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JASPA 床ずれ防止用具研修

日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA)

床ずれ防止用具部会 Ver.1.9

【 お 願 い と ご 案 内 】

この資料は、JASPA床ずれ防止用具部会が、研修会などで使用することを

目的としていますので、下記の点をご理解いただきご使用ください。

1.各ページで使用しています文章や写真、グラフなどの転用はできません。

2.いかなる場合でも、文章やグラフなどの加工をすることはできません。

3.本資料を、自社製品やサービスの宣伝などで使用することはできません。

4.掲載内容について、定期的に最新情報に更新されています。ご使用の際

は、最新バージョンの資料をダウンロードしてください。

5.本資料の内容は一般論ですので、すべてのケースに当てはまるわけで

はありません。

1.JASPAの紹介 2.床ずれ防止用具 素材別概要 3.体動能力に応じた用具の選び方 4.NPUAPによる体圧分散用具の概念 5.ずれ・摩擦について(せん断応力)

JASPA 床ずれ防止用具研修

JASPA 床ずれ防止用具部会

6.床ずれ防止用具 各素材の特長と留意点 7.車いす用床ずれ防止用具について 8.体位保持・変換用具について

JASPA とは?

JASPAとは、福祉用具の製造・流通事業者を

中心に、約100社が加盟する国内最大規模の

福祉用具業界団体です。

日本福祉用具・生活支援用具協会

Japan Assistive Products Association

JASPA 床ずれ防止用具部会

8&11の部会を運営しています

機能別部会 (8部会)

標準化部会

安心・安全部会

企画事業部会

調査部会

研究部会

流通部会

国際交流部会

広報部会

品目別部会 (11部会)

