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機械設計製図 第2回:授業資料 ポンプの仕様と基礎計算 教室:N棟6階,N602a設計製図室 火曜日 担当:吉川

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機械設計製図

第2回:授業資料

ポンプの仕様と基礎計算

教室:N棟6階,N602a室 設計製図室

火曜日 担当:吉川

授業内容

○ ポンプ機能と比速度(おさらい)

○ ポンプ仕様

〇 演習(仕様計算)

①巻き始め羽根車と渦巻き室外壁の距離が最も小さく通路面積が狭い

②、③と進むにつれ、羽根車と渦巻き室外壁の距離が徐々に大きくなり、通路面積が広がる

渦巻き室に羽根車から吐き出された水を集め、速度エネルギを圧力エネルギに変換する

④(渦巻き室出口)全流量が通過する

3

渦巻きポンプ(演習における設計対象)

前週の復習

吸込み設備形態による構造分類

4

横軸ポンプ地上設置ピットから吸い上げ

ポンプピット内設置 ポンプ貯槽内設置

横軸ポンプ地上設置貯槽から吸込み 立軸バレル型ポンプ

貯槽から吸込み

演習対象 前週の復習

ターボ形ポンプの機能流量と全揚程(要項)

単位時間当たりどの位の量の水(流量)を、

水柱換算してどの位の高さ(全揚程)を持って送り出すか

単位と記号

流量:記号Q 単位;時間当たりの体積(m3/minなど)

全揚程:記号H 単位;位置エネルギ単位である長さ(mなど)

5

流量、全揚程に関するポンプ能力の例

大流量の軸流ポンプ 2000 m3/min以上の流量を送水できる…50mプールの水を1分以内に排水できる能力

高揚程の遠心ポンプでは4000m 級の全揚程を発揮するものあり…富士山の頂上まで水を上げる能力

P18,19前週の復習

全揚程

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2)配管損失、バルブ損失ポンプは、水を流すことで生じる圧力損失分ヘッド(システ

ムヘッド)も供給する必要あり

圧力損失は流速の二乗に比例流速は流量を配管断面積で除した値で、配管径が決まれば流速は流量に比例したがって、損失水頭は次の様に表すことができる

配管損失h1=A1xQ2…‥(3)

吐出し弁損失V1=A2xQ2…‥(4)

A1:配管長さや曲がり(エルボ)や合流の数、タンクへの開放吐出しなどで決定される損失係数A2 :吐出弁の損失係数A1+A2=Aとおけば、式(3),(4)より全揚程H =Ha+AQ2…‥(5)

P76前週の復習

ターボ形ポンプの水動力と効率効率:ターボ形ポンプの性能を論ずる基準となる指標

ポンプの流量をQ(m3/min)、全揚程をH(m)、ポンプが扱う液体の密度をρ(kg/m3)とした時、ポンプが行う有効な仕事を水動力と呼び、水動力は次式で計算される。

ポンプが水動力を出力するために消費する動力が軸動力L(kW)

水動力の軸動力に対する百分率がポンプ効率

7

ポンプ水動力=0.1634 xρx Q x H/1000 (kW)

ポンプ効率η=0.1634ρQH/1000Lx100 (%)

P20

前週の復習

ターボポンプの特性曲線ターボ形ポンプの特性は横軸に流量、縦軸に全揚程、効率、軸動力をとった特性曲線で表す。流量-全揚程曲線はQHカーブともよぶ。

特性曲線で、ポンプの効率が最大値(ピーク効率)となる流量を最高効率点(BEP: Best Efficiency Point )という

通常は、要項点がBEPと一致するように設計する

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

0 20 40 60 80流量Q

ターボポンプの特性曲線(例)

BEP…効率ピークとなる流量と全揚程を設計点と呼ぶ

前週の復習

比速度流量をQ(m3/min)、全揚程をH(m)、回転速度をn(min-1)とした時、比速度(Specific Speed)(以下 Ns)は次の式で定義される

Nsは、ターボ形ポンプの羽根車形状の相似性を表す数値

形状が相似であるポンプのNsは同じ値

羽根車形状は、流量Q,全揚程H,回転速度n,の3要素で決まる

nとQが一定のとき、Hが大きくなるほどNsは小さくなり(低NS)nとHが一定のとき、Qが大きくなるほどNsは大きくなる(高NS)

10

Ns=nxQ1/2 / H3/4

前週の復習

渦巻ポンプ(遠心ポンプ)

P46

前週の復習

渦巻ポンプ P15前週の復習

渦巻ポンプの構造 P15 前週の復習

設計仕様と基礎設計 自分の学生番号から設計仕様を定める。

ポンプの使用例 教科書P75

配管損失計算の注意点・単位の統一全揚程(m)=実揚程(m)+配管損失(m)

流速の単位(m/s)平均流速V=流量/配管断面積

与えられる流量Qの単位(m3/min)→毎秒に換算する・・・Q/60(m3/s)を損失計算に使用

配管内径dsの単位(mm)→mに換算・・・ds/1000(m)を損失計算に使用

空欄に自分の設計仕様を

記入する!

