甘み物質の化学 - 筑波大学1878年にConstantin Fahlbergによって発見された。...

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甘み物質の化学

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甘み物質の化学

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還元パラチノース

キシリトール

アセスルファムK

スクラロース

キシリトール

マルチトール

キシリトール

マルチトール

アスパルテーム

キシリトール

カンゾウ

アセスルファムK

ステビア

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甘味料の分類

糖類

糖アルコール

砂糖、オリゴ糖、ラクトスクロース、果糖ぶどう糖液糖

スクラロース、

キシリトール、マルチトール、還元パラチノース、

甘草(カンゾウ)、ステビア、グリチルリチン酸2K、

アスパルテーム、

アセスルファムK、サッカリンナトリウム、

非糖質系

天然甘味料

非糖質系

合成甘味料

チクロ、ズルチン( 使用禁止)

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種 類 品 名 甘味度

糖 類

ショ糖 ブドウ糖 果 糖 異性化糖 (果糖55%) 水あめ 乳 糖

1.00

0.60~0.70

1.20~1.50

1.00

0.35~0.40

0.15~0.40

糖アルコール

ソルビトール マンニトール マルチトール キシリトール 還元パラチノース

0.60~0.70

0.60

0.80~0.90

0.60

0.45

非糖質系 天然甘味料

ステビア グリチルリチン ソーマチン (蛋白質) モネリン(蛋白質)

100~150

50~100 2,000~3,000

3,000

非糖質系 合成甘味料

サッカリン アスパルテーム アセスルファムK

200~700

100~200

200

甘味料の

甘味度

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甘味料のプロフィール

糖類

O

OH

OH

OH

HO

O

HO

OH

HOO

OH

砂糖(ショ糖、サッカロース)

+ H2O

O

OH

OH

OH

HO

OH

O

HO

OH

HO

OH

OH

果糖(フルクトース)

ぶどう糖(グルコース)

OH

OH

OH

OH

HO

OH

OHHO

OH

HO

OH

O

貯蔵糖として広く植物界に存在する。

サトウダイコン(甜菜(てんさい)),サトウキビ(甘蔗),

サトウカエデ類などから工業的に製造される。

甘味:砂糖の1.5倍

甘味:砂糖の0.7倍

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O

OH

OHO

HO

O

O

OH

OHO

HO

H H

Oが下向き: a結合

澱粉

セルロース

Oが上向き: b結合

グルコース

グルコース

a-1,4結合

b-1,4結合

1

2

3

4

グルコースから成る天然高分子

植物細胞壁の主成分をなす多糖

植物の最も重要な貯蔵栄養素

O

OH

OHO

HO

O

O

OH

OH

HO

O

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異性化糖は、砂糖よりさわやかな後ひきのない甘味特性を持っており、また低温で甘味を強く感じる性質があるため、清涼飲料をはじめ各種飲料や冷菓全体の約70%に使用されている。

甘味料のプロフィール

糖類

異性化糖 (混合液体甘味料)

(果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、

砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖)

澱粉 ぶどう糖 果糖 酵素

加水

分解

酵素

異性化

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O

OH

OH

OH

HO

O

OH

OH

OH

OH

O

甘味料のプロフィール

糖類 トレハロース、麦芽糖(マルトース)

澱粉

トレハロース 甘味:砂糖の

0.45倍

酵素

マルトース 甘味:砂糖の

0.32倍

O

OH

OH

OH

HO

O

O

OH

OH

HO

OH

○水飴の主成分

○あまり甘くないので飲料の甘味料として使われることは少ないが、アスパルテーム等人工甘味料の担体などに使用されている。

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甘味料のプロフィール

糖類 パラチノース

O

OH

OH

OH

HO

O

HO

OH

HOO

OH

転移酵素 O

OH

OH

OH

HO

O

HO

OH

O

OH

OH

甘味:砂糖の0.40倍

○パラチノースは、はちみつやさとうきびの中にも含まれるが、非常に少量

○虫歯菌の栄養源にならない

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甘味料のプロフィール

糖類 オリゴ糖

乳果オリゴ(ラクトスクロース) 牛乳の中に含まれる乳糖とサトウキビに

含まれるショ糖を原料に、酵素反応を利用して生まれた。

難消化性で高いビフィズス菌増殖機能を持つ。

各種オリゴ糖の中で最も砂糖に近い甘味を持つ。

○単糖が数個(3~10個程度)結合したもの。 ○人間の消化酵素では分解されずに大腸までいき、腸内細菌のビフィズス菌の栄養となってそれを増殖させ、腸内の環境を整える。 ○商品化して利用されているのは、キシロオリゴ糖、ラクチュロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラフィノースなど。 ○それぞれ砂糖の50~70%くらいの甘さ ○特定保健用食品の「おなかの調子を整える食品」として発売されている。