ベッド部会

床ずれ防止用具部会

車いす姿勢保持部会

義肢装具部会

歩行器歩行補助器部会

電動車椅子部会

リフト部会

段差解消機部会

入浴・排泄用品部会

情報機器部会

手すり部会

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具部会 参加各社

アイ・ソネックス株式会社

アクションジャパン株式会社

株式会社ウィズ

株式会社加地

株式会社ケープ

三和化研工業株式会社

株式会社伸和

スリーエム ヘルスケア株式会社

株式会社タイカ

タカノ株式会社

西川リビング株式会社

株式会社日本ケアサプライ

株式会社ハートウェル

株式会社モルテン

パナソニック電工株式会社

パラマウントベッド株式会社

株式会社ヤマシタコーポレーション

株式会社ユーキ・トレーディング

ラックヘルスケア株式会社

以 上 全 19 社

マットレス、ベッドパッド、車椅子用クッション、体位変換・体位保持

用具など、床ずれ防止関連製品を取扱う製造・流通事業者が参加

JASPA 床ずれ防止用具部会

主な活動

皮膚・排泄ケア認定看護師教育課程での実習

診療報酬制度 改定要望案の提出

介護保険制度 改定要望案の提出

JIS規格作成

安全・安心ガイドライン作成

H.C.R.でのセミナー

JASPA

床ずれ防止用具部会

日本褥瘡学会 渉外・保険委員会

褥瘡対策用具推進委員会

危機管理委員会

経済産業省

厚生労働省

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具 素材別概要

JASPA 床ずれ防止用具部会

主に物理的要因の対策として

床ずれ防止用具が必要です

圧力分散

体動能力

湿潤対策

ズレ防止 床ずれ防止

JASPA 床ずれ防止用具部会

体動能力

ズレ対策

圧力分散

湿潤対策

エアマット

全身用床ずれ防止用具

種類による特徴 エアマット

JASPA 床ずれ防止用具部会

体動能力

ズレ対策

圧力分散

湿潤対策

ウレタンフォーム

全身用床ずれ防止用具

種類による特徴 ウレタンフォーム

JASPA 床ずれ防止用具部会

体動能力

ズレ対策

圧力分散

湿潤対策

ゲルタイプ

全身用床ずれ防止用具

種類による特徴 ゲルタイプ

JASPA 床ずれ防止用具部会

体動能力

ズレ対策

圧力分散

湿潤対策

シープスキン

全身用床ずれ防止用具

種類による特徴 シープスキン

JASPA 床ずれ防止用具部会

各製品それぞれが、性能・品質向上に向けて取組んでいます。

体動能力

ズレ対策

圧力分散

湿潤対策

ウレタンフォーム

エアマット

シープスキン

ゲルタイプ

JASPA 床ずれ防止用具部会

最近では、それぞれの特長を組み合わせたハイブリッドタイプも

数多く開発されています。

圧力分散に長けた

エアマット

湿潤対策に長けた

シープスキン

ズレ対策に長けた

ゲルタイプ

バランスに長けた

ウレタンフォーム

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれは・・・

様々な要因が複雑に絡みあって発生します。

ご使用される方の

お体の状態に合わせて適切な用具を

お選び下さい。

JASPA 床ずれ防止用具部会

体動能力に応じた体圧分散用具の選び方

非常に体動が

限られる方

全く体動が

できない方

やや体動が

限られる方

自由に

体動できる方

体 動 能 力

ゲルタイプ

シープスキン

ウレタンマットレス

汎用型エアマットレス

ウレタンマットレス

高機能型

エアマットレス

組織の安定・再活性 自立支援 QOLの向上

自力体動能力を損なわないもの 床ずれ防止環境を優先させるもの

ご利用者の体動能力に合わせ、

「自発的な動きを阻害しない」用具を選定してください!

JASPA 床ずれ防止用具部会

NPUAPによる新しい考え方

体圧分散用具に関する概念

これまで体圧分散用具で用いられてきた

「減圧」(pressure reduction)や「除圧」(pressure relief)

を統合した概念として、

「圧再分配」(pressure redistribution)という用語が

2007年、NPUAPにより新たに提案された。

National Pressure Ulcer Advisory Panel Support Surface Standards Initiative :Terms and Definitions Related to Support Surfaces Ver.01/29/2007

NPUAP : 米国褥瘡諮問委員会

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

・ 沈める(Immersion)

・ 順応性(Envelopment)

・ 接触領域の変化

(Change in areas of contact over time)

「圧再分配」 (pressure redistribution)

広範囲な沈み込みによって接触面積を拡大し、全身の圧力を低減させる

一時的に圧迫を開放させ、他の部位へ圧力を移す。時間軸でみた接触圧の移動。

機 能 効 果

JASPA 床ずれ防止用具部会

National Pressure Ulcer Advisory Panel Support Surface Standards Initiative :Terms and Definitions Related to Support Surfaces Ver.01/29/2007

NPUAP : 米国褥瘡諮問委員会

NPUAPによる新しい考え方

体圧分散用具に関する概念

・ 沈める(Immersion)

・ 順応性(Envelopment)

広範囲な沈み込みによって接触面積を拡大し、

全身の圧力を低減させる

エア

ウレタン

ゲル

シープスキン

対応素材

JASPA 床ずれ防止用具部会

National Pressure Ulcer Advisory Panel Support Surface Standards Initiative :Terms and Definitions Related to Support Surfaces Ver.01/29/2007

NPUAP : 米国褥瘡諮問委員会

NPUAPによる新しい考え方

体圧分散用具に関する概念

・ 接触領域の変化

(Change in areas of contact over time)

一時的に圧迫を開放させ、他の部位へ圧力を移す。

時間軸でみた接触圧の移動。

エア

対応素材

JASPA 床ずれ防止用具部会

National Pressure Ulcer Advisory Panel Support Surface Standards Initiative :Terms and Definitions Related to Support Surfaces Ver.01/29/2007

NPUAP : 米国褥瘡諮問委員会

ずれ・摩擦について

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

まず用語について説明します

1・ [ ずれ ]

2・ [ 応力 ]

3・ [ 摩擦 ]

JASPA 床ずれ防止用具部会

[ ずれ ]について

ずれとは

ずれには、対象とする物体の移動した変位量を表す“ずれ量”

