Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15...

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AICA Group CSR Report 2019 AICA Group 2019 CSR Report

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Page 1: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

AIC

A G

roup CS

R R

eport 2019

AICA Group

2019 CSR Report

本社/〒450-6326 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋26階 TEL(052)533-3136URL/http://www.aica.co.jp/

2019年9月発行©アイカ工業株式会社 本書に収録したものの一部または全部の無断複製・転載を禁じます。

グリーン基準に適合した印刷資材を使用して、グリーンプリンティング認定工場が印刷した環境配慮製品です。

ノンVOCインキは、インキ構成成分中の石油系溶剤を大豆油などの植物油に置き換えたインキです。印刷工程での大気汚染低減につながります。※VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)

有害物質を含む湿し水を使用しない、水なし印刷方式にて印刷しています。

この冊子は、だれにも読みやすいユニバーサルデザインフォントを使用しています。

適切に管理された森林からの木材製品であることを証明する、FSC森林認証紙を使用しています。

005_0002890341909.indd 1-3 2019/09/20 20:34:51

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About アイカ

03 財務・非財務ハイライト

05 社会背景と生み出した製品価値創造の変遷

07 アイカグループの収益構造/ 事業領域/主要拠点

09 好循環モデルとコアコンピタンス

アイカのビジョン

11 トップメッセージ

15 アイカ 10 年ビジョンと中期経営計画の進捗

17 新しい価値を創造する3 つの成長ドライブ

21 事業概況 : 化成品事業

23 事業概況 : 建装建材事業

アイカを支える基盤

25 アイカの CSR 活動

27 アイカグループのマテリアリティ

29 経営基盤

37 人材

43 環境

49 ステークホルダーとの関わり

54 第三者意見

1 AICA Group CSR Report 2019

アイカグループは共生の理念のもと、

たえざる革新により新しい価値を創造し、

社会に貢献してまいります

社 是

経営理念

INDEX

Cha l lenge and Creat ion

090_0002890341909.indd 1 2019/09/19 9:23:48

About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

54AICA Group CSR Report 2019

 貴社は、経営理念( P.1)に「共生」「たえざる革新により新しい価値を創造」「社会に貢献」を掲げ、経済価値と社会価値の双方を高めることを経営戦略の軸においていることが本報告書から読み取れます。またトップメッセージ( P.13)にある通り、「ESG への取り組みを経営や事業活動と一体化するための仕組みづくり」を企業グループ全体として推進していることが伺えます。 ESG 経営においては、その取り組みが社会貢献のみならず、リスクと機会の両面から将来の企業価値にどう結びつくのかを明らかにし、投資家を始めとするステークホルダーに示すことが必要になります。その点で、貴社が「財務面と非財務面が両立する好循環モデル」( P.9)において、企業価値向上を図るというモデルを、SDGs への取り組みと合わせて示しており評価できます。一方で、来るべき低炭素社会へのシナリオに沿ったリスクと機会の開示が、将来の企業価値を表すものとして必要になります。 トップメッセージにある通り、貴社は 2003 年に

「QEO マネジメントシステム」を導入し、品質、環境、労働安全衛生などの課題に対応してきました。そして現在は、同システムにおいて、グローバル基準に則して情報開示する姿勢が伺えます。それは「国連グローバルコンパクト」への加入、「世界人権宣言」や「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえた人権尊重に関する指針の明示などに現れています。これらの対応の結果が「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」への採用につながったと考えます。 また貴社は、2012 年以降グローバル事業を拡大し、それに伴い対応する ESG 課題は広く、深く

なりました。特にアイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社の CEO メッセージ( P.14)は目を引きました。グループ会社とその従業員、そしてサプライチェーン(取引先)に、貴社の目指すサステナビリティの考え方が浸透していることが伺えます。サプライチェーンに関しては、現在 60%となっている取引先評価( P.51)について、さらに内容を踏まえ、比率を高めていただきたいと思います。 環境課題への取り組みも進みました。特に水課題は、昨年大きな被害を受けた広島工場の自然災害を踏まえ、水害リスクの高い国内 4 拠点において BCP を策定すると 2019 年度目標に掲げています( P.28)。また、海外生産拠点における水のハイリスクエリアを特定し、水使用量を削減していること( P.47)も評価できます。今後は、水課題を含めたさまざまな環境課題に対し、短期、中期、長期、それぞれの時間軸でリスクと機会を把握し、マネジメントすることを期待します。 ダイバーシティの進展はどうでしょうか。貴社は2013 年に女性活躍推進プロジェクトを立上げ注力しています( P.38)。グローバル企業にとって、外国人、女性などの登用は競争力の源泉です。特に、ボードメンバーやマネジメント層のダイバーシティがますます必要になると考えます。 最後に、今後は、より統合思考に沿った情報開示を期待します。貴社の事業が自然資本、社会関係資本をどのように利用して成果と利益を生み出しているのか。貴社が目指す、安全で持続可能な街づくりと各商品との関係を示すことがポイントになるでしょう。

資本主義の変革に対応する統合思考に沿った情報開示への期待

第三者意見

広瀬 悦哉 氏

株式会社 QUICK 常務執行役員ESG 研究所 主幹

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2AICA Group CSR Report 2019

経営方針

1 . 化学とデザイン化学とデザインの力で独創性のある商品をつくり、 豊かな社会の実現に貢献します。

2 . グループシナジー技術・素材連携やチャネル活用を追求し、 グループシナジーを創出します。

3 . No.1事業分野や地域における No.1商品を拡充します。

4 . グローバル海外における生産・販売拠点と人材の充実を図り、 グローバル市場で持続的な成長を目指します。

5 . 人材と組織人材を最も重要な経営資源と捉え、相互理解と成長を通じ、 活力あふれる人材・組織を形成します。

アイカのCSRコミュニケーションアイカグループCSRレポート

(冊子・PDF)(日本語・英語・中国語)

アイカホームページ〈CSR活動〉冊子の掲載内容に加え、補足情報も掲載しています。本レポートのPDFデータも公開しています。

編集方針この報告書はアイカグループのCSRに関する企業活動を、ステークホルダーの皆さま(お客さま、株主、取引先、地域社会、従業員)に、グラフや写真などを使い、分かりやすくお伝えすることを念頭に作成しました。

参照ガイドライン● 持続可能な開発目標 SDGs● ISO26000● 環境省「環境報告ガイドライン  (2018年版)」● GRI スタンダード

対象期間・範囲アイカ工業株式会社およびアイカグループの2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の活動についてまとめたものです。一部2019年度の活動内容も含んでいます。対象範囲については報告内容ごとに記載しています。

本報告書に関するお問合せ先● 経営企画部 TEL 052-533-3136● 安全環境部 TEL 052-433-5941

6 . コンプライアンス経営法令や社会秩序を守り、公正で透明性の高い コンプライアンス経営を実践します。

7 . 安心・安全への約束ステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、

「信頼される品質の確保」や「環境に配慮した事業活動」を推進します。

AICA Group

2019 CSR Report

アイカグループのCSR活動に関する年次報告書です。

http://www.aica.co.jp/company/environ/

社号本社所在地

創立代表者資本金従業員数 関係会社

アイカ工業株式会社〒450-6326 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋26階 1936年(昭和11年)10月20日代表取締役 社長執行役員 小野勇治98億9,170万円

[連結] 3,920名  [単独] 1,194名国内6社、海外37社

会社概要 (2019年3月末現在)

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財務・非財務ハイライト

927 1,274

641 36,173 52,190

61,220

営業利益(右軸) 経常利益(右軸)売上高(左軸)

(億円) (億円)

0

100

200

300

2017 (年度)201620152014 2018

0

500

1,000

1,500

2,000

151 161180 190

208

158 163

196212

183

1,438 1,500 1,5161,6371,637

1,9131,913

総資産(左軸) 純資産(左軸) 自己資本比率(右軸)

ROE(右軸) ROA(右軸)当期純利益(左軸)

(名)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

1,2761,510 1,529 1,559

1,7591,818 1,820

2,2912,291

1,603

3,9203,920

3,0353,328 3,349

3,850

国内生産拠点 海外生産拠点

(TJ・テラジュール)

0

500

2,000

1,000

1,500

海外売上高(左軸) 海外売上比率(右軸)

1株当たり純資産(左軸) 1株当たり当期純利益(右軸)

661

971 1,0291,1291,179 1,2081,221

1,829

1,200

913

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分国内生産拠点 海外生産拠点

(t-CO2)

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

36,169

54,17449,315

55,206

66,18656,764

64,386

88,137

63,132

44,605

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分※2018年度の報告より、過去に遡って係数の見直しを行いました。詳しくはP43の「お断り」をご覧下さい

国内生産拠点 海外生産拠点①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分

売上高/営業利益/経常利益

国内グループ会社 海外グループ会社

(億円) (%)

0

1,000

1,500

2,000

2017 2018201620152014

500

0

20.0

40.0

60.0

80.0

1,470 1,534 1,646

1,896 1,910

1,072 1,125

1,326 1,3611,196

70.2% 70.4% 69.8%64.7% 66.2%

(億円) (%)

0

50

200

2017 2018201620152014

100

150

0

3.0

6.0

9.0

12.0

101 99110 119 133

10.4%9.4% 9.9% 10.1%10.1% 10.7%10.7%

7.3%6.6% 7.0% 6.8% 7.0%

親会社株主に帰属する当期純利益/ROE/ROA

従業員数(国内/海外)

エネルギー投入量

総資産/純資産/自己資本比率(億円) (%)

0

1,200

2017201620152014 2018

200

400

600

800

1,000

0

20.0

30.0

40.0

50.0

10.0

478 498 466546

33.3% 33.2%30.8%

33.4% 803

42.0%

海外売上高/海外売上比率 産業廃棄物発生量

温室効果ガス排出量

(円) (円)

0

1,000

1,500

2,000

2017 2018201620152014

500

0

50

100

150

250

2001,581.171,654.14

1,759.911,880.13 1,936.87

155.99 152.62169.48

183.76203.95

1株当たり純資産/1株当たり当期純利益

配当金(左軸) 配当性向(右軸)

(円) (%)

0

50

100

150

2017 2018201620152014

0

20.0

40.0

60.0

4343 4646

8592

103

27.6%30.1%

50.2% 50.1% 50.5%

配当金/配当性向

(億円)

0

100

150

200

20182017201620152014

50

130146

183

164

132

営業活動によるキャッシュ・フロー

設備投資額 減価償却費 研究開発費

(億円)

0

60

80

100

2017 2018201620152014

40

20

設備投資額/減価償却費/研究開発費

29.6 29.3

38.745.2

78.9

31.0 34.9 34.5 35.641.7

23.5 25.9 26.7 28.532.0

(年度)

2017 2018201620152014 (年度)

2017 2018201620152014 (年度)

(年度)

2017 2018201620152014 (年度)

(年度)

労働災害度数率   労働災害強度率  労働災害度数率 製造業全国平均

0

3.00

2017 2018201620152014

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

0.000.00

0.84 0.82

0.00 0.05 0.05 0.00

1.73

0.00

労働災害度数率/強度率

(年度)

(ton)

0

15,000

30,000

45,000

2017 2018201620152014

9,329

26,447

39,82242,232 43,163

2,779 3,044 3,998 3,9033,947

(年度)

(年度)

(年度)(年度)

(年度)

有給休暇平均取得日数(左軸) 有給休暇平均取得率(右軸)

(日) (%)

0

6

9

12

2017 2018201620152014

3

0

20.0

40.0

60.0

7.8 7.58.2

10.311.3

41.4% 40.6%

45.0%

56.0%61.7%

有給休暇平均取得日数/有給休暇平均取得率

(年度)

252

555

33018,001

13,996

26,917

17,045

9,402

15,220

24,602

3,095③808

国内生産拠点 海外生産拠点①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分

対象範囲:アイカグループ国内全生産拠点対象範囲:アイカグループ国内全生産拠点

水使用量(千m³)

0

1,000

2,000

3,000

2017 2018201620152014

431

1,602

2,514

2,241 2,291

705 745998

802

(年度)

1,174

428

5

8

2

1

850

4

10

1,664

1,137

812

325❶

❶❶

対象期間: 2017年度以前:前年度9月16日~当年度9月15日 2018年度以降:前年度3月16日~今年度3月15日対象人員 : アイカ工業㈱の従業員のうち、出向者・育児休業者・休職者・パート・アルバイトを除く

労働災害総計 休業災害

※労働災害総計は不休業災害+休業災害(件)

0

10

15

20

2017 2018201620152014

5

7

1314

1718

0

3

76

2

労働災害発生件数

(年度)

2,3172,317

※度数率=労働災害による死傷者数(不休業災害を除く)× 1,000,000÷延労働時間数※強度率=労働損失日数×1,000÷延労働時間数 共に対象人員は正社員

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分

About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

3 AICA Group CSR Report 2019

財務・非財務ハイライト

PDF_010_0002890341909.indd 3 2019/09/25 16:57:21

Page 5: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

927 1,274

641 36,173 52,190

61,220

営業利益(右軸) 経常利益(右軸)売上高(左軸)

(億円) (億円)

0

100

200

300

2017 (年度)201620152014 2018

0

500

1,000

1,500

2,000

151 161180 190

208

158 163

196212

183

1,438 1,500 1,5161,6371,637

1,9131,913

総資産(左軸) 純資産(左軸) 自己資本比率(右軸)

ROE(右軸) ROA(右軸)当期純利益(左軸)

(名)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

1,2761,510 1,529 1,559

1,7591,818 1,820

2,2912,291

1,603

3,9203,920

3,0353,328 3,349

3,850

国内生産拠点 海外生産拠点

(TJ・テラジュール)

0

500

2,000

1,000

1,500

海外売上高(左軸) 海外売上比率(右軸)

1株当たり純資産(左軸) 1株当たり当期純利益(右軸)

661

971 1,0291,1291,179 1,2081,221

1,829

1,200

913

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分国内生産拠点 海外生産拠点

(t-CO2)

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

36,169

54,17449,315

55,206

66,18656,764

64,386

88,137

63,132

44,605

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分※2018年度の報告より、過去に遡って係数の見直しを行いました。詳しくはP43の「お断り」をご覧下さい

国内生産拠点 海外生産拠点①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分

売上高/営業利益/経常利益

国内グループ会社 海外グループ会社

(億円) (%)

0

1,000

1,500

2,000

2017 2018201620152014

500

0

20.0

40.0

60.0

80.0

1,470 1,534 1,646

1,896 1,910

1,072 1,125

1,326 1,3611,196

70.2% 70.4% 69.8%64.7% 66.2%

(億円) (%)

0

50

200

2017 2018201620152014

100

150

0

3.0

6.0

9.0

12.0

101 99110 119 133

10.4%9.4% 9.9% 10.1%10.1% 10.7%10.7%

7.3%6.6% 7.0% 6.8% 7.0%

親会社株主に帰属する当期純利益/ROE/ROA

従業員数(国内/海外)

エネルギー投入量

総資産/純資産/自己資本比率(億円) (%)

0

1,200

2017201620152014 2018

200

400

600

800

1,000

0

20.0

30.0

40.0

50.0

10.0

478 498 466546

33.3% 33.2%30.8%

33.4% 803

42.0%

海外売上高/海外売上比率 産業廃棄物発生量

温室効果ガス排出量

(円) (円)

0

1,000

1,500

2,000

2017 2018201620152014

500

0

50

100

150

250

2001,581.171,654.14

1,759.911,880.13 1,936.87

155.99 152.62169.48

183.76203.95

1株当たり純資産/1株当たり当期純利益

配当金(左軸) 配当性向(右軸)

(円) (%)

0

50

100

150

2017 2018201620152014

0

20.0

40.0

60.0

4343 4646

8592

103

27.6%30.1%

50.2% 50.1% 50.5%

配当金/配当性向

(億円)

0

100

150

200

20182017201620152014

50

130146

183

164

132

営業活動によるキャッシュ・フロー

設備投資額 減価償却費 研究開発費

(億円)

0

60

80

100

2017 2018201620152014

40

20

設備投資額/減価償却費/研究開発費

29.6 29.3

38.745.2

78.9

31.0 34.9 34.5 35.641.7

23.5 25.9 26.7 28.532.0

(年度)

2017 2018201620152014 (年度)

2017 2018201620152014 (年度)

(年度)

2017 2018201620152014 (年度)

(年度)

労働災害度数率   労働災害強度率  労働災害度数率 製造業全国平均

0

3.00

2017 2018201620152014

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

0.000.00

0.84 0.82

0.00 0.05 0.05 0.00

1.73

0.00

労働災害度数率/強度率

(年度)

(ton)

0

15,000

30,000

45,000

2017 2018201620152014

9,329

26,447

39,82242,232 43,163

2,779 3,044 3,998 3,9033,947

(年度)

(年度)

(年度)(年度)

(年度)

有給休暇平均取得日数(左軸) 有給休暇平均取得率(右軸)

(日) (%)

0

6

9

12

2017 2018201620152014

3

0

20.0

40.0

60.0

7.8 7.58.2

10.311.3

41.4% 40.6%

45.0%

56.0%61.7%

有給休暇平均取得日数/有給休暇平均取得率

(年度)

252

555

33018,001

13,996

26,917

17,045

9,402

15,220

24,602

3,095③808

国内生産拠点 海外生産拠点①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分

対象範囲:アイカグループ国内全生産拠点対象範囲:アイカグループ国内全生産拠点

水使用量(千m³)

0

1,000

2,000

3,000

2017 2018201620152014

431

1,602

2,514

2,241 2,291

705 745998

802

(年度)

1,174

428

5

8

2

1

850

4

10

1,664

1,137

812

325❶

❶❶

対象期間: 2017年度以前:前年度9月16日~当年度9月15日 2018年度以降:前年度3月16日~今年度3月15日対象人員 : アイカ工業㈱の従業員のうち、出向者・育児休業者・休職者・パート・アルバイトを除く

労働災害総計 休業災害

※労働災害総計は不休業災害+休業災害(件)

0

10

15

20

2017 2018201620152014

5

7

1314

1718

0

3

76

2

労働災害発生件数

(年度)

2,3172,317

※度数率=労働災害による死傷者数(不休業災害を除く)× 1,000,000÷延労働時間数※強度率=労働損失日数×1,000÷延労働時間数 共に対象人員は正社員

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分

About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

4AICA Group CSR Report 2019

PDF_010_0002890341909.indd 4 2019/09/25 16:57:21

Page 6: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

1940/11 期1936創立

売上( 億円 )

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

営業利益( 億円 )住宅着工戸数(万戸)

非住宅着工面積(百万㎡)

1950/11 期 1960/11 期 1970/11 期 1980/11 期 1990/3 期 2000/3 期 2010/3 期 2020/3 期(計画)

民間非住宅着工面積(右軸)  

住宅着工戸数(右軸) 

売上高(左軸) 

新規連結による売上増加

営業利益(右軸)

ドアなどの住宅向け建材で成長

メラミン化粧板シェアNo.1へ非住宅市場取込

セラールが住宅・非住宅市場を取り込み市場環境悪化の中も成長

M&Aを活用し国内建設市場動向に左右されない体質へ

接着剤・点火栓・ガラスなどのメーカーとして創業

平和産業への事業転換

高度成長下で事業基盤確立

総合建材メーカーへシフト

2008年 リーマンショック2007年 耐震偽装問題を発端に建築基準法改正

2008年 リーマンショック2007年 耐震偽装問題を発端に建築基準法改正1991年 バブル崩壊1991年 バブル崩壊

1989年 日経平均株価最高値記録1989年 日経平均株価最高値記録

1979年 第2次オイルショック

1985年 ブラザ合意

1979年 第2次オイルショック1973年 第1次オイルショック

1945年 終戦 1949年 ドッジライン発表1965年~ いざなぎ景気

1964年 東京オリンピック

1985年 プラザ合意

※ 1989 年 3 月期は決算月変更に伴い 4 ケ月決算。 ※1979年11月期から連結決算を開始しており、それ以前は単体決算。

創業当初より培った樹脂合成技術を核に、時代に合わせて柔軟にポートフォリオを組み替えてきました。新規事業への挑戦、シナジーの活用など、挑戦と創造の精神は、時代を越えて今も受け継がれています。

1959 年に完成したメラミン化粧板製造工場

社会背景と生み出した製品価値創造の変遷

社会背景とアイカグループの生み出した製品

アイカグループのポートフォリオと業績の推移

戦後復興に向けて、軍需から民需への転換を図る。製紙事業、陶磁器事業へ参入。

メラミン樹脂焼付塗料の発売(1951 年)

点火栓

陶磁器化成品

製紙

ジャッキ・その他

31%

22%

26%

13%

8%

1954/11期

(単体)3.9億円

1946 ~ 1954

好調な経済を背景に事業基盤を確立する。メラミン化粧板事業へ参入、総合接着剤メーカーへの躍進。

メラミン化粧板「アイカ」の発売(1960 年)陶磁器・点火栓事業からの撤退(1956、1958 年)

製紙

46%32%

22%

建装材

1966/11期

化成品

32.9億円(単体)