O

OH

OHO

HO

O

HO

OH

HOO

OH

O

OH

OH

OH

HO

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甘味料のプロフィール

糖類 スクラロース

O

OH

OH

HO

O

HO

OH

ClO

Cl

ClO

OH

OH

OH

HO

O

HO

OH

HOO

OH

砂糖(ショ糖、サッカロース) スクラロース

1976年にイギリスで開発 1998年に米国で使用が許可 1999年に日本で食品添加物(甘味料)として認可 ノンカロリー:消化されずに体内を通過する 。

水に溶けやすく,酸や熱にも安定 砂糖に近い甘味で,後味も悪くなく,砂糖の約600倍の甘味 ☆スクラロースは,教授が「ではその化合物をテスト(test)してくれ」と指示したのを,学生が「味見(taste)」と聞き違え,舐めてみたら甘かった。

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甘味料のプロフィール

糖類 還元パラチノース(パラチニット)

O

OH

OH

OH

HO

OHHO

OH

O

OH

OH

O

OH

OH

OH

HO

O

HO

OH

O

OH

OH

パラチノース

水素(高圧) 触媒

○虫歯菌の栄養源にならない。

○砂糖に似た甘み。

○砂糖に比べカロリーが約半分

異性体の混合物

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甘味料のプロフィール

糖アルコール

O

OH

OH

OH

HO

OH

ぶどう糖(グルコース)

OH

OH

OH

OH

HO

OH

水素(高圧) 触媒 OH

OH

OH

OH

HO

OHH H

ソルビトール(ソルビット)

とうもろこしの芯など

キシラン

(多糖類) キシ

ロース

抽出

加水

分解

キシリトール

水素

添加

麦芽糖

(マルトース) マルチトール

エリスリトール 酵母を用いた発酵法

果実やキノコに多く含まれる。これのみノンカロリーと認定

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甘味料のプロフィール

非糖質系天然甘味料 ステビア

O

O

OH

OH

HO

O

O

OH

OH

OH

HO

O

O

O

OH

OH

OH

HO

日本へは、1970年頃農水省が南米パラグアイからステビアを導入、試験栽培が始まった。

葉にはステビオサイド、レバウディオサイド等の甘味成分が多量に含まれており、これらは砂糖の250倍の甘味がある(カロリーは90分の1)。

多種多様な加工食品に利用されている。 ステビオシド

(配糖体)

キク科植物ステビアから得られた

天然甘味料の一般名

ここにもう1分子グルコースが結合したものがレバウディオサイドA

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甘味料のプロフィール

非糖質系天然甘味料 グリチルリチン

スペインリコリス ロシアンリコリス

マメ科のカンゾウ(甘草) :中国からヨーロッパ南部にかけて採取される。

甘みの主成分は、炎症を抑える作用やアレルギー反応を抑える働きのあるグリチルリチン

O

O

OH

OH

HOOC

O

O

OH

OH

OH

HOOC

COOH

O

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甘味料のプロフィール

非糖質系天然甘味料 フィロズルチン

葉を乾かすとフィロズルチンという物質が生成されて甘くなる。

これを煮出してつくるのが,花祭り(=灌仏会;お釈迦様の誕生祝い)で使う甘茶。

甘味飲料や加工食品の甘味原料として使われることも多い。

アマチャ(甘茶) ユキノシタ科

花期:初夏

O

OHO

OCH3

OH

もともとアマチャ葉に含まれるのは本物質の配糖体で苦味がある。 酵素の作用で配糖体が分解されて本物質が生成する。 なるべくゆっくりと自然乾燥するのがよいとされ、加熱乾燥したものでは甘味が少ない。

