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U D トラックス株式会社 ESCOT-V 通称名 車両型式 エンジン型式 適用時期 出典資料 LDG-CK LDG-CV LDG-CD GHllTA LKG-CD GHllTB 整備要領書 2010 大型トラ ック別冊 クオン LDG-CW GHll TC 2010.7 トランスミッシ ョン LKG-CW GH13TD . ESCOT-V LDG-CG GH13TE LKG-CG LDG-GK 1 概要 ( 図- 1) 前モデルの ESCOT -AT N の性能を 更 に向上させ, 2 ペダル方式を採用し,発進から停止及び後退までク ラッチ操作を不要 とした。12 段トランスミッションは,前モデルよりワイドなギヤ・レシオを備え,発進 に使用する低速段側のギヤ・レシオを深く,かつ,巡航に使用する高速段側ギヤ・レシオを浅くする ことが できる。高い発進駆動力と経済的な巡航を両立するハイポテンシャルなトランスミッションであり, 高度な 自動変速制御と組合せることで,幅広い 走行シーンで「カ」と「経済性」の両立 を図 った。 ESCOT: Easy & Safety.Controled . Transmission -1 ESCOT-V i i

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U D トラックス株式会社

ESCOT-V 通称名 車両型式 エンジン型式 適用時期 出典資料

LDG-CK系LDG-CV系LDG-CD系 GHllTA LKG-CD系 GHllTB 整備要領書2010 大型トラ ック別冊

クオン LDG-CW系 GHll TC 2010.7 ~ トランスミッシ ョン

LKG-CW系 GH13TD . ESCOT-V

LDG-CG系 GH13TE LKG-CG系LDG-GK系

1 概要(図-1)

前モデルのESCOT※ -ATNの性能を更に向上させ, 2ペダル方式を採用し,発進から停止及び後退までク

ラッチ操作を不要とした。12段トランスミッションは,前モデルよりワイドなギヤ・レシオを備え,発進

に使用する低速段側のギヤ・レシオを深く,かつ,巡航に使用する高速段側ギヤ・レシオを浅くする ことが

できる。高い発進駆動力と経済的な巡航を両立するハイポテンシャルなトランスミ ッションであり, 高度な

自動変速制御と組合せることで,幅広い走行シーンで「カ」と「経済性」の両立を図った。

※ESCOT : Easy & Safety. Controlled . Transmission

図-1 ESCOT-V

ウi

iつム

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-E・E・1) 操作方法(図-2)

ESCOT-Vは,変速操作を自動で行う 。

発進ギヤ段の選択をすれば,アクセルを踏むだけで自動クラッチにて発進し停車時には発進ギヤ段をセッ

トした状態に戻る。走行中は自動変速するので,発進から停車までシフト・レバー操作な しで走行できる。

自動変速の走行中でも,シフ ト・レバーをアップ・ダウン操作するだけで任意の変速も可能で,エンジン・

オーバランを起こすような変速は受け付けないので安心して操作できる。

SPLスイッチ

、_.1" ___E.Dモード-

~ u スイッチ

図-2 操作方法

ウォーニング・ランプ

黄色 赤色

ESCOT ESCOT パイロット・ランフ。

ECO E・D

|回j

(1) 発進ギヤ段のセット方法(図-3, 4, 5)

ブレーキ・ペダルを踏みながら,シフト・レバーを“Hold(H)"位置からアップ(又はダウン)操作すると,発

進段ギヤがセッ トされる。操作後,シフト・レバーから手を離すと Hold(H)位置に戻る。

アップ操作時

ダウン操作時

発進ギヤ段

l 速 LOW~3速 HIGH 間の最適な前進ギヤを自動選択

l速・ LOW

①ニュートラルを確認

s-li ②ブレーキ・ペダルを踏みながら

①シフト・レバーを“アップ"

又は“ダウン"に操作

DOWN R

④発進段ギヤ・セット

図-3 発進ギヤ段のセット方法

-278 -

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-E・E・ブレーキ・ペダルを踏まずに, シフト・レバー操作をし

た場合, “ブレーキ操作要"のメッセージを表示する。こ

の場合,発進段ギヤはセットされないので,ブレーキ・

ペダルを踏みながら シフト・レバーを再操作する。

発進段ギヤがセットされると,多重表示モニタにギヤ位

置を表示する。

シフト・レバーをアップ又はダウン操作すると,必要に

より発進ギヤ段を変更することができる。

ギヤ位置表示を確認し,パーキング・ブレーキを戻して

~ ~ ~

ブレーキ操作要

t "' "'

