3時間後にはライ麦粉と前処理種を入れた“ サワーブロート”を作っていく。時間

を置いて作る生地には種を添加して後々の作業を短縮 、また一部手混ぜなどを用いてミキサーが汚れにくく洗浄も簡単な手順を踏み 、工程の省略などを含めた工夫を施している。

作業のフロー

 1986 年の誕生以来、チョコレート好きのフランス人に愛され続けているのがショコラティエ「Michel Chaudun(ミッシェル ショーダン)」。オーナーのミッシェル・ショーダン氏はフランス・

よって使い分ける消費者も多い。決して広くない店内は、昼時ともなると店の外まで行列ができる。ここでのおすすめはやはりバゲットを使ったサンドイッチ。日本人から見ると2人前はある大ぶりなサンドイッチばかりだが、やや引きの強いバゲットのおいしさに素朴な味付けのシンプルな具材がたっぷりサンドされており、飽きることなくあっという間に1本食べてしまうほど。午前中に買い求めないと売り切れることもしばしばというサンドイッチは5 ~ 6

ロワール地方に生まれ 、14歳で製菓の修業を始めパリに上京。スイス人のショコラティエに師事し、チョコレートのおも

しろさに魅せられたという。30歳代より名高い菓子店のシェフを務めており、氏の作る繊細で上品なチョコレートの味わいは、各方面から常に高い評価を得て

種ほど販売されている。同店のあるモンマルトルのアベス通りは近年パンの激戦区となってきており、2011年のパリバゲットコンクール優勝のベーカリー「オ ルヴァン ダンタン」もこの通りにある。また、グルニエ ア パンはデゼール協会の会員にもなっていて、ヴィエノワズリーやスイーツ

SHOP DATAMichel Chaudun149 rue de I'Université 75007 Paris

ミッシェル ショーダン氏

パリ7区のユニヴェルシテ通りの石畳をイメージして作ったという、

生クリームをふんだんに使った『パヴェ』17.5€

所狭しとチョコレートが並ぶ店内

SHOP DATALe grenier à pain住所:38 rue des Abbesses 75018 Pariswww.legrenierapain.com/fr

ゆで卵とトマトのサンドイッチ3.9€

フランスではプライスカードにパンの重量が併記されていることが多い

入口にパリバゲットコンクール 優 勝を示す表示が掲げられる

Michel Chaudunショコラティエ ミッシェル ショーダン

カカオの香りを最大に引き出したチョコレート

PARIS

いる。代表作はカカオ80%で香りと

苦味、酸味が味わえる板状のビターチョコ『マシャラ』。また、やさしい甘さとカカオの香りも高い

『パヴェ』は、口の中ですっと溶ける食感が特徴だ。同店はパリ以外では日本のみに支店がある。

FRANCE

フォカッチャ

グランレザン

野菜とチーズのガレット

サワーブロート