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甘味料のプロフィール

非糖質系天然甘味料 モグロシドV

羅漢果:ウリ科植物。中国広西省の山岳地帯に自生 する4~6cmの球形果実。

強い甘味の他にビタミンやミ ネラルが豊富に含まれる。

中国では、古くから、のど荒れを和らげる神薬として珍重さ れてきた。

モグロシドV (トリテルぺングリコシド配糖体)は強い甘味成分(砂糖の500倍)。

O

OH

OH

OH

O

O

O

OH

OH

OH

HO

O

OH

OH

O

O

OH

OH

OH

HO

O

O

OH

OH

OH

HO

O

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○西アフリカ原産の植物Thaumatococcus danielleの種に多い。 ○砂糖の2000倍程度の甘さを持つ蛋白質。先住民らによって利用されてきた。 ○1840年にイギリス陸軍の軍医 W. F. Daniell によって西洋に紹介された。 ○混ぜることによって他の味を変化させる。紅茶ではタンニンの苦味を消し風味を引き立てたり、低脂肪牛乳の味を普通の牛乳に近づける。 ○アメリカや欧米では甘味料よりフレイバーエンハンサーとして 使用されることが多い。 ○先進国で最も早く甘味料認可したのは日本(1979年) である。

甘味料のプロフィール

非糖質系天然甘味料 ソーマチン(タウマチン)

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○アフリカ原産のD.cumminsiiの実に含まれる ○蛋白質・モネリン:近年まで世界で最も甘い物質(重さ当り)とされていた(砂糖の約3000倍)。 ○良質な甘味と強烈な後味で、特に後者は食べた後数時間は甘さが口に残る。 ○現在のところ商品化されていない。

甘味料のプロフィール

非糖質系天然甘味料 モネリン

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甘味料のプロフィール

非糖質系合成甘味料

○世界で初めて発見され、現在も使用されている人工甘味料。 ○砂糖の約200-700倍の甘さ。 ○ 1878年にConstantin Fahlbergによって発見された。 ○有機化学者Fahlbergはトルエンスルフォンアミドの酸化実験中、自分の指がやたら甘い事に気付いた。彼はビーカーに残っていたものを同定し、得られたものが当初の目的物とは違う、今までにない強い甘味を持つ化合物である事を突き止めた。 ○発ガン性物質かどうかについて議論があり、使途が制限されている。

(発癌テストが陽性のサッカリンも食品衛生法により73年11月に全面禁止となった。しかし1ヶ月後食品別の使用基準が制定されると再認可された。 )

サッカリン

SO2

NH

O

SO2

NNa

O

サッカリン サッカリン・ナトリウム

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甘味料のプロフィール

非糖質系合成甘味料 アセスルファムK

N SO2

OO

K+

○1967年、独Hoechst社の研究者・Karl ClauBは実験中自分の指が妙に甘いことに気付いた。 ○ 5,6-Dimethyl-1.2.3-oxathiazin-4(3H)-one-2.2-dioxide* である事を突き止めた。 ○オキサチアジノジオキサイドの多くが甘味を有する事を発見し、その誘導体について徹底的な研究を行った結果、アセスルファムKを発見した。 ○砂糖の約200倍の甘さ。

○アセスルファムKは、多くの食品に対して使用が

許可されてはいない。

HN SO2

OO

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○1937年第2の人工甘味料・サイクラミン酸ナトリウムがMichael Svedaによって発見された。

○彼は実験の後たばこを一服したところ、今まで味わったことのない甘みを感じた。そこで彼は分析を行い、この化合物の単離に成功した。

○この甘味料はサッカリン同様製造コストが低いことから廉価甘味料として世界中に広がり、日本でもチクロの名で使用された。

○砂糖の約30倍の甘さを持つ

○昭和31年5月に食品添加物として指定された。

○昭和43年にアメリカで発ガン性や催奇形性の疑いが示唆されたことから、昭和44年11月に指定から削除され使用禁止となった。

○その後の調べでチクロに発がん性がないことがわかり、いまではヨーロッパでは使われている。

NHSO 3Na

甘味料のプロフィール

非糖質系合成甘味料 チクロ

チクロ使用だと1袋10円売りのものが3円50銭でできるのに、砂糖・ブドウ糖使用だと6円50銭に跳ね上がる。砂糖でチクロの甘さを出すには2倍は必要である。

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○人工甘味料の一種で蔗糖の約200倍の甘味を有する。 ○昭和43年に発がん性等の問題により、指定が取り消され、全面的に食品に使用してならないことになった。