1955 ~ 1966

点火栓

陶磁器

化成品

ジャッキ・その他

46%

23%

18%

14%

1946/12期※

(単体)NO DATA

「アイカ」のブランド名を冠して、社名を「アイカ工業株式会社」に変更。新製品・新技術により業容拡大。

1936 年10月、愛知時計電機㈱の化学部門が分離独立して「愛知化学工業㈱」設立。戦時下において化学製品の量産化を目指す。

日本初のユリア樹脂接着剤「愛知無敵糊」発売(1939 年)

28%

38%

建装材

1976/11期

住器建材

34%

化成品

175億円(単体)

「アイカ ポストフォーム」の発売(1968 年)塗り壁材「ジョリパット」発売

(1975 年)

1967 ~ 19761936 ~ 1945

▶1980 年代後半

※戦後の混乱で資料が存在せず、 1946 年12月単月の実績。

About

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5 AICA Group CSR Report 2019

▶1960 年代~ 1970 年代無臭合板の開発に寄与需要が拡大する合板の生産性向上のため、ノークランプ型のメラミン・ユリア共縮合樹脂接着剤を開発。ホルムアルデヒドの検出が少ない同接着剤の使用を呼びかけ、無臭合板が誕生しました。

▶1936 年国内初、合成樹脂接着剤を開発高い接着力と耐水性を持ったユリア樹脂接着剤を開発。天然系接着剤から性能の高い合成樹脂接着剤への転換を牽引しました。

廃材とされていたゴムの木の活用樹液採取後の天然ゴムの木を、リサイクルウッドとして集成材化し、階段部材やカウンターとして製品化。森林資源有効活用の先駆けとして注目されました。

マレーシア・ケダ州国王から勲章を受けました

PDF_010_0002890341909.indd 5 2019/09/25 16:57:22

Page 7: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

1940/11 期1936創立

売上( 億円 )

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

営業利益( 億円 )住宅着工戸数(万戸)

非住宅着工面積(百万㎡)

1950/11 期 1960/11 期 1970/11 期 1980/11 期 1990/3 期 2000/3 期 2010/3 期 2020/3 期(計画)

民間非住宅着工面積(右軸)  

住宅着工戸数(右軸) 

売上高(左軸) 

新規連結による売上増加

営業利益(右軸)

ドアなどの住宅向け建材で成長

メラミン化粧板シェアNo.1へ非住宅市場取込

セラールが住宅・非住宅市場を取り込み市場環境悪化の中も成長

M&Aを活用し国内建設市場動向に左右されない体質へ

接着剤・点火栓・ガラスなどのメーカーとして創業

平和産業への事業転換

高度成長下で事業基盤確立

総合建材メーカーへシフト

2008年 リーマンショック2007年 耐震偽装問題を発端に建築基準法改正

2008年 リーマンショック2007年 耐震偽装問題を発端に建築基準法改正1991年 バブル崩壊1991年 バブル崩壊

1989年 日経平均株価最高値記録1989年 日経平均株価最高値記録

1979年 第2次オイルショック

1985年 ブラザ合意

1979年 第2次オイルショック1973年 第1次オイルショック

1945年 終戦 1949年 ドッジライン発表1965年~ いざなぎ景気

1964年 東京オリンピック

1985年 プラザ合意

※ 1989 年 3 月期は決算月変更に伴い 4 ケ月決算。 ※1979年11月期から連結決算を開始しており、それ以前は単体決算。

創業当初より培った樹脂合成技術を核に、時代に合わせて柔軟にポートフォリオを組み替えてきました。新規事業への挑戦、シナジーの活用など、挑戦と創造の精神は、時代を越えて今も受け継がれています。

東証および名証一部上場を果たす。多層プリント配線板事業への進出など事業の多角化を進める。

メラミン化 粧板国内シェアNo.1 へメラミン不燃化粧板「セラール」発売(1989 年)

「セラール」がキッチンパネルとして大ヒット(1996 年~)

「環境報告書」創刊(1999 年)

33%

18%26%

23%住器建材

電子・その他

化成品

建装材

1992/3期666億円(連結)

1987 ~ 1994

「三位一体活動」として、QEOマネジメントシステムを展開。グループ連携強化による環境経営を推進。

31%

17%24%

1996/3期

住器建材

電子・その他

28%

化成品

建装材

646億円(連結)

1995 ~ 2009

43% 57%2019/3期

化成品

1,913億円

建装建材

(連結)

積極的な海外展開、新規事業への取り組みを強化。環境経営に加えて、CSR活動にも注力。

Dynea 社のアジア太平洋部門子会社の株式取得(2012 年)エバモア・ケミカルインダストリー社の株式取得

(2018 年)

2010 ~

新たな経営計画とともに、現在の社是である『挑戦と創造』をスローガンとして掲げ、経営体質の強化に取り組む。

高級木製ドア「イースタンチェリードア」発売(1978 年)メラミン化粧板「アイカカラーシステム 105」発売(1984年)

26%

26%

建装材

1986/11期48%

住器建材

化成品

352億円(単体)

1977 ~ 1986

About

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アイカを支える基盤

6AICA Group CSR Report 2019

▶2017 年~AS 商品の開発・拡販社会課題解決に資する商品群をAS(Aica Solution) 商品として位置づけ、開発・拡販に注力。その目的は、人手不足問題の解決や、廃材削減、安心できる街づくりなど多岐にわたります。

▶2010 年森林資源保護への対応国内メラミン化粧板メーカーとして初めて、メラミン化粧板の一部で「森林認証(FSC・PEFC)」の CoC 認証を取得。その後同製品および一部の化粧ボードがバイオマスマークを取得。

▶1990 年代~ 2000 年代シックハウス症候群への対応1990 年代から、シックハウスなど、化学物質化過敏症が深刻な社会問題に。2003 年の改正建築基準法や2002年の厚生労働省の指針に対応し、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの規制物質を使用しない健康住宅対応接着剤「アイカエコエコボンド」を発売。

発売当初のアイカエコエコボンドメラミン化粧板

ポリエステル化粧合板

マーレスボード

PDF_010_0002890341909.indd 6 2019/09/25 16:57:22

Page 8: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

建装建材事業823億円(43.0%)

化成品事業1,090億円(57.0%)

売上高1,913億円 

事業別売上高構成(2018年度)

建装建材事業161億円(68.5%)

化成品事業74億円(31.5%)

営業利益 208億円

事業別営業利益構成(2018年度)

※�営業利益は配賦不能営業費用(27億円)を含むため、�各事業営業利益の合計値とは一致しません。 構成比は配賦不能営業費用を除いた数字です。

アイカグループの収益構造/事業領域/主要拠点

事業別構成比

主要拠点

インド

パキスタン

その他

アジア・オセアニア

日本0.8%

41.2%

58.0%

地域別売上高構成(2018年度)

海外主要拠点国内主要拠点

アイカ工業(株)

グループ会社

本社

本社

生産拠点

生産拠点

本社・生産拠点

営業拠点

日本

その他のグループ会社

アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ各社

本社・生産拠点

本社・生産拠点

統括会社(アイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社)本社 生産拠点

生産拠点本社

エバモア・ケミカル・インダストリーグループ各社本社 本社・生産拠点

※営業拠点は含まれておりません。

統括会社(アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社)

About

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7 AICA Group CSR Report 2019

PDF_010_0002890341909.indd 7 2019/12/20 11:40:12

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 化成品事業は建設分野・非建設分野、建装建材事業は建設分野を主なフィールドとしています。建設分野はさらに住宅と非住宅に分かれ、非住宅は商業施設やオフィスなど、多彩な建物が対象となります。幅広いフィールドでアイカグループの製品が活躍しています。

各事業の対象となるフィールド

人工木材

医療・福祉施設

オフィス商業施設

公共施設 ホテル・宿泊施設

教育施設

交通施設

自動車 化粧品

電子材料

戸建住宅 集合住宅衛生剤

食品パッケージ

靴・衣類断熱材 研磨剤

建設分野

住 宅

非住宅

非建設分野

化成品事業

建装建材事業

アメリカ合衆国

日本

タイ

中国

ベトナム

マレーシア

シンガポール

インドネシア

ニュージーランド

台湾

統括会社(アイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社)

生産拠点

生産拠点

統括会社(アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社)

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アイカを支える基盤

8AICA Group CSR Report 2019

PDF_010_0002890341909.indd 8 2019/12/20 11:40:12

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グループ経営人材・技術経営基盤

化 成 品 建装建材

ステークホルダーとのコミュニケーション

社会課題の発見

業績への貢献企業価値向上

社会で評価される企業体

事業活動による社会貢献

強みを活かし社会課題を解決

● AS商品の拡販● 環境負荷軽減● 持続可能な社会

● 外部環境● リスクと機会● 競争優位性

● 化学合成技術 ● デザイン力● 強固な流通体制 ● M&A

● 地球温暖化● 天然資源の枯渇● 人手不足・多様化

● 売上・利益の 持続的成長● ROE 10%以上● リスクに強い ポートフォリオ構築● 健全な財務基盤

● お客さま ● 取引先 ● 従業員 ● 地域社会 ● 株主

財務面と非財務面が両立する好循環モデル

好循環モデルとコアコンピタンス

 アイカグループは、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて社会課題を発見し、リスクとして認識するとともにビジネスチャンスに置き換え、社会課題の解決に貢献する「AS(Aica�Solution)商品」を開発・拡販することで、社会貢献と事業の持続的成長を果たしていきます。

好循環モデルの考え方

 2015 年に国連で採択された 「持続可能な開発目標(SDGs)」 は、あらゆる国と地域における貧困や不平等、教育、環境などの問題の解決を図り、より良い国際社会の実現を目指す2030 年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169 のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。 アイカグループは、グローバルに事業を展開する企業として、この目標に取り組むことをグローバルコンパクトへの署名を通じて約束し、SDGs の達成を目指した活動を開始しました。2018年度にマテリアリティを見直した際には、それぞれの項目の課題との関連性を整理し、グローバルな社会課題を解決するために当社が行うべき重要な事業活動を改めて明確にしています。 企業活動全体を通してさまざまなステークホルダーとともに社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

アイカグループとSDGs

About

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アイカを支える基盤

9 AICA Group CSR Report 2019

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Page 11: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

好循環モデルを加速させる3つのコアコンピタンス

化学技術

 創業当時から培ってきた 「化学技術」 は、化成品事業、建装建材事業、すべての事業活動の基盤となっています。各種接着剤向けの樹脂合成技術をコア技術とし、建装建材分野、機能材料分野へとその技術を応用することで、独創性の高い商品開発を可能としています。化学のチカラで社会課題を解決し、人々の暮らしを豊かにします。

デザイン

 国内シェアNo.1を誇るメラミン化粧板を中心に、最先端のトレンドを取り入れた商品を世に送り出し、空間を彩る建材メーカーとして確固たる地位を確立しています。 また、色や柄の美しさを提案するだけではなく、ステークホルダーとのコミュニケーションにより発見した社会課題に向けて、“使いやすいカタチ”や“安全な構造”、“健康や安心につながる工夫”といったものもデザインしています。デザインのチカラで新しい価値を創造し、誰もが快適に暮らせるここちよい未来を作ります。

販売網

 お客さまの元に素早く商品をお届けするために、販売網を整備しています。国内においては、全国各地に営業拠点を置くとともに、当社製品について豊富な専門知識を持つ代理店で「アイカ会」を組織し、きめ細かな対応ができる体制を整えています。 海外においては、アジア圏を中心に、M&Aも活用しながら海外販売網の拡充を推進しています。また、化成品事業・建装建材事業それぞれの海外統括会社を設置し、地域に根差した現地ニーズをタイムリーに汲み取り、ビジネスの現地化を推進しています。

 特定分野においてシェアNo.1�を獲得し、世の中になくてはならないものを提供し続けるアイカグループには、ユニークな3つの強みがあります。化学の会社でありながらデザイン領域で活躍し、グローバルなネットワークできめ細かなソリューションを提案しています。

About

アイカ

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アイカを支える基盤

10AICA Group CSR Report 2019

PDF_010_0002890341909.indd 10 2019/09/25 16:57:26

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トップメッセージ

代表取締役 社長執行役員

 2019 年 3 月期の連結業績は、売上高 191,363 百万円( 前年同期比 16.9% 増 )、営業利益 20,834 百万円 ( 同 9.1% 増 )、経常利益 21,249 百万円 ( 同 8.4% 増 )、親会社株主に帰属する当期純利益 13,316 百万円 ( 同 11.0% 増 ) となりました。売上高は 9 期連続増収、営業利益・経常利益は 10 期連続増益、当期純利益 * は 3 期連続増益となりました。また、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益 * の全てにおいて、過去最高を更新しました。 当社の主要フィールドである国内建設市場においては、住宅向け・非住宅向けともに好調で、特に、増設が進む育児施

設や五輪関連で活況なホテルやスポーツ施設を中心に、社会課題の解決に資する商品群「AS 商品」を拡販したことにより、好調を維持しました。 一方で、原材料価格の高騰を受け、特に化成品事業において利益面で苦戦しましたが、国内・海外販売が好調に推移したことに加えて、2018 年 1 月にエバモア・ケミカル・インダストリー社が、2018 年 3 月にタイ・ケミカル・コーポレーション社がアイカグループに加わったことも寄与し、増収増益を達成することができました。* 親会社株主に帰属する当期純利益

2019 年 3 月期総括

ESGの取り組み強化により 「持続的に発展する企業体」を目指しますA

bout

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

11 AICA Group CSR Report 2019

011_0002890341909.indd 11 2019/09/20 14:17:36

Page 13: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

 当社は、創立 90 周年を迎える 2027 年 3 月期に売上高3,000 億円、経常利益 300 億円を目指し『アイカ 10 年ビジョン』( P.15)を策定しました。また、同時期に中期経営計画「C&C2000」( P.16)も策定し、アイカ 10 年ビジョンの最初の 4 年間に達成すべき目標と基本的な経営戦略を掲げています。C&C2000 の 3 年目に当たる 2020 年 3 月期は、達成年度を 1 年前倒しして、中期経営計画で掲げていた売上高 2,000 億円、経常利益 220 億円を目指します。基本方針である「3 つの成長ドライブの追及と実現」「成長を支える経営基盤強化」に基づく各種施策を実行し、目標達成に向けて邁進してまいります。

▶ 国内建設市場における成長持続に向けて

 中期経営計画「C&C2000」の中で成長ドライブのひとつとして掲げているのが、社会課題解決に資する商品群「AS商品」です。少子高齢化に起因した建築現場における慢性的な職人不足に対応するための簡易施工型商品や、建築物やインフラの長寿命化に繋がる補修・補強向け商品など、時代に応じた社会課題に着目し、それらの解決に資する商品を開発・拡販しています。 2018 年度は、「AS 商品」の開発・拡販を推進するための投資を積極的に実施しました。商品開発のスピードアップを目的に「名古屋 R&D センター」を開設し、建装建材事業における技術開発スペースを約7.5 倍へと拡張しました。また、

「AS 商品」の一つである高級人造石「フィオレストーン」の生産能力・輸送効率の向上を目的に、茨城県に新工場を設置しました。 今年度は、2019 年 7 月に「ジョリパット」による外壁塗装工事において材料と施工をセットで提案できる体制を構築すべく、施工工事会社である㈱装武との資本業務提携契約を締結しました。深刻化する職人不足を解決するために職人の声を活かした商品開発に取り組んでまいります。また、次世代を担う成長分野として同年 7 月に「メラミンタイル」を発売し、非住宅の床市場への新規参入を果たしました。靴のすり跡や汚れが付きにくく、清掃性・施工性に優れたメラミンタイルは、塩ビ系フロア材とメラミン系素材の長所を組み合

わせた全く新しい床材です。当社は家具・什器から壁面、建具、そして床材まで、空間全体に対する提案力を高めてまいります。今後国内建設市場は縮小に向かうとの見方がありますが、そのような市場環境においても、1物件に複数の商品を納入し、持続的な成長を目指します。

▶ アジア各国の成長に伴う需要の取り込み

 海外では、アジア各国の成長持続に伴い、接着剤や工業用樹脂、高品質のメラミン化粧板の需要が拡大すると見込んでいます。 化成品事業においては、海外の化成品事業を統括するアイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社 (AAPH 社 ) を中心に、事業の拡大を図っています。AAPH 社を通じて2018 年 3 月に新規連結したタイ・ケミカル・コーポレーション社 (TCC 社 ) には、日本のフェノール樹脂技術を移管した新反応釜を増設しました。2019 年 3 月には、インドネシアにおけるゴム系接着剤市場で大きなシェアを有する AAPH グループ子会社、アイカインドリア社の第 4 工場を新設し、同社におけるゴム系接着剤の生産能力を約 2 倍に増強しました。今後も積極的に生産能力の拡大、技術シナジーの創出を推進し、人々の暮らしを支える建設分野向け樹脂で 「アジアトップメーカー」 を目指してまいります。 また、次世代を担う成長分野として注力している機能材料事業においては、2018 年 1 月にアイカグループに加わったエバモア・ケミカル・インダストリーグループ (EMC グループ ) とのシナジー拡大を推進しています。ウレタン樹脂や紫外線硬化型樹脂において、川上原料から樹脂製品までを一貫生産することが可能となり、競争優位性が高まりました。まずは、EMC グループが得意としている靴・繊維用のウレタン樹脂を AAPH グループとも連携し、東南アジア各国に展開していき、将来的には非建設分野向けビジネスで、事業の柱を育成していきます。 建装建材事業においても、海外売上高を急成長させるべく各種施策を実行していきます。2019 年 4 月に、海外の建装建材事業を統括するアイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社を通じて、中国を主力市場とする化粧板販売会社であるソイス・メンディニ社へ出資し、中国主要地域を網羅する販売網を獲得しました。また、同年 5 月にはベトナム初となるメラミン化粧板製造工場が稼動を開始し、ベトナムのみならずアジア地域のシェア拡大に向けた供給体制が整いまし

中期経営計画「C&C2000」の前倒し達成と、その先の「10 年ビジョン」達成に向けて

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

12AICA Group CSR Report 2019

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Page 14: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

CSR に対する考え方

▶ ESG への取り組みを経営や事業活動と一体化  するための仕組みづくり

 地球規模での気候変動、廃棄物の増加や自然環境破壊、人口増加に伴う資源の逼迫、格差の拡大など、今私たちが直面している課題は深刻かつ多岐にわたります。2015 年には、国連において「持続可能な開発目標 (SDGs)」が採択されるなど、企業においても人類共通の目標達成に貢献するよう求められています。 このような状況下においてグローバルに事業活動を行う企業として、アイカグループもバリューチェーンを含めてE(環境)、S( 社会性 )、G( ガバナンス ) を中心とした CSR を全うすることは当然の責務であると考えています。そしてその実現のためには、グループ一丸となって推進していくことが最も重要だと考えています。 当社はこれまでも、CSR に配慮した経営に力を入れてきました。1996 年から各拠点で品質マネジメントシステム(Q:ISO9001)・環境マネジメントシステム (E:ISO14001)・労働安全衛生マネジメントシステム (O:OHSAS18001) の認証取得に取り組み、2003 年度にはアイカ工業㈱の各工場および営業拠点で認証を取得しました。そして、この 3 つを三位一体で運用する「QEO マネジメントシステム」を構築し、生産部門・研究開発部門・販売部門・管理部門が一体となって経営基盤強化を図ってきました。この仕組みは、当社の CSR活動の主軸であり、また中期経営計画「C&C2000」においても成長を支える経営基盤強化策として中枢に据えています。 そして、2018 年度に見直しを行った「アイカグループマテリアリティ」のそれぞれの項目の KPI( 活動目標 ) を、2019年度から各部門のアクションプラン ( 評価軸 ) に組み入れるなど、事業活動とCSR活動の融合を行っています。「アイカグループマテリアリティ」と持続可能な世界を実現するための国際目標「SDGs」との関連性も整理し、グローバルな社会課題を解決するために当社が行うべき重要な事業活動を改めて明確にしています。

 今後も、ESG に対する取り組みを経営や事業活動と一体化するための仕組みづくりを推進し、持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。

▶ 経済価値と社会価値の両立

 当社は、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて社会課題を発見し、リスクとして認識するとともにビジネスチャンスに置き換え、社会課題の解決に向けて当社の強みを活かした商品を開発・拡販することで、社会貢献と事業の持続的成長を果たす好循環モデル( P.9)を構築してきました。 世界各地で深刻化している環境問題・少子高齢化問題・安全で持続可能なまちづくりなどの社会課題に対して、それぞれのステークホルダーとの対話をより積極的に行い、これまで蓄積してきた技術や商品を活用し、地域や文化に根ざした課題解決を提案していきます。 好循環モデルの推進を通じて、持続的な社会の実現に資する事業活動を行ってまいります。そして、経済成長と企業の社会的責任の融合を通じ、ステークホルダーの皆さまから信頼され、必要とされる〈持続的に発展する企業体〉の実現を目指します。

た。今後も、販路拡大・生産能力増強を目指し、M&A も積極的に活用し、国内で確立したブランド力・商品力の海外展開を加速させ、飛躍的な成長を狙ってまいります。

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13 AICA Group CSR Report 2019

