YOKOHAMA PARADA Spec-XPARADA Spec-X(パラダ・スペックX)は、17イン...

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text: Kenichi Sakurai (櫻井健一) photo: Hidenori Hanamura(花村英典) ルックスやサイズ、価格だけのタイヤ選びを卒業するこだわりの選択 SUV用のタイヤで、重要視すべきはトータル性能とそのバランス。 あらゆる路面状況や、どんなシチュエーションにも対応する必要があるSUVでは、 なにかに突出した性能がかえってSUV本来のパフォーマンスの妨げになる。 ラグジュアリー・ドレスアップタイヤとして支持されているヨコハマタイヤのPARADA Spec-Xは そうしたバランスに優れ、プロショップが採用指名ブランドとして定評のあるタイヤだ。 今回はスタートから20年近い歴史を持つ、エルフォードが手がけたレクサスLX570をサンプルに、 モディファイされたラグジュアリーSUVとPARADA Spec-Xのマッチングをチェックしたい。 トータルパフォーマンスの高み PARADA Spec-X YOKOHAMA ヨコハマ・パラダ・スペックX SUV TIRE CATALOG 01 オールマイティな性能で 高級SUVにもマッチするプレミアムタイヤ、 PARADA Spec-X。 120 SUV STYLE

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text: Kenichi Sakurai(櫻井健一) photo: Hidenori Hanamura(花村英典)

ルックスやサイズ、価格だけのタイヤ選びを卒業するこだわりの選択

SUV用のタイヤで、重要視すべきはトータル性能とそのバランス。あらゆる路面状況や、どんなシチュエーションにも対応する必要があるSUVでは、なにかに突出した性能がかえってSUV本来のパフォーマンスの妨げになる。ラグジュアリー・ドレスアップタイヤとして支持されているヨコハマタイヤのPARADA Spec-Xはそうしたバランスに優れ、プロショップが採用指名ブランドとして定評のあるタイヤだ。今回はスタートから20年近い歴史を持つ、エルフォードが手がけたレクサスLX570をサンプルに、モディファイされたラグジュアリーSUVとPARADA Spec-Xのマッチングをチェックしたい。

トータルパフォーマンスの高み

PARADA Spec-XYOKOHAMA

ヨコハマ・パラダ・スペックX

SUV TIRE CATALOG 01

オールマイティな性能で高級SUVにもマッチするプレミアムタイヤ、PARADA Spec-X。

120 SUV STYLE

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SUV TIRE CATALOG ① YOKOHAMA PARADA Spec-X