甘味料のプロフィール

非糖質系合成甘味料 ズルチン

NHCONH 2

OCH2CH3

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甘味料のプロフィール

非糖質系合成甘味料 アスパルテーム

○1965年、アメリカの製薬会社G.D.サール社(当時)の研究員が、一枚のパラフィン紙を取ろうと指を口にあてたところ、強い甘味を感じた。 ○アミノ酸の研究・開発について多くの実績を持つ味の素(株)は、いち早くその製造法を確立し、1970年にG.D.サール社と提携して開発を進めた。 ○日本では味の素(株)がアスパルテームの食品添加物の指定要請を行い、1983年8月、食品衛生調査会の審査を経て食品添加物に指定された。 ○甘さは砂糖の100~200倍。 ○虫歯菌であるミュータンス菌の栄養源でないので虫歯の原因にならない。

NH2

HN COOCH3

COOH

O

アスパラギン酸

フェニルアラニン

メチルエステル

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COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

R2

R1H

アスパルテーム関連物質の甘味度と構造 COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

R2

HR1

R1 : 小さい疎水性の原子団

(鎖の長さは1~4原子) R2 : 大きい疎水性の原子団

(鎖の長さは3~6原子) (R1は無くても甘い)

甘い 甘くない

アスパルテームの場合

R1 : COOCH3

R2 : CH2C6H5

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

CH2

C O

O

CH3

R1:無し

砂糖の8倍

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

CH3

CH3H

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

CH3

HH3C砂糖の

25倍

苦い 砂糖の

80倍

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

CH2CH3

CH3H

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COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

COOCH3H

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

COOCH3H

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

COOCH3H

COOH

CH2

C

C

NH2H

O

NH

C

C O

O

COOCH3H

砂糖の

300~600倍 556~880倍 5,450~7,300倍 22,200~33,200倍

アスパルテーム関連物質の甘味度と構造

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甘味料のプロフィール

非糖質系合成甘味料 ネオテーム

○砂糖の7,000~13,000倍の甘さ 。

○日本では、2007年に食品添加物として正式に認可された。

○2002年米食品医薬品局(FDA) が非栄養性甘味料および風味増強剤として承認。(FDAが承認した甘味料は、これまでサッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースの4種。(日本も全て許可) ) ○甘味を感じる量以下の用量で、風味(イチゴ味のような)の知覚を増強することから、風味増強剤としても用途がある

○高温、中性pHでの安定性がアスパルテームよりも高いため、一部の焼いた食品や熱い飲み物への使用可能。

NH2

HN COOCH3

COO-

O

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アリテーム:Alitame

アミノ酸系甘味料の一つ。甘味は砂糖の2000倍あるとされる。

分子式C14H25N3O4S·2.5H2O(2.5水和物)、分子量376.5(水和物)。CAS番号99016-42-9(2.5水和物)または80863-62-3(無水)。化学名L-α-Aspartyl-N-(2,2,4,4-tetramethyl-3-thietanyl)-D-

alaninamide、hydrated。

アリテーム 2.5水和物

FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)での評価は済み、ADI(一日摂取許容量)は0

~1mg/kg体重/日とされるが、今のところ本邦では食品添加物に指定されておらず、使用することはできない。

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非糖質系合成甘味物質

スーパーアスパルテーム(甘さは砂糖の14,000倍)

スーパーアスパルテームのシアノグアニジン誘導体(甘さは砂糖の40,000倍)

NH

NH

NCO

O

HN

O

O

O

OH

NH

NH

NCNH

O

HN

O

O

O

OH

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NH

N

NCNH

OHO

O

O

非糖質系合成甘味物質

ラグドゥネーム(Lugduname)

○ 2007年現在のところ人間が甘味を感じる物質として最も作用の強い物質。 ○甘さは砂糖の22万倍から30万倍。 ○毒性について詳細は不明である。 ○食品用には未認可。

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味覚修飾物質のプロフィール

甘味抑制物質 ギムネマ酸

○ギムネマシルベスタ:、ガガイモ科に属するインド原産のつる性の多年草。

○ギムネマ酸は砂糖の甘味を感じさせなくする。 1~2分で甘味を感じなくなり、回復に1時間以上かかる。

○ギムネマ酸が甘味を感じる味細胞と甘味物質が結びつくのを阻害するためと考えられている。

○ギムネマ酸は小腸内の糖を認識する部位に結合し、他の糖の結合を妨げるため、糖の吸収を抑制する作用を示すと考えられている。

OR

OR

RO

RO

OR

ORO

OH

OH

OH

HOOC

OH

D-グルクロン酸

HCO-, CH3CO-, CH3CH2CH2CO-, (CH3) 2CHCH2CO-,

CH3CH=CH(CH3)CO-

R =

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①ギムネマ茶(18パック1000円)

