Millathane® Engineering Properties Bulleting - TSE …...Millathane®...
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Transcript of Millathane® Engineering Properties Bulleting - TSE …...Millathane®...
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Millathane®ミラブルポリウレタン
機械的特性資料
目次 Millathane®の基本特性と応用 ............................................................................................ 2
Millathane®ミラブルポリウレタンの種類 ............................................................................... 3
最適な Millathane®ミラブルポリウレタンの選び方 ................................................................ 4
ASTM D2000 チャート………………………………………………………..…………………..5
機械的特性…………….………………………………………………………………………….6
硬度…………………….……………………………………………………………………………….6
引張強度と引裂強度 ........................................................................................................... 6
高温下での強度 ................................................................................................................. 6
低温特性 ............................................................................................................................ 7
反発弾性と緩衝性 .............................................................................................................. 7
耐摩耗性 ............................................................................................................................ 8
圧縮永久歪み ..................................................................................................................... 9
圧縮とたわみ.. .................................................................................................................. 10
耐薬品性 .......................................................................................................................... 12
耐油性、耐燃料性、耐溶媒性 ............................................................................................ 13
耐水性と耐湿性 ................................................................................................................ 14
耐熱性 ............................................................................................................................. 15
耐オゾン性と耐候性 .......................................................................................................... 16
難燃性 ............................................................................................................................. 17