配管損失計算の条件・吸込み配管と吐出し配管の口径は同一とする

(平均流速Vsを用いる)・仕切弁と異径管の位置入れ替え(図7-1)教科書図は、ポンプ吐出フランジに仕切弁がついてその下流に異径管という配置であるがこれを逆とする・・・仕切弁口径=配管口径

異径管

ポンプ

仕切弁

異径管の損失は無視実際にはエルボ等と同様、ある

損失係数があるが緩やかな拡大管であり十分小さいので、直管に含める。異形管も含めて揚水系の直管全長を25mとする

No.

Date

綴じ代を考慮して此処には何も書かない

コメントや別案の計算、見直し計算用の予備スペース

検討内容や計算内容を記入するスペース

綴じ込み用の2穴

2 1

No.

Date

1/35

21-Apr-’11機械設計製図学生番号: 12345

青山太郎第7章:仕様と基礎設計

設計仕様

吐出し量 Q: 0.8 m /min3

実揚程 Ha: 6 m

周波数 f: 50 Hz

学生番号と講義の曜日で設定

基礎設計

(1)ポンプの口径・吸込口の“呼び径”:100mm

・内径 ds:105.3mm

表7-1による

・平均流速 Vs:

No.

Date

2/35

一般2~2.5より低い

・平均流速 Vs=Q/ds断面積

Vs=0.8/60

πx105.3 x10 /42 -6

=1.53 m/s別案として呼び径80内径80.7も検討する

0.8/60

πx80.7 x10 /42 -6

=2.61 m/s

2.5に近く80.7を正規案とする

平均流速 v = Q(流量) / A(断面積)

断面積 A=p(d/2)2 ← d は直径であることに注意する!

一般には2~3.5m/s

ターボ形ポンプのサイズポンプサイズは、吸込み吐き出しの配管サイズで代表し、これをポンプ口径と呼ぶ。口径は、吸込みx吐出しで表す

吐出し配管は、吸込みと同径か、1~2サイズ小さくなる

ポンプ口径の表し方の例(右図参照)

150x100

(吸込口径150㎜、吐出口径100㎜)

25

100

150

吐出フランジ

吸込フランジ

ポンプサイズは接続する配管口径で表す

前週の復習

L Vs2円管の長さ L

最終吐出しに必要な速度エネルギ

L

L

Vs 2

i

計算したVsを使う

(7.4)式の1の意味:水を吐き出すために必要な速度エネルギ

l=0.0280ページ

経年変化の補足 1.5 l

S=0.03 とする

α=0.2

ht=1.0 とする

これらの、計算値は次回以降の計算に使用します。

このため、授業には計算書を必ず持参してください。

(忘れないように!)

本日の到達点必須・ポンプ吸込x吐出口径の決定

・配管系統損失計算と全揚程の決定・回転速度の決定と比速度Ns、形式数χの算出

(Nsとχは、羽根車設計係数決定に必要)・水動力および効率から軸動力の算出と

電動機定格出力の決定

余裕ある人は

・異なる口径における損失と全揚程の計算比較・比速度の違いによる、効率の検討

・長短比較 コストは?(イニシャル、ランニング)口径 大 小流速 小 大損失 小 大全揚程 小 大比速度 大 小

技術提案力

口径の比較検討口径大を選ぶと、配管損失減少→全揚程小さくなる→ Ns大きくなる→効率アップ

水動力減少

→軸動力低減(ランニングコスト低)

口径大→イニシアルコストアップ ①

しかし、全揚程小さい=羽根径小さくなる=渦巻ケーシング径小さくなる→イニシャルコストダウン ②

①、②の比較+モータ定格出力ダウンの効果

ランニングコストと総合比較検討 技術提案力

比速度と効率(参考)

教科書図5-5(p55)も参照

さらに余裕ある人はNPSHを確認してみる(教科書6.1 p62~64)

ポンプ

Pa

Hs

フート弁

NPSHava=(Pa-Pv)/ρg-Hs-ΔHs…… ……(6.4)

Pa:水面気圧(Pa)Pv:水の飽和蒸気圧力(Pa)ΔHs:吸込配管損失(m)ρ:水の密度 1000(kg/m3)とするg:重力加速度9.81(m/s2)とする

Pa=101300(Pa)…大気圧とするPv= 2400(Pa)…20℃常温とする

NPSHreq=(Q’N2/S2) 2/3 …(6.8)S:吸込比速度(片吸込み渦巻ポンプ

では一般にS=1200をとる)NPSHava>NPSHreq であること

ポンプの使用例 教科書P75H

s=3.1

5(m

)・・

・・

エル

ボ半

径を

0.1

5と

する

吸込直管長5+1=6m

吸込配管損失 ΔHsの計算直管部 1.5xλxLs/ds

λ=0.02ds:配管内径・・・単位をmに数値換算Ls:吸込み直管長(m)=6

90°エルボx1個 ζ=0.21フート弁x1個 ζ=2.0ΔHs= (1.5xλxLs/ds +(0.21+2.0))xVs2/2gΔHs計算値を用いてNPSHavaを求める

NPSHreq の計算式(6.8)の流量Q’は単位(m3/min)・・・設計流量

(仕様流量Qの7%増し・・・安全サイド)回転速度Nは単位(min-1)・・・同期回転数

(安全サイド)

復習と予習

本日授業の復習に教科書:第7章 仕様と基礎設計を読んでください。余裕あれば、第6章1:キャビテーション も読んでおく

次回授業の予習に

教科書:第8章 羽根車の設計

を読んできてください。余裕あれば

第3章 ポンプの作用も読んでおく