②ギムネマ茶を入れる。

鍋でじっくり煮出す。

ウーロン茶のような匂い。

③ギムネマ茶を口にしばらく含み舌になじませる。

④再び、砂糖を少しかじる。

全く甘みを感じなくなる。

(砂糖は砂をかんでいるような感触。

塩をなめても普通である。 )

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○原産地:西アフリカ

・ 赤い果実にミラクリンが含まれる。

○酸っぱい物を食べたとき、ミラクリンが舌の甘味の鍵穴と強く結合するため、酸っぱい物を食べているのにもかかわらず、脳には『甘い』という電気信号が伝わる。

・ 効果持続時間:約2時間 (冷凍果実では約1時間) ○ミラクリンは、熱に弱く、収穫後は凍結保存が必要。

○ミラクリンは安全な添加物(既存添加物)として厚生省の認可を受けた。(平成8年) 該当製品がないことから認可は取り消し(平成16年)

ミラクルフルーツ

ミラクリン (糖蛋白質)

味覚修飾物質のプロフィール

酸味甘味変革物質

ミラクリン 酸

味蕾(甘味)

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アーティチョーク

○「朝鮮アザミ」とも呼ばれ、地中海沿岸原産のキク科の宿根草。

○草丈は1.5~2mにも伸びる。

○春に出る新芽や初夏につく花蕾(つぼみ)を食用にする。

○紫色の大きな美しい花をつけるので観賞用にもなる。

朝鮮アザミ

COOH

OH

OH

OH

OCO-CH=CH OH

OH

OH

COOH

OH

CH=CH-COO

HO

HO

OCO-CH=CH OH

OH

朝鮮アザミの成分

味覚修飾物質のプロフィール

味覚変革物質 クロロゲン酸

サイナリン

これらを2分間口に含んだ後水を飲むと甘く感じる。 朝鮮あざみが無味の水を甘く感じさせる味覚修飾作用を持つという現象は一般的では無く、固有の民族が有する様な遺伝的要因と考えられる.

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○ストロジン(キツネノマゴ科) ○原産地:マレーシア(マレー半島、ランカウイ島、ペナン島) ○葉をかじった後に冷たい水を飲むと甘く感じる。

○効果持続時間:20分~30分

○成分:ストロジン(配糖体)。

○熱に強いため、乾燥することで常温保存が可能。

○クルクリゴ(キンバイザサ科) ○原産地:マレーシア(マレー半島、ペナン島、ランカウイ島一帯) ○根元に年中黄色い花が咲き、ラッキョウのような実をつける。

○果実の成分:クルクリン(タンパク質)。

○酸っぱい物を甘くするだけではなく、水も甘くする作用を併せ持つ。

○効果持続時間:10分~15分

○タンパク質のため、熱に弱く、収穫後は凍結保存が必要。

○クルクリンは添加物として厚生省の認可。(平成8年)

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○ナツメ(クロウメモドキ科) ○原産地:日本・中国。

○ナツメの葉の成分が、舌の甘味の受容部をふさいでしまうため、甘味を感じさせなくする。

○成分:ジジフィン(配糖体)。

○効果持続時間:約30分。

○熱に強く、乾燥することで常温保存が可能。

○ケンポナシ(クロウメモドキ科) ○原産地:日本・中国。

○ケンポナシの葉の成分が舌の甘味の受容部をふさいでしまうため、甘味を感じさせなくする。

○成分:ホタロシド(配糖体)。

○効果持続時間:約30分。

○熱に強く、乾燥することで常温保存が可能。

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東大寺では8月7日に本尊につもった「ほこり」を拭い払う行事が行われ、

これは「お身ぬぐい」と呼ばれている。東大寺の大仏は世界一の金銅仏で

高さ16m余り、重さも260tといわれる巨大な仏で、お身ぬぐいも大変な作業である。

毎年、500余名の人々によって、午前7時から約3時間ばかりかけて行われる。

ハーモニカ

リード: 材質は真鍮(銅 + 亜鉛)