耐放射線性と耐殺菌性 ..................................................................................................... 17
ガス透過性 ....................................................................................................................... 18
成形収縮 .......................................................................................................................... 19
電気的特性 ...................................................................................................................... 19
着色性 ............................................................................................................................. 20
リサイクル性 ..................................................................................................................... 20
用途例 ............................................................................................................................. 20
まとめ ............................................................................................................................... 20
弊社製品の使用は、信頼性が認識されている試験に基づいて推奨されています。ただし、別環境において第三者によって得られる結果は保証いた
しません。本資料のいかなる部分も、いかなる特許権を侵害するために弊社製品を使用するよう推奨するものではありません。Millathane®および
Thanecure®は、TSE Industries, Inc.の登録商標、Millstab P は TSE Industries, Inc.の商標です。 © Copyright TSE Industries, Inc. 2010
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Millathane®機械的特性について
Millathane®の基本特性と応用 TSE インダストリーズは、1962 年以来ミラブル(混練りタイプ)ポリウレタンゴムの仕事に携わり、
“MILLATHANE”(ミラセン)の商標で製造販売しているミラブルポリウレタンゴムの世界最大の
製造会社です。 ミラブルポリウレタンゴムは、天然ゴムや合成ゴムには見られない数多くの物
理的特性を兼ね備え、高性能ゴムの市場に大きく貢献しております。 高性能ゴムの用途で要求されるポリウレタンの基本特性には、以下が含まれます。
• 耐摩耗性 • 低温での柔軟性 • 耐オゾン性 • 耐荷重力 • 優れた耐油性 • 耐窒素透過性
過酸化物加硫できるグレードは、耐熱性に優れており、100℃までの温度で継続的に、また
120℃までの温度では断続的な使用に耐えることができます。 硫黄加硫できるグレードは、主
にローラーの被覆や吸着カップに使用され、特にショｱ A=30 程度までの低硬度で、使用され
ております。 ポリエステルタイプのポリウレタンゴムは、耐油性と適度な温度に対し優れた耐性があります。
ポリエステルタイプのポリウレタンは、耐スライド摩耗性にも優れています。 ポリエーテルタイ
プは、より加水分解に安定であり、またその高い反発弾性により、衝突摩耗に対する耐性があ
ります。 MILLATHANE ミラブルポリウレタンゴムは、事務機器、自動車、織物、履物、そして他の多く
の工業市場で使用されています。 代表的な高性能ゴムの用途には、ローラーの被覆、ベルト、
O リング、ガスケット、ダイヤフラム、シール剤、振動絶縁装置、バンパー、インペラー、靴底、
そしてホースチューブおよびカバーなどがあります。
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Millathane®ミラブルポリウレタンの種類 TSE では、ポリエステルタイプとポリエーテルタイプの両タイプの Millathane ミラブルポリウレタ
ンを製造しています。 ポリエーテルタイプは、ポリエステルタイプより耐水性、耐加水分解性に
優れており、またポリエステルタイプは、ポリエーテルタイプより耐熱性、耐油性、耐圧縮永久
歪み性に優れています。 ほとんどの Millathane のグレードは、その粘度の幅があり、その形状はベール状、またはプレ
ミルドのシート状であります。 すべてのグレードは、過酸化物で加硫できます。 硫黄で加硫で