図-4 メッセージ表示

から,ブレーキ・ペダルから足を離しアクセル・ペダルをゆっくりと踏み込むと, 自動でクラッチが接続さ

れて発進する。

①パーキング-ブレーキを戻す

、③アクセル・ペダルを踏み込む

②ブレーキ・ペダルを離す

図-5 発信方法

(2) 自動変速走行(図-6,7)

発進して走行状態になると, E.Dモード・スイッチが“ON"でシフト・レバーがHold(H)位置にあれば,

アクセルの踏み込み加減とエンジン回転速度に応じて自動変速する。

E.O

シフト・レバー (H)位置

UP N Hold

刊N

DOWN R

アクセル・ペダルを踏み込む

図-6 自動変速走行(1)

-279 -

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-11_.. アクセル・ペダルの踏み込みが少ないと低いエンジン回転速度でシフト・アップ,踏み込みが多いと高いエ

ンジン回車え速度でシフト・アップする。

アクセル・ペダルを踏んでいても 走行状況によりシフト・ダウンする場合がある。

エキゾースト・ブレーキ・スイッチを“3段日'又は“4段目"位置にしておくと,アクセル・ペダルの戻しに

連動して自動で適切なギヤ段にシフト・ダウンする。

‘4段目‘ 3段目.2段目.1段目

図-7 自動変速走行(2)

キック・ダウン・セレクト機能の“踏力変化点"を越えてアクセル・ペダルをいっぱいに踏み込むと動力性能

を重視したギヤが選択されシフト・ダウンする。

亙E キック ダウン セレクト機能とはアクセル・ペダルを軽く踏み“踏力変化点"があるところから,更に強く

踏み込むと若干の踏み込み代がある。この踏み込み代がキック・ダウン・セレクト機能のアクセル範囲である。

踏み込み代は全ストロークの 10%程度と少なく,事前にエンジン停止状態で確認すること。

シフト・ダウンはアクセルの踏み込み加減と走行状況により 12段の中から最適なギヤ段が選択される。

(3) 走行中のシフト・レバー操作

(イ) 変速パターン例 (SPLスイッチ“OFF"時)(図-8)

SPLスイッチを“OFF"にした場合, 1回のレバー操作でl段ずつシフト・アップ・ダウンする。(6段モード)

-吟シフト・アップ操作

〈コシフト・ダウン操作

回き巨司君固さ圃き固き圃r1 ~

司君巨司君固さ司君巨司君圃図-8 変速パターン例(SPLスイッチ“OFF"時)

-280 -

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-11... (口) 変速パターン例 (SPLスイッチ“ON"時)(図-9)

SPLスイッチを“ON"にした場合, 1回のレバー操作で半段ずつシフト・アップ・ダウンする。(12段モード)

-吟シフ ト・アップ操作

Cコシフト・ダウン操作

固 圃団団固固

¢ぞ与さ予ぞ写ぞ¢ぞ45EEEEE固圃固

図-9 変速パターン例(SPLスイッチ“ON"時)

川 E・Dモード・スイッチとの関係

E.Dモード・スイッチが“ON"で自動変速による走行中も,シフト・レバーのアップ・ダウン操作で変速

ができる。

E.Dモード・スイッチが“ON"で,走行時にアクセル・ペダルを踏みJながらシフト・レバーで変速したと

きに, SPLスイッチが“OFF"でも, 1段ずつシフト ・アップ・ダウンしない場合がある。これは適正なギヤ

段への変速を行うためで異常ではない。必要に応じてE.Dモード・スイッチを“OFF"にして,シフト・レ

バー操作を行う 。

登坂路の手前であらかじめ適正なギヤ段を選択するなど,道路状況を先読み したシフト・レバー変速を併用

することで,よりスムーズな走行が可能である。

シフ ト・レバー操作を行っても,エンジンがオーバランやアンダランするような変速は受け付けない。この

場合,車速を見直してシフト・レバー操作をやり直す。

-281 -

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-E・E・(4) 走行から停車(発進ギヤ段の自動セット)(図一 10)

E'Dモー ド・スイッチが“ON"で“自動変速"による走行中に,アクセル・ペダルを戻してブレーキ・ペダ

ルを踏んで減速すると,車速の低下に合わせてシフ ト・ダウンする。

E'Dモード・スイッチの“ON/OFF"に関わらず,停車時は自動でクラッチを切って発進ギヤ段に切り替え,

“発進ギヤ段の自動セッ ト"の状態で待機する。

① 2速で走行中

35J ③発進ギヤ段の自動セット

②ブレーキ・ペダルを踏みながら

減速→停車

図-10 走行から停車(発進ギヤ段の自動セット)