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Page 15: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

アイカグループの一員として、CSR/ サステナビリティの道のり

最も重要な資本である従業員との関わり

 従業員は会社の最も貴重な資本であり、長期的な企業成長のためには、従業員満足度の向上とキャリアアップが不可欠です。当社では労働災害ゼロ、工程事故ゼロ、法令違反ゼロの「3 ゼロ」を全社的に目指してきました。この 3 ゼロ運動のプロセスにおいて、経営サイドと従業員は一丸となって高水準の安全意識を育み、維持しています。 また、AAPH はニュージーランドから東南アジア、さらに中国までのアジア太平洋地域に 5 つの異なるタイムゾーンにまたがって広がる多国籍・多文化環境の中で事業活動を行っています。多様性と男女平等は従来から当社の企業文化の一部でしたが、AAPH 内でのシナジーを生み出すために、今後はさらに強化していきます。

 2012 年 12 月にアイカグループに加入して以来、アイカ・アジア・パシフィック・ホールディング・グループ(AAPH グループ)は、アイカ工業㈱の社是である「挑戦と創造」の精神、および経営理念である「たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献する」という姿勢に沿って歩んでまいりました。AAPH グループの売上高はアイカグループ全体の売上高の約 30%に相当し、アイカグループの CSR 活動にも大きく貢献しています。その道のりは 2017 年、アイカ工業㈱の重要課題 ( マテリアリティ) と、環境・社会・ガバナンス(ESG) に係る分野での関連達成目標を取り入れることから始まりました。事業の成長に注力するとともに事業が周囲環境やステークホルダー(従業員、地域社会、顧客、株主および仕入先など)に及ぼす影響を一層強く意識するようになりました。組織としてより高度な水準でガバナンスを維持すること、また、ステークホルダーに対しても、高いレベルの信頼性および透明性を表面化し続けていくことが求められています。今日のビジネス環境において、マネジメントにはさらに厳密な透明性、責任、責務が求められます。環境への影響を最小限に抑え、従業員満足度を向上させ、強固なガバナンス体制を構築し、ESG に真摯に取り組むことで、持続的な業績向上に貢献できるものと確信しています。 当社は、過去 2 年間において、特に ESG 関連の非財務実績を測定する技量を徐々に磨いてきました。また、AAPH の社是の1つである「Operational Excellence」のもと、たゆまぬ改善(進歩)をしていくため、性能測定を実施する土壌を培ってきました。これらの測定結果を追跡し改善することで、今後も新中期経営計画 「C&C2000」 および「SDGs(持続可能な開発目標)」に貢献します。また当社では、業界のベストプラクティス(最善慣行)への理解を深め、CSR/ サステナビリティ(持続可能性)目標の達成にさらに力を入れるべく、「サステナビリティ・マネージャー」の役職を新たに設置しました。従業員に CSR/ サステナビリティ意識とアイカグループの一員としての責任感を根付かせることが、AAPH グループ内で足並みを揃えるための第一歩でした。CSR/ サステナビリティの領域において多くの組織がコンプライアンス遵守から競争上の優位性の確立へと移行しつつある中、最初に直面した課題は、意識を変革し当社スタッフを活動に参画させることでした。かつては持続可能な仕入先との取り引き

AAPH グループ一丸となり、持続的な成長を目指します。

 AAPH グループでは、従業員一人一人が CSR/ サステナビリティへの責任を担っています。これは継続的改善と、従業員の積極的関与と、社会や環境の利益に対する貢献の旅なのです。この事業環境と自分たちが生活する社会の中で、私たちはより大きな責任を果たすとともに透明性を確保しなければなりません。いまやハードルは引き上げられ、問題はただ単に自社の事業が環境に与える影響を最小化することだけではなくなりました。むしろ、社会と環境に積極的に貢献していくことが肝要なのです。従業員と技術をより幅広く活用していけば、このビジネス環境での競争上の優位性を手にすることができるでしょう。ESG へのゆるぎない対応により、一層強い CSR/ サステナビリティを確立して初めて、アイカグループとそのステークホルダーの皆さまに長期的に持続可能かつ高収益なビジネス成長をもたらし続けることができるのです。

を単に好んでいただけのお客さまも、今では仕入先の基本要件としてサステナビリティを求めるようになりました。このことは、すなわち私たち自身が仕入先に対し、持続可能なサプライチェーンの確立に向けた努力を後押しできる、ある一定水準の CSR コンプライアンスを期待しているということなのです。

アイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社

CEO メッセージ

レイン メイヤー最高経営責任者(CEO)

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14AICA Group CSR Report 2019

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Page 16: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

2017年3月期 2027年3月期

連結売上高 1,516億円 3,000億円

連結経常利益 183億円 300億円

ROE 9.9% 10%以上

海外売上比率 30.8% 45%以上

化成品事業 売上高 1,700億円

化成品事業は、人々の暮らしや社会インフラを支える建設分野向け樹脂で「アジアトップメーカー」を目指しつつ、自動車、日用品、電子材料など非建設分野で成長していきます。

建装建材事業 売上高 1,300億円

建装建材事業は、外壁を含めた壁市場全体に事業領域を拡大し、住宅・非住宅の生活空間に快適・安全を提供できる「空間デザインメーカー」として成長を続けていきます。

アイカ 10 年ビジョンと中期経営計画の進捗

10 年後の財務目標

10 年後のあるべき姿

 当社は、創立 90 周年を迎える2027 年 3 月期に向けて、「アイカ10 年ビジョン」を策定しました。国内建設市場の動向に左右されにくい骨太な経営体質への変革を目指し、化成品事業においては、人々の暮らしや社会インフラを支える建設分野向け樹脂でアジアトップメーカーを目指すとともに、自動車・日用品・電子材料など、非建設分野も成長させていきます。また、建装建材事業においては、住宅・非住宅の生活空間に快適と安全を提供できる「空間デザインメーカー」としてさらなる事業拡大を目指しています。

アイカ 10 年ビジョン策定の背景

アイカ 10 年ビジョン

事業連携化成品事業と建装建材事業が相互に触発・連携し、社会に役立つ独創的な商品を生み出していく企業グループを目指します。

資本提携やM&Aの活用 資本提携や M&A も含め積極的に自己資金を投入していきます。

市場環境の変化に対応できる体制構築のため、グループ連携と事業基盤を強化していきます。

● グループ連携・事業基盤の強化

生産・物流体制最適化

コンプライアンス QEO マネジメント 健全な財務基盤 ITインフラ整備

技術・素材連携 研究開発投資

ダイバーシティ経営を推進し、グローバル人材とプロフェッショナル人材育成のため、多様な人材育成制度を構築していきます。

● 人材育成

グローバル人材 ダイバーシティ

プロフェッショナル人材

ステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、地域社会への貢献と CS・ES を高める経営を推進していきます。

企業価値の増大 コートガバナンスの強化

地域社会との共生 CS・ES の向上

● ステークホルダーへの責任

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15 AICA Group CSR Report 2019

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Page 17: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

中期経営計画「C&C2000」

 中期経営計画「C&C2000」は、人口減少・少子化・高齢化に伴う住宅需要の変化や、インフラや建物の老朽化、環境意識のさらなる高まり、消費増税、IoT・AI 等の技術革新など、事業環境が大きく変化する中で、アイカグループの強みである 「化学」 と 「デザイン」 の力を活用し、豊かな社会の実現に貢献する独創性のある商品をつくり出すことで持続的に成長し、企業価値を向上させることを目指しています。

財務目標(連結)

項目 2017年3月期(実績)

連結売上高 1,516億円

連結経常利益 183億円

ROE 9.9%

海外売上比率 30.8%

2021年3月期(計画)

2,000億円

220億円

10%以上

35%以上

基本方針

投資戦略

進捗

1. 3つの成長ドライブの追及と実現 2. 成長を支える経営基盤強化

❶ AS商品*1群の拡充による国内基幹事業の成長持続( P.17 )

❷ 次世代を担う注力分野の育成・投資(非建設向け分野、建材未開拓分野)( P.19 )

❸ ジャパンテクノロジーの海外展開( P.20 )

❶ C&C活動*2を通じた一人一人の成長

❷ QEOマネジメント*3とIT基盤刷新によるCS・ES*4の向上

❸ コンプライアンスの遵守

A S 商 品 :C & C 活 動:QEOマネジメント :C S ・ E S :

*1 *2 *3 *4

AICA Solution 商品の略。さまざまな社会課題を解決する商品挑戦と創造(Challenge and Creation)の精神のもと、製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う小集団活動。1970年頃から行っている品質 (Quality)・環境 (Environment)・労働安全衛生 (Occupation health and safety)、三位一体のマネジメントシステムCS は顧客満足度、ES は従業員満足度を指す

設備投資 220億円キャパシティ増強、ライン自動化、IT刷新

事業投資 180億円エリア拡大、事業領域拡大

研究開発費 140億円 新技術導入、産学連携

人財投資 グローバル人材積極採用・育成、働き方改革、プロフェッショナル人材育成、ダイバーシティ推進

 財務目標の一年前倒し達成を目指しています。新規市場開拓をすすめるとともに、新設した工場や M&Aで連結化した会社とのシナジーを最大限活用し、目標達成に向けて邁進します。

1年目 2年目 3年目

項目 2018年3月期(実績)

2019年3月期(実績)

2020年3月期(計画)

売上高 1,637億円 1,913億円 2,000億円

経常利益 196億円 212億円 220億円

ROE 10.1% 10.7% 10.6%

海外売上比率 33.4% 42.0% 42%以上

4年目

2021年3月期(策定時目標)

2,000億円

220億円

10%以上

35%以上

中期4ヵ年計画、一年前倒し達成を狙う

2017 年 3 月 2021 年 3 月 2024 年 3 月 2027 年 3 月

2017 年 3 月期 1,516 億円 80 周年 2021 年 3 月期 2,000 億円 2027 年 3 月期 3,000 億円 90 周年

アイカ 10 年ビジョン

第一次中期経営計画

項目 1年目投資実績

2年目投資実績

3年目投資計画

設備投資 45.2億円 78.9億円 60.0億円

事業投資 52.6億円 ー 計画中

研究開発費 28.5億円 32.0億円 34.0億円

第二次中期経営計画 第三次中期経営計画

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16AICA Group CSR Report 2019

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Page 18: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

社会課題 解決に寄与する価値 価値を提供できる代表的な AS 商品

インフラや建造物の老朽化

建築物の長寿命化老朽化が進むインフラの改修向け商品や、リフォーム向け商品を提供します。

〔補修・補強材〕●ダイナミックレジン ( 外壁タイル剥落防止工法

など )●ジョリシール ( コンクリートひび割れ補修など )

気候変動(地球温暖化など)

輸送時の CO2 削減軽量化を図るなど、積載効率の良い商品を開発・拡販することで、温室効果ガスを削減します。

〔不燃建材〕●アルディカ ( UV硬化不燃化粧板 )

〔ボード・フィルム等〕●オルティノ ( 粘着剤付化粧フィルム )

建築現場における職人不足

簡易施工商品少子高齢化に伴う人手不足に起因する職人不足を補うべく、容易に施工できる商品を開発します。

〔メラミン化粧板〕●メラタック( 粘着剤付メラミンシート )●マグネットメラミンEV( マグネット付メラミン化

粧板 )

天然資源の枯渇

自然環境の保全木材や石材の有効活用や代替材料の提案により、森林の伐採や石材の採掘を抑制します。

〔カウンター・ポストフォーム〕●ポストフォームカウンター ( メラミン化粧板カウ

ンター )●フィオレストーン ( エンジニアドストーン )

ダイバーシティ

ユニバーサルデザイン小さなお子さまやご高齢の方など、さまざまな方が使える商品開発を推進します。

〔トイレブース〕●まなブース( キッズ向けメラミントイレブース )

〔メラミン化粧板〕〔セラール〕〔カウンター・ポストフォーム〕●ウイルテクト ( 抗菌・抗ウイルス機能商品群 )

AS 商品とは?

AS 商品が貢献できる社会課題の一例

 建装建材事業の研究開発拠点の中核となる「名古屋 R&D センター」を 2018年 10 月 1 日に開設しました。技術開発スペースは従来の約 7.5 倍に拡張し、設備の増強や各拠点に分散していた主要実験設備の集約を行い、約 40 名の技術者・研究員が集う技術開発拠点となりました。本センターの開設を機に、市場ニーズに合致した新商品の開発・上市スピードを加速させるだけでなく、次世代のアイカを支える新規事業領域への参入にも注力していきます。

2018 年 10 月に新技術棟「名古屋 R&D センター」完成

開発力アップのため

 環境のみならず、さまざまな社会課題の解決の一助となる商品を、AS

(Aica Solution)商品として提供しています。強みである「化学」と「デザイン」の力を活用し、成長分野において付加価値の高い商品を拡販することにより、社会も当社もサステナブルであることを目指します。

新しい価値を創造する 3 つの成長ドライブ:1. AS 商品群の拡充による国内基幹事業の成長持続

化学技術 デザイン

販売網

アイカ工業のコアコンピタンスを活かした商品開発 AS 商品により社会課題を解決

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17 AICA Group CSR Report 2019

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Page 19: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

 インフラや建築物において、老朽化に起因したタイルやコンクリートの剥落事故が発生し、メンテナンスの重要性が再認識されています。当社は、インフラや建築物の補修・補強材をAS商品と位置づけ、開発に注力しています。 特殊な透明塗膜により外壁タイルの剥落を防止する、「ダイナミックレジン タフレジンクリアガード工法」は、外観を損ねることなく安全性を高めることができると好評を得ており、近年売り上げを伸ばしています。

インフラや建築物の長寿命化に貢献 

補修・補強材

(年度)(目標)

314

233176

100

400

300

200

100

02019201820172016

150

100

50

0(年度)

(目標)2019201820172016

200

156137

124100

ダイナミックレジン タフレジンクリアガード工法の売上推移(伸率)

 天然石の代替材料として、天然水晶に樹脂などをつなぎにして成形した「エンジニアドストーン」の需要が拡大しています。天然石は、その重量から運搬・施工面の負荷が大きく、また耐汚染性・メンテナンス性といった品質にもバラつきがありました。それらの課題を解決する商品として、当社は 2011年に国内初のオリジナルブランドとして「フィオレストーン」を発売し、現在ではエンジニアドストーンの国内シェアトップを獲得しています。

天然石に比べ軽量で耐久性が高い

高級人造石フィオレストーンの売上推移(伸率)※ 2016 年度の売上高を 100 とした場合

※ 2016 年度の売上高を 100 とした場合

 当社主力商品であるメラミン化粧板に付加価値を加えた商品の開発に注力しています。少子高齢化の影響による人手不足に対応する簡易施工商品や、医療・介護、育児・教育施設などのウイルスと細菌対策に貢献する抗ウイルス性能を付与した商品などを拡充しています。 2018 年度は、メラミン化粧板抗ウイルスタイプ「ウイルテクト」を発売しました。関連商品として、「セラール ウイルテクトタイプ」「ポストフォームカウンター ウイルテクトタイプ」も拡充しています。

省施工対応や抗ウイルス性能を付与

高付加価値メラミン化粧板

195177168

0(年度)

(目標)2019201820172016

100

300

250

200

150

100

50

高付加価値メラミン化粧板の売上推移(伸率)※ 2016 年度の売上高を 100 とした場合

image photo

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の関係上、特定のウイルス名が表記できないため、ウイルス A と記載しています。ウイルス粒子に見られる膜状の構造。エンベロープがない場合は、エンベロープ有りの場合と比較してアルコール等の消毒液耐性が強いと言われている。

●抗ウイルス加工は、病気の治療や予防を目的とするものではありません。 ● SIAA の安全性基準に適合しています。 ●本製品は感染予防を保証するものではありません。 ●医薬品や医療機器などの医療を目的とした製品ではありません。 ●抗ウイルス性能は全てのウイルスに対して発現するものではありません。

抗ウイルス未加工品 ウイルテクト

試験機関 : 一般財団法人日本繊維     製品品質技術センター試験方法:ISO21702 法 試験ウイルス:ウイルスA*1

      (エンベロープ*2 なし)ウイル

スの

感染

価(

PFU/

ml)

102103104105

10624時間後のウイルスAの感染価の変化

99%以上減少

*1:

*2:

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18AICA Group CSR Report 2019

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Page 20: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

 靴のすり跡や汚れが付きにくく、清掃性・施工性に優れた高圧メラミンフロアタイル「メラミンタイル」を 2019 年 7 月に発売し、非住宅の床市場に新規参入しました。「メラミンタイル」は塩ビ系フロア材とメラミン系素材の長所を組み合わせた新しい床材です。非住宅の床市場に新規参入し、床から家具・什器や壁面まで、空間デザインにおけるトータル提案力を高めていきます。

 メラミン化粧板で国内№ 1 のシェアを有する当社は、キズや汚れに強くメンテナンス性に優れたメラミン化粧板の利点を活かした床材の開発を目指してきました。しかし、メラミン化粧板は伸縮するという性質があるため、メラミン系フロア材の開発は困難を極めました。一方近年、機能材料事業においてさまざまな樹脂製品を開発してきました。その中で、繊維向けに開発した特殊なアクリル樹脂を使用し、メラミン化粧板の伸び縮みを抑制し、メラミン化粧板の強さと塩ビ基材の施工性を兼ね備えた新たなフロア材の開発に成功しました。

エバモア・ケミカル・インダストリーグループとのシナジーが発現

化成品事業

建装建材事業

メラミンタイルを発売し、床市場に新規参入

EMC グループが強みを持つ市場

靴 合成皮革 架橋材 成型加工品

開発の背景

 2018 年 1月に、ウレタン樹脂や紫外線硬化型樹脂に強みを持ち、靴・合成皮革・機能性繊維・食品包装向けなど当社がこれまであまり取り扱っていなかった日用品向けの商品群を有しているエバモア・ケミカル・インダストリーグループ (EMCグループ ) がアイカグループに加わりました。EMCグループでは、川上原料から樹脂製品までを一貫生産しており、その技術や製造拠点を活かすことで「AICA- EMC-AAPH*」間で、既に様々なシナジーが発現しています。 例えば、EMC グループのウレタン樹脂系接着剤原料を日

新しい価値を創造する 3 つの成長ドライブ:2. 次世代を担う注力分野の育成・投資

本国内へ展開し実績が出始めているほか、テキスタイル市場向けポリウレタンでも国内ニーズの把握が進み、来期以降実績に繋がると期待しています。調達面での VA・VE 効果も表れ始めました。 引き続き「AICA - EMC- AAPH」間で情報を共有し補完し合い、商品の共同開発、最適地生産、現地営業を進めることで、さらに大きなシナジー効果を創出し、東~東南アジア地域の非建設分野向け樹脂市場におけるアイカグループのプレゼンスを高めていきます。

非建設向け分野を強化し、より強固な体制を構築するとともに、国内建設市場における建材未開拓分野へ注力します。

メラミンタイルの構成

*AAPH:アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ

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19 AICA Group CSR Report 2019

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中国の販路拡大へ 化粧板販売会社ソイス・メンディニ社への出資

アイカ・ラミネーツ・ベトナム社のメラミン化粧板製造工場が完成

化成品事業

 2019 年 4 月、アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社(AALH 社)を通じ、中国を主力市場とする化粧板販売会社であるソイス・メンディニ社へ出資し子会社化しました。ソイス・メンディニ社は、中国の主要地域を網羅する販売網を有しており、特に教育施設・研究施設向けの提案力に優れています。これを機に、当社はソイス・メンディニ社、AALH社と連携し、付加価値の高い化粧板需要の伸長が見込まれる中国において、メラミン化粧板およびメラミン不燃化粧板の販売拡大に努めていきます。

 化粧板製造販売子会社「アイカ・ラミネーツ・ベトナム社」が運営するメラミン化粧板製造工場が、ベトナム社会主義共和国ドンナイ省ニョンチャック 3 工業団地に新設され、2019 年 5 月 22 日より稼働を開始しました。今回設置した新工場は中期経営計画実行のための戦略拠点であり、AALH 社を中心に、インド・インドネシア・ベトナムの 3 カ国の海外生産拠点を活用し、ビジネスの現地化(現地雇用拡充、現地協業強化、地場物件指定強化)を進め、アジア地域における建装建材事業の飛躍的な成長を目指します。

建装建材事業

 アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ(AAPH グループ ) がアイカグループに加わってから6年以上が経過し、お互いの強みを生かしたシナジー効果も大きくなり、より高度な取り組みを推進しています。 アイカ工業㈱が強みを持っていた、自動車市場向けのヘッドランプ用ブチルゴム系ホットメルトや水系コンパウンドを、AAPH グループなどの拠点に展開して現地製造・現地販売を行い、売上高の伸張に貢献しています。また、日本製の衛生材 ( オムツや生理用品 ) 向けホットメルトについては、AAPH グループとアイカ工業㈱とで共同開発を行い、より高い品質の商品が提供できるよう進めています。 製造工程におけるノウハウの共有も行っており、製造技術の向上・高効率化・不良率の低減など、品質向上・コスト削減に繋がる取り組みも進んでいます。