きるグレードは、Millathane E34、E40、CM、76、HT であります。
Thanecure®グレード TSE では、ミラブルポリウレタンゴムの加硫に使用される 2 種類の Thanecure(センキュア)製品
を製造致しています。
Thanecure ZM センキュア ZM
Thanecure ZM は、硫黄加硫のミラブルポリウレタン用の加硫活性剤・促進剤です。
通常は、加硫速度と加工の安全性の良いバランスを得ることのできる 1 phr で使用致し
ます。
Thanecure T9 センキュア T9
Thanecure T9 は、TDI の二量体であり、イソシアネート加硫ミラブルポリウレタン
用の加硫剤として使用されます。 またゴムと織物の接着において、接着促進剤
として使用されます。
基本特性 代表的な用途例
ポリエーテルタイプ
Millathane 26 ミラセン 26
FDA 規則 21 CFR 177.2600
に準拠 食品、食品以外の品物を取扱うローラー、ベルト類、
成型品
Millathane 97 ミラセン 97
透明性、高耐摩耗性 透明な靴底や靴の素材、そして鮮やかな色のゴム部
品
Millathane CM ミラセン CM
優れた強度、耐摩耗性、低温
特性 優れた強度および耐低温性を要求する軍事ゴム部
品および航空宇宙ゴム部品
Millathane E34 ミラセン E34
耐摩耗性、耐加水分解性 紙産業及び印刷産業用ゴムカバーローラー、履きのも
Millathane E40 ミラセン E40
顕著な低温特性 最適な低温特性を要求する軍事ゴム部品および航
空宇宙ゴム部品
ポリエステルタイプ
Millathane 66 ミラセン 66
優れた耐熱性、耐油性、耐圧
縮永久歪み性 最適な耐熱性および耐圧縮永久歪み性を要求する
シール剤、ガスケット、ベルト、ローラー
Millathane 76 ミラセン 76
優れた耐油性、耐摩耗性 ローラー、O リング、ガスケット、吸着カップ、振動絶縁
装置、車輪
Millathane 5004 ミラセン 5004
耐油性、耐溶媒性 吸着カップ、ダイヤフラム、印刷および紙用のローラー
Millathane HT ミラセン HT
優れた摩擦特性と低温特性 優れた摩擦特性を要求するベルト、ローラー、ガスケ
ット
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最適な Millathane®ミラブルポリウレタンの選び方
Millathane の各グレードの硫黄加硫及び過酸化物加硫の加硫物特性を含む物性比較を以下に示します
ミラセン 66 76 5004 HT 26 97 CM E34 E40
タイプ ポリエステル ポリエーテル
加硫系(P=過酸化物、S=硫黄) P S P P S P P P S P S P S P
物性１
引張り強度 ++ ++ + + + + + + ++ + ++ + ++ +
反発弾性 + o o + + + ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
耐摩耗性 + + + + ++ + + + ++ + ++ + ++ +
引裂き強度 + ++ + ++ + o + + ++ + + + + +
高硬度下機械特性 + + + + o o + + + + + o + O
低硬度下機械特性 o ++ + + + o + o + + + + + +
圧縮永久歪－@70℃
－@100℃
++
++
o
o
++
++
+
+
+
+
++
+
+
+
o
o
+
o
+
+
+
o
+
+
+
o
+
+
耐熱性 ++ o + ++ o ++ o o o + o + o +
耐低温性 ++ o o + ++ ++ + + ++ ++ o o ++ ++
ガス遮断性 + + + ++ ++ ++ + + + + + + + +
透明性(加硫物) o - o o - o o ++ - - - o - O
耐加水分解性(水)２ o o o o o o ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
耐油性 ++ ++ ++ ++ + + o + + + + + + +
耐ディーゼル/バイオディーゼル性 ++ ++ ++ ++ + + o o + + + + + +
耐ガソリン性 ++ ++ ++ ++ + + - - - - - - - -
耐ガスホール
(ガソリン/エタノール=90/10)
+ + + + o o - - - - - - - -
FDA 用途(w/117,2600 対応) - - - - - - ++ - - - - - - -
加工性
プレス成形 ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
トランファー成形 ++ + ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
インジェクション成形 ++ + ++ ++ + ++ ++ ++ + ++ + ++ + ++
押出し成形３ ++ + + + + + + ++ + + ++ ++ ++ ++
スチーム加硫４ o o o o o o + + ++ + ++ + ++ +
ホットｴｱｰ成形５ o ++ o o + o + + ++ + ++ + ++ +
