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CONN使用方法
三好 巧真 廣安 知之 日和 悟
2017年 1月 25日
IS Report No. 2017022308
ReportMedical Information System Laboratory
Abstract
CONNは,functional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)におけるFunctional connectivity(FC)
の計算,表示,解析のためのMatlab上で動作するクロスプラットフォームソフトウェアである.本
稿では,CONNで解析を行う際の手順について述べる.詳細な解析手順についてはマニュアル [1]を
参照されたい.
キーワード: CONN, 脳機能ネットワーク解析, Functional connectivity
目 次
第 1章 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2
第 2章 一般 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
第 3章 使用方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
3.1 Setup . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
3.1.1 新規プロジェクトの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
3.1.2 実験情報の設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
3.1.3 構造画像の設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
3.1.4 機能画像の設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
3.1.5 ROIの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
3.1.6 コンディションの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
3.1.7 個人レベル共変量の設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
3.1.8 集団レベル共変量の設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
3.2 Denoising . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
3.3 first-level Analyses . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
3.4 second-level Results . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
第 1章 概要
CONNは,functional Magnetic Resonance Imaging(fMRI)におけるFunctional connectivity(FC)
の計算,表示,解析のためのMatlab上で動作するクロスプラットフォームソフトウェアである.
• インストール方法
https://www.nitrc.org/projects/conn/ よりダウンロードして,zipファイルを展開する.そ
の後,Matlabのパスにディレクトリを追加する.
• 必要なソフトウェア
SPM8以降,Matlab R2008b以降が必要である.
• 起動方法
Matlabのコマンドウインドウに「conn」と入力する.
• アップデート
CONNのGUIにて,Help->Updateを選択する.
Fig. 1.1 CONNの起動画面
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第 2章 一般
CONNにおいて FC解析を実行するには以下のものが必要である.
• 機能データ
resting-stateまたはタスクデザインのいずれかを分析することができる.
• 構造データ
被験者ごとに最低 1つの解剖学的なボリュームが必要である.
• ROIの定義
ROIはマスク画像,MNIの座標を定義するテキストファイル,または複数のラベル画像から,
定義される.CONNでは,resting-stateのコネクティビティの分析に有用な,定義済みの関心
領域が用意されている.
CONNでの操作は,以下の 4つに分けられる.
• Setup
基本的な実験情報,データ,関心領域,時間的共変量,集団解析モデルを定義する.必要に応
じて空間的な前処理を行う.
• Denoising
体動,生理的および他のノイズ源を含む,BOLD信号を定義し,探索,除去を行う.
• Analyses
個人解析を行う.特定の領域を定義し,各被験者ごとに FCを分析する.
• Results
集団解析を行う.グループ分析を定義し,個人解析の結果から統計解析を行う.
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第 3章 使用方法
3.1 Setup
3.1.1 新規プロジェクトの作成
CONNではプロジェクトファイルに解析結果が保存される.新規のプロジェクトを作成する場合
は,Project->New(blank)を選択する(Fig. 3.1).
Fig. 3.1 プロジェクトの新規作成
SPMで前処理を行ったデータを用いると,Setupでの入力が省略される.Project->New(blank)を
選択し(Fig. 3.3),被験者ごとに SPMによる処理データを指定する.
Fig. 3.2 SPMによる処理データの挿入
3.1.2 実験情報の設定
Setup->Basicを選択する.ここでは,以下の実験情報の設定を行う.
• Number of subjects
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3.1Setup 第 3 章 使用方法
被験者の人数を入力する.
• Number of sessions
被験者ごとに行った実験のセッション数を設定する.被験者が 3人で,セッション数が 3であ
る場合は,「3 3 3」と入力する.
• Repetition Time
実験で行った撮像の TRを秒単位で入力する.
Fig. 3.3 実験情報の設定
3.1.3 構造画像の設定
Setup->Structuralを選択する.ここでは画面右側で被験者ごとに構造画像を設定する.
Fig. 3.4 構造画像の設定
3.1.4 機能画像の設定
Setup->Functionalを選択する.ここでは画面右側で被験者ごとに機能画像を設定する.また,複
数セッションがある場合は,さらにセッションごとにも機能画像を設定する必要がある.
Fig. 3.5 機能画像の設定
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3.1Setup 第 3 章 使用方法
3.1.5 ROIの設定
Setup->ROIsを選択する.ここでは,ROIマスクファイル,MNI座標ファイル,アトラスファ
イルなどのROIファイルを各被験者ごとに割り当てることができる.デフォルトで設定されている,
灰白質(Gray),白質(White),脳脊髄液(CSF)のROIマスクファイルは,Denoisingにおいて使
用される.FC解析はアトラスファイルでラベリングされた領域間で行われ,多くの場合 AALが用
いられる.画面中心欄の左下の「+」からROIの追加が可能で,画面右側にてROIファイルの選択
を行う.