売上高(左軸) 販売量(右軸)

(億円) (トン)

300

400

500

2014 年 12 月期 2016 年 12 月期 2018 年 12 月期200

500

600

700

400

AAPHグループ売上高・販売量推移

(億円) (トン)

新しい価値を創造する 3 つの成長ドライブ:3. ジャパンテクノロジーの海外展開

アジア圏を中心に、販売網の構築・ブランド力強化に注力し、高付加価値商品の海外展開を推進します。

アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループとの取り組みがより高度に

強い商品力、機能付与、不燃化技術

セラール

中国市場での強力な販路

教育施設/医療施設

協業によるシナジー

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アイカを支える基盤

20AICA Group CSR Report 2019

011_0002890341909.indd 20 2019/09/20 14:17:47

Page 22: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

中長期的に目指す姿

 アイカグループの各種製品は当セグメントの化学技術から派生しており、引き続き技術で会社を牽引します。また製造能力の増強やグループ会社とのシナジーの創出に注力し、アジア No.1 を目指します。

 自動車、電子材料、化粧品、機能繊維など国内外の成長市場を中心に、非建設分野で新製品・新事業を創造し、化成品・建装建材に続くアイカ第 3 のセグメントを目指し機能材料事業を育成します。

アジア No.1 を目指して アイカ第 3 の収益の柱へ

4654

62 65

74

年平均成長率12.3%2014 2015 2016 2017 2018(年度)

750 772 748829

1,090

年平均成長率9.8%2014 2015 2016 2017 2018(年度)

売上高 営業利益

■ ポートフォリオの推移

売上高 1,147億円営業利益   81億円

48.8%

61.0%

21.0%

8.5%

9.5%

1,147億円2019年度目標

1,090億円2018年度21.2%

8.8%

47.8%

60.4%9.5%

その他

うちアイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ

接着剤

建設樹脂

機能材料

2019年度目標

2018 年度の業績

 接着剤系商品は、国内においては集成材用接着剤が低迷しましたが、施工用接着剤や産業用フェノール樹脂が好調に推移し、売上を伸ばすことができました。海外においてはアジア・オセアニア地域における接着剤・産業用樹脂の需要を取り込むことができたことに加えて、第2四半期連結会計期間より連結業績に組み入れたタイ・ケミカル・コーポレーション社も寄与し、売上を伸ばすことができました。 建設樹脂系商品は、新築住宅向けの外装・内装仕上塗材「ジョリパット」やベランダ用防水材、土木用の補修・補強材が低迷しましたが、高耐久塗り床材「アイカピュール」を中心とした工場・倉庫向けの塗り床材や、外壁タイルの剥落防止工法である「タフレジンクリアガード工法」が好調に推移し、売上を伸ばすことができました。 非建設分野への取り組みとして注力している機能材料事業については、電子材料用UV樹脂や太陽電池用ホットメルトが低迷しましたが、自動車用や衛生材用のホットメルト、化粧品用の有機微粒子などが伸長し、また第1四半期連結会計期間より連結業績に組み入れたエバモア・ ケミカル・インダストリー社が寄与し、売上を伸ばすことができました。 このような結果、売上高は 109,062 百万円(前年同期比 31.5%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は、原材料価格高騰の影響をうけ、7,444 百万円(前年同期比 13.9%増)となりました。

(単位:億円) (単位:億円)

 AAPH 社はその傘下に 16 社を有しており、その 1 社であるアイカインドリア社(インドネシア)は、2019 年 3 月、同国パスルアンに新工場を増設、稼働を開始しました。これにより、インドネシアにおいて伸長する、靴、木工・家具、DIY などに使用される溶剤系接着剤の需要に応えるとともに、同国におけるさらなるシェアの拡大に努めます。

アイカインドリア社パスルアン工場を新設

TOPICS

取締役 常務執行役員 化成品カンパニー長大村信幸

取締役 常務執行役員 機能材料カンパニー長海老原健治

事業概況:化成品事業

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21 AICA Group CSR Report 2019

011_0002890341909.indd 21 2019/09/20 14:17:49

Page 23: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

1936年

ユリア フェノール メラミン シリコーン

ジョリパット塗り壁材

塗り床材

補修・補強材、防食材ジョリシール

ジョリエース アイカピュール

ダイナミックレジン

耐熱ピュール ウレアウレタンウレタン

エポキシ

ホットメルト

アクリル・UV 硬化型樹脂

ホットメルト

アクリルエマルジョン水系コンパウンド有機微粒子UV 硬化型樹脂

メラミン化粧板 ポリエステル化粧合板 セラール セルサス建装建材事業(P23)

積層技術、意匠技術、コーティング技術 不燃化技術

ルミアート有機微粒子シリコーン

シリコーン シリコーンポッティング剤

ウレタン

接着剤

建設樹脂

機能材料

フェノール

M&Aアイカ SDKフェノール㈱

M&AAAPH グループ※

M&A EMC グループ※2

産業用接着剤工業用樹脂繊維板用樹脂

エポキシ樹脂ウレタン樹脂

合成ゴム酢酸ビニル M&A

大日本色材㈱

2019年

M&A ガンツ化成㈱

ホットメルトアクリル

事業領域

主な製品紹介

産業用接着剤木工家具製品や建材の製造過程、建築施工現場などで使用される接着剤。

工業用樹脂合板・集成材、研磨材、鋳型、接着剤など工業製品の原料として使用される樹脂。

繊維板用樹脂小片化・繊維化した木材をつなぎ合わせたボード類を成型するための樹脂。

接着剤

塗り壁材 ( ジョリパット )

住宅、店舗、公共施設などの内外壁に使用される、アクリル樹脂をベースとした建築塗材。

塗り床材 ( ジョリエース )

工場・倉庫など耐久性や耐熱性などを求められる部位に使用される合成樹脂系塗り床材。

コンクリート構造物の補修材や、タイルの剥落防止材、防食ライニング材などの樹脂製品。

補修・補強材、防食材

建設樹脂

ホットメルト防水性に優れるため自動車のヘッドランプや太陽光パネルに使用される接着・封止剤。

UV 硬化型樹脂スマートフォンやパソコンなどの電子製品や建材などに使われる即硬化性がある樹脂。

有機微粒子化粧品原料や光拡散材、改質材として使用される高度に精製された粒子状の樹脂製品。

機能材料

※ 1 AAPH グループ…アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ※ 2 EMC グループ…エバモア・ケミカルインダストリーグループ

image

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22AICA Group CSR Report 2019

011_0002890341909.indd 22 2019/09/20 14:17:52

Page 24: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

126 128

144 156 161

年平均成長率6.4%2014 2015 2016 2017 2018(年度)

687727

767808 823

年平均成長率4.6%2014 2015 2016 2017 2018(年度)

売上高 (単位:億円) (単位:億円)営業利益

■ ポートフォリオの推移

売上高 853億円営業利益 166億円

00.0%

823億円2018年度

853億円2019年度目標

22.5%

19.9%

11.7%

23.6%

16.0%

6.3%21.1%

6.6%

16.7%

23.9%

11.8%

19.9%

メラミン化粧板

建具・インテリア建材カウンター・ポストフォーム

不燃建材 セラールボード・フィルム等

2019年度目標

2018 年度の業績

 メラミン化粧板は、国内においては汎用の単色化粧板が好調であったことに加えて、高い意匠性と指紋などの汚れが目立ちにくい特性を持つメラミン化粧板「セルサス」や、不燃性や耐スクラッチ性などの機能を付与した高付加価値品がホテルや商業施設の新築・改修需要を取り込み、売上を伸ばすことができました。また、海外においても、インドネシアやシンガポール、ベトナムを中心に売上を伸ばすことができました。ボード・フィルム類は、加工品を拡充した粘着剤付化粧フィルム「オルティノ」関連商品は好調でしたが、汎用的なポリエステル化粧合板が苦戦し、前年を下回りました。 メラミン不燃化粧板「セラール」は、着工減の影響を受けた医療福祉施設向けが減少しましたが、待機児童問題から増設が進む育児施設、五輪関連で活況なスポーツ施設やホテルなどの新築・改修需要を獲得するとともに、駅や学校などのトイレでは「セラール消臭タイプ」の採用が拡大し、売上を伸ばすことができました。不燃建材は、アクリル樹脂系塗装けい酸カルシウム板「ルナライト」がスポーツ施設やホテル、工場・倉庫、教育施設用途で伸長し、多機能建材「モイス」が住宅から育児施設、公共施設まで幅広い用途で採用されるなど、アイカテック建材㈱とのシナジー商品を中心に売上を伸ばすことができました。 カウンター・ポストフォーム商品は、人工大理石「コーリアン」製の幼児用手洗いカウンターとそれに付随する収納キャビネットが、育児施設の新築・改修向けに好調に推移しました。また、高価格帯のキッチンカウンター向けに売上を伸ばしてきた高級人造石「フィオレストーン」がホテルなどの非住宅施設へも販路を広げ、売上を伸ばすことができました。建具・インテリア建材は、メラミン化粧板の特性を活かした「メラフュージョンシリーズ」は好調でしたが、普及グレードの建具シリーズや医療福祉施設向け機能引戸「U . D . (ユニバーサルデザイン)コンフォートシリーズ」が低調で、売上が前年を下回りました。 このような結果、売上高は 82,300 百万円(前年同期比 1.8%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は 16,169 百万円(前年同期比 3.5%増)となりました。

 AS 商品の一つとして成長が期待される人造石「フィオレストーン」の生産能力を拡大するため、茨城に新工場を設置しました。新工場の稼働により、フィオレストーン加工品の生産能力を約 8割増強。主な納入先である東京都市部に近い茨城に設置することにより、物流コストの面からも費用削減につながります。

高級人造石「フィオレストーン」の生産拠点を茨城に新設

アイカ・ラミネーツ・ベトナム社メラミン化粧板工場が完成( P.20)

中長期的に目指す姿

 国内市場では、差異化商品(機能・意匠)の開発によりメラミンフロアで新しい市場を創造し、ポートフォリオを組み直し成長を図ります。海外市場は、国内で培った技術やノウハウを展開し2027 年 3 月期に海外の建装建材事業で売上高 300億円※を達成します。

国内事業と海外事業をハイブリッドで加速

取締役 専務執行役員 建装・建材カンパニー長岩瀬幸廣

TOPICS

※ 2019 年 3 月期売上高実績 55 億円

事業概況:建装建材事業

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23 AICA Group CSR Report 2019

011_0002890341909.indd 23 2019/09/20 14:17:53

Page 25: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

化粧フィルム

外 装

内 装

化粧ボード

建具・パーティション

けい酸カルシウム板・押出成形セメント板

家具・什器

不燃建材

セラール

セラール

ボード・フィルム等

ドア・収納トイレブース

建具・インテリア建材

メラミン化粧板

メラミン化粧板

メラミンタイル

メラミン化粧板(床用途)

カウンター・扉

カウンター・ポストフォーム

主な製品紹介

不燃認定を取得した壁面用のメラミン化粧板。1996 年からは住宅のキッチンパネル用途で大ヒット。堅牢性と意匠性と簡易施工性から、病院や学校、交通施設などでも定番の素材です。

けい酸カルシウム板を樹脂やシートなどで化粧した壁装材、外壁用の押出成形セメント板、調湿・消臭効果がある内壁材など、主原料に無機系の材料を用いた壁面用不燃建材です。

メラミン不燃化粧板(セラール) 不燃建材(アルディカ・ルナライト・メース・モイス)

色柄が豊富で、耐久性に優れているため、店舗・病院・オフィスなどのテーブルや家具の表面材として使われる建築素材です。国内で7 割を超えるシェアを有します。

合板の表面をポリエステル樹脂などで化粧した化粧ボードは、主に家具や壁面に使用されます。塩化ビニル樹脂製の粘着剤付化粧フィルムは、主に壁面や建具用途に使用されます。

メラミン化粧板(セルサス・フレアテクト) ボード・フィルム等(アイカポリ・オルティノ)

メラミン化粧板を使用したカウンターから、アクリル樹脂系人工大理石、天然水晶を主原料とした人造石まで、建築現場で求められる主要なカウンターのラインナップを揃えています。

メラミン化粧板や化粧ボードなどの素材で作られた、ドア、引戸、収納、トイレブースなどの加工品。素材メーカーならではの豊富な色柄とユニバーサルデザインに強みを持ちます。

カウンター(ポストフォーム・人工大理石・高級人造石) 建具・インテリア建材

事業領域

国内事業と海外事業をハイブリッドで加速

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24AICA Group CSR Report 2019

011_0002890341909.indd 24 2019/09/20 14:17:55

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25 AICA Group CSR Report 2019

推進組織 詳細 目的 主管部門

リスクマネジメント

企業倫理委員会 P33 コンプライアンス遵守の推進、不適切行為の調査・是正措置 社長

内部統制委員会 P30 内部統制の整備、有効性の維持・向上 社長

BCP(事業継続計画)委員会 P36 BCP(事業継続計画)の策定・改善指導・訓練の実施 経営企画部

安全保障貿易管理委員会 ー 輸出管理体制の整備・監査・教育 法務部

情報管理委員会 P35 会社の機密情報の管理・保全 経営企画部

情報開示委員会 ー 会社情報の適時適切かつ公平な開示の管理 社長

改善・ 改革推進

CSR 推進委員会 1 CSR 活動の推進・社内浸透、ESG 対応強化 経営企画部

C&C推進委員会 2 小集団による改善活動、部門目標達成に向けた方策の検討・実施 品質保証部

QEO 委員会 3 品質(Q)・環境(E)・労働安全衛生(O)活動の推進 品質保証部・安全環境部

ダイバーシティ推進プロジェクト P38 多様な人材が活躍できる基盤の形成 人事部

働き方改革推進プロジェクト P39 長時間労働の削減、風土改革 人事部

設備の自動化プロジェクト ー 設備自動化の推進、生産性向上 生産革新グループ

アイカの CSR 活動

CSR(企業の社会的責任)を全うすることは、企業存続の必須条件であり、広く社会に対して果たすべき使命だと考えています。CSR 活動を支える基盤を強化すべく、その推進体制を構築し、継続的な改善 ・ 向上を図っています。

 経営企画部が主管を務め、多部門横断型で設置している委員会です。CSR 活動の推進と社内浸透を図っています。 各部門が本委員会にて決定したマテリアリティ項目を担当し、KPI 目標の達成に向けて活動しています。

 C&C 活動は、全部門・全従業員が参加する小集団活動です。業務改善や部門方針の達成に向けた方策を検討するため、QC 手法などの科学的アプローチを用いて具体的な行動計画を議論・実行しています。 優秀サークルの表彰や事例発表を行う「C&C 大会」を毎年開催し、小集団活動の有効な進め方や改善ノウハウを共有しています。2017年度、2018 年度の両大会では、これまであまり活動が高度化していなかった営業部門や間接部門からも好事例の発表があり、さまざまな立場の人々が、気付きを得る機会となりました。 この活動の歴史は古く、前身となる ZD 運動は生産性向上を目的に 1965 年にスタートしました。当初は、従業員一人一人の注意と工夫によって仕事の“ミスゼロ”を目指すものでした。その後1979 年からは、現在の当社の社是である「挑戦と創造」の頭文字をとって、C&C(Challenge and Creation) 運動が展開され、内容も“経営目標達成に向けた取り組み推進”を含めたより広義なものとなり、今日の C&C活動に継承されています。

構成部門 主担当項目

経営企画部 経営戦略、広報・IR

安全環境部 環境・労働安全衛生

購買部 サプライチェーン

人事部 社会性

総務部 ガバナンス

研究開発部門 (R&Dセンター )社会課題を解決する「AS 商品」の開発・拡販

営業統括本部

海外業務グループ 海外グループ会社への CSR 展開

推進体制

1 CSR 推進委員会

2 C&C 活動

PDF_012_0002890341909.indd 25 2019/09/25 16:56:49

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26AICA Group CSR Report 2019

 品質(Q: ISO9001)、環境(E: ISO14001)、労働安全衛生(O: OHSAS18001)を三位一体で運用しているマネジメントシステムです。法令順守はもちろんのこと、リスクヘッジや改善活動を行い、品質の向上、環境指標の改善(温室効果ガス ・ 産業廃棄物の削減・水の管理強化など)、安全で快適な職場環境作りを推進し、リスクと機会の両面から経営基盤強化を図っています。

 QEO マネジメントシステムの運用を推進する委員会です。品質保証部・安全環境部が主管となり、QEO 方針の達成に向けて活動しています。

 QEO 委員会が事務局となり、当社経営陣 ( 社長・取締役・監査役 ) および国内・海外グループ会社代表が参加する会議を、半期に一度開催しています。 グループ会社各社における QEO の実績・改善状況を確認するとともに、事例共有による情報交換、対策を協議決定しています。

● QEO 委員会 ● QEO グループ代表者会議

3 QEOマネジメントシステム

 SDGs とは、2015 年 9 月、ニューヨーク国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」において採択された 2030 年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会などの 17 のゴールと169 のターゲットから構成されています。アイカグループはこれらの目標に賛同し、課題解決に向けた取り組みを開始しました。

 アイカグループは、グローバルに事業を展開する企業として、質の高い CSR 活動を推進・実践するため、2018 年 9 月に「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する自主行動原則を掲げる「国連グローバル・コンパクト」に署名しました。

SDGs(持続可能な開発目標)への対応

国連グローバル・コンパクトに署名

PDF_012_0002890341909.indd 26 2019/09/25 16:56:50

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27 AICA Group CSR Report 2019

アイカグループのマテリアリティアイカグループのマテリアリティ

マテリアリティと KPI

2016 年度より、アイカグループはマテリアリティ(重要課題)の選定を開始しました。2018 年 5 月には改めてさまざまなガイドラインを参考に、マテリアリティの見直しを行いました。進捗管理は CSR 委員会、QEO 委員会にて行い、アイカグループ全体での成果を追求します。

ESG 当社における重要課題2018年度 2019年度 掲載

ページ SDGs対応項目目標※1 実績 評価 目標※1

G

経営基盤

企業業績(経済的パフォーマンス)

売上高 1,850億円 経常利益 210億円

売上高 1,913億円 経常利益 212億円 ○ 売上高 2,000億円 

経常利益 220億円 P11~

G コーポレートガバナンス 内部統制是正項目の改善未完了:0件 0件 ○ 内部統制是正項目の改善未完了:0件 P29~

ESG 経営とCSRの統合会社年度方針への「ESG推進」明記 記載 ○

マテリアリティ項目を各部署アクションプランに組み込み、進捗管理※2

ーCSR勉強会開催

国内全拠点‥1回/年 実施 ○

ESG 海外拠点でのCSRの 戦略的展開 海外全拠点‥1回/年 一部実施 △ 主要グループ会社におけるCSR推進者の選任

SG 人権行動規範と 人権教育 行動規範の開示と多言語化

実施英語・中国語・インドネシア語を作成、ホームページ掲載

○ 行動規範の多言語化(タイ、ベトナム語を作成、ホームページ掲載)

P33~ESG コンプライアンスの

徹底

コンプライアンス研修会の実施 15拠点以上/年

(対象:国内外生産・営業拠点)実施 ○

コンプライアンス研修会の実施 18拠点以上/年、対象者400人以上

(対象:国内外生産・営業拠点)行動規範と行動指針の読みあわせ全拠点 1回/年 実施 ○ 行動規範と行動指針の読みあわせ

全拠点 1回/年

S

人材

従業員満足度の向上 入社3年以内離職率10%以下※2、※3 13%※4 × 従業員満足度調査の実施※2

P37~

S 人材育成・教育研修 制度の充実 新教育体系の整備※2  現行教育制度の

体系化と開示 × 新教育体系の確立※2

部門別、階層別スキルリストの作成

S ワークライフバランスの推進

有給休暇取得率向上※2、※5 60%以上 61.7% ○ 有給休暇取得率60%以上※2

残業時間の削減※2 前年比20%削減 前年と比較し増加 × 生産性の向上策の展開による

残業時間の削減※2

S 人材の多様性と 機会均等

女性採用 比率※2

2019年度までに総合職の30%以上

2019年4月入社 25%(2018年4月入社 35%) × 2020年4月入社 新卒総合職採用における

女性比率※2 30%以上

障がい者 雇用※2

障がい者比率2.2%以上 障がい者比率2.26% ○ 障がい者比率※2 2.2%以上

S 労働安全衛生の向上 労働災害度 数率の低減※7

全産業全国平均の半分以下

度数率:0(全産業全国平均:1.66) ○ 労働災害度数率の低減※7

製造業全国平均(昨年度:1.20)以下 P40~

ES

環境

AS商品の開発・普及 AS商品の売上金額※2 140億円以上 133億円 目標達成率 94.2%(前年比 113.1%) × AS商品の売上金額※2 155億円以上