++＝優良、＋＝良好、0＝適用可能、―＝不適当 1. 相対物性(他のミラセンのポリマー/配合物に対する) 2. ポリエステルタイプのウレタンの耐加水分解性は、カルボジイミドの添加により、大きく改善できます。 3. 押出しローラー 4. 配合物は、直接蒸気と接触しないよう、保護しなければなりません。 5. 過酸化物加硫配合物は、空気若しくは酸素との接触を避けるならば、ホットエアーでの加硫が出来ます。
5
ASTM D2000 チャート 異なるタイプのゴムを比較する方法として一般的な方法は、耐熱老化性と耐油性であります。
下記のチャートは、ASTM D2000 に基づき Millathane®ミラブルポリウレタンが、NBR や水添
NBR と同様優れた耐油性を持ち、ネオプレンおよび NBR ゴムと同様の 100℃～125℃までの
適度な耐熱性を持っていることを示しております。
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
110
120
130
140
__
__
__
__
__
__
__
__
__
__
__
__
__
50 75 100 125 150 175 200 225 250 275
温度（ºC）
ブチル ハロブチル
エチレンアクリレート
AEMCPE (CM)
シリコンVMQ
ポリアクリル酸塩(ACM)
HNBRNBR
フッ素化シリコンFVMQ
過フッ化炭化水素FKM
SBR, CIS-4 BR,天然ゴム
EPDM
耐油
性-
IRM
903
油で
の膨
張率
（%
）
CR (ネオプレン)
MILLATHANE® ポリウレタン
CSM (ハイパロン)
エプクロルヒドリンCO/ECO
耐熱性および耐油性（ASTM D2000に基づく）
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Millathane®ミラブルポリウレタンゴムの機械的特性
硬度 Millathane ミラブルポリウレタンは、ショア A 硬度＝30 から 98、更にショｱ D 硬度=60 までの範
囲の硬度を持つ製品を製造することができます。 しかしながら、ほとんどの製品は、ショア A
硬度=50 から 80 の範囲で使用されております。
引張強度と引裂強度 40 MPa（5800 psi）の引張強度で、そして 70 kN/m（400 lb/in）の引裂強度のような高い値のゴ
ム部品を、Millathane ミラブルポリウレタンを使用する事で得ることができます。 しかしながら、
これらの値より低い値の物性を持つ製品でも、優れた性能を発揮いたします。 ゴムを使用し
て作られた機械部品は、それらの極限破壊強度に近い強度で、稀に使用されますが、一般に
は伸びまたは圧縮永久歪みは、その極限強度の 20%以内で使用されております。
高温下での強度 高温下で良い物性を保持することは、使用中高い温度が見られるシール材、ガスケット、ベル
ト類などの用途では重要であります。ウレタンゴム配合物は、150℃(302°F)以上の温度で大
幅に軟化する傾向がありますので、耐高温性について知られておりません。 適度な温度では、
配合物はその特性を非常によく保持し、以下の表の通り、HNBR などのポリマーよりも優れて
おります。
物理的特性 Millathane®
5004
HNBR
23ºC での試験 硬度、ショア A 75 73 TSE-100*、MPa 5.2 3.7 52ºC での試験 TSE-100*、MPa 4.3 2.8 変化、% -16 -24 107ºC での試験 TSE-100*、MPa 4.1 2.7 変化、% -21 -28 135ºC での試験 TSE-100*、MPa 3.9 2.6 変化、% -25 -30
*TSE-100 = 100% 伸張したときの引張応力("モジュラス")
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低温特性 一般的な分類として、ミラブルウレタンは、脆化温度が-68℃(-90°F)まであるポリエーテルタイ
プの配合物や、-60℃(-76°F)まであるポリエステルタイプの配合物でありますので、優れた低
温特性を持っております。 この低い温度での柔軟性は、低温下で使用される航空機の除氷ブ
ラダー、自動車用部品やホースなどへの応用に重要です。 ポリエーテルとポリエステルの両方のタイプのミラブルウレタンのあるグレードは、ポリマーの
結晶化のため、低温でかなり硬くなる場合があります。 低温での硬化に対し優れた耐低温性
がある Millathane のグレードは、ポリエーテルタイプでは Millathane CM と Millathane E40 であ
り、ポリエステルタイプでは Millathane HT と Millathane 66 であります。
反発弾性と緩衝性 反発弾性は、ゴムの反発特性の測定値です。ASTM D2632 で試験される Bashore 反発弾性
は、反発弾性測定に対し便利な試験方法です。 この試験は、試験体の表面に、所定の高さ
から、特定質量と形状のプランジャを落下させます。 プランジャが衝突前に移動した距離と反
発した距離との比率が、Bashore 反発弾性であり、パーセント値で表します。 Millathane ミラブルウレタンは、ある Millathane 76 配合物で見られる 10%以下から、幾つかの
ポリエーテルタイプの Millathane ミラブルウレタンで見られる 60%以上まで、さまざまな反発弾
性値を持つことが出来ます。 低反発弾性配合物は、一般的に優れた振動緩衝性を持ち、器