(長さ、単位はm:メートル)と、対象とする物体に加わっている

力を表す“ずれ力”(力、単位はN:ニュートン)という二つの概念がある。

日本褥瘡学会 褥瘡予防・管理ガイドライン 2009、2

JASPA 床ずれ防止用具部会

[ 応力 ]について

応力( stress)とは

物体に力が作用するとき、物体内部に生じる抵抗力(力)。

工学的な一般用語解説

JASPA 床ずれ防止用具部会

[ 摩擦 ]について

摩擦・摩擦力( friction・frictional force)とは

二つの物体が接触している時に、その接触面の方向に働く力。

工学的な一般用語解説

JASPA 床ずれ防止用具部会

応力の種類

応力は主に3つの力に分ける事が出来ます

圧縮応力 引張応力 せん断応力

JASPA 床ずれ防止用具部会

・ 圧縮応力 ・

物体表面に外部から内部に向かって力が加わり、 物体内部を圧縮するように作用する応力

物体

JASPA 床ずれ防止用具部会

・ 引張応力 ・

物体を引き伸ばすように作用する応力

物体

JASPA 床ずれ防止用具部会

・ せん断応力 ・

物体内部のある面で、平行方向にすべらせるように作用する応力

物体 物体

JASPA 床ずれ防止用具部会

・ 摩擦 ・

物体が他の物と接触しながら運動をはじめるとき、あるいは 運動しているとき、運動を妨げようと接触面に生じる力

物体を引張る力

摩擦力

重さ(荷重)

物体

摩擦力より物体を引張る 力の方が大きい場合、

物体は動く

重さが大きくなると、

摩擦力も大きくなる。

応力の発生

板など

JASPA 床ずれ防止用具部会

・ ずれ・摩擦の人体モデル ・

床面・衣類など

ずれの力

摩擦力

体重(荷重)

組織

せん断応力

(ずれ)の発生!

応力の発生

接触圧力が高いと、摩擦力や

応力も高くなる。

接触圧力の発生

JASPA 床ずれ防止用具部会

・ まとめ ・

体重が加わることにより組織内部に圧縮応力が働きます

床面と皮膚表面との接触圧力が大きくなると同時に、

接触面の摩擦力も大きくなります

摩擦力が大きくなるとすべり難くなるため、組織内部に

せん断応力(ずれ)が発生しやすくなります

“ずれ”を防止する手段の一つとして ・床ずれ防止用具を使用して、効果的に圧力分散を行います。

接触圧を下げることで、摩擦力も下げることが出来ます。

摩擦力が下がれば、組織内部の応力(ずれ)も小さくすることが出来ます。

・“ずれ”を効果的に低減出来る素材の製品を使用してください。

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具

エアマットレスについて

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

エアマットレスの原理

エアセル 構造

バンプ 構造

JASPA 床ずれ防止用具部会

高い圧力分散性能

●被験者:155cm/45Kg/BMI18.7/女性 ●測定器:エルゴチェック(ABW社)

●用具:一般的なマットレス ●圧力表示:

