111回生38名が一人ずつ和田学校長から、卒業証書、称号授与書を受け取りました。

第１１１回生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日は感染症のため、ご家族の皆様に同席いただくことはできませんでしたが、ご家族の方々にも心よりお祝い申し上げます。ご来賓の臨席もあえて控えさせていただきました。失礼をお許しいただきたいと思います。学外講師の先生および院内でご指導いただいた皆様に深く感謝申し上げます。

平成は「災害の時代」と呼ばれ、阪神淡路大震災、明日で９年が経過する東日本大震災、など多くの災害がありました。令和になって間もなく当地は台風１９号による甚大な被害を受けました。その被害から立ちあ上がる足下がまだしっかりしないうちに世界中が新型コロナウィルス感染症に苦しめられることになりました。地球環境の変化、新たな感染症の流行など解決の難しい問題が次々とやってきます。卒業生の皆さんの前にはこうした難しい社会が広がっていますが、皆さんの若い力がこの社会を切り開いていくものだとも言えます。

ウィリアム・オスラー博士の一説を取り上げ皆さんへの言葉といたします。「私の説く『生き方』とは長年にわたり、絶えず反復することで徐々に身についてゆく習慣の事である。それはその日１日を生き、その日１日の仕事を全うするための実践であり、船に例えるならば、防水区画ならぬ防日区画の中で生きるということである。我々は、今日１日の糧を求めることを許されており『明日のことを思い煩うな』とはっきり命じられている。・・・未来は若者のもの、と人は言うが、今日という日があって初めて明日という日が実在するのだ。過去を振り返らず、将来を思い煩わずにいれば心の平静を見出すことができる」さて、皆さんの前には、困難は多いけれど挑戦すべき未来があります。

本日の花はルピナスで、その花言葉は「あなたは私の安らぎ」です。

皆さん、卒業後も自信をもって進み、患者さんからこの花言葉をいただける日が来ることを祈念いたします。

春の訪れを感じるこの良き日に私たち３８名は３年間の学業を修め卒業式を迎えることが出来ました。新型コロナウィルス感染症により縮小することとなりましたが、本日卒業式が開催できることを卒業生一同、心より御礼申し上げます。

振り返ってみると長いようであっという間の３年間でした。入学当初、看護の基礎となる知識や技術を学ぶことへの喜びを感じる毎日でした。戴帽式では看護師になることへの決意を胸に刻んだことが懐かしく思い出されます。実習では患者さんにとってより良い看護を提供したいと一人ひとりが向き合い戸惑い悩むことも多くありました。躓いても苦しくても乗り越えられたのは皆さまの根気強い指導のおかげと感謝しております。また、一緒に分かち合える１１１回の仲間がいてくれたことも大きな支えでした。患者さんとのかかわりから培った看護観を基礎に理想とする看護を深めていきたいと思います。この３年間を支えてくれた家族に改めて感謝したいと思います。そしてお世話になった皆さまに恥じることのない立派な看護師になります。