機パッケージや他の振動緩衝材用途に使用されます。高反発弾性配合物は、ゴム被覆ローラ
ーのような、動力的な用途において低熱蓄積の傾向があります。 一般的に反発弾性は、高充
填剤量よりも低充填剤量の方が高く、また過酸化物加硫の方が、硫黄加硫よりも高い弾性が
得られる傾向にあります。 Millathane の各 グレードによる配合物で得られる反発弾性の範囲
は、以下チャートに示します。
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耐摩耗性 耐摩耗性とは、ある物質に関し、動いたとき他の表面と擦れ合う際に、その物質がすり減ること
に耐えられる度合いのことをいいます。 摩耗に対する高い耐性は、ローラー、ベルト類、ヘリ
コプター用ダストカバーなどの用途では重要です。 耐摩耗性を測定する最も一般的な試験は、
DIN 摩耗試験（ASTM D5963）であり、この試
験では、円筒型の試料が、回転する研摩のド
ラムをよこぎり、そして試料のすり減り量を測
定します。 Millathane ミラブルポリウレタン
配合物の代表的な耐摩耗値は、50～80 mm3
です。 しかし、配合物の処方により、30～40
mm3 まで低くすることもできます。
ポリウレタンゴムは、どのゴム、合成ゴムや
天然ゴム、すべてのゴムにおいて、最も高い耐摩耗性を持っております。 実験室での試験で
は、Millathane 配合物が、他のゴム以上の利点を常に予測するわけではありません。 しかし、
実地試験により、Millathane ミラブルウレタンを、従来のゴムと置き換えたとき、製品寿命を著し
く改善することは明らかになっております。 Millathane ミラブルウレタンと他の従来のゴムとの
順位を、以下に示します。
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圧縮永久歪み 圧縮永久歪みとは、特定の温度の下で指定時間の間、物質に負荷または変形力を与えた際
に、永久的な歪みに耐えられる度合いのことをいいます。 代表的な試験方法は、ASTM D395 方法 B であり、ここでは直径 1 インチ×高さ 0.5 インチの試料を 25%圧縮し、所定の時
間と温度のオーブンに入れます。 試料をオーブンおよび固定具から取り出し、30 分間放置し
た後、永久歪みの量を測定します。 圧縮永久歪みに対して、耐性が良いことは、ローラー、O リング、およびシール剤などの用途に
重要であります。 過酸化物で加硫すると、Millathane ミラブルウレタンは、125℃までの温度
で、優れた圧縮永久歪み性を持ち、温度が上がると歪みも大きくなります（すべてのゴムにお
いて典型的なこと）。 以下のグラフは、70℃、100℃、および 125℃で、ポリエステルタイプの
Millathane グレードの圧縮永久歪みを比較したものです。 一般的に、ポリエーテルタイプのウ
レタンと比べると、ポリエステルタイプのグレードは、圧縮永久歪みが改善されます。 過酸化
物で加硫されたミラブルウレタン配合物は、硫黄加硫された配合物より、はるかに優れた(低い)圧縮永久歪みを示します。
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圧縮とたわみ 3 つのポリマー（Millathane® 76、Millathane E34、および Millathane 5004）を使用し、幾つか
のカーボンブラックで補強した Millathane®ミラブルポリウレタン配合物に対し、ASTM D575 方
法 A により圧縮とたわみの試験を行いました。 Millathane 76 と E34 配合物は、硫黄で加硫
し、Millathane 5004 配合物は、過酸化物で加硫し、それら各々の配合物は、2 種類の硬度で
行いました。 これら試料の形状は、直径 1 インチ（25.4 mm）、高さ 0.5 インチ（12.7 mm）の
円筒形でした。 圧縮とたわみは、常温(23℃)、50℃、および 70℃で測定致しました。 以下および次ページのチャートにプロットしたデータは、高硬度配合物より、低硬度配合物の
方が、低い圧縮とたわみの曲線であることを示しています。 また、Millathane 76 配合物は、
最も低い圧縮とたわみの値を示し、Millathane E34 と Millathane 5004 配合物は、同じ硬度で
配合物を比較した場合、ほぼ同じ圧縮とたわみでありました。 高温度での圧縮とたわみの結果は、試料をゆがめさせるのに必要な応力は小さいという予測
通りの傾向を示しています。 このことは、全配合物に対し、70℃でデータをプロットし、そして
全温度で、ショア A＝63 の Millathane 5004 配合物のデータによって示されております。
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耐薬品性 ポリウレタンは、一般的に油と燃料に対し、非常に優れた耐性を持っておりますが、塩素化炭
化水素やケトンに対しては、耐性が良くありません。 ポリウレタンは、酸や塩基に対する耐性
が知られておらず、そしてポリウレタンは、特に高い温度で影響を受けます。 ポリエステルタイ
プのウレタンは、特にこれらの物質、ポリマーが劣化する加水分解が起きるので、影響されま
す。 安定剤の使用は、ポリエステルタイプのウレタンを加水分解から守りますが、ある限度ま