121SUV STYLE

 ドレスアップを望むユーザーにとって、自身の思

う愛車の姿を想定しながらあれこれとプランを練る

のは何よりの楽しみであるに違いない。しかし、エア

ロパーツやホイール、サスペンションに頭はまわっ

ても、タイヤは「サイズが合って安ければなんでも

いい」という、こだわりをもたない選択が少なくない

……と、SUVのカスタムを手がけるプロショップス

タッフが嘆いていたことがある。確かに。タイヤはす

べて黒くて丸い。気に入ったデザインのホイールが

決まれば、タイヤはとりあえず付いていればいい。

分からなくはないが、しかし、この時点でドライビン

グという、クルマ本来の楽しみをひとつ失っている

ことをもう少し意識して欲しい。

 オンロード系のSUVユーザーにとって重要なの

は、タイヤのトータルパフォーマンスだ。もちろんルッ

クスも重要で、さらには自分の求めるサイズがライ

ンナップされているかどうかも確認する必要があ

る。そして時代は「エコ」である。好き嫌いを問わず、

このキーワードは避けて通れない。乗用車に比べて

どうしても燃費が不利になるSUVでは、このポイン

トも抑えて欲しい。タイヤだけで燃費は数%変化す

る。たかが数%でも、年間の走行距離に直すと馬鹿

にならないのは、足し算ができれば分かる道理だ。

 世界的なSUVブームもあって、タイヤメーカー

各社からSUVにもマッチする大口径ホイール対応

の製品が登場しているが、なかでもヨコハマゴムの

PARADA Spec-X(パラダ・スペックX)は、17イン

チから24インチまでという(編集部調べ)その豊富

なサイズラインナップとトータルパフォーマンスで

人気をリードしているモデルだ。

 パターンデザインは独得の方向性パターンで、

センターを境に左右対称となるアグレッシブなルッ

クスだ。タフな4WDからクロスオーバーまで、車種

を選ばないマッチングをみせてくれるはずである。

実際今回の取材車両であるエルフォードのエアロ

パーツでドレスアップされたレクサスLX570のスタ

イリングにも完璧にマッチしており、ラグジュアリー

SUVにこそ履いて欲しいタイヤだという印象を持っ

た。操縦安定性や安全性と同等に、やはりタイヤに

とってルックスは重要である。

 しかしこのパターンデザインは、見かけだけのも

のではない。センターに採用されているツインウ

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SUVにとって重要なのは、どんな環境下でも対応可能な総合性能。このタイヤは、そうしたSUVが求める性能を高い次元でバランスしている

ホイールは22×9.5サイズのSPLENDOR。ハイパーシルバーとグロスブラックを用意。¥68,250

本家よりも早くスピンドルグリルをイメージしたデザインを採用していたELFORDのLX570。

高級SUVに相応しいデザインとフィッティングクオリティ。ELFORDというブランドを紹介するには、このふたつの要素がまず外せない。今回の取材車両は、逆車のレクサスLX570。間違えないで欲しいのは、これは先のデトロイト・ショーで登場したマイナーチェンジ後の最新モデルではないということだ。ELFORDでは、LX570がマイナーチェンジするよりも早く、レクサスの新しいアイデンティティである“スピンドルグリル”と呼べるイメージのデザインをフロントフェイスに投入している。これにより、現行モデルのLXシリーズであっても、最新モデルに近いフィニッシュのモディファイが可能になった。このフロントバンパースポイラーをはじめとして、マフラーインリアバンパーやホイールなどでLX570をトータルコーディネートできるのはもちろんのこと、ブラック加工したエンブレム、カーボンラッピングを施したフロントグリル、オリジナルステンレスモールなど、サンプルカーのモディファイメニューは多岐に渡る。モディファイの詳細、エアロパーツなどの価格はELFORDブランドを手がけるMEIWA TEL048-966-3551までお問い合わせを。 http://www.meiwa-net.com/

機能美を表現したラグジュアリースタイルELFORD LEXUS LX570 エルフォード・レクサスLX570 

マフラーエンドをバンパーに内蔵した特徴的デザインを採用したマフラーインリアバンパー。

グリルのカーボンラッピングでイメージを精悍にした取材車。モディファイのお手本になる。

エアロパーツのほか、3DウインドウトリムなどでシックにまとめたELFORDのLX570。高級車に見合ったセンスでコーディネートされている。

122 SUV STYLE

エーブリブが優れたハンドリングと静粛性をもたら

し、コーナリング時に負荷のかかるショルダー部分

には、路面への追従性を確保する高剛性ショルダー

ブロックと、路面との接地音を和らげパターンノイズ

を低減するサイレントカーブと呼ばれる独得のデザ

インが採用され、偏摩耗も抑制されている。さらに、

センターグルーブとショルダーブロックの間に位置

する、斜めのパターンにも秘密がある。ラウンドブ

ロックと呼ばれるこの扇形のブロックは、よく見ると

各ブロックのエッジが斜めにカットされているのだ。

これが新品時でのウエット性能を向上させている。

ルックスだけでなく計算されたハイテクが、そこに

は活かされているのである。

 一方コンパウンドは、シリカリッチコンパウンドと

呼ばれる、タイヤの素材としてはお馴染みになったシ

リカの配合比率を高めたコンパウンドを採用。転がり

抵抗を低減しながら、つまり低燃費性能を確保しなが

ら、高いウエット性能も発揮しているのだ。雨の日の

安心感は、誰もが享受可能なPARADA Spec-Xの

美点である。スポーツカーならグリップ力を優先にす

れば、ほとんどのユーザーはその性能に合格点を与

えるだろうが、SUVにとって重要なのはやはりオー

ルシーズン、オールウエザーでも対応できるトータ

ルパフォーマンス。PARADA Spec-Xは、そうした

あらゆるシチュエーションに対して、高いバランス性

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SUV TIRE CATALOG ① YOKOHAMA PARADA Spec-X