低い 高い

高機能エアマットレス 一般ベッドマットレス

JASPA 床ずれ防止用具部会

個別のリスクに対応

骨突出

エアマットの構造により、骨突出部に 追従しやすく、局所の圧力を低減します

圧力の集中する場合においても、広い面積で身体を支えることで接触圧力を

低く抑えます

JASPA 床ずれ防止用具部会

関節拘縮

療養者の状況に応じたモード切替

リハビリ

背上げ

静止

各モードを状況に応じて選択したり、機器が自動で選択する製品もあります。

JASPA 床ずれ防止用具部会

快適な寝床内をつくる換気モード

防水・透湿性カバーを

使用した製品例

換気モードを採用した製品の内部構造例

防水・透湿性カバーと、マット内部の換気構造を組み合わせた製品もあります。

JASPA 床ずれ防止用具部会

エアマットレスの適応

日常活動性の 低下から

マットレスを選ぶ

●自力体位変換が不可 ●疾患による体位制限 ●介護力の不足

身体的特徴 個別リスクから

マットレスを選ぶ

●骨突出

●関節拘縮 ● 背上げ

● (機種により)湿潤

JASPA 床ずれ防止用具部会

綿シーツの使用は ルーズフィットを 心掛けましょう

綿シーツはぴんと張らない

ぴんと張った状態 ルーズフィット

JASPA 床ずれ防止用具部会

体圧分散の面からエアマットレスの上には、

シーツ以外に何も敷かないことが理想的です。

可能な限り、ベッドパッドはエアマットレスに使用しない

換気機能付きのエアマット 薄手の吸湿性の高いシーツ

JASPA 床ずれ防止用具部会

● 警告・注意ランプの点滅

● マットの形状・硬さの異常

● 送風チューブの折れ曲がり

● カプラー・エア抜き栓の外れ

● エアセルと送風チューブ接続

● マットの体重設定・かたさ設定

● 底づき現象

エアマットレスの点検

エアマットレスが正常に動いているか 確認することを心がけましょう。

JASPA 床ずれ防止用具部会

次は、ウレタンマットレスについてです。

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具

ウレタンマットレスについて

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

ポリウレタン樹脂 軟質ウレタン

フォーム 発泡

ウレタンマットレスの素材

粘 性 弾 性 様々なクッション性

JASPA 床ずれ防止用具部会

体圧分散のしくみ

JASPA 床ずれ防止用具部会

同じ重さなのに 圧力分布が違う

ベッドマット(接触面積が小さい) 体圧分散寝具(接触面積が大きい)

クッション性を変化させる

いろいろな加工の例

JASPA 床ずれ防止用具部会

端座位への配慮

マットレスが柔らかく

姿勢が安定しない

マットレスの両サイドに

固めの素材を配置

臀部が沈み込みにくい固めの素材で、姿勢を安定

JASPA 床ずれ防止用具部会

へたりについて

へたり

厚みの減少 硬さの減少

見た目は変わらないけど、ボクだけやわらかく

なっちゃった...

凹んだまま

もどらないよ

重い荷重が長期にかかるほど、また、ウレタンフォームの密度が低いほど、へたりは大きくなる

JASPA 床ずれ防止用具部会

マットレス内部

水分

カバーにも様々な工夫

伸縮性

ウレタンマットレスのカバー

JASPA 床ずれ防止用具部会

お手入れについて

丸洗い可

水抜け良い

JASPA 床ずれ防止用具部会

次は、ゲルタイプについてです。

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具

ゲルタイプについて

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

ゲルタイプって?

1.ジェルとかこんにゃくマット、フローテーション

マットなどと呼ばれていた、かつての製品か

ら飛躍的に進歩しています。

2.ずれ力の吸収にとても優れています。

JASPA 床ずれ防止用具部会

人間の皮膚内部を卵豆腐で再現したモデル実験

垂直方向に押し込んだ場合

↓ かなりの圧力をかけなければ

穴(血管)は潰れません。

ずれ力を少し加えて押し込んだ場合

↓ 少しの圧力で穴が潰れました

ずれ力に関する研究の一例

*この実験は、芝浦工業大学米田先生グループによる「ずれ力」 に関する研究の一例です。

JASPA 床ずれ防止用具部会

床面など

組織

ゲルタイプがずれ力吸収に優れる理由

JASPA 床ずれ防止用具部会

体重(荷重)

組織に応力が発生

⇒ 毛細血管が潰れやすくなる!

⇒ 床ずれ

ずれの力

JASPA 床ずれ防止用具部会

ゲルタイプ

ゲルタイプが体と床面の間にあると・・・

JASPA 床ずれ防止用具部会

ゲルが応力を吸収 ⇒ 組織の応力が減少

⇒ 毛細血管が潰れにくくなる ⇒ 床ずれ防止

ずれ力の吸収

JASPA 床ずれ防止用具部会

ゲルタイプの上手な活用方法

柔らかく分厚くすれば、圧力分散効果大!

JASPA 床ずれ防止用具部会

体が沈みこむ。重たくなる。高価になる。

現実には不可能・・・。 ↓

上敷きマットレスとして、または部分的な

床ずれ防止、更にはハイブリッドとして!

次は、シープスキンについてです。

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具

シープスキンについて

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

シープスキンとは?