(前年比 116%) P17~

E 地球温暖化防止

温室効果ガス排出量※7

拠点別中期削減方策を策定 策定 ○温室効果ガス排出量※6、※7前年比3%削減 P43~

温室効果ガス排出量※6、※7

前年比3%削減 前年比4%削減 ○

E 産業廃棄物削減

産業廃棄物発生量※7

拠点別中期削減方策を策定 策定 ○産業廃棄物発生量※6、※7

前年比2%削減 P46産業廃棄物発生量※6、※7

前年比2%削減 前年比2%増加 ×

E 水利用の削減 中期削減計画を策定※82019年度削減目標を策定。使用量が過大な伊勢崎工場は個別の削減計画を立案

△ 取水量 前年比1%削減※8 P47

E レスポンシブル・ケア の推進 環境に関する訴訟、行政処分:0件 0件 ○ 環境に関する訴訟、行政処分:0件 P48

S

ステークホルダー

お客さま満足度の向上 お客さま満足度※2

前年比2%UP (4.25点以上/5点満点) 4.22点 (1%UP) × 顧客満足度調査の実施、分析、課題立案※2 P50

ES バリューチェーン 協働による価値向上

仕入先企業を対象にCSRアンケート調査、現地視察実施※2

82社を対象にCSRアンケート実施(有効回答 79社)。内15社の現地監査を実施。

○新CSR評価点制度に基づく調査※2:80社以上評価結果に基づく監査およびCSR向上支援※2:15社以上

P51

SG 製品責任

国内全拠点、海外2拠点のBCP策定 実施 ○海外3拠点におけるBCP策定、水害リスクの高い国内4拠点において水害を想定したBCP策定、海外拠点における水リスク特定 P36

BCP作成済み全拠点(国内全拠点、海外2拠点)で訓練実施 実施 ○ BCP作成済み拠点で訓練実施

品質に関する訴訟、行政処分:0件 0件 ○ 品質管理レベル向上を目的とした教育の実施※2 ー

S 地域との コミュニケーション 地域の活動団体と協働 13件以上 14件 ○ 地域の活動団体と協働 13件以上 P53

S 株主・投資家との コミュニケーション

IRホームページのリニューアル 実施 ○ 個人投資家向けIRイベントの開催 3回以上P52

ESGスモールミーティングの開催1回以上 実施 ○ ESGスモールミーティングの開催 1回以上

※1 企業業績を除き、当該年度の新規連結分を除く ※2      対象範囲はアイカ工業㈱単体 ※3 大卒・院卒の新卒者を対象に集計 ※4 2018年4月1日時点での、2015年4月1日入社人員退職率 ※5 有給休暇9月16日付与につき、前年9月16日~ 当年9月15日にて集計 ※6 売上高原単位 ※7 対象範      囲はアイカグループ国内生産拠点 ※8 対象範囲はアイカテック建材㈱を除く、アイカグループ国内生産拠点(11拠点)

報告結果のレビューと対応検討STEP 7 :

報告の実施STEP 6 :

マテリアリティの特定プロセス

● GRI スタンダードや SDG s、ISO26000 をはじめとした CSR に関する各種ガイドラインからマテリアリティ候補項目を抽出。

課題の抽出STEP 1 :

● ステークホルダー(顧客、株主、仕入先、従業員、地域社会)の視点と自社の経営理念・経営方針と照らし合わせた視点の双方から項目を評価し、マトリックスにプロットし、課題を整理。

課題の整理STEP 2 :

● ステークホルダーの視点と自社の経営視点の両方で上位の項目を主要なものと仮決定。

マテリアリティの優先順位づけSTEP 3 :

報告内容の検討、指標の測定STEP 5 :

● 特定したマテリアル項目の妥当性を経営会議にて協議・承認し、最終的に上位の項目をマテリアリティに決定

マテリアリティの決定STEP 4 :

人材の多様性と機会均等

大小 中

大 経済的パフォーマンス(企業業績)

地球温暖化防止

コーポレート・ガバナンス 製品責任

産業廃棄物削減

コンプライアンスの徹底水利用の削減

AS 商品の開発・普及お客さま満足度の向上

ステークホルダーにとっての重要度

(ステークホルダーの評価や意思決定に対する影響)

アイカグループにとっての重要度(組織の経済、環境、社会に与えるインパクトの著しさ)

株主・投資家とのコミュニケーション

経営と CSR の統合人材育成・教育研修制度の充実

バリューチェーン協働による価値向上海外拠点での CSR の戦略的展開(コニュニティ貢献)

従業員満足度の向上労働安全衛生の向上 人権行動規範と人権教育

レスポンシブル・ケアの推進 ワーク・ライフ・バランスの推進

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About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

28AICA Group CSR Report 2019

ESG 当社における重要課題2018年度 2019年度 掲載

ページ SDGs対応項目目標※1 実績 評価 目標※1

G

経営基盤

企業業績(経済的パフォーマンス)

売上高 1,850億円 経常利益 210億円

売上高 1,913億円 経常利益 212億円 ○ 売上高 2,000億円 

経常利益 220億円 P11~

G コーポレートガバナンス 内部統制是正項目の改善未完了:0件 0件 ○ 内部統制是正項目の改善未完了:0件 P29~

ESG 経営とCSRの統合会社年度方針への「ESG推進」明記 記載 ○

マテリアリティ項目を各部署アクションプランに組み込み、進捗管理※2

ーCSR勉強会開催

国内全拠点‥1回/年 実施 ○

ESG 海外拠点でのCSRの 戦略的展開 海外全拠点‥1回/年 一部実施 △ 主要グループ会社におけるCSR推進者の選任

SG 人権行動規範と 人権教育 行動規範の開示と多言語化

実施英語・中国語・インドネシア語を作成、ホームページ掲載

○ 行動規範の多言語化(タイ、ベトナム語を作成、ホームページ掲載)

P33~ESG コンプライアンスの

徹底

コンプライアンス研修会の実施 15拠点以上/年

(対象:国内外生産・営業拠点)実施 ○

コンプライアンス研修会の実施 18拠点以上/年、対象者400人以上

(対象:国内外生産・営業拠点)行動規範と行動指針の読みあわせ全拠点 1回/年 実施 ○ 行動規範と行動指針の読みあわせ

全拠点 1回/年

S

人材

従業員満足度の向上 入社3年以内離職率10%以下※2、※3 13%※4 × 従業員満足度調査の実施※2

P37~

S 人材育成・教育研修 制度の充実 新教育体系の整備※2  現行教育制度の

体系化と開示 × 新教育体系の確立※2

部門別、階層別スキルリストの作成

S ワークライフバランスの推進

有給休暇取得率向上※2、※5 60%以上 61.7% ○ 有給休暇取得率60%以上※2

残業時間の削減※2 前年比20%削減 前年と比較し増加 × 生産性の向上策の展開による

残業時間の削減※2

S 人材の多様性と 機会均等

女性採用 比率※2

2019年度までに総合職の30%以上

2019年4月入社 25%(2018年4月入社 35%) × 2020年4月入社 新卒総合職採用における

女性比率※2 30%以上

障がい者 雇用※2

障がい者比率2.2%以上 障がい者比率2.26% ○ 障がい者比率※2 2.2%以上

S 労働安全衛生の向上 労働災害度 数率の低減※7

全産業全国平均の半分以下

度数率:0(全産業全国平均:1.66) ○ 労働災害度数率の低減※7

製造業全国平均(昨年度:1.20)以下 P40~

ES

環境

AS商品の開発・普及 AS商品の売上金額※2 140億円以上 133億円 目標達成率 94.2%(前年比 113.1%) × AS商品の売上金額※2 155億円以上

(前年比 116%) P17~

E 地球温暖化防止

温室効果ガス排出量※7

拠点別中期削減方策を策定 策定 ○温室効果ガス排出量※6、※7前年比3%削減 P43~

温室効果ガス排出量※6、※7

前年比3%削減 前年比4%削減 ○

E 産業廃棄物削減

産業廃棄物発生量※7

拠点別中期削減方策を策定 策定 ○産業廃棄物発生量※6、※7

前年比2%削減 P46産業廃棄物発生量※6、※7

前年比2%削減 前年比2%増加 ×

E 水利用の削減 中期削減計画を策定※82019年度削減目標を策定。使用量が過大な伊勢崎工場は個別の削減計画を立案

△ 取水量 前年比1%削減※8 P47

E レスポンシブル・ケア の推進 環境に関する訴訟、行政処分:0件 0件 ○ 環境に関する訴訟、行政処分:0件 P48

S

ステークホルダー

お客さま満足度の向上 お客さま満足度※2

前年比2%UP (4.25点以上/5点満点) 4.22点 (1%UP) × 顧客満足度調査の実施、分析、課題立案※2 P50

ES バリューチェーン 協働による価値向上

仕入先企業を対象にCSRアンケート調査、現地視察実施※2

82社を対象にCSRアンケート実施(有効回答 79社)。内15社の現地監査を実施。

○新CSR評価点制度に基づく調査※2:80社以上評価結果に基づく監査およびCSR向上支援※2:15社以上

P51

SG 製品責任

国内全拠点、海外2拠点のBCP策定 実施 ○海外3拠点におけるBCP策定、水害リスクの高い国内4拠点において水害を想定したBCP策定、海外拠点における水リスク特定 P36

BCP作成済み全拠点(国内全拠点、海外2拠点)で訓練実施 実施 ○ BCP作成済み拠点で訓練実施

品質に関する訴訟、行政処分:0件 0件 ○ 品質管理レベル向上を目的とした教育の実施※2 ー

S 地域との コミュニケーション 地域の活動団体と協働 13件以上 14件 ○ 地域の活動団体と協働 13件以上 P53

S 株主・投資家との コミュニケーション

IRホームページのリニューアル 実施 ○ 個人投資家向けIRイベントの開催 3回以上P52

ESGスモールミーティングの開催1回以上 実施 ○ ESGスモールミーティングの開催 1回以上

※1 企業業績を除き、当該年度の新規連結分を除く ※2      対象範囲はアイカ工業㈱単体 ※3 大卒・院卒の新卒者を対象に集計 ※4 2018年4月1日時点での、2015年4月1日入社人員退職率 ※5 有給休暇9月16日付与につき、前年9月16日~ 当年9月15日にて集計 ※6 売上高原単位 ※7 対象範      囲はアイカグループ国内生産拠点 ※8 対象範囲はアイカテック建材㈱を除く、アイカグループ国内生産拠点(11拠点)

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経営基盤

About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

29 AICA Group CSR Report 2019

 アイカグループは、国内外子会社を含めたグループ各社の「コーポレート・ガバナンスの強化」を通じて、企業価値および株主共同の利益の確保・向上を実現させたいと考えています。 当社は、監査役会設置会社を選択しています。取締役会は、経営方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要事項を決定し、業務執行状況を監督することでコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。また取締役会は、審議の活性化を図り、経営の透明性・客観性を確保するため、会社業務に精通している社内取締役 6 名と独立性・客観性・専門性を備えた社外取締役 2 名で構成されています。

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

● 企業統治の体制および内部統制の仕組み(2019 年 6 月 26 日現在)

 社内取締役が重要な執行機能を担っている実態に合わせ、2018 年 6月より、社内取締役が執行役員を兼任する形をとり、執行機能において執行役員の職務分掌を明確化することで業務執行のさらなるスピードアップを図っています。 監査役会は社外監査役2名を含む4名で構成し、取締役の職務執行ならびにグループ全体の業務や財務状況の監査を実施しています。 また、2016 年 4 月より任意の諮問委員会として、社外役員を主な構成員とする「ガバナンス委員会」を設置し、企業の持続的な発展と、統治機能のさらなる充実を目指しています。

監査役会

社外弁護士

企業倫理委員会

内部統制委員会

内部監査室内部統制を含む内部監査

代表取締役

ガバナンス委員会会計監査人

経営会議

経営推進会議

会計監査

内部統制監査

報告

報告

報告報

選定・解職

監査

連携

選任・解任 選任・解任 選任・解任

助言

取締役会

報告

株主総会

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

30AICA Group CSR Report 2019

 当社では、取締役会の実効性を検証すべく、2017年1月以降、毎年すべての取締役および監査役に対して取締役会の構成、運営および議題ならびに取締役会を支える体制に関するアンケートを実施し、それらの結果に基づき、取締役会の実効性について評価を行っています。2019 年1月実施のアンケート結果は、すべての項目において「適切又は一応適切」との回答が得られたこと、また、取締役会における審議が活発に行われていることが高い評価を得られたことから、当社の取締役会は概ね適切に機能しており、取締役会の実効性は

取締役会の実効性 確保されていることを確認しました。 一方、当社取締役会においては、経営陣幹部の選解任審議、取締役会資料のさらなる質の向上および取締役会構成員の多様性の課題も確認され、今後もさらなる取締役会の実効性向上を図るため、改善に取り組みます。

 アイカグループは、会社法に従い、取締役会で「内部統制システム構築の基本方針」を決議し、取締役会の監督機能、リスク管理体制、コンプライアンスの実効性を高めるための仕組みづくりなどの強化を図っています。内部監査室が監査活動や関係部署へのヒアリングを通じてこれらの整備・運用状況を把握し、当社の内部統制システムが有効であることを確認しています。また、金融商品取引法財務報告に係る内部統制評価報告制度に対応するため、「内部統制委員会」を設置し、主要な4つの統制プロセスの主管統制委員が維持管理と自己

内部統制活動点検を実施するとともに、別途内部監査室による内部監査評価を行い、財務報告の信頼性の維持・向上を図っています。 毎年、内部統制委員会にて前期の金融商品取引法財務報告に基づく内部統制状況を報告し、今期の活動計画の承認を得ています。

 当社役員の報酬は、固定報酬である「基本報酬」と、業績に応じて変動する「業績連動報酬」で構成されています。業績連動報酬の評価項目、評価方法、総報酬に対する構成比率などは有価証券報告書に記載しています。個人考課や報酬額の妥当性は、社外役員を主な構成員とするガバナンス委員会

役員報酬 で審議することにより、客観性や公正性を担保しています。なお、社外取締役および監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から基本報酬のみで構成されています。

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アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

31 AICA Group CSR Report 2019

⑫⑩ ⑧ ⑥ ⑦ ⑨

⑪ 

② ① ③ ⑤

取締役および監査役

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

32AICA Group CSR Report 2019

アイカ工業の社外取締役および社外監査役の選任理由は以下の通りです。

役職 氏名 選任理由 独立役員として指定している理由

社外取締役 小倉 健二(独立役員)

小倉健二氏は、企業経営者としての豊富な経験と知識を有していることから当社の経営体制の強化に活かしていただけると判断いたしました。

当社の子会社、主要な株主、主要な取引先の出身者等ではないため、特別な利害関係はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、独立役員として指定しています。

社外取締役 花村 淑郁(独立役員)

花村淑郁氏は、弁護士としての豊富な経験と知識を有していることから当社の経営体制の強化に活かしていただけると判断しました。

当社の子会社、主要な株主、主要な取引先の出身者等ではないため、特別な利害関係はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、独立役員として指定しています。

社外監査役 片桐 清志(独立役員)

片桐清志氏は、企業経営者として長年のマネジメント経験と知見を有していることから当社の監査体制の強化に活かしていただけると判断いたしました。

当社の子会社、主要な株主、主要な取引先の出身者等ではないため、特別な利害関係はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、独立役員として指定しています。同氏は、当社株式を300株保有しておりますが、主要な株主には当たらないと判断いたします。

社外監査役 宮本 正司(独立役員)

宮本正司氏は、公認会計士としての専門知識・経験等を有していることから当社の監査体制の強化に活かしていただけると判断いたしました。

当社の子会社、主要な株主、主要な取引先の出身者等ではないため、特別な利害関係はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、独立役員として指定しています。

氏 名 役職名

⑨ 岩田 照德 常勤監査役

⑩ 小瀬村 久 常勤監査役

⑪ 片桐 清志 社外監査役

⑫ 宮本 正司 社外監査役

監査役(男性 4 名、女性 0 名)

● 役員一覧(2019 年 9 月現在)

氏 名 役職名

① 小野 勇治 代表取締役 社長執行役員

② 百々 聡取締役 専務執行役員

財務統括部担当 / 経営企画部担当 / 物流部担当 /業務統括部担当 / 情報システム部担当

③ 岩瀬 幸廣 取締役 専務執行役員建装・建材カンパニー長 / 営業統括本部長

④ 大村 信幸 取締役 常務執行役員化成品カンパニー長 / 営業統括本部副本部長

⑤ 森 良二 取締役 常務執行役員生産担当 / 購買部担当 / 安全環境部担当

⑥ 海老原 健治 取締役 常務執行役員機能材料カンパニー長

⑦ 小倉 健二 社外取締役

⑧ 花村 淑郁 社外取締役

取締役(男性 8 名、女性 0 名)

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

33 AICA Group CSR Report 2019

コンプライアンス

 アイカグループは、コンプライアンス上必要な施策の立案・推進や、内部通報窓口「企業倫理委員会の窓」に内部通報があった事案の調査・確認・是正処置などを目的として、企業倫理委員会を設置しています。

企業倫理委員会 すべての内部通報は、企業倫理委員会が速やかに調査・対応し、必要に応じて是正措置を講じており、その内容は経営陣および監査役に定期的に報告されています。

 アイカグループは、「世界人権宣言」、 「労働における基本的原則および権利に関する ILO 宣言」、 「ビジネスと人権に関する指導原則」などの、人権に関する国際規範を支持、尊重し、企業が負うべき責任を果たすべく、「アイカグループ行動規範」にて人権尊重に関する指針を明示しました。 各国の法令を遵守した労働条件を就業規則に定め、長時間労働・強制労働が行われないよう、勤務時間の管理や適切な

人権尊重 人員配置を行っています。また、新規社員の採用時には身分証明書の呈示を求め年齢確認を行い、児童労働を防止しています。

 アイカグループは、国内外の拠点において現地の法令を遵守し、倫理的に事業活動を行うことに確固として取り組んでいます。 「アイカグループ行動規範」は、アイカグループのコンプライアンス・プログラムの根幹をなすものであり、当社の社是「挑戦と創造」に則り、当社経営理念および事業計画を実現することを目的として定めています。また「行動規範」の趣旨に則った具体的な行動基準を「行動指針」に定めています。 従業員のコンプライアンス意識向上のため「アイカグループ行動規範・行動指針」を活用し、職場単位の研修をグループ会社を含む国内外の全拠点で毎年実施しています。この研修では、「行動規範」「行動指針」の位置付け、コンプライアン

コンプライアンスに関する基本的な考え方

各拠点におけるコンプライアンス研修

営業店所向け研修 工場向け研修  子会社向け研修 

10 回 / 年21 回 / 年13 回 / 年

階層別コンプライアンス研修

新任管理職向け研修新入社員向け研修 

1 回 / 年1 回 / 年

● 2018年度研修実施実績 ● アイカグループ行動規範 基本原則

【6】 適正な情報開示【7】 雇用・労働および労使関係【8】 会社情報および財産の保護【9】 環境および安全

【1】 法令遵守【2】 人権尊重【3】 社会との調和【4】 公平・公正な取引【5】 お客さまの安心と信頼

スの意義と必要性について意識付けを徹底しています。参加者全員を記名した実施報告書によって理解度を確認し、従業員からの要望事項も確認しています。 また、企業倫理委員会、法務部、内部監査室、安全環境部、品質保証部が中心となって、営業店所、工場、子会社など各拠点を巡回し、管理職を対象に含めたハラスメント教育や、実務者向けのコンプライアンス研修を実施し、コンプライアンスの重要性を指導しています。ここで発見された課題は、全社的な改善活動へ展開されます。

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アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

34AICA Group CSR Report 2019

 法令・社内規則違反、贈収賄・腐敗、ハラスメントなどの職場モラル違反の潜在的なリスクに対して早期に対応できるよう、アイカグループは、内部通報窓口「企業倫理委員会の窓」を社内および外部の弁護士事務所に設置しています。 国内外を問わず、アイカグループ従業員は、企業倫理やコ

内部通報制度ンプライアンスに関する問題や疑問を、不利益を被る心配をすることなく、電話または電子メールで「企業倫理委員会の窓」に随時報告・相談することができます。また、この制度は、秘匿性が確保されており、匿名での通報も受け付けています。

※2018年度 企業倫理委員会の窓への相談件数:10件

企業倫理委員会

事務局(人事部長)内部監査室長財務統括部担当

顧問弁護士(オブザーバー)

【役割】(1) アイカグループでのコンプライアンス必要施策の企画・立案、推進(2) 「企業倫理委員会への窓」に内部通報があった事案およびグループ会社単体で解決でき

ない事案の調査・確認・是正処置(3) コンプライアンスの観点から問題が生じた場合の懲戒適用に関する検討、起案

社 長

【役割】(1) アイカグループでのコンプライアンス必要施策の企画・立案、推進(2) 「企業倫理委員会の窓」に内部通報があった事案およびグループ会社単体で解決できな

い事案の調査・確認・是正処置(3) コンプライアンスの観点から問題が生じた場合の懲戒適用に関する検討、起案

社内窓口

弁護士事務所

企業倫理委員会の窓

従 業 員

● 概念図:企業倫理委員会および内部通報制度

 当社は、グローバルコンパクト原則 10 に賛同し、金銭、非金銭を問わず、受託した権力を個人の利益のために用いることを腐敗とし、公務員への贈収賄、取引先への贈収賄、横領、マネーロンダリング、司法妨害、またそれらの強要など、あらゆる形態の腐敗防止に取り組みます。 この方針を「贈収賄・腐敗行為防止に当たってー公正な取引のためにー」として書面化し、当社社長が署名した上で従業