高級SUVにもマッチするスタイリッシュで独得のトレッドパターンは、デザインを優先した昨今流行の海外ブランド大内径SUV用タイヤとは一線を画す、本格的な機能とヨコハマタイヤの開発力に裏付けられたものだ。すべての路面コンディションに対応するタイヤとしてのトータル性能は、カマロやマスタングに代表される大内径タイヤを履く乗用車にもマッチする。バリアブルピッチテクノロジーを採用したブロック配列で静粛性や耐摩耗性を確保し、リッチシリカコンパウンドの採用で、転がり抵抗の低減や高いウエット性能を発揮する。

オールマイティという意味を教えてくれるPARADA Spec-X パラダ・スペックX 

取材車には305/40R22 114Vサイズを装着。

PARADA Spec-X特設サイトhttp://www.parada-x.com

※サイズは編集部調べ。

YOKOHAMA PARADA Spec-X

方向性パターンによってデザインされたPARADA Spec-X。レインフォースドタイヤのラインナップが充実しているので、ロードインデックスを下げずにインチアップが可能だ。

インチ サイズ

24

255/30R24 97V295/35R24 110V305/35R24 112V315/35R24 114V325/45R24 116V

22

255/30R22 95V265/30R22 97V285/30R22 101V255/35R22 99V265/35R22 102V285/35R22 106V265/40R22 106V285/40R22 110V305/40R22 114V285/45R22 114V305/45R22 118V325/50R22 116V

20

255/40R20 101V275/40R20 106V245/45R20 99V255/45R20 105V275/45R20 110V295/45R20 114V245/50R20 102V255/50R20 109V265/50R20 111V285/50R20 112V305/50R20 120V235/55R20 102V275/55R20 117V

19 235/55R19 101V

18

235/55R18 100V225/60R18 100H235/60R18 103V245/60R18 105H235/65R18 106H

17 225/65R17 102H

123SUV STYLE

能を持っている。これはアグレッシブともいえるルッ

クスからも読み取れる。タイヤの溝を深めに掘ってい

るのが何よりもその証拠になる。また、ドライ、ウエッ

ト、そしてスノーにも対応可能なM+Sであることも

見逃せないポイントだ。溝は深いがブロック剛性が

確保されているので、ステアリングを切った際や高

速コーナーで、ヨレや腰砕け感に悩まされることもな

いはずだ。タイヤを選ぶ際は、サイズや価格だけでな

く、こうした点も抑えて欲しい。タイヤに限らず何事

もそうだが、ひとつの性能に特化した製品を作るの

は容易い。しかし、タイヤにとってバランス良くすべ

ての要求性能を高めていくことのほうが難しく、どれ

だけ重要であるかが、すべてのフィールドを相手に

するSUVに乗ると理解できる。PARADA Spec-X

は、このバランスが優れている。何かを犠牲にして何

かを突出させたところがない。言うのは簡単だが、こ

れを実現するのはかなり難しい。

 使用のほとんどがオンロードであっても、せっかく

装着するのだからSUVの行動半径と可能性は狭め

たくない。乗り心地を重視してあえてオンロード用

のタイヤを履くSUVが増えてはいるが、自らのポテ

ンシャルをダウングレードする必要はない。最終的

な路面とのコンタクトはタイヤがすべて担っている

ことを忘れずに、そしてSUVに不可欠な性能は何

かを思い出し、タイヤをセレクトして欲しい。