天然素材である羊の毛皮が原材料です

JASPA 床ずれ防止用具部会

シープスキン 様々な違い

毛の長さ、形、本数

抗菌防カビ加工の有無

各種規格の合格可否

羊の種類

JASPA 床ずれ防止用具部会

各種規格の例

ウールマーク

(国際羊毛事務局)

新毛だけ99.7%以上を

使用。素材性能や縫製等

厳しい品質基準。

ファーンマーク (ウール オブ NZ)

ニュージーランド羊毛を

使用する世界有力メーカ

ーが提供する製品。

レーヌマーク (フランス羊毛協会)

厳選したフランス産バー

ジンウールを100%使用

している。

ステッキマーク (英国羊毛公社)

英国羊毛製品の中から

厳しい審査により特に

選別された1級品。

JASPA 床ずれ防止用具部会

厳しい規格をクリアした

シープスキンの特性について

JASPA 床ずれ防止用具部会

スプリングのような

弾力性の集合体

圧迫が集中せず、

全体に体圧を分散

皮革

ウール繊維

体圧分散

JASPA 床ずれ防止用具部会

ズレ・摩擦を軽減

無数の毛1本1本で身体を支える

せん断応力・引張応力の軽減

JASPA 床ずれ防止用具部会

優れた吸湿性と放湿性

吸湿量は木綿の約2倍

ポリエステルの約40倍

毛の内部に湿気を吸収し、

放出します。

JASPA 床ずれ防止用具部会

その他の特徴

通気性と断熱性

冬暖かく、夏涼しい

1年中快適に使用できる

撥水性が高い

水滴などは表面で弾くため

汚れにくい

JASPA 床ずれ防止用具部会

お手入れ方法

風通しの良い場所で陰干しする

失禁等で汚れてしまったら・・・

① ウール用の中性洗剤で洗う

(手洗い又は洗濯機の弱水流)

② 形を整え、手ぐし又はブラシで毛並

みを整える

③ 毛と皮革の両方が乾くまで干す

ご注意!

商品の洗濯等の表示にしたがってお手入れして下さい。

JASPA 床ずれ防止用具部会

次は、車いす用床ずれ防止用具

についてです。

JASPA 床ずれ防止用具部会

床ずれ防止用具

車いす用クッションについて

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

快適さ 床ずれ防止 姿勢保持

車 い す ク ッ シ ョ ン の 目 的

ジーン・ミンケル女史 : 欧米各国でAT第一人者と して、講師としてご活躍

JASPA 床ずれ防止用具部会

車いすクッションの素材

1)ウレタンフォーム

高反発ウレタンフォーム

低反発ウレタンフォーム

2)ゲル

3)ポリエステル綿

4)エア

5)ハイブリッドタイプ

JASPA 床ずれ防止用具部会

車いすクッションの素材

ウレタン ゲル 綿(ワタ)