腐敗防止方針員へ周知させました。また、「アイカグループ行動規範【4】公平・公正な取引」にて腐敗に関与しないことを明記しており、「アイカグループ行動規範」を活用した職場単位の研修を、グループ会社を含む国内外の全拠点で毎年実施しています。

当社ホームページにて「コンプライアンス」に関する補足資料を公開しています。AICA トップ アイカについて CSR 活動 コンプライアンス

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About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

35 AICA Group CSR Report 2019

● ログイン認証を従業員IDカード認証にて行っており、第三者によるアクセスを防止しています。また、社内システムへのログインパスワードも定期的に更新しています。

● 外部ネットワークのセキュリティレベルについて第二者(利害関係者、セキュリティ管理委託先)の診断を受け、問題ないとの評価を受けています。

● 当社システム開発主要委託先の運用管理状況を確認するため、情報セキュリティ監査を実施しています。

リスクマネジメント

規 程 内 容

危機管理規定 経営上の危機に直面した時の対応について

地震防災規程 地震災害時の対応について

風水害防災規程 風水害時の対応について

製品安全管理規程 事故が発生した製品苦情の対応について

MS緊急対応規定 工場火災、環境問題発生時の対応について

情報管理規程 機密情報漏洩時の対応について

新型インフルエンザ対策に関する行動計画 新型インフルエンザ発生時の対応について

 当社は、不測の事態による損失の軽減を図るため、経営環境を取り巻く各種リスクに対応する部署を決め、必要な規程・ガイドラインを整備し、稟議手続きを通してリスク管理を実行し、定期的に行うリスク評価の結果を取締役会・監査役会に報告しています。

リスクマネジメントに関する基本的な考え方● 危機管理規定および関係規定

 アイカグループでは、多くの危険物を原料として、あるいは補助的に使用して有用な製品を生み出しています。危険物は取り扱いを誤ると大きな事故を引き起こし、従業員の健康や生産設備の機能、地域社会へ深刻な影響をもたらし ます。 各生産拠点において地域の消防署と連携して防災訓練を実施しています。

保安防災

アイカ工業㈱甚目寺工場

2018 年 12 月、ジョリパット工場1階より出火した想定で、愛知県あま市海部東部消防署の車両を使用した救助訓練や放水訓練も交えた防災訓練を実施。

アイカテック建材㈱ 市川工場

2019 年 6 月、施設作業場より出火した想定で、避難訓練と放水訓練を実施。速やかな避難と連絡体制に課題がみつかり、改善予定。

● 2018 年度の主な取り組み

● アイカ工業㈱におけるセキュリティ対策の実施事例

 当社は、「情報管理規程」と「情報管理委員会」の運用により、情報の利用・管理のルールを定め、情報セキュリティ体制の強化に努めています。 顧客のプライバシーを含んだ個人情報について、管理区分やセキュリティルールを見直し、情報管理規程に反映しています。

情報セキュリティ

 また、万一に備え、情報漏洩が発生した際の対応マニュアルを整備し運用しています。 社内の情報管理状況の確認を目的とした社内情報セキュリティ監査や、情報管理研修の継続実施などにより、従業員の情報管理意識の定着を図っています。

● 「社外持ち出しパソコン」については、データの暗号化を実施し、且つセキュアなネットワーク接続を実現しています。

● パソコンにはウィルス対策ソフトおよびセキュリティパッチを最新とする配信を実施しています。

● BCP対応を含め、データセンターにおいて基幹サーバーを設置・運用しています。

● 社内ネットワーク接続パソコンでのUSBメモリの使用を全面的に抑止し情報管理を強化しています。

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

36AICA Group CSR Report 2019

広島水害について

拠点名 所在地 内容

名古屋工場 愛知県清須市 フェーズ 0 および 1(災害発生から BCP 対応を決定する段階)の実施事項再確認、フェーズ 2( 代替生産段階 ) における重要事項 ( サプライチェーン・ キーマンなど ) の確認甚目寺工場 愛知県あま市

丹波工場 兵庫県丹波市

広島水害の教訓を活かした前回訓練(フェーズ 2:復旧段階)の深堀り

伊勢崎工場 群馬県伊勢崎市

アイカインテリア工業㈱ 愛知県小牧市

アイカテック建材㈱茨城県筑西市愛知県海部郡兵庫県神崎郡

AAPH グループ  シンガポール 他 BCP 策定済みの拠点において、初動リスト(各部門がフェーズごとに実施すべきことを記載した TODO リスト)を策定し、確認訓練を実施昆山愛克樹脂有限公司 中国江蘇省昆山市

 アイカグループは、大規模災害や事故により重要な事業を中断させないこと、また万一、事業活動が中断した場合においても残存する能力で目標復旧時間までに重要な事業を再開させることを目的に、事業継続計画 (Business Continuity Plan: BCP) を策定し、緊急時の対策を講じています。

 「平成 30 年 7 月豪雨」により、当社広島工場が甚大な浸水被害を受けました。この災害に対して従業員の安否確認に始まり、原材料供給元やお客さまに係る情報収集など、事前に定めたBCP計画書・初動リストに基づき、当社社長指示のもと従業員全員が復旧に全力を注ぎました。その結果、7 月6 ~7 日の浸水被害から 2 週間後の 7 月 21日には、一部製品の生産を再開し、約 2ヶ月後の 9 月 3 日からは、その他品種でもほぼ全面的に生産が再開しました。また、被害については保険を付保しており、業績への影響は最小限にとどめることができました。 今後、この災害を教訓にして水害を想定したBCPを充実・発展させ、計画に沿った訓練を実施し、災害や事故発生時に確実に実行できる体制を整えます。

BCP(事業継続計画)

 2011 年 3 月に発生した東日本大震災をきっかけに「BCP委員会」を発足し、本委員会を中心に防災対策を強化するとともに BCP 策定に取り組んでいます。国内・海外ともに主力の生産拠点から策定を開始し、策定済みの拠点では定期的に訓練を実施しています。

● BCP に関する 2018 年度の主な取り組み

2018年 7月7日撮影浸水の様子

2018年 7月12日撮影水が引いた後の倉庫の様子

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

37 AICA Group CSR Report 2019

人 材

労使関係

人材育成

 アイカ工業労働組合は昭和 21 年 5 月に結成されて以降、組合活動を継続して行っています。長年にわたりアイカ工業㈱と苦楽を共にしてきたパートナーであり、また良き理解者です。これまで築いてきた信頼関係を大切にし、良好な労使関係を保っています。 相互理解を深めるため、月に一度、組合三役と人事部は情報交換会を開催しています。また、労使交渉の場を含めて年に数回、経営陣と経営方針や中期経営計画の進捗、個別事業の概況、各種制度などについて意見交換を行っています。

労使関係に関する基本的な考え方 各国・各地域の拠点においても、行動規範に基づき、結社の自由と団体権・団体交渉権を従業員の権利として尊重し、密接なコミュニケーションを通じて従業員との良好な関係を構築するよう努めています。

 社会の価値観が多様化し、それに伴い企業で働く従業員の会社に対する考え方や働くことへの意識も変化・多様化しています。 会社をさらに発展させるためには従業員の意識調査が必要不可欠であるとの認識から、外部機関に依頼して定期的に従業員意識調査を実施しています。前回 2016 年の調査に続き、2019 年 7 月に調査を実施しました。

従業員意識調査 当社に対する従業員の満足度を示す「総合満足度」は、前回・今回ともに一般的な企業の平均よりも「やや高い」と調査会社から報告を受けました。もちろん年齢や職種により調査結果に差異が生じています。その内容を分析し人事制度を含めた各種施策に活かすとともに、今後も定期的な調査を実施し、中長期的な視野から従業員の満足度を上げるための方策を講じていきます。

 当社は、自己能力の啓発と未来志向を強く意識し、社是である「挑戦と創造」に努め邁進する人材を育てます。従業員は会社を変革し企業価値を高める重要な存在であるとの認識

人材育成に関する基本的な考え方に立ち、従業員一人一人が持てる力を最大限に発揮できるよう人材育成に努めています。

 入社前のフォローから、着実にキャリアを重ねるための階層別研修、自己啓発支援など、人材育成のための様々な制度を用意しています。 新入社員向けには、入社から 3 年かけて自ら考えて行動する「自立型人材」を育てる研修プログラムを導入しています。また、OJT 制度やメンター制度も組み合わせ、新入社員が配属された部門と人事部が連携して育成に取り組んでいます。

研修制度 グローバル人材の育成にも注力しており、新入社員研修や 2年次・3 年次研修では語学研修を取り入れ、テレビ会議システムを使った海外子会社とのミーティング体験も行っています。また、海外トレーニー制度を設置し、海外子会社への派遣を行うなど、海外での就業機会も提供しています。 加えて、通信教育制度や公的資格取得制度を設け、費用や奨励金を支給することで従業員が自ら学ぶ姿勢を支援しています。

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38AICA Group CSR Report 2019

 事業のグローバル化、多様な市場ニーズに対応するためダイバーシティを推進しています。中でも女性の活躍については、2013 年 6 月に女性活躍推進プロジェクトを立上げ、女性の力を経営に活かす取り組みや環境整備に注力してきました。この活動が評価され 2016 年 1月には名古屋市が主催する「名

ダイバーシティ・ワークライフバランス

ダイバーシティ・ワークライフバランスに関する基本的な考え方古屋市女性の活躍推進企業認定・表彰制度」において「優秀賞」を受賞しました。 2018 年度からは、ダイバーシティ推進プロジェクトと名称を変更し、より多様な人材が活躍できる基盤づくりを推進すべく取り組んでいます。

目標区分 目標値 当社の現状 (2019年3月末時点)

①女性社員比率向上新卒総合職 女性採用比率 30%以上 29.0% (2016年4月~2019年4月入社平均)

両立支援制度の新案・改正 3件以上

②女性管理職比率向上 5.8% (その他製造業平均)以上 3.2% (管理職数217名、内女性管理職7名)

③障がい者採用比率 2.3%以上 2.26% 

④風土改革 有給休暇取得率 70%以上 有給休暇取得率 61.7%

● ダイバ-シティ推進活動目標(女性活躍推進法)

● 認定取得状況

女性がいきいきと活躍できるような取り組みをしている企業を認定し、その中で特に優れた取り組みをしている企業を表彰するものです。

子育て支援など一定の基準を満たした企業が厚生労働大臣によって認定され、そのマークを広告や商品などに使用することができるものです。

名古屋市女性の活躍推進企業認定取得(2016年1月) 厚生労働省「くるみん」 認定取得

目標取組期間:2019 年 4 月 1 日~ 2022 年 3 月 31 日

● 研修体系

入社前 一般職 中堅職 管理職

階層別研修

  

職種別集合研修

職場研修

自己啓発支援

資格取得支援

グローバル人材育成

工場長研修 次世代経営層研修営業力強化研修

生産部門技能訓練研修

コンプライアンス教育

労務管理教育

品質・安全・環境教育

SKYPE 英語

通信教育

入社前通信教育 中堅職研修

新任管理職研修

危険物取扱者/安全衛生管理者/接着管理士/フォ-クリフト運転技能/建築施工管理技士/ TOEIC など

新入社員研修

OJT 研修 2 年次研修

3 年次研修メンター研修

マネジメント研修労務、法務、人材、財務・経営戦略など

当社ホームページにて「人材育成」に関する補足資料を公開しています。AICA トップ アイカについて CSR 活動 人事・労務

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39 AICA Group CSR Report 2019

 共働き世帯の増加や中高年世帯の介護問題が社会課題となる中、当社では多様な働き方に柔軟に対応し、従業員が可能な限りキャリアを中断せずに働きつづけられるようプライベートと仕事の両立を支援する制度の拡充を図っています。

両立支援制度の拡充

カムバック・エントリー制度

育児、介護、配偶者の転勤などの理由で退職せざるを得ない社員を対象としたカムバック・エントリー制度を設置。退職理由となった事由が解消され、職場復帰する環境が整っている場合に、採用選考を経て職場復帰が可能。(登録制・退職から5年以内)

育児短時間勤務制度の改定

小学校就学前までとしていた期間を小学校3年生修了まで期間延長。個人の事情に合わせてより利用しやすく、また小1の壁を越えられるよう改善。

タイムシフト勤務制度の改定

始業・終業時間を30分単位、前後1時間の範囲でシフトすることが出来る制度の適用期間を、子の小学校就学前までから、子の小学校卒業までに延長し、フルタイムで働きやすい環境へ改善。

● 両立支援制度

 65 歳までの継続的な雇用機会の提供を義務付ける改正高年齢者雇用促進安定法は、2013 年 4 月1日に少子高齢化の急速な進展を背景に、その一部が改正されました。 当社は法改正への対応と社員のモチベーション向上、生活保障を目的に、再雇用制度の大幅な改定を実施しました。今後も、安心して働くことができる環境整備を進めます。

再雇用制度、障がい者雇用 また当社では、障がい者の継続雇用を目的に、従事可能な業務の洗い出しを行い、就業の定着を図っています。さらなる雇用者数拡大に向け、今後も引き続き障がい者就職面接会への参加などの施策に積極的に取り組みます。

2016年度 2017年度 2018年度

16名 18名 27名2017年3月末 2018年3月末 2019年3月末

17名 21名 22名

● アイカ工業㈱ 再雇用制度による新規雇用者数推移 ● アイカ工業㈱ 障がい者雇用者数推移

 長時間労働が社会問題化し、国を挙げて働き方改革を推進する中、当社は、2017 年 4 月1日に「働き方改革推進プロジェクト」を立ち上げ、ノー残業デーの推進や時間外労働の削減など、長時間労働をさせない風土づくり・意識改革に積極的に取り組んでいます。また、C&C 活動 ( P.25 )を通じ、設備や業務の改善、多能工化を進め、長時間労働を削減するための業務改革に全社を挙げて取り組んでいます。加えて、有給休暇の計画取得の推進や育児・介護支援制度の充実も進めています。

働き方改革

2016年度 2017年度 2018年度

平均取得日数 8.2日 10.3日 11.3日

平均取得率 45.0% 56.0% 61.7%

※対象期間について 2017年度以前:前年度9月16日~当年度9月15日 2018年度以降:前年度3月16日~今年度3月15日※対象人員について アイカ工業㈱の従業員のうち、出向者・育児休業者・休職者・パート・アルバ イトを除く。

● アイカ工業㈱ 有給休暇取得状況

当社ホームページにて「ダイバーシティ」に関する補足資料を公開しています。AICA トップ アイカについて CSR 活動 人事・労務

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40AICA Group CSR Report 2019

 会社の基盤を健全に維持し、持続的に発展していくためには、従業員一人一人の健康維持 ・ 職場の安全性向上に努めることが重要です。また、事業活動によって、当社の拠点内で就業する請負業者さまや、周辺地域住民の皆さまの健康と安全へも影響を与えることを認識し、ステークホルダーの方々の健康維持、職場・周辺環境の安全性向上に努めています。 当社は、労働安全衛生法に基づき安全衛生委員会を各拠点

労働安全衛生

労働安全衛生に関する基本的な考え方に設置しています。環境測定や健康診断結果を踏まえて、労働者の危険または健康障害削減などの対策の基本となるべき重要事項の調査・審議を行っています。 安全衛生委員会のメンバーは、管理職と労働組合員が同数となるように構成し、拠点内に従事する請負業者の皆さまとともに開催して、コミュニケーションのさらなる活性化に注力しています。

 2006 年 1月 17 日に甚目寺工場で発生した重大事故を風化させないため、1月 17 日を「オールアイカ安全の日」と定めています。 「オールアイカ安全の日」には毎年、全職場で黙とう・安全朝礼などを行うとともに、アイカグループ労働安全衛生大会を開催しています。2018 年度の大会では、過去の労災を再確認するとともに最近の傾向を分析し、「安全意識教育」と自動化を含めた「設備改善」を両輪として、対策を強化することを確認しました。さらに大会後の工場長研修において、管理職の役割、安全意識向上のためのコミュニケーションを図るとともに、近年労働災害が増加傾向にある構内協力会社の安

労働災害の防止全管理体制の強化策などについて討議し、課題とその対策を共有しました。 現場レベルでは、小集団単位での活動 (C&C 活動 P.25)の中で、KYT(危険予知訓練)やヒヤリハット活動、危険源改善活動を継続して実施しています。これら地道な活動を強化するため、2018 年度からはそれぞれの小集団が実施したKYT( 危険予知訓練 ) の点数評価を開始しました。ただ形式的に訓練するのではなく、より安全意識向上に結び付く有意義な訓練となるよう改善を進め、労働災害の撲滅に取り組んでいます。

● 労働災害の状況

労働災害発生件数内訳

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点

2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度

死亡災害 0 0 0 0 0

休業災害 0 3 2 7 6

うち、正社員以外 0 1 0 3 6

不休業災害 7 10 12 10 12

うち、正社員以外 0 4 4 4 7

0.000.000.000.00 0.82

1.73

0.001.36

0.000.84

0

1

2

3 ※度数率=労働災害による死傷者数(不休業災害を除く)×1,000,000     ÷延労働時間数     対象人員は正社員

度数率※推移

2017 2018201620152014 (年度)アイカ工業㈱ 国内全生産拠点(単体)アイカグループ国内全生産拠点(連結)製造業全国平均

 対象人員は正社員

0.000.000.00

0.00 0.00

0.05 0.05

0.000.04 0.00

1.26

0

0.05

0.10

0.15 ※強度率=労働損失日数×1,000÷延労働時間数

強度率※推移

2017 2018201620152014 (年度)アイカ工業㈱ 国内全生産拠点(単体)アイカグループ国内全生産拠点(連結)製造業全国平均

対象範囲:アイカグループ国内全生産拠点

※労働災害総計は不休業災害+休業災害労働災害発生件数

休業災害

(件)

0

10

15

20

2017 2018201620152014

57

13

5

8 1021

1417 18

03

7 6

2

労働災害総計(年度)

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分

4

(件)

お断り:2017 年度の報告内容に誤りがあったため、一部数値を修正しています。

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41 AICA Group CSR Report 2019

第 13 回アイカグループ労働安全衛生大会

● 主な車両事故対策

交通災害防止

❶ 運転技能向上 若手社員および事故発生者を中心に技能講習を実施し運転技能の向上を図るとともに、上長の添乗チェックにより習熟度合いを確認。

❷ 意識改革 事故発生者に要因分析、改善策などをまとめたレポートを提出させることで意識改革を図り、再発を防止。

❸ 事例共有 実際の事故事例に基づいたKYT(危険予知訓練)シートを全社に展開し、事例を共有するとともに緊張感を継続させています。

労働安全衛生大会アイカグループ国内生産拠点および構内協力会社の責任者が参加。労働災害対策事例発表および無災害サイトの表彰を行い、労働災害の傾向と対策を共有。

工場長研修

アイカグループ国内生産拠点および構内協力会社の現場管理者が参加。現場管理の課題抽出とその解決策や、安全意識向上策として、KYT(危険予知訓練)活性化について討議したほか、構内協力会社の安全管理体制の強化策についても討議。

グローバルQEO実務責任者研修会

海外グループ会社を含む工場責任者が参加。労働災害発生リスクが高い部分に対する改善策と末端作業員の安全意識向上策について討議。

 リスクアセスメントは、職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減するための手法です。当社は、労働安全衛生マネジメントシステムに基づき社内規定を制定し、リスクアセスメントを実施しています。工場においては、化学物質についてもリスクアセスメントを実施し、リスクの除去・低減活動を進めています。また、法令で定められた作業環境測定も定期的に実施し、作業環境改善に取り組んでいます。

 当社は 300 台強の社有車を日常的な業務に使用しています。社有車を使用できるのは、運転適性を確認した上で登録された社員に限定するとともに、交通法規に加え独自の“社有車使用ルール”を定めて交通災害防止を図っています。

リスクアセスメント / 作業環境改善

 昨年度の車両事故のうち約半数が 20 歳代の若手社員によるものでした。幸い大事には至っていませんが、対人事故も発生しており、重大事故の撲滅と運転技能の向上に引き続き注力していきます。 

アイカグループ 国内全生産拠点 作業環境測定結果

0

50

100

200

第3管理区分第2管理区分第1管理区分

(件)

150

2017年度

第1管理区分:作業環境管理が適切であると判断される状態第2管理区分:作業環境管理に改善の余地があると判断される状態第3管理区分:作業環境管理が適切でないと判断される状態

17 18 24 15

該当測定箇所(延べ数)

156 165

2018年度

● 2018 年度の主な取り組み

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42AICA Group CSR Report 2019

定期健康診断 当社では、「法定健診」に加えて、年齢・性別・要望等に応じて「生活習慣病健診」や「婦人科健診」を組み合わせて実施し、従業員の健康管理機能を強化しています。2014 年度からは、

