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 「Google Maps APRS(通称APRSドットエフアイ)」[写真1,2]はフィンランドのOH7LZB/Heikki Hannikainen氏が開発した誰でも無料で利用することができる「APRS運用状況モニタ」サイトです。APRSを運用している方は頻繁に利用していますが、使いこなしている方はとても少ないので、少し詳しく解説したいと思います。今回は機能概要です。■

APRS局のモニタ

Google Maps APRSとは

APRS局の運用状況のリアルタイムモニタや過去2年間の運用履歴、ネットワーク状況などを確認することができます。米国にあるAPRSのCore Server[※1]の情報を受信、蓄積して見やすい形に加工し、公開しているサイトで世界中の全ての種類のAPRS局がどのような情報を発信しているかなどが一目瞭然です。移動局の移動状況[写真3]や気象局の気象観測情報、各種テレメトリデータなどをグラフ化して見ることもできますし、各APRS局の電波の伝播状況、推定サービスエリア(到達距離)、メッセージのやり取りなども見ることができます。地図はGoogle MapとOSM(Open Street Map)が選択でき、Google Mapでは移動局の現在位置の車窓からの景色(Street View)を時々刻々と表示[写真4]させることもできます。

画面の表示内容(地図の種類、エリアや縮尺、APRS局表示の選択)はコールサインを無料で登録[写真5]すればサイトに保存され、再起動したときや他の場所、他のブラウザで表示させたときもログインさえすれば自分の設定が再現されて表示されますので、是非登録してください。■

現在20ヶ国語に対応しており、”http://ja.aprs.fi” にアクセスするとアクセス元のIPアドレスからおよその位置を推定し、そこを中心とした地図が日本語[※2]で表示されます。地図上にはAPRSビーコンの発信位置にコールサインとビーコンの属性を示すシンボルが表示されますが、何も設定していない初期画面では[写真1]のように、APRS以外のAIS局[※3]やTETRA局[※4]、D-PRS局[※5]なども表示され見にくいので、次回解説するフィルタ機能を活用してモニタする局の選別を行うと見易く[写真2]なります。シンボルをクリックするとさらに詳細な情報が吹き出しで表示[写真3]されます。移動中の局(車や人など)は現在位置と移動してきた軌跡を赤い点(ビーコン発信位置)と5色の線で表示し、点にカーソルを合わせるとそのビーコンがどのようなルートで飛んだかを表示します。

便利な各種機能

[写真2]フィルター機能により過去6時間のJVC KENWOODかYAESUのAPRSトランシーバを使って運用をしているAPRS移動局のみ表示させたもの。

[写真1]大阪湾周辺を表示させたGoogle Maps APRSのメイン画面だが、フィルターがOFFの状態では表示情報が多すぎてAPRS運用状況を確認するのは困難。

Google Maps APRSには、使い勝手を良くする「ツールボタン(含フィルタ機能)」と「カスタマイズ機能」、さらに詳しいAPRS情報を表示する画面の「他の見方」があります。

[写真4]Google Mapのストリートビュー機能で移動局のドライバーと同じ景色をビーコン受信毎にリアルタイムで見ることができ、全国いたるところをドライブしている気分になれる。

[写真3]APRS移動局のシンボル(アイコン)は移動中のビーコン発信地点(赤点)とそれを結んだ移動軌跡と共に表示される。シンボルをクリックすると吹き出しで詳細情報が表示される。シンボルや軌跡の点をクリックして表示される線①は、ビーコンが飛んだ経路(注意:通常複数ある伝搬経路の中で最初にAPRSサーバに到達したものを表示)。また最後のビーコン発信地点から伸びている線②は、最後のビーコンの情報の移動方向と速度を用いて現時点の位置を推定して表示しているもの。

吹き出しの中の「インフォ」をクリックすると、その局の発信したビーコンや、やり取りしたメッセージ内容など様々な形に加工された詳細な解析データを見ることが出来る「局の情報の頁」に移行する。

[写真6]特定の局を追跡モニタしたいときはここにコールサインを記入する。カンマで区切り複数局の指定も可能。

「ツールボタン」とはナビゲーションバー(右側の白い表示エリア)の右端のツールボタンの機能です。カーソルをアイコンの上に移動すると簡単な解説が出るので、ここでは捕捉説明にとどめます。

モニタしたいAPRS移動局や地域が決まっている場合は「追跡コールサイン」[写真6]のボックスにコールサインを入力して検索をクリックすると、最後のビーコン発信とそれ以前1時間分の移動軌跡、さらにビーコンを中継した局、I-Gateした局などが地図上に表示されます。メニューの「軌跡表示時間」で最長7日間まで表示する履歴時間を選択することが出来ます。「住所、市名、ロケータ」ボックスで市町村名を指定して表示させることもできます。「全てを表示」は表示している地図の範囲内の全局を表示します。表示するビーコンの期間は、「最新表示」のボックスで最長7日間まで選択できます。

※1:APRSでビーコン(情報)を発信すると、その全てが様々な経路でいったん米国に設置されているServer(複数台が離隔した場所に設置され、障害に備えている)に蓄積され、再び世界に配信されます。このServerをCore Serverと呼び、米国の大学内などでボランティアが運用しています。※2:日本からのアクセスではjaを入れなくても日本語表示がディフォルトになっている。※3:AIS(Automatic Identification System/自動船舶識別装置)とは、国際VHFを利用した船舶を自動識別するシステムのこと。船舶局のAIS装置は自局の船名、位地座標、針路、速度、MMSIコード、船種等を周辺船舶や陸上局に送信している。※4:TETRA(TErrestrial Trunked RAdio/地上基盤無線)は世界的には公共安全に使用する特定用途向け業務用デジタル移動通信システムのことで、日本では「都道府県・市町村デジタル移動通信システム(260MHz帯のデジタル防災行政無線)」として規定されている。詳細はARIB STD-80などを参照。※5:D-STARトランシーバから発信された位置座標情報をフォーマット変換してAPRS局のCore Serverに送り込み、Google Maps APRSでモニタ出来るようにしている。モニタは出来るがD-STARでAPRS運用は出来ない。

[写真5]画面右上にある「ログイン」をクリック、表示された画面の「サインアップ」をクリックしてメールアドレス、パスワード、コールサインを入力して「アカウント作成」をクリック。コードが送られてくるので表示されている画面に入力してすると登録される。

Google Maps APRSは単に移動局の軌跡を眺めているだけでは非常に勿体無いサイトですので、多くの機能を活用してみてください。