JASPA 床ずれ防止用具部会

車いすクッションの素材

ハイブリッドタイプ エアクッション JASPA 床ずれ防止用具部会

素材別の特長について

JASPA 床ずれ防止用具部会

ウレタンクッションの場合

< 留意点 >

座骨部など骨突出の著しい部分は特に圧縮され、その部分はウレタンフォームの硬さに変化を生じる。

⇒ 体重、体型に応じた厚みを選定

する。

< 特 長 >

安価で軽く、加工しやすい。

高反発性と低反発性があり、また 種類が多いので、目的に応じて使い分けができる。

JASPA 床ずれ防止用具部会

低反発ウレタンクッションの場合

高密度~中密度までの反発弾性を非常に小さくした

ウレタンフォーム

< 留意点>

温度が低いほど硬くなるため、着座直後はやや硬く感じる場合がある。

⇒ 体温に馴染むと、素材本来の沈 み込みが得られる。

< 特 長 >

衝撃吸収性に優れる。

ゆっくりと沈み込み接触面を包み 込む。

柔らかく感触が良い。

JASPA 床ずれ防止用具部会

ゲルクッションの場合

< 留意点>

製品が重い。

⇒ 製品が薄くてもずれにくい。

気温の影響を受けやすい。

⇒ カバーの工夫やウレタンなどと のハイブリットで対応が進んでいる。

< 特 長 >

ずれ力の吸収に優れる。

ゲルの移動により、荷重を分散し易くなる。

JASPA 床ずれ防止用具部会

エアクッションの場合

< 留意点>

セル間の空気が移動するので、 安定感に乏しい。

⇒ 空気圧を調整することで改善出来 る。

< 特 長 >

セルの独立により、突出した部位を周囲で支える。

セル内の内部圧力が均等化されるので、効率よく圧の分散ができる。

JASPA 床ずれ防止用具部会

PE熱圧縮綿(ワタ)について

< 特 長 >

通気性が良い。

軽い。

洗える。

< 留意点>

熱圧縮 しているため、購入直後

が、硬い。

⇒ 馴染むと柔らかくなる。

JASPA 床ずれ防止用具部会

熱圧縮綿

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ハイブリッドタイプについて

JASPA 床ずれ防止用具部会

ハイブリッドタイプの例

ウレタン ウレタン エ ア ゲ ル

・お互いの素材で不足している部分を補います。

・素材の特徴を組合せ、安定感や分散性能の両立が可能です。

素材ごとの得手不得手 まとめ

ウレタン

高反撥

ウレタン

低反撥 ゲル エア

ポリエステル

綿

圧力分散 ○ ◎ ○ ◎ △

ズレの吸収 △ △ ◎ ○ △

安定性 ◎ ◎ ◎ △ ○

重さ ◎ ◎ △ ◎ ◎

温度環境に対して ○ △ △ ○ ◎

お手入れのしやすさ △ △ ○ △ ○

JASPA 床ずれ防止用具部会

クッション形状について

フラットタイプ

• 着座姿勢が自由になるタイプ

コンタータイプ

• 大腿を支持し、座位保持が

しやすいタイプ

前上がりタイプ

• 骨盤後傾による前ずれを

抑制するタイプ

JASPA 床ずれ防止用具部会

次は、体位変換・保持用具に

ついてです。

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニング用具について

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

体位変換

良肢位保持

≪目 的≫

◎体圧分散による床ずれ防止

◎関節拘縮の予防 ・ 改善

(筋緊張の緩和)

◎嚥下・呼吸機能等の活性化

◎ストレスの軽減(安楽)

◎残存機能を引き出す

ポジショニングとは?

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニングの目標・方針・方法を決める

ポジショニング用具を選ぶ

ポジショニングの実施

(重力の方向を意識し、体重をしっかり乗せる)

ポジショニング後は、ずれを必ず排除する

将来像や日々の状態に合わせて変えていく

手順1

手順2

手順3

手順4

手順5

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニングの進め方

JASPA 床ずれ防止用具部会

×嚥下困難や誤嚥の危険性

×筋緊張が高く四肢が屈曲

×仙骨部に圧が集中

×基底面が狭く安定性が悪い

最適なポジショニング

クッションを選んで

体を支える

≪ポジショニング前≫

×視野が狭い(天井しか見えない)

円背で筋緊張が高い方の場合

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニング前

ポジショニング後

×視野が狭い

×嚥下困難や誤嚥の危険性

×筋緊張が高く四肢が屈曲

×仙骨部に圧が集中

×基底面が狭く安定性が悪い

◎視野が広がる

◎嚥下や呼吸が楽になる

◎筋緊張が低下し、屈曲が改善

◎圧が分散されている

◎基底面が広くリラックスできる

円背で筋緊張が高い方の場合

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニング前

ポジショニング後

×視野が狭い

×嚥下困難や誤嚥の危険性

×筋緊張が高く四肢が屈曲

×仙骨部に圧が集中

×基底面が狭く安定性が悪い

◎視野が広がる

◎嚥下や呼吸が楽になる

◎筋緊張が低下し、屈曲が改善

◎圧が分散されている

◎基底面が広くリラックスできる

円背で筋緊張が高い方の場合

局所圧が広範囲に分散

◆形状からの分類

1.ピロータイプ

2.ブーメランタイプ

3.三角形タイプ

4.ロール(ロング)タイプ

5.その他

◆素材からの分類

1.ビーズ

2.ポリエステル綿

3.ウレタン

4.ゲル

5.シープスキン

6.ハイブリッド

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニング用具のいろいろ

素材からの分類

JASPA 床ずれ防止用具部会

≪短所と改善点≫ ・ 局所的な荷重がかかった場合に ビーズが流れ、底づきを起こす場 合がある。 ⇒ 円柱、・楕円形など流動しにくい 形状にしたり、他の素材との組 み合わせるなどの工夫がされて いる。