で（非永久的に）保護致します。 Millathane® 76 試験配合物（カーボンブラック補強、硫黄加硫）の各薬品に対する耐性を、以
下に示します。 データは、常温または所定温度で一週間浸潰した後の体積膨張率をパーセン
ト値で表しています。
各薬品に浸漬した MILLATHANE 76 の体積膨張率
酸 % 炭化水素 %塩酸、10% 4 ASTM 燃料 B 16硝酸、10% 25 ASTM 油 1 号 1
リン酸、10% 5 ASTM 油 1 号、70 時間
/100℃ -2硫酸、10% 3 ASTM 油 3 号 1
ASTM 油 3 号、70 時間
/100℃ -2アルコール ベンゼン 100ブチルアルコール 16 ガソリン 9エチルアルコール 19 原油、70 時間/100℃ 2 トルエン 59アルカリ 石油ろう、70 時間/100℃ -5水酸化ナトリウム、10% 2 キシレン 36 エステル ケトン 酢酸セロソルブ 302 アセトン 126酢酸エチル 104 メチルエチルケトン（MEK） 119 ハロゲン化炭化水素 その他の薬品 四塩化炭素 33 油圧油（Skydrol） 59テトラクロロエチレン 21 亜麻仁油 4トリクロロエチレン 121 水 5
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耐油性、耐燃料性、耐溶媒性 ミラブルポリウレタンは、一般的に中アクリルニトリルゴム（NBR）または HNBR ゴムと同様、優
れた耐油性が有します。 耐溶媒性と耐燃料性（例：ガソリン、ガスホール）についても同様で、
中アクリルニトリルゴムと比べ、ある場合ではより優れております。下記のグラフは、Millathaneポリエステルウレタンが、中アクリルニトリル配合物よりも、油と燃料 B に対し優れた耐性（体
積と引張強度の変化が小さい）を示しております。 IRM 903 は潤滑油に似た試験油であり、
アニリン点は 70℃です。 燃料 B は、イソオクタンとトルエンの 70:30 割合の混合物です。 ポリエステルタイプは、ポリエーテルタイプより油および溶媒に対し、明らかに優れた耐性を持
っております。 ポリエステルタイプは、印刷ローラーおよびシール材などの物質に対し、最適
な耐性が求められる用途に選ばれます。 下記のグラフは、IRM 903 油に対し、4 つのポリエ
ステルタイプ Millathane グレードの耐性を比較しております。 すべての Millathane 配合物は、
高温の油に曝された後、微量な硬度と体積が変化を示しておりますが、Millathane 76 と
Millathane 5004 は、最も体積変化がなく、Millathane 5004 が、硬度に最も変化が少ない事
を示して おります。
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耐水性と耐湿性 ポリエーテルタイプのミラブルウレタンは、優れた耐水性および耐湿性を持っており、長期に亘
り耐加水分解性が重視される用途に推奨致します。 ポリエステルタイプのウレタンは、加水分
解性に対し非常に弱い耐性であります、しかしカルボジイミド加水分解防止剤の添加すること
によって優れた耐加水分解性（一時的ですが）を得ることができ、その保護されるレベルと持続
時間は、配合に含まれる防止剤（Millstab™ P）の量に比例します。 ポリエーテルタイプのミラブルウレタン Millathane CM とポリエステルタイプのミラブルウレタン
Millathane 5004（Millstab P を 5 部添加）の耐加水分解性の例として、以下グラフに示します。
1 年間継続的に浸潰した後、両方の配合物は、その特性を変化は最小限でありました。 高温高湿の環境下で、Millathane CM とポリエステルタイプのウレタン Millathane HT（Millstab P を 2 部添加）を、同じ硬度の HNBR と EPDM 配合物との比較を、右グラフに示し
ます。 7～8 週間の試験後、Millathane CM および HNBR と EPDM 配合物の引張強度は、最小限
の変化であり、加水分解防止剤を添加した Millathane HT は、最初の 4 週間までは引張強度
の変化が最小限でありますが、その後は、引張強度が大幅に低下致しました。
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耐熱性 ミラブルポリウレタンゴムは、高い耐熱性あるとは知られておらず、通常
100℃以下の温度で使用されます。 ポリエステルタイプの Millathane®ミラ
ブルウレタンは、ポリエーテルタイプよりも優れた耐熱性を持ち、また過酸化
物加硫ポリウレタンは、硫黄加硫よりも優れた耐熱性を持ちます。 150℃までの温度に断続的に曝される用途に対し、Millathane 66、
Millathane 5004、および Millathane 28 などの過酸化物加硫のポリエステ
ルタイプのミラブルウレタンは、その優れた保持力から、使用することができ
ます。 以下の表は、カーボンブラックで補強した過酸化物加硫の Millathane 66 配
合物は、優れた耐熱性を示します。 70℃～150℃までの熱老化試験におい
て、試験された配合物の物性は、硬度に変化はなく、引張強度と伸びにわずかな変化が見ら
れました。 圧縮永久歪みは、140℃まで優れた結果を示しましたが、150℃では高い圧縮永
久歪みを示し、この温度での用