ご家族を含めたインフルエンザ予防接種費用の一部を会社負担とし、罹患予防も強化しています。

メンタルヘルス 市場競争の激化や急速な変化を伴う経済環境のもと、労働者の受けるストレスはますます拡大する傾向にあり、深刻な社会問題となっています。 当社は、身体の健康だけでなく従業員の「心・精神面」を健康に保つためのさまざまな施策を講じています。

● 主なメンタルヘルス施策

ストレスチェック2016 年度より年に 1 回実施。個人に結果をフィードバックするとともに、部門長に部門単位の分析結果をフィードバック。

相談窓口の設置 外部機関を利用した「心・身体」の健康相談窓口を設置。社内イントラネットで広く案内。

● 交通災害の状況

対象範囲 アイカ工業㈱の当方、双方過失事故

車両事故件数の推移

3122 23 26 22

0

20

40

60

2017 2018201620152014

(件)

(年度)

2018年度事故形態別発生件数 (%)

追突23%

バック27%

右左折18%

その他18%

走行中14%

当社ホームページにて「労働安全衛生」に関する補足資料を公開しています。AICA トップ アイカについて CSR 活動 人事・労務 労働安全衛生

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43 AICA Group CSR Report 2019

● 目標と実績

2018年度目標 2018 年度実績 増減要因 2019年度目標

売上高原単位 前年比 3%削減51.8t-CO2 /売上億円以下

前年比 4%削減51.3t-CO2 /売上億円

不良率の低減、老朽設備の更新による省エネ効果

前年比 3%削減49.7t-CO2 /売上億円以下

環 境

事業へのリスク認識 気温の上昇や水不足など、世界的な気候変動・異常気象・自然災害に対する懸念が増大している中で、アイカグループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がある事柄として、特に右記の 2 点を想定しています。

 世界情勢の改善に取り組む国際機関、世界経済フォーラム(WEF)は「グローバルリスク報告書」を毎年発表しており、2018 年度版では、発生の可能性が高く、負のインパクトが大きいリスクとして、「異常気象」、「自然災害」、「気候変動の緩和や適応への失敗」などが上位に挙がったと報告しました。

環境に関する基本的な考え方 アイカグループでは、これらのリスクの重要性を認識し、持続可能な社会を実現すべく、ISO14001を基に環境マネジメントシステムを構築し、地球温暖化防止(気候変動問題へのアクション)、環境負荷の低減(資源と汚染の問題へのアクション)に積極的に取り組んでいます。

 環境規制リスク‥気候変動対策や化学物質使用・環境保全面での規制強化に伴う影響 大規模災害リスク‥BCP(事業継続計画)を作成し毎年対策を講じ訓練を行っているが、予想を超える事態が発生した場合の影響

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点

地球温暖化防止 〈気候変動問題へのアクション〉

● 基本的な考え方

 地球環境保護における重点課題は、地球温暖化防止です。2015 年 12 月、第 21 回国連気候変動枠組条約締約国会議

(COP21)において、地球規模の新たな法的枠組みとなる「パリ協定」が採択されました。その後、2017 年 6 月にアメリカが脱退を表明しましたが、2017 年 11月ドイツで COP23が開催され、パリ協定の実施指針交渉が継続されています。日本においても 2017 年 3 月「長期低炭素ビジョン」が取りまとめられ、地球温暖化対策への取り組みが推進されています。日本の削減目標は、2030 年までに 2013 年比 26% 削減、2050 年までに80% 削減です。アイカグループにおいても、温室効果ガス削減を積極的に進めており、2030 年度まで毎年度、売上高原単位排出量を前年度比3%削減することを目

温室効果ガスの排出削減(省エネルギー)

標に掲げています。 一方、世界規模で増加している異常気象を原因とした災害によって、当社も近年幾度か被害を受け、気候変動は大きな事業リスクであると痛感しています。より適切な対応をしていくことが喫緊の課題であると認識し、温室効果ガス削減を積極的に進めています。 アイカグループ国内全生産拠点で「温室効果ガス・産業廃棄物削減の中長期計画」を策定し、①エネルギーの見える化による改善活動(不良削減・無駄の排除)、②適切な環境投資、③エネルギー使用・排出における管理の高度化、を通じて、目標達成に向けた取り組みを行っています。

対象範囲について:各項目毎に対象範囲を明記しています。拠点の内訳は以下の通りです。●アイカグループ国内全生産拠点:アイカ工業㈱、アイカインテリア工業㈱、アイカハリマ工業㈱、アイカテック建材㈱の全生産拠点●アイカグループ海外全生産拠点: アイカインドネシア社、テクノウッドインドネシア社、昆山愛克樹脂有限公司、瀋陽愛克浩博化工有限公司、

アイカ・ラミネーツ・インディア社、アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ、エバモア・ケミカル・インダストリーグループ

お断り:2018 年度報告内容より、二酸化炭素排出量実績値およびエネルギー投入量・温室効果ガス排出量・産業廃棄物発生量の売上高原単位数値の洗い替えを行いました。二酸化炭素排出量算出に用いる換算係数については、これまで固定値を使用し、当社の取り組みによる削減傾向の把握を重視していましたが、エネルギーの選択の幅が広がったことを受け、ロケーション基準の係数に変更しました。売上高原単位算出の際に使用する売上高については、これまで海外も含めた連結売上高を使用していましたが、海外売上高比率が上昇している現在の状況に合わせて、国内グループ連結売上高を使用し算出することとしました。

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44AICA Group CSR Report 2019

● 2018 年度の主な取り組み

会社名・拠点名 所在地 内容

名古屋工場 愛知県清須市・資源回収ボイラー熱交換効率改善(水管灰付着定期除去)・貫流ボイラー高圧送気効率改善 ・オーバーコート炉温制御エネルギー改善

甚目寺工場 愛知県あま市 ・ウレタン中間製品冷却改善 ( 充填工程で添加 )  ・チラー冷却水改善

丹波工場 兵庫県丹波市 ・D 棟蒸気配管改善(配管ループ化)  ・圧力低下抑制乾燥時間短縮

伊勢崎工場 群馬県伊勢崎市 ・製品タンク撹拌機ブライン連動化  ・ボイラー更新  ・コンプレッサー更新

アイカハリマ工業㈱ 兵庫県加西市 ・プレス間隔の時間短縮

アイカテック建材㈱茨城県筑西市愛知県海部郡兵庫県神崎郡

・裸管からの放熱ロス削減・外部省エネ診断(電気、蒸気)による省エネ策の展開

各工場拠点 ・照明 LED 化の推進  ・不良率低減による生産効率向上  ・工程節電の推進

エネルギー投入量売上高原単位の推移

0

0.25

0.50

0.75

1.25

1.00

2017 2018201620152014

(TJ/ 億円)

(年度)

0.640.90

1.03 1.01 0.97

国内生産拠点

温室効果ガス排出量売上高原単位の推移 (t-CO₂/ 億円)

国内生産拠点

0

20

40

60

80

2017 2018201620152014 (年度)

35.1

50.0 57.9 53.4 51.3

エネルギー投入量の推移

0

500

1,000

2,000

1,500

(TJ・テラジュール)

330

641

252

927661913

25.1

1,029

23.9

9711,129

22.5

1,179 1,208

22.2

1,221

1,829

20.7

1,200

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分■国内生産拠点 ■海外生産拠点 ■国内営業拠点

2017 2018201620152014 (年度)

555

1,274

■国内生産拠点 ■海外生産拠点 ■国内営業拠点①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分

0

40,000

20,000

80,000

60,000

100,000

20182017201620152014

66,186

36,169

44,605

1,548

49,315

1,508

54,174

1,418

55,206 56,764

1,300

64,386

88,137

1,220

63,132

温室効果ガス排出量の推移 (t-CO₂)

(年度)

18,001

36,173

13,996

26,917

61,22052,190

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点 アイカグループ海外全生産拠点 アイカグループ国内営業拠点 : 22営業店所

● 実績推移

【スコープ3】  日本国内の省エネ法などでは、企業自身が排出した温室効果ガス(GHG)排出量に当たるスコ-プ 1(化石燃料・天然ガスなど)と、間接的に排出した GHG 排出量に当たるスコ-プ 2(電力など)の管理が義務付けられていますが、近年カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)をはじめ、サプライヤー(取引先企業)の GHG 排出量をスコープ 3(製造、輸送、出張、通勤など)として管理し、対外的に開示する動きが強まってきてい ます。 当社では、2006 年から製品の製造に掛かる CO₂ 排出量

の把握、算定に取り組んでおり、上記の流れに沿って、スコープ 3 の算定を行いました。その結果、インパクトの大きいプロセスは製品ごとに異なり、原材料の調達プロセスで CO₂ 排出量比率が高くなる製品は化成品のブレンド製造品で、製造プロセスで CO₂ 排出量が大きい製品は多くの工程を要する高圧化粧板、と大まかに捉えることができました。 ただし算定に用いたデータは古いものが多く、新たに加わったグループ会社の商品についても算定を進める必要があり2019年度に更新する計画です。

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アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

45 AICA Group CSR Report 2019

 アイカグループでは、環境負荷の低減と資源の有効利用を目的に、化学物質の管理、産業廃棄物の削減・リサイクル、水資源の有効利用に取り組んでおり、 生産性の向上や、製品

の軽量化を検討し、また環境負荷物質を代替物質へ置き換える仕様変更を進めています。

環境負荷の低減に関する基本的な考え方

環境負荷の低減〈資源と汚染問題へのアクション〉

輸送に関するエネルギー使用量の原単位の推移 (kℓ/ 百万トンキロ)

国内輸送※

40

44

46

48

50

20182017201620152014 (年度)

42

46.3045.07 44.99 44.58 44.12

※アイカ工業㈱が荷主となる物流

化学物質の管理

 当社では、揮発性有機化合物(VOC)を含む有害な化学物質の排出・移動量の削減を化学メーカーとしての重要な責務と認識しています。PRTR 法 * で対象となった物質に関して2002 年度以降削減に取り組み、10 年後の 2012 年にはほぼ1/ 5 にまで削減しました。

● 基本的な考え方

*「特定化学物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律」(化管法)により、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握、集計、公表する仕組み。

● 実績推移

0

40

60

80

2017201620152014

(ton)

(年度)

20

66 65 68 69

2018

70

PRTR対象物質の排出・移動量推移

■国内生産拠点

グリーン物流

 輸送時に発生する温室効果ガスの排出量削減も企業に課せられた課題のひとつです。 アイカグループでは全国の主要出荷拠点の物流担当者が営業部門と連携を取り、モーダルシフト、トラック貨物輸送の効

率化、デポの整備などの改善を継続的に実施しています。 今後も、管理指標である貨物輸送トンキロ当たりのエネルギー使用量(重油換算)の削減に向けて、各種施策を講じます。

● 目標と実績

● 基本的な考え方

2018年度目標 2018 年度実績 増減要因 2019年度目標

原単位使用量 前年比 1% 削減44.13㎘ / 百万トンキロ以下

前年比 1% 削減44.12㎘ / 百万トンキロ

仕入先への集荷便の効率化定期便の拡充(京都北部エリア、熊本エリア、加西物流センターから関東方面への定期便化)

前年比 1% 削減43.67㎘ / 百万トンキロ以下

● 実績推移

対象範囲 国内輸送※

対象範囲 国内輸送※

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点

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アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

46AICA Group CSR Report 2019

● 基本的な考え方

 1998年から産業廃棄物の削減に向けた具体的な取り組みを開始し、グループ全体の重要な環境指針としています。現

産業廃棄物の削減・リサイクル

在は自社で産業廃棄物を減容化し処理する仕組みや、加工を加えて有価物処理できないかを検討しています。

● 目標と実績

2018年度目標 2018 年度実績 増減要因 2019年度目標

産業廃棄物発生量売上高原単位前年比 2% 削減34.3ton/ 億円以下

前年比 2% 増35.7ton/ 億円

中国のプラスチック輸入規制の余波を受け、これまで有価物として処理できていたプラスチック類が産業廃棄物扱いとなり、数値が悪化しました。

前年比 2% 削減34.9ton/ 億円以下

国内生産拠点埋め立て処分率1.0% 以下

1.3%2017 年度に埋め立て処分率増加の要因となった廃棄物が、再びリサイクル材料として受け入れられ、数値が良化しました。

1.0% 以下

● 2018 年度の主な取り組み

拠点名 所在地 内容

名古屋工場 愛知県清須市 ・不良率低減による産業廃棄物発生量削減 ・歩留まり向上による廃液の削減

甚目寺工場 愛知県あま市 ・脱水汚泥の乾燥減容化

アイカテック建材㈱茨城県筑西市愛知県海部郡兵庫県神崎郡

・サイズ変更による端材発生量の削減 ・端材粉砕機による製品への回収増量

● 実績推移

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点 アイカグループ海外全生産拠点

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点

産業廃棄物発生量の推移 (ton)

0

15,000

30,000

45,000

20182017201620152014 (年度)

17,045

15,220

24,602

9,329

2,779

3,044

26,447

3,947

39,822

3,998

42,232

3,903

43,163

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分■国内生産拠点 ■海外生産拠点 

9,402③808

3,095

産業廃棄物発生量売上高原単位の推移 (ton / 億円) 国内生産拠点埋立処分率の推移

0

10.0

20.0

30.0

40.0

2017 2018201620152014 (年度)

9.4

24.4

34.8 35.0 35.7

国内生産拠点

(ton / 億円) 国内生産拠点埋立処分率の推移 (%)

0

2.0

6.0

20182017201620152014 (年度)

4.0

1.4 1.4 1.0

5.2

1.3

(年度)

国内生産拠点

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47 AICA Group CSR Report 2019

● ハイリスクエリアにおける 2018 年度水使用量の実績

拠点名 所在地 使用量

アイカ・ラミネーツ・インディア社 インド北西部 37,000m3

アイカインドネシア社 ジャカルタ( インドネシア ) 129,000m3

アイカインドリア社(AAPH グループ※ )

ジャカルタ( インドネシア ) 30,000m3

アイカシンガポール社(AAPH グループ※ ) シンガポール 90,000m3

瀋陽愛克浩博化工有限公司 中国東北部 3,700m3

※AAPHグループ···アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループ

対象範囲 アイカグループ国内全生産拠点アイカグループ海外全生産拠点

● 実績推移

 過去に有機塩素系溶剤、有害重金属などを使用した履歴のあるアイカ工業㈱および国内グループ会社の工場を対象に、2001 年度から自主的に土壌、地下水の汚染状況の調査を開始し、2003 年度までに完了しました。その結果は下記の通りです。

土壌、地下水調査

環境リスク管理

● 土壌・地下水調査

拠点名 自主調査結果

アイカ工業㈱

名古屋工場 環境基準適合甚目寺工場 環境基準適合広島工場 環境基準適合茨城工場 環境基準適合

アイカインテリア工業㈱ 環境基準適合(注)

アイカハリマ工業㈱本社工場 環境基準適合加西工場 環境基準適合

(注) アイカインテリア工業(株)が取得した工場用地にて、表層のみの調査を行ったところ、基準を超過するフッ素が1箇所(10m×10m)で検出されましたので、雨水などの浸透防止処置を行いました。*福島工場、丹波工場は土壌環境基準が設定されている物質を過去および現在不使用のため調査対象から外しています。

水使用量の推移 (千m³)

0

2,000

3,000

2017201620152014 2018(年度)

1,000 1,174

428

850

3251,664

812431

705 745

1,602

802

2,514

998

2,241

1,137

2,291

①2015年度新規連結分 ②2016年度新規連結分 ③2018年度新規連結分■国内生産拠点 ■海外生産拠点 

● 基本的な考え方

 国内生産拠点では工業用水・地下水を使用しており、名古屋工場、甚目寺工場では水の循環使用を進めています。水使用量が最も多い伊勢崎工場は、豊かな利根川水系に立地し潤沢に水資源を使用していますが、今後は使用量を削減するよう取り組みます。 海外生産拠点においては、水事情に深刻な国もあり、各国事業所がそれぞれの必要な対応をとって有限な資源であるこ

水使用量の削減

とを認識して使用管理していきます。世界資源研究所(WRI)が公表している AQUEDUCT を参考に、ハイリスクエリアを特定し、優先的に水の有効利用を推進しています。 インド北西部に位置するアイカ・ラミネーツ・インディア社では、製造工程で水の循環利用を行っており、また廃水は工場内の設備で処理しガーデニング用途に活用しています。

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48AICA Group CSR Report 2019

 当社では商品を開発するにあたり、ライフサイクルアセスメント(LCA)を導入・活用しています。 当社主力商品であるメラミン化粧板は、人工大理石や塩ビ鋼板と比べて CO₂ 排出量が少なく、環境に優しい商品です。また当社建装材関連商品は耐久性が高く、ライフサイクルが長い点からも環境に優しい商品といえます。

 なお、会社事業の中でどの分野で一番多くの CO₂ を排出しているかの評価(スコープ3の評価 P.44)に、製品の LCAを活用しています。 今後、算出に用いるデータを更新し、精度を高めるとともに、新たにアイカグループに加わった企業の商品についても LCAを展開する予定です。

丹波工場排水のりん濃度基準超過: りん系原料を使用する特定製品が急激に増加し、通常の排水処理施設の凝集沈殿処理で除去しきれていなかったことが原因。凝集沈殿処理時の pH を調整し、処理水のりん溶解度を小さくすることで基準値以下になるよう是正しました。

 2018 年度、アイカグループでは環境に関する重大な違反はありませんでしたが、右記の点で不備があり、是正しました。

環境法規の遵守状況など

 2018年度は工場の近隣から苦情・要望などはありませんでした。

近隣からの苦情と対応

LCA の活用

当社ホームページにて「環境」に関する補足資料を公開しています。AICAトップ アイカについて CSR 活動 環境

● 2018年度マテリアルバランス(過去5年間推移実績)● 2018年度環境会計 ● 環境の中長期目標

サイト名 発生月 事故の内容 対策

名古屋工場2018 年 5 月

サービスタンク上のコックを閉めた状態で供給しようとポンプが 30 分弱回転していたため、ポンプに圧力が掛かりポンプ軸の部分から樹脂が漏洩した

コックが閉まった状態ではポンプが作動しないよう工事。作業手順に「コックを開ける」の項目を追加し、現場に掲示。

名古屋工場2018 年 5 月

廃樹脂が入ったドラムをパレット上に移動させようとしたところ支えきれずドラムを転倒させ、衝撃で蓋が外れ内部の廃樹脂を通路、側溝に流出させた

中身の入ったドラムをパレットから人力で乗せ降ろしすることを禁止。手順書に反映し、教育を実施。

甚目寺工場 2018 年 7 月

ストックタンクからフェノール樹脂の積み込みを行う際に誤ったホースを差込んだため漏洩

ホースを区分する施錠を施す。各ホースに番号札を取り付けました。

甚目寺工場2018 年 10 月

酢酸ビニル樹脂 重合 釜を洗 浄している際、洗 浄液を循環させるポンプが稼動しておらず、釜下の洗浄液を受けるドラムから漏れ出し、構内雨水側溝へ漏洩

ポンプに運転時点灯ランプを取り付ける。廃水ピットに警報装置を設置し、溢れる前に警報が鳴る仕組みに改善。

 2018 年度は、サイト外へ影響を及ぼす環境事故発生はありませんでしたが、構内において漏洩の緊急事態がありました。

環境事故の発生近隣の皆さま、監督官庁の関係者にご迷惑をおかけしないよう、グループ内で情報を共有し、対策を水平展開していきます。

 ポリ塩化ビフェニル(PCB)は蛍光灯の安定器などに使用されていましたが、カネミ油症事件(1968 年)を契機にその毒性が社会問題化し、1972 年以降製造中止となりました。その後、民間主導で全国 39 カ所で処理施設の設置が試みられましたが、いずれも住民同意が得られず、30 年以上、処理されない状態が続きました。 2016 年 3 月に、政府はこの事態を打破すべく、事業所ご

PCB 保有・管理状況との計画的処理完了期限(最短で 2018 年度末)を遵守して一日でも早く確実に処理を完了するために、必要となる制度的な措置を講じようと閣議決定を行いました。 当社では、特別管理産業廃棄物保管基準に従って、PCB を名古屋工場、茨城工場、伊勢崎工場で保管しており、処理事業者と協議して早期の処理を目指します。

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49 AICA Group CSR Report 2019

ステークホルダーとの関わり

 当社では、『品質経営の最重要課題は、安全・安心な製品をお客さまにお届けすることである』と考えています。その実

 当社は、広く社会に信頼される企業として、「法令や社会秩序を守った、公平で透明性の高いコンプライアンス経営」、および「ステークホルダーとのコミュニケーション」が重要であ