ビーズ

≪ 長 所 ≫ ・ 身体各部の形状に沿いやすい。 ・ 軽いものが多い。 ・ 水切れがよくお手入れが簡単。

JASPA 床ずれ防止用具部会

≪長 所≫

・ 保温性とクッション性に優る。

・ とても軽い。

・ 圧縮しても硬くなりにくい。

素材からの分類 ポリエステル綿

≪短所と改善点≫ ・ 洗濯により綿が団子状になったり、

中身が片寄ってしまうことがある。

また、水切れが悪い。

⇒ マイクロビーズとの混合や、内部に 仕切りを付けて片寄りを抑える等の 工夫がされている。

JASPA 床ずれ防止用具部会

ビーズ+ポリエステル綿 ビーズ+ウレタンチップ

素材からの分類 ハイブリッド

素材の欠点を補う、または、それぞれの長所を組み合わせる

などの工夫がされている。

例えば、流れやすいビーズの底づきを補うために、

ポリエステル綿やウレタンチップと混合したハイブリッドもある。

JASPA 床ずれ防止用具部会

ピロータイプ ブーメランタイプ 三角形タイプ ロールタイプ

形状からの分類

≪側臥位≫

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニング用具使用例

≪腹臥位≫ ≪仰臥位≫

JASPA 床ずれ防止用具部会

ポジショニング用具使用例 ≪車いすで≫ ≪上半身に≫ ≪下半身に≫

JASPA 床ずれ防止用具部会

体位変換や寝位置修正のための用具

スライディングシート 体位変換器

背上げ装置

◆ ポジショニングの目的に合致した様々な素材・形状

◆ 底づきしないよう適度な保持力がある

◆ 身体に接する面は、柔らかくフィットする

◆ クッションやカバーは、汚れや失禁に配慮して

繰り返し洗濯することができる

◆ カバーは、速乾性や吸汗性に配慮している

JASPA 床ずれ防止用具部会

市販の枕や座布団類との違いは?

ウレタンマットレスの

ヘタリについて

日本福祉用具・生活支援用具協会 (JASPA) 床ずれ防止用具部会

特定の箇所が

へこんだまま戻らない 見た目は問題ないけど

特定の箇所が柔らかい

ヘタリには2つあります

JASPA 床ずれ防止用具部会

メーカーのヘタリ判定(例) 1.特定の箇所がへこんだまま戻らない

⇒糸を張ったり、専用の測定器を使用し、へこんだ部分の程度

を調べる。

(基準の一例)

元の厚さより1cm以上、またはマットレスの厚さの10%以

上低い場合はヘタリ

2.特定の箇所が柔らかい

⇒触感で、または専用の測定器で反力を測り、柔らかい場合は体圧分散性能を確認する。

(基準の一例)

底付きの心配がある場合はヘタリ。ただし、数値は製品に

よって異なる。

JASPA 床ずれ防止用具部会

ヘタると何が問題なのでしょうか

1.底づきの心配がある

ヘッドアップした時

座位の時

2.良肢位を確保できないことがある

3.体動を妨げる可能性がある

4.睡眠を妨げる可能性がある

JASPA 床ずれ防止用具部会

ヘタリを早める環境

JASPA 床ずれ防止用具部会

高温

使用環境や使用状況によって劣化の

時期や程度が異なるため、耐用年数を

明確に伝えられない

多湿

紫外線

長期間の圧迫

ヘタリの発生を遅らせる対策

JASPA 床ずれ防止用具部会

<へたり易い環境>

・高温

・多湿

・紫外線

・長期間の圧迫

<使用時>

・使う箇所を変更する

・定期的に休ませる

<洗浄時>

・十分に脱水する

・高温で乾燥しない

<保管時>

・冷暗所+乾燥した場で

・何枚も平積みしない

業者の対策

JASPA 床ずれ防止用具部会

1.密度の高いウレタンの使用

2.洗えるウレタン(無膜フォーム)の使用

3.防水カバーの使用

4.ローテーションサービス(レンタルの場合)

5.交換時期の判定サービス

判断に困ったら、流通業者かメーカーに

お問い合わせください

以上で終了です。

日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA)

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