Fig. 3.6 ROIの設定
3.1.6 コンディションの設定
Setup->Conditionsを選択する.ここでは,実験における rest,taskを設定する.実験デザイン
や,解析対象によって Table. 3.1のように設定を行う必要がある.
Table. 3.1 コンディションの設定例
コンディション名セッション 1 セッション 2
Onset Duration Onset Duration
Resting state rest 0 inf 0 inf
Restting state,
pre-, post-
pre 0 inf [] []
post [] [] 0 inf
ブロックデザイン
taskA 0 80 30 40 120 30
taskB 40 120 30 0 80 30
rest 30 70 110 150 10 30 70 110 150 10
Fig. 3.7 コンディションの設定
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3.2Denoising 第 3 章 使用方法
3.1.7 個人レベル共変量の設定
Setup->Covariates 1st-levelを選択する.ここでは,被験者ごとの共変量として体動補正データを
設定する.画面右側から SPMによる前処理で作成された各被験者の体動補正データを選択して,設
定を行う.
Fig. 3.8 個人レベル共変量の設定
3.1.8 集団レベル共変量の設定
Setup->Covariates 2nd-levelを選択する.ここでは,集団レベルで共変量を設定する.被験者グ
ループ間の FCを行う場合に設定する必要がある.Table. 3.2に設定例を示す.
Table. 3.2 集団レベル共変量の設定例Name Values
AllSubjects 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
Patients 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0
Controls 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1
Fig. 3.9 集団レベル共変量の設定
3.2 Denoising
Denoisingでは,線形回帰およびバンドパスフィルタを適用して,BOLD信号から不要な動き,生
理的なノイズ,その他のノイズの除去を行う.画面左側では,交絡因子を任意に指定して,BOLD信
号から回帰を行う.さらに,画面左下で指定されたバンドパスフィルタによって処理を行うことで,
画面中心に表示される Fig. 3.11にデータの処理結果が表示される.Fig. 3.11において,灰色のデー
タは処理前の実データで,黄色のデータは処理が行われた後の分布である.
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3.3first-level Analyses 第 3 章 使用方法
Fig. 3.10 Denoisingの設定画面
Fig. 3.11 Denoisingによるデータの変化
3.3 first-level Analyses
first-level Analysesでは,ROI間の FCや,シードとボクセル間の FC,ボクセル間の FC,ICA解
析を行うことが可能であるが,本稿では,一般的に用いられる ROI間の FC解析の方法について述
べる.
Fig. 3.12 first-level Analysesの設定画面
まず,first-level Analyses->ROI-to-ROIを選択し,画面中心の First-level analysesにおいてすべ
てのROIから,解析に使用するROIを選択する.画面右側には解析結果が表示され,Fig. 3.13のよ
うにROIを選択することで,ROIごとの解析結果を確認することができる.Fig. 3.13において,画
面下側に表示される「theshold 0.25」は相関係数の閾値が 0.25であることを示しており,任意に閾
値を設定することで結果の表示を変更することができる.
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3.4second-level Results 第 3 章 使用方法
(a) aal.Precentral L (b) aal.Frontal Inf Orb L
Fig. 3.13 個人の FC解析結果
3.4 second-level Results
全ての被験者のデータにおいて first-level Analysesが終了すると,集団解析を行うことが可能で
ある.second-level Resultsにおける集団解析では,グループ,コントラスト,ROIの条件を組み合わ
せることによって様々な解析を行う.
画面中心の「Subject effects」では,被験者のグループを指定する.「Conditions」では,解析対象
とするコンディションを指定する.「Seeds/Sources」では,解析対象とするROIを指定する.Table.
3.3に集団解析の条件例を示す.
Fig. 3.14 second-level Resultsの設定画面
画面右側に指定した条件における解析結果が表示される.また,画面左下の Result explorerをク
リックすると,条件下での解析結果が Fig. 3.15のようなリングで表示される.
さらに,Fig. 3.14の左下のGraph theoryをクリックすると,条件下でのグラフ理論解析結果が表
示される.
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3.4second-level Results 第 3 章 使用方法
Table. 3.3 集団解析の条件例
Analysis typeSubject-effects
[Between-subjects contrast]
Conditions
[Between-conditions contrast]
one-sample t-testAllSubjects
[1]
Rest
[1]
two-sample t-testPatients, Controls
[1,-1]
Rest
[1]
paired t-testAllsubjects
[1]
Pre, Post
[-1 1]
Fig. 3.15 Result explorerにおける解析結果の表示
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