(5) 長時間停車・駐車の操作(図-11)

長時間停車したり駐車したりする際は,シフト・レバーを“NHold"位置に操作して,ギヤ位置iNJ表示又

はブザー音(ピピッ)を確認する。

d

合一

N一凶ハパ

DOWN R

図-11 長時間停車・駐車の操作

-282 -

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-1.... (6) 後退(R)時の操作(図-12)

車両停止状態でブレーキ・ペダルを踏みながら,シフ ト・レバー“R"位置に操作すると,後退段ギヤがセッ

トされる。

後退段ギヤがセッ トされると,ギヤ位置表示がiRJに切り 替わる。

ギヤ位置表示を確認しブレーキ ・ペダルから足を離しアクセル・ペダルをゆっくりと踏み込むと,自動で

クラッチが接続されて発進する。

セットされるギヤ段

SPLスイッチ“OFF"

SPLスイッチ“ON"

R.LOW

R. HIGH

①ブレーキ・ペダルを踏みながら

②シフト・レバーを“R"に操作

UP N Hold

(H)日DOWN R

③後退段ギヤ・セット

SNJ 。SHJ

図-12 後退(R)時の操作

(7) E・Dモード・スイ ッチ“OFF"時の走行

E'Dモード・スイッチ“OFF'のときは,手動変速モードになり,走行中はシフト・レバー操作で変速する。

右・左折時の減速など,大きく減速 したと ころから再加速する場合は,シフ ト・レバーを“N"→“アップ(又

はダウン)"操作する。車速に合わせて最適なギヤ段が選択できる。

283

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-11_.-(8) ブザー音と操作メッセージ(図-13)

ブザー音とともに多重表示モニタ内の操作メッセージで 運転状況や操作方法を知らせる。

ブザー音

2回音

「ピッピッ j

断続音

「ピー ッ ・ピー ッ・

ピー ッ・・….J

断続音

「ピ・ピ・ピ・ピ・ピ...J

メッセー ジ

E盟国国国

-彊謹誼置誼国・

EZ盟E直宮霊ヨ・

E富盛田iI+l!II

• • • レバー N操作要

T T ... ‘

状況

シフ ト・レバー操作により,“N"

に変速が完了 (N確定フサー)

“R"にギヤが入っています

(後退ブザー)

対応操作

周囲の安全を確認して運転してくだ

さい

l降車する場合は,シフト・レバーを発進ギヤ段の自動セット状態中に |

|‘N Hold'位置にしてパーキング・ドアが聞きました(ドア開け警報) I

|ブレーキをかけてください

シフト レバーが故障しました |非常シフ ト装置で走行してください

ブレーキ・ペダルを踏まずに発進 |ブレーキ・ペダルを踏んで発進ギ

ギヤ・セ ット操作されました |ヤ・セ ットしてください

周囲の安全を確認して運転してくだESCOT. ROLLが作動中

さい

図-13 ブザー音と操作イメージ

(9) 非常メイン・スイッチ(図一 14,15)

通常走行から非常走行モードに切り替えるスイッチである。

非常シフト操作時又はエンジン再始動する場合は,安全カバーを開け非常メイン・スイッチを“ON"にする。

これにより非常シフト操作の準備ができる。

押す :非常走行

図-14 非常メイン・スイッチ

-284 -

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-1'_.-〈安全カバーの開け方〉

安全カバーを外すときは,図示の凸部を利用して取り外す。

図-15 安全カバーの開け方

。同非常シフト・スイッチ(図-16)

シフト・レバーのかわりにトランスミッションのギヤ段を切り替えるスイッチである。

非常メイン・スイッチを“ON"にした後,ブレーキ・ペダルをしっかりと踏み込み非常シフト・スイッチを

回すとギヤ段がセットされる。

多重表示モニタのギヤ段表示を確認し,ブレーキ・ペダルを離し,アクセル・ペダルを踏み込むと非常走行

カまできる。

ニュートラル(N)から後退(R),又は後退(R)からニュートラル(N)へ操作するときは,ゆっくりと多重表

示モニタのギヤ段表示を確認しながら操作する。急激に操作すると,ギヤ・シフ ト・ユニットの作動が追従

できず,ギヤ・シフトが正常に行われないことがある。

非常シフト・スイッチ使用後は“N"位置に戻し必ず非常メイン・スイッチを“OFF"にすること。

場合によっては,ギヤ段を表示しない場合がある。

図-16 非常シフト・スイッチ

(11) N Hold口ック解除レバー(図-17)