お客さまとの関わり

製品の安全に関する自主行動指針

ステークホルダーとの関わりに関する基本的な考え方

践のため、製品の安全に関する自主行動指針を定め、製品の安全確保と情報公開に努めています。

ると経営方針で定めています。その方針に基づき、すべてのステークホルダーの皆さまに対して、会社情報を公平かつタイムリーに開示することを基本方針としています。

アイカ問合せセンター 当社製品をご採用いただくお客さまとの直接の接点として

「アイカ問合せセンター」を設置しています。よりお役に立てる存在となれるよう、応対品質向上・提案力強化に努め、種々の施策を講じています。 2018 年 4 月に「コールセンターシステム」を導入したことにより、スタッフの応対効率が向上し、応答率が大幅に改善しました。問合せ品目にあわせて適切なスタッフに電話をつなぐことも容易となり、応対品質向上にもつながりました。 また、2018 年度から「テレマーケティング」を開始しました。お問合せ後のフォローアップをさせていただき、ご要望があれば訪問営業を行うなど、お客さまのご要望に合わせた応対をしています。 今後もより品質の高い応対を目指し、日々鍛錬するとともに、より満足いただけるサービスを提供できるよう努めます。

問合せセンター 問合せ件数 / 応答率推移

0

40,000

60,000

80,000

25

50

75

100

2017201620152014 2018(年度)

20,000

43,30950,800

66,085

7490 92

77,355 79,032(件) (%)

問合せ件数応答率※※2016年度より集計開始。

● 製品安全自主行動指針 基本原則

【 1 】 法令の遵守当社は、消費生活用製品安全法、その他の製品安全に関する諸法令、関連法令並びに製品の安全に関する最新情報を全社に周知徹底し、法令を遵守します。

【 2 】 製品安全確保への   取り組み

当社は下記を含む製品の安全に関する自主行動計画を策定・運用し、継続的な改善を推進し「お客さま重視」、「製品の安全確保」の企業文化を確立します。当社は製品の安全確保のため、適正な品質管理を行うとともに、法令の周知徹底と遵守のため、全社員への教育を行います。当社はお客さまの声や市場の情報より当社製品、その施工ならびに使用(誤使用を含む)に伴うリスクを抽出し、設計・開発、取扱説明書、警告ラベル、施工マニュアルなどに反映させ、継続的な製品の安全性の向上を図ります。

【 3 】 製品事故への対応

当社は当社製品に関わる事故について、その情報をお客さまから積極的に収集するとともに、お客さまに対し適切な対応と情報提供を行います。当社は当社製品に関わる重大製品事故が発生した時には経営トップに報告し、拡大被害防止のための処置を迅速に実施するとともに、法令に基づき所轄官庁並びに関連機関への報告を速やかに行います。当社は製品事故に関し、必要と認められるときには製品の回収を直ちに行うとともに最適な方法を用いて速やかにお客さまに告知します。

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50AICA Group CSR Report 2019

会社方針説明会の様子

第32回 アイカ会全国大会(2019年4月)

アイカ現代建築セミナー 当社は、信頼される商品の提供を通じて、建築文化の向上と発展に微力ながら貢献することに努めてきました。 さらなる貢献を意図して取り組んでいるものに、「アイカ現代建築セミナー」の開催があります。1983 年より国内外の著名な建築家を講師に迎え、全国各地で住宅・環境・都市問題など幅広い分野にわたってご講演いただいています。本セミナーは無料で、建築家、学生および一般の方々まで幅広くご参加いただいています。 第 65 回アイカ現代建築セミナーは、マー・ヤンソン氏をお招きし、「近作について」というテーマで 2019 年 9 月に開催します。

バリューチェーン協業 バリューチェーンにおけるステークホルダーとして、「販売店」や「施工店」の皆さまがいらっしゃいます。これらのステークホルダーとより強固なネットワークを構築するため、販売面では豊富な専門知識をもつ販売代理店網として「アイカ会」を組織し、販売・商品戦略の共有や販売店間の健全なコミュニケーションを図っています。また、施工面では「アイカ商品の施工を担っていただく企業」の組織として「各種施工店会」を設け、施工品質の向上や商品改良・開発に関する情報共有を行っています。

顧客満足度調査 当社の製品やサービスに対するお客さまのご評価をお伺いすることを目的として、2002 年度から毎年、「顧客満足度調査」を実施しています。 お客さまから頂いた声を製品開発やサービスの向上に活かすため、調査結果から課題を抽出し、経営陣が確認したうえ

で担当部門へ伝達し、対策を講じています。 2018 年度は、昨年度よりも1%スコアが上昇し、5 点満点中 4.22 点を獲得しました。非常に高いレベルにまで点数が上がっていることから、2019 年度は、その分析と課題立案に注力する方針です。

東京大手町オフィス開設 当社は、東京大手町オフィスを開設し、2019 年 4 月より営業を開始しました。利便性の高い都心に新拠点を設置することで、 お取引先さまとのコミュニケーションの機会を増やすとともに、国内外のグループ会社との連携を深めることを目

的としています。これを機に、さらなる事業拡大と業務効率化ならびに CS(顧客満足) 向上を目指します。

当社ホームページにて「お客さまとの関わり」に関する補足資料を公開しています。AICA トップ アイカについて CSR 活動 ステークホルダーとの関わり お客さまとの関わり

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アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

51 AICA Group CSR Report 2019

 アイカグループが負うべき CSR( 企業の社会的責任 ) を果たすためには、ステークホルダーの皆さまに、ご理解ご協力いただくことが不可欠であると考えています。調達活動においては、アイカグループとして責任ある行動を取ることはもちろん、サプライヤーの皆さまにもご協力いただき、CSR 活動を推進します。

サプライチェーンとの関わり

サプライチェーンとの関わりに関する基本的な考え方 このような考えに基づき、2017 年 6 月、従来の調達方針を大幅に改定し「アイカグループ CSR 調達ガイドライン」を策定しました。このガイドラインを国内外のサプライヤーの皆さまに同意いただき、相互の CSR 活動をよりよいものにしていきます。

当社ホームページにて「サプライチェーンとの関わり」に関する補足資料を公開しています。AICAトップ アイカについて CSR 活動 ステークホルダーとの関わり サプライチェーンとの関わり

 災害や事故発生時にも安定的な供給を行うために、主要な原材料は複数の購買先や拠点から購入し、代替品購入先の確保も実施しています。

BCP(事業継続計画) また、当社製品に関しては、複数拠点での生産体制を構築するとともに、一定水準の在庫を確保するなどの対策をとっています。

 改正建築基準法の施行、学校環境衛生の基準改正、海外での化学物質規制などますます化学物質に対する関心が高まっている中、当社の事業全般がそれらに広く関わっています。 2018 年度にお客さまから要請を受けて安全情報を提供した件数は 1,885 件と大幅に増加しています。 国内化学物質規制の調査、海外の規制化学物質の含有調査、海外事業が伸張する中での輸出貿易管理令に関連する書類依頼が上位を占めます。各国で制定される法令への問い合わせ、新たな化学物質などの調査依頼や情報提供など、サプライチェーンの一員としての責務を果たすため、関係部門で連携を取り、迅速でより正確な対応をしていきます。

"製品安全情報提供件数の推移 (件)

0

500

1,000

1,500

2,000

20182017201620152014 (年度)

1,1541,250 1,316 1,376

1,885

製品の安全情報の提供

 サプライヤーの皆さまとのコミュニケーションの場として、2019 年 6 月に、「購買方針説明会」を実施し、当社の会社方針・購買方針を共有しました。 また、CSR 調達の理念の共有と実態調査を目的に、2018 年度より自己評価アンケート調査を実施しています。対象企業はメインサプライヤーを中心に、当社(単体)における材料調達総額の約 60%を網羅するよう選定しました。 アンケート結果を元に、必要に応じて当社従業員による監査(現地視察)を行い、優れた取り組みが確認された企業からはその方法を学び、是正必要事項が確認された企業に対しては指導・支援を行っています。今後も対話を継続することにより、相互のレベルアップを目指します。

サプライヤーとのコミュニケーション

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アイカのビジョン

アイカを支える基盤

52AICA Group CSR Report 2019

 当社は、広く社会に信頼される企業として、すべてのステークホルダーの皆さまに対して会社情報を適時適切かつ公平に開示することを基本方針としています。会社法、金融商品取引法などの関係法令および当社の株式を上場している証券取引所が定める適時開示規則を遵守し、ディスクロージャーポリ

 株式会社日本取引所グループ/株式会社東京証券取引所および株式会社日本経済新聞社が開発した株価指数「JPX 日経インデックス 400」に 7 期連続で選定されました。

 FTSE Russell により開発された代表的な SRI インデックスのひとつである「FTSE4Good Index Series」および「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に、2019 年、初めて選定されました。

株主との関わり

適切な情報開示と透明性の確保

外部評価

シーに基づき情報開示を行っています。 また、関係法令および適時開示規則に該当しない情報についても、株主・投資家の皆さまの投資判断にとって重要であると考えられる情報については、公平性と適時性を鑑みた上で開示を行います。

 当社は、株主の皆さまへの利益還元と会社の持続的な成長を実現するため、各期の連結業績、配当性向および内部留保を総合的に勘案したうえで配当を行います。現中期経営計画

「C&C2000」においては、連結配当性向 50% を目処に、業績に連動した株主還元を実施します。 当社の配当は、中間配当および期末配当の年 2 回を基本的な方針としています。 内部留保資金の使途については、既存コア事業拡大の為の設備投資や、M&A など将来の企業価値を高めるための投資に優先的に活用するなど、長期的な視点で投資効率を考え行っていきます。

株主還元

配当金額および配当性向

0

60

90

120

150

2019[予想]2017 201820162015(年度)

30

配当金(左軸) 配当性向(右軸)

(円)

30.0

40.0

50.0(%)

4646

8585 9292 10330.1%30.1%

50.2%50.2% 50.1%50.1% 50.5%

106

50.2%

● 各種情報開示書類

・決算短信・有価証券報告書・四半期報告書・株主総会招集通知

・報告書(株主通信)・コーポレート・ガバナンス報告書・決算説明会資料

アイカホームページ

http://www.aica.co.jp/company/ir/

 当社は、株主との建設的な対話の実現を図るために合理的な範囲で積極的な対応を行っています。また、対話を通じて得られた意見・情報は取締役会へ報告し、今後の経営、IR活動への反映に努めています。 当社へのご理解と適切なご評価をいただけるよう、株主総会、総会後の懇親会のほか、アナリスト・機関投資家向けに年2回決算説明会を開催し、代表取締役より説明を行っています。また、個別面談や電話取材の申し込みに対しては、広報・IR グループが対応しており、その中で開示される情報の内容については、代表取締役、担当取締役の承認を得ています。

株主・投資家とのコミュニケーション2018年度の機関投資家との個別対話件数

157 件

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Page 54: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

53 AICA Group CSR Report 2019

 グローバルに事業を展開するアイカグループは、日本国内のみならず、グローバルな視点での地域・社会とのつながりを大切にしています。

 「平成 30 年 7 月豪雨」によって、多くの方々が被災され、当社広島工場も浸水被害を受けました。広島県三原市で長年事業を続けてきた企業であることを考え、被災地域の方々の救援や被災地の復興に役立てていただくため、三原市に 1,000 万円を寄付しました。 被災地が一日も早く復興されることを祈念しています。

 グループ会社であるアイカテック建材㈱の明野工場の近隣に所在する茨城県筑西市立 大村小学校にて学習机の修繕ボランティアを実施しました。 卒業記念として、きれいになった学習机を在校生に引き継ぐもので、当社主力商品であるメラミン化粧板を表面材として提供するとともに、貼り替え作業には当社従業員が講師として参加し、生徒たちと共に作業を行いました。

 2018 年 6 月、アイカ・アジア・パシフィック・ホールディンググループのダイネア南京社は、ダイネア・ホープ・スクールの学生と教師を招待した4日間のイベントを開催しました。参加した学生たちは、歴史ある「南京」という都市へ訪問し、近代化された社会に触れ、たくさんの初めてを体験することになりました。この経験が学生たちの視野や知識を広げ、成長に繋がることを期待しています。 ダイネア南京社は、10年間に渡りダイネア・ホープ・スクールを支援しており、今後も続けていく予定です。

地域の方との関わり

平成 30 年 7 月豪雨の被災地・被災者への支援

茨城県筑西市立 大村小学校 学習机修繕ボランティアの実施

ダイネア南京社 (AAPH グループ ) 地域の学生を招待したイベントを開催

 各生産・営業拠点での周辺の清掃活動をはじめ、地域の活動団体と協働してボランティア活動へ参加するなど、共生の理念のもと活動を続けています。

About アイカ

03 財務・非財務ハイライト

05 社会背景と生み出した製品価値創造の変遷

07 アイカグループの収益構造/ 事業領域/主要拠点

09 好循環モデルとコアコンピタンス

アイカのビジョン

11 トップメッセージ

15 アイカ 10 年ビジョンと中期経営計画の進捗

17 新しい価値を創造する3 つの成長ドライブ

21 事業概況 : 化成品事業

23 事業概況 : 建装建材事業

アイカを支える基盤

25 アイカの CSR 活動

27 アイカグループのマテリアリティ

29 経営基盤

37 人材

43 環境

49 ステークホルダーとの関わり

54 第三者意見

1 AICA Group CSR Report 2019

アイカグループは共生の理念のもと、

たえざる革新により新しい価値を創造し、

社会に貢献してまいります

社 是

経営理念

INDEX

Cha l lenge and Creat ion

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About

アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

54AICA Group CSR Report 2019

 貴社は、経営理念( P.1)に「共生」「たえざる革新により新しい価値を創造」「社会に貢献」を掲げ、経済価値と社会価値の双方を高めることを経営戦略の軸においていることが本報告書から読み取れます。またトップメッセージ( P.13)にある通り、「ESG への取り組みを経営や事業活動と一体化するための仕組みづくり」を企業グループ全体として推進していることが伺えます。 ESG 経営においては、その取り組みが社会貢献のみならず、リスクと機会の両面から将来の企業価値にどう結びつくのかを明らかにし、投資家を始めとするステークホルダーに示すことが必要になります。その点で、貴社が「財務面と非財務面が両立する好循環モデル」( P.9)において、企業価値向上を図るというモデルを、SDGs への取り組みと合わせて示しており評価できます。一方で、来るべき低炭素社会へのシナリオに沿ったリスクと機会の開示が、将来の企業価値を表すものとして必要になります。 トップメッセージにある通り、貴社は 2003 年に

「QEO マネジメントシステム」を導入し、品質、環境、労働安全衛生などの課題に対応してきました。そして現在は、同システムにおいて、グローバル基準に則して情報開示する姿勢が伺えます。それは「国連グローバルコンパクト」への加入、「世界人権宣言」や「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえた人権尊重に関する指針の明示などに現れています。これらの対応の結果が「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」への採用につながったと考えます。 また貴社は、2012 年以降グローバル事業を拡大し、それに伴い対応する ESG 課題は広く、深く

なりました。特にアイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社の CEO メッセージ( P.14)は目を引きました。グループ会社とその従業員、そしてサプライチェーン(取引先)に、貴社の目指すサステナビリティの考え方が浸透していることが伺えます。サプライチェーンに関しては、現在 60%となっている取引先評価( P.51)について、さらに内容を踏まえ、比率を高めていただきたいと思います。 環境課題への取り組みも進みました。特に水課題は、昨年大きな被害を受けた広島工場の自然災害を踏まえ、水害リスクの高い国内 4 拠点において BCP を策定すると 2019 年度目標に掲げています( P.28)。また、海外生産拠点における水のハイリスクエリアを特定し、水使用量を削減していること( P.47)も評価できます。今後は、水課題を含めたさまざまな環境課題に対し、短期、中期、長期、それぞれの時間軸でリスクと機会を把握し、マネジメントすることを期待します。 ダイバーシティの進展はどうでしょうか。貴社は2013 年に女性活躍推進プロジェクトを立上げ注力しています( P.38)。グローバル企業にとって、外国人、女性などの登用は競争力の源泉です。特に、ボードメンバーやマネジメント層のダイバーシティがますます必要になると考えます。 最後に、今後は、より統合思考に沿った情報開示を期待します。貴社の事業が自然資本、社会関係資本をどのように利用して成果と利益を生み出しているのか。貴社が目指す、安全で持続可能な街づくりと各商品との関係を示すことがポイントになるでしょう。

資本主義の変革に対応する統合思考に沿った情報開示への期待

第三者意見

広瀬 悦哉 氏

株式会社 QUICK 常務執行役員ESG 研究所 主幹

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About アイカ

03 財務・非財務ハイライト

05 社会背景と生み出した製品価値創造の変遷

07 アイカグループの収益構造/ 事業領域/主要拠点

09 好循環モデルとコアコンピタンス

アイカのビジョン

11 トップメッセージ

15 アイカ 10 年ビジョンと中期経営計画の進捗

17 新しい価値を創造する3 つの成長ドライブ

21 事業概況 : 化成品事業

23 事業概況 : 建装建材事業

アイカを支える基盤

25 アイカの CSR 活動

27 アイカグループのマテリアリティ

29 経営基盤

37 人材

43 環境

49 ステークホルダーとの関わり

54 第三者意見

1 AICA Group CSR Report 2019

アイカグループは共生の理念のもと、

たえざる革新により新しい価値を創造し、

社会に貢献してまいります

社 是

経営理念

INDEX

Cha l lenge and Creat ion

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アイカ

アイカのビジョン

アイカを支える基盤

54AICA Group CSR Report 2019

 貴社は、経営理念( P.1)に「共生」「たえざる革新により新しい価値を創造」「社会に貢献」を掲げ、経済価値と社会価値の双方を高めることを経営戦略の軸においていることが本報告書から読み取れます。またトップメッセージ( P.13)にある通り、「ESG への取り組みを経営や事業活動と一体化するための仕組みづくり」を企業グループ全体として推進していることが伺えます。 ESG 経営においては、その取り組みが社会貢献のみならず、リスクと機会の両面から将来の企業価値にどう結びつくのかを明らかにし、投資家を始めとするステークホルダーに示すことが必要になります。その点で、貴社が「財務面と非財務面が両立する好循環モデル」( P.9)において、企業価値向上を図るというモデルを、SDGs への取り組みと合わせて示しており評価できます。一方で、来るべき低炭素社会へのシナリオに沿ったリスクと機会の開示が、将来の企業価値を表すものとして必要になります。 トップメッセージにある通り、貴社は 2003 年に

「QEO マネジメントシステム」を導入し、品質、環境、労働安全衛生などの課題に対応してきました。そして現在は、同システムにおいて、グローバル基準に則して情報開示する姿勢が伺えます。それは「国連グローバルコンパクト」への加入、「世界人権宣言」や「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえた人権尊重に関する指針の明示などに現れています。これらの対応の結果が「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」への採用につながったと考えます。 また貴社は、2012 年以降グローバル事業を拡大し、それに伴い対応する ESG 課題は広く、深く

なりました。特にアイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社の CEO メッセージ( P.14)は目を引きました。グループ会社とその従業員、そしてサプライチェーン(取引先)に、貴社の目指すサステナビリティの考え方が浸透していることが伺えます。サプライチェーンに関しては、現在 60%となっている取引先評価( P.51)について、さらに内容を踏まえ、比率を高めていただきたいと思います。 環境課題への取り組みも進みました。特に水課題は、昨年大きな被害を受けた広島工場の自然災害を踏まえ、水害リスクの高い国内 4 拠点において BCP を策定すると 2019 年度目標に掲げています( P.28)。また、海外生産拠点における水のハイリスクエリアを特定し、水使用量を削減していること( P.47)も評価できます。今後は、水課題を含めたさまざまな環境課題に対し、短期、中期、長期、それぞれの時間軸でリスクと機会を把握し、マネジメントすることを期待します。 ダイバーシティの進展はどうでしょうか。貴社は2013 年に女性活躍推進プロジェクトを立上げ注力しています( P.38)。グローバル企業にとって、外国人、女性などの登用は競争力の源泉です。特に、ボードメンバーやマネジメント層のダイバーシティがますます必要になると考えます。 最後に、今後は、より統合思考に沿った情報開示を期待します。貴社の事業が自然資本、社会関係資本をどのように利用して成果と利益を生み出しているのか。貴社が目指す、安全で持続可能な街づくりと各商品との関係を示すことがポイントになるでしょう。

資本主義の変革に対応する統合思考に沿った情報開示への期待

第三者意見

広瀬 悦哉 氏

株式会社 QUICK 常務執行役員ESG 研究所 主幹

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Page 56: Challenge and Creation - アイカ工業...11 トップメッセージ 15 アイカ10年ビジョンと 中期経営計画の進捗 17 新しい価値を創造する 3つの成長ドライブ

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AICA Group

2019 CSR Report

本社/〒450-6326 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋26階 TEL(052)533-3136URL/http://www.aica.co.jp/

2019年9月発行©アイカ工業株式会社 本書に収録したものの一部または全部の無断複製・転載を禁じます。

グリーン基準に適合した印刷資材を使用して、グリーンプリンティング認定工場が印刷した環境配慮製品です。

ノンVOCインキは、インキ構成成分中の石油系溶剤を大豆油などの植物油に置き換えたインキです。印刷工程での大気汚染低減につながります。※VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)

有害物質を含む湿し水を使用しない、水なし印刷方式にて印刷しています。

この冊子は、だれにも読みやすいユニバーサルデザインフォントを使用しています。

適切に管理された森林からの木材製品であることを証明する、FSC森林認証紙を使用しています。

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