ESCOTシステムの故障時に,ブレーキ・ペダルを踏ま

なくても,シフト・レバーを“NHold"位置から“N"位

置への操作を可能にするレバーである。

レバーを押し込んでいる間,ロックが解除される。

N Holdロック解除操作時は,安全カバーを開けレバー

を押し込みながら,シフト・レバーを“NHold"位置か

ら“N"位置に操作する。

-285 -

ロック解除

安全力パー

図-17 N Holdロック解除レバー

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-E・E・(12) フリー・ローラ使用時の注意事項(図-18)

ESCOT-V搭載車で,フリー・ローラを使用して車検又は一般整備などを行う場合,以下の点に注意する o

E'Dモード・スイッチ"OFF"(手動変速モード)で変速する。

ESCOT-Vの変速は,フロント・アクスルの車輪速信号を使用して自動変速を行っている。よって,後輸

のみローラ上で回転している場合は,前輪が固定されているため,フロント・アクスルの車輪速信号が来な

くなり,正常な自動変速をしない。

フルアクセル状態を 10秒以上続けないように注意する。

フリー・ローラ上など,後輪のみ回転している場合, ESCOT-V特有の制御により, E'Dモード・スイッ

チON/OFFに関らず「フルアクセル状態を 10秒以上継続させるJ操作をすると 非常にシフト・アップしに

くくなる。

ASR(UDSC)付き車は, ASR (UDSC/ ASR)カット・スイッチを OFFにする。

※フ リー ・ローラ使用時,シフ ト・ア ップしないなどの現象が発生 した際は,下記のいずれかの対応をする。

①一旦,車両をフ リー・ローラから移動し,再度ローラを使用する。

②ブレーキ・ペダルを踏んだ状態で「キー OFFコ約10秒経過コキー ONJ操作をする。

(ブレーキ・ペダルを踏まずに「キーOFFコキー ONJすると, EBS系エラーを検出してしまう可能性があ

る。)

チ圃ドド

ッ-一一

M-モモ

J-速

い-変変

J

,-動動

ト-自手

------

D園田

E1

1.B

N

F

E

・00 選ら

N Hold

N

R

E.Dモード・スイッチを

OFFにする。DOWN ・・・H ・H ・...Up

図-18 フリー・ローラ使用時の注意事項

2) クラッチ

ESCOT-Vでは,クラッチ・ブースタが,クラッチと同軸にあるクラッチ・シリンダに変わり,重量を低

減し応答性が向上した。

ESCOT-AT N

有り

有り

ESCOT-V

なし

なし

-286 -

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-E・E・3) ギヤ・ボックス(トランスミッション)

ESCOT-V専用の新12段トランスミッションを採用。

新 12段T/M諸元

ユニット呼称 AT02612D

操作方式 オートマチック式(ESCOT-V)

ギヤ歯 ヘリカル・ギヤ(全速)

l速 LOW 11.729

l速 HIGH 9.211

2速 LOW 7.094

2速 HIGH 5.571

3速 LOW 4.348

3速 HIGH 3.414

4速 LOW 2.698 変速比

4速 HIGH 2.118

5速 LOW 1.632

5速 HIGH l.281

6速 LOW l.000

6速 HIGH 0.785

後退 LOW 13.727

後退 HIGH 10.779

オイル量[LJオイル・クーラ付き 16.0

オイル・クーラなし 16.8

PTO出力トルク [NmJ 500

4) 電子制御

(1) 自動変速(E'Dモード)

1

より精度が高い勾配検知と重量推定が可能になった。コンピュータが車両の負荷状態をきめ細かくチェック

し,最適なタイミングで自動変速する。 また,停車時に適切な発進ギヤを自動で選択する。

E.Dモード・ 発進時の発進モード

変速時の 変速時の変速モード

スイッチ操作 クラッチ操作 クラッチ操作 レバー操作

OFF 不要 自動発進 不要 要 手動変速

ON 不要 自動発進 不要 不要 自動変速

(イ) 発進時

勾配と重量に応じて適切な発進ギヤ段を自動で選択する。スムーズな発進・加速により交通の流れに乗った

走行が可能である。

(口) 通常走行時

アクセル操作に応じて適切なタイミングでシフト・アップ,ダウンを行う 。走行状態に応じてより燃焼に適

切なギヤ段を自動で選択する。加速時に重量に合わせて最適な飛びシフトを行うので,経済的な走行が可能

である。

川登坂路走行時

登坂勾配,重量に合わせて適切なタイミングでシフト・アップ,ダウンを行う 。変速後の車両挙動を予測し

て変速するので,シフト・ダウンの遅れによる失速やシフト・アップ・ダウンの繰り返し(ビジー・シフト)

を最小限に抑えたスムーズな走行ができる。

-287 -

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-E・E・(ニ) 降坂路走行時

降坂状態を的確に検知してギヤ位置を保持するので,エンジン・ブレーキを利かせた走行ができる。エキゾー

スト・ブレーキ・スイッチ (3段目, 4段目)を使いiESCOTオートシフトダウン機能Jを併用すると,更に

安心な降坂走行が可能である。

(2) ECONOMY E・D(エコノミ・イーディー)(図一 19)

通常より早めのタイミングでシフト・アップする。

より低いエンジン回転での巡航走行を可能とし,省燃費運転をサポートする。

ON: 平坦路での省燃費走行をアシストする変速モードである。(低回転変速モード)

OFF:山岳路,起伏のある地形での動力性能を重視した変速モードである。(ONに対して高回転モード)

① E.Dモードの表示を確認 ② ECONOMY E.DスイッチをONI③ ECO E・Dランプの点灯を確認

注意!

このスイッチは,シフ卜・ノ

ブ相自の fE'Dスイッチjが,

“ON"状態でないと作動しま

せん。

図-19 ECONOMY E・D(エコノミ・イーテεイー)

(3) ESCOT' ROLL (工スコット・ロール)(図一20)

アクセル閉で惰行走行時,自動で、スプリッタ・ギヤをニュートラルにする。

エンジン・ブレーキを庶断して惰行走行時の速度低下を抑制する。

再加速時に必要な燃料をセーブすることで省燃費運転をサポー トする。

' ' 車速 -E翠翠a・加速時聞が短い

ために効果有

/'三》燃料消費量の差

&・ー'ー

累積燃料

消費量。

s・・ --ヨ望L一一一一-

一'... ・・・ ・・・ ーー

100 200 300 400 走行距離(m)

図-20 ESCOT・ROLL(工スコット・ロール)

288

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-u・(4) ESCOTオート・シフト・ダウン(図一21)

エキゾースト・ブレーキ・スイッチのレバー操作位置に応じて減速時オート・シフト・ダウンのエンジン回

転速度を選択できる。

エンジン・ブレーキを強く効かせるように,低めのギヤ段を選択する。

エンジン回転を高めることで,補助ブレーキ力をより効果的に働かせることができる。

エキゾースト・ブレーキ・スイ ッチを 3段目又は4段目に位置 しておくと,アクセル・ペダルの戻 しに連動

して自動で、適切なギヤ段にシフト・ダウンする 0

・レバー3段目:アクセル閉で減速時に通常より高めのエンジン回転になるようなシフト・ダウンが作動する 0

・レバー4段目 :3段目より更に高めのエンジン回転になるようなシフト・ダウンが作動する。 より 高いエン

ジン回転で減速するので 強い補助ブレーキ力を効かせることができる。

リターダ・補助ブレーキ

スイッチ位置 エキゾースト・ ブレーキ ESCOTオート・及びEEブレーキ シフト・ダウン

OFF × ×

l段目 O(弱) ×

2段目 O(強) ×

3段目 O(強) O(弱)

4段目 O(強) O(強)

図-21 ESCOTオート・シフト・ダウン

-289 -

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2 構造・機能

1) 構成部品の構造・作動

(1) クラッチ (図-22)

-11...

クラッチ・シ リンダは,クラッチの摩耗を計測するポジション・センサを持つインプッ ト・シャフ トの周り

を同心状に動くクラッチ・ハウジングの中に位置 している。バルブ・ユニ ットはクラッチ・シ リンダをコン

トロールし,クラッチ・ハウジングの外側に位置する。

直童日 クラッチ関連の部品交換が発生した場合は,専用診断機器にて校正作業が必要。又,校正作業時には同時に,

車両データを管理しているデータ・ベースにクラ ッチ ・ストローク開始位置の数値が登録される。

01)

図-22 クラ ッチ

(2) ギヤ・ボックス (トランスミッション)(図-23, 24)

バルブ・ユニッ ト

ポジション・センサ

トランスミッションの構造は三つの主要部分から構成される。クラッチ・ハウジング ベース・ハウジング

及びレンジ・ハウジングである。クラッチ・ハウジングは, トランスミッションの前端部プレー トを構成す

る。ベース・ハウジングは,メイン・シャフ ト,カウンタ・シャフト及びリバース・シャフトに加えて, コ

ントロール ・ハウジングに組み込まれるセレクタ・ユニッ トを含む。 レンジ・ハウジングにはレンジ・ギヤ

遊星車装置及びアウトプッ ト・シャフ トを含む。

図-23 ギヤ・ボックス(トランスミッション)(1 )

-290 -

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-E・E・(イ) シンク口・ナイザ(図ー 25)

スプリッタ・ギヤ(A)はシンクロ・ナイザ付き。

メインのギヤ・ボックス・ハウジング(B)のギヤにシンクロ ・ナイザなし。

レンジ・ギヤ (C)はシンク ロ ・ナイザ付き。

図-25 シンク口・ナイザ

(口) パワー・トレイン (ギヤの組み合わせ代表例)(図ー26)

(凡例)ス リーブの動き 4・:スプリッタ 4・:メイン・ギヤ 告 :レン ジ

〈ニュー トラル 1)

〈後進ギヤ R1(レンジLow))

<6速ギヤ 3-Hi (レンジLow))

スプリッタ

Low

スフ。リッタ

Low

スプリッタ

Hi

メイン ・ギヤ

フリー

メイン・ギヤ

R

メイン・ギヤ

3

12速と同じ

-292 -

レン ジ

Hi又はLow

レン ジ

Low

レン ジ

Low

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-u-.-トランスミッションの主要部分は,インプット・シャフト,メイン・シャフト,セレクタ・ユニット付きレ

ンジ・ギヤ,カウンタ・シャフト, リバース・シャフト付きオイル・ポンプに加えて,セレクタ・ユニ ット

付きコントロール・ハウジングである。

後進ギヤの従動輪及び標準ギヤはメイン・シャフトに位置する。レンジ・ギヤのサン・ギヤもメイン・シャ

フトに組み込まれている。カウンタ・シャフトには固定ギヤが付いている。

レンジ・ギヤには遊星車装置が添付されており,アウトプット・シャフトと統合されている。

パワー・テイク・オフを装備したトランスミッションにもドライブ・シャフトが添付されている。

セレクタ・ユニット及びリターダ-ドライブの付いたレンジ・ギヤ

セレクタ・ユニット付きコントロール・ハウジング

リパース・シャフト付きオイル・ポンプ

図-24 ギヤ・ボックス(トランスミッション)(2)

-291 -

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(7速ギヤ 4-Low(レンジHi)>

川 レンジ・ギヤ (図ー 27)

-11_..

スプリッタ

Low

メイン・ギヤ

l速と同じ

図-26 J¥ワー・トレイン

レンジ

Hi

レンジの同期装置はリング・ギヤの外にあり,ユニットの長さを短く制限している。広い同期エリアはギヤ・

シフトの時間を短縮し幅のある斜め歯の遊星歯車のため堅ろうで静かである。

図-27 レンジ・ギヤ

-293 -

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-U D・(ニ) コントロール・ハウジング(図-28, 29, 30, 31)

ギヤは,ギヤ・セレクタを使用して選択する。ギヤを選択すると,システムはエンジン・トルクを適当なレ

ベルに下げた後,ギヤをニュートラルにシフトする。

トランスミッションがニュートラルにシフトした後,エンジン回転速度は選択したギヤの回転速度を受け入

れるように調節され,その後ギヤ・シフトが行われる。

コントロール・ハウジング・カバーには, 二つ又は三つの電気ソケットが付いている。

車両通信

図-28 コントロール・ハウジング

コントロール・ハウ ジングには 9個のソレノイド・バルブが付いている。

図-29 ソレノイド・バルブ

コントロール・ハウジングには以下のコンポーネントが付いている。

・スプリ ット, l/R及び2/3並びにレンジからなる 4本のパラレル・シリンダ0

.4個のピストン位置決め用誘導センサ

・メイン・シャフト用及びカウンタ・シャフト用に各l個,計2個のスピード・センサ。インプット・シャ

フト・スピードはカウンタ・シャフト・センサによ って調整される。

-油温センサ,スプリ ット・ギヤのセレクタ・フォーク及びメイン・トランスミ ッション。油温センサはス

ピード・センサの配線の中に位置する。

-圧力センサ0

・トランスミ ッション用コントロール・ユニ ット(TECU)。

-294 -

J、

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-11_.-レンジ・シリンダ

ポジション・センサ

図-30 コンポーネント

図-31 ポジション・センサ及びスピード・センサの位置

除) カウンタ・シャフト・ブレーキ (図一 32)

カウンタ・シャフト・ブレーキは カウンタ・シャフトの前部にあって発進ギヤが入っているとギヤ・ボッ

クスの回転パーツにブレーキを掛け,これによりギヤ・ボックス摩耗,蓄積物及び騒音が減る。高速への切

り替えでギヤ・チェンジを速くするため ブレーキも使用されることがある。これは 内蔵圧縮空気シ リン

ダを使って作動する。

図-32 カウンタ・シャフト ・ブレーキ

-295 -

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-E・E・(ヘ) 潤滑システム(図-33)

トランスミッションは圧力と吹きかけの組み合わせによって潤滑が施される。

オイルはメイン・シャフトに送られ, レンジ・ギヤに加えてインプット及びメイン・シャフトのベアリング

も潤滑し冷やす。

カウンタ・シャフト・ブレーキ,アウトプット・シャフト・ベアリング,緊急用ステアリング・サーボ・ポ

ンプ・ドライブ, リターダ・ギヤ及びパワー・テイク・オフも潤滑される。

図-33 潤滑システム

-296 -

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-E・E・(a) オーバ・フロー・バルブ(図-34)

潤滑システムには二つのオーバ・フロー・バルブが付いている。一つのバルブは,万一フィルタが詰まった

場合でもトランスミッションの潤滑を保証しもう一つのバルブは,コールド・スター ト時などに起こる恐

れのある過大な圧力を未然に防止する。バルブは圧縮スプリング及びバルブ・ペグから構成される。

〈フィルタが目詰まりした場合,ギヤ・ボックスを潤滑してくれるオーバ・フロー・バルブ〉

〈過大な圧力を防止するオーバ・フロー・バルブ〉

図-34 オーバ・フロー・バルブ

(b) オイル・クーラ(図-35)

オイル・クーラは二つのタイプがあり,エンジンの冷却水を利用した水冷式で、ある。

〈オイル・フィルタ・ハウジングに小型のオイル・クーラを装備(低馬力仕様TC-MWO))

.:$;

(TC-MWO)

〈ギヤ・ボックスの左側に別体式の大型のオイル・クーラを装備(高馬力仕様TC-MWOH2))

.:$;

(TC-MWOH2)

図-35 オイル・クーラ

-297 -

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-E・E・(c) オイル・ポンプ(図-36, 37)

オイル・ポンプはギヤを通じてカウンタ・シャフ トによって駆動される偏心ポンプである。ポンプはリバー

ス・シャフ トの二つのニ一ドル・ベア リングの中に搭載されている。

件シーリング・リング

図-36 オイル・ポンプ

ポンプの高圧側にインサー ト・フィルタ式のフル・フロー・オイル・フィルタがある。フィルタはメイン・

ハウジング上のフィルタ・ハウジングの中に位置し,サポート・パイプがオイル・フィルタ・ハウジング底

部のカバーに取り付けられている。サポート・パイプは,その外側にあるフィルタがつぶれるのを防止する。

図-37 フル・フロー・オイル・フィルタ

298

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-u_._ (d) ベンチレーション (図-38)

ベンチレーション(通気)は,メイン・ハウジングの二つのバルブ穴付き組み込み型エア・ダクトを流れる。

図-38 ベンチレーション

(卜) 工ア系統(圧縮工アの接続)(図-39, 40, 41)

-クラッチ・シリンダ用にコントロール・ハウジングとバルブ・ユニットを結ぶ圧縮空気接続部。

図-39 工ア系統(圧縮工アの接続)( 1 )

-高圧システム用にコントロール・ハウジングと 4ウェイ・バルブを結ぶ圧縮空気接続部。高圧システム用に

コントロール・ハウジングと圧縮空気タンクを結ぶ圧縮空気接続部。

~ 図-40 工ア系統(圧縮エアの接続)(2)

-299 -

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-11... -コントロール・ハウジングとカウンタ・シャフト・ブレーキ間の空気接続部。

なお,コントロール・ハウジング内及び,メイン・ハウジング内にもエア回路が存在する。

図-41 エア系統(圧縮エアの接続)(3)

3 点検・整備のポイント

1 ) オイル・レベルの調整(図-42)

オイル・レベルは, レベル・グラスを使用して点検し,二つのドレン・プラグ及び二つのフイラ・プラグに

よって調整する。過充てんオイルもレベル・プラグで調整する。

〈オイル・レベルを点才食するためのレベル・グラス〉

MAX. OIL. LEVEL

MIN・OIL・LEVEL

図-42 オイル・レベルの調整

-300

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-11... 2) 潤滑油の交換

(1) 潤滑油の性能及び定期交換時期

名称 分類 規格(SAE) 定期交換時期

純正UD ギヤ・オイル・メガGL-4 40

0

C以下 SAE75W/80 400,000km走行毎又は3年毎GL-4(合成油)

(2) 潤滑油の量

仕様 量(リットル)

標準 16.0

PTO付き l.2増し

別体式大型オイル ・クーラ付き 0.8増し

(3) 交換作業の要領

・ドレーン・プラグ締め付けトルク (2箇所共通): 30~40N. m 13.1 ~4.1kgf' mf

-ギヤをニュートラルにし, 1分間以上エンジンを運転する。

-オイル・レベルを点検する。レベルが下がった場合は補給し もう 1分間エンジンを運転する 0

・エンジンを運転しでもレベルが下がらなくなるまで,点検と補給を繰り返す。

3) オイル・フィルタの交換

(1) 交換時期

交換時期:トランスミッション・オイル交換毎

(2) 交換作業の要領(図ー43,44)

①オイル・フィルタのドレーン・プラグを外してオイルを排出する。オイルの排出が終わったらオイル・フイ

ルタのドレーン・プラグを取り付ける。

ドレーン ・プラグ締め付けトルク:30~ 40N' m 13.1 ~4.1kgf' ml

図-43 交換作業の要領①

②オイル・フィルタ・カバーとガイド・スリーブを取り外し,フィルタを交換する。

ぜ三R~、 -",,-~

図-44 交換作業の要領②

-301 -

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-E・E・③新品のフィルタを取り付け,オイル・フィルタ・カバーを取り付ける。

オイル・フィルタ・カバー締め付a けトルク :45 ~ 55N . m 14.6 ~ 5.6kgf. mf

④ トランスミッション・ギヤ・オイルを注入後エンジンを始動し,オイル漏れがないことを確認する。

4) ESCOTシステム警報(図-45)

ESCOTシステム故障時は,ウォーニング・ランプが点灯 し,多重表示モニタにウォーニング・メッセージ

を表示して知らせると共に 必要な処置をコメントで表示する。

ウォーニング・メッセージとコメントは交互に表示する。

ウォーニンクa ・ランフ。(黄) (赤)

ぜ‘T

O

C'

FO

F」

v

b

‘T

O

CV

¥U

F」

』V

図-45 ESCOTシステム警報

ウォ ング・ ウォ ーング・ ウォ ーング・メッセージランフ。 マーク 及びコメント

状況 対応操作

ESCOTシスァム異常ESCOTシステムに故障

ただちに車両を停車して,サー

赤 ESCOT 。サービス工場に連絡して下

さいが発生しています

ビス工場に連絡し修理してく

ださい

車両を停止して下さい発進,走行など車両を動

ただちに車両を停車して,サー

赤 ESCOT 。サービス工場に連絡して下

さいかすことができません

ピス工場に連絡し修理してく

ださい

赤 〈診トランスミッション油温異常

トランスミッションの油。停車し油温を下げてくだ

ただちに車両を停車して,油温

さい温が高温になってます をさげてください

ESCOTシステム異常ESCOTシステムに故障

安全な場所に停車して,サーピ

黄 ESCOT 。サービス工場に連絡して下

さいが発生しています

ス工場に連絡し修理してくだ

さい

ESCOTシスァム異常ESCOTシステムに故障

黄 ESCOT 。サービス工場で点検して下サービス工場で点検してくださ

さいが発生しています v¥

通信異常他のシステムとの通信異

黄 ESCOT 。サービス工場で点検して下サービス工場で点検してくださ

さい常が発生しています v、

D:! PTO異常

トランスミッションPTO安全な場所に停車して,サーピ

黄 。サービス工場で点検して下

さいが正常に動作しません

ス工場に連絡し修理してくだ

さい

4トクフツチディスク摩粍

クラッチが摩耗していまクラッチが摩耗してきています

黄 。サービス工場で点検して下

さいす

ので,サービス工場で点検し,

必要に応じて交換してください

黄 〈診トフンスミッション油温異常

トランスミッションの油 安全な場所に車両を停車させて,。停車し油温を下げてくだ

さい温が高温になってます 油温を下げてください

黄 ESCOT 空気圧不足 システムを作動させるた

ただちに安全な場所で停車し

。空気圧を上げてください めの空気圧が足りませんエンジンをアイドリング運転し

て空気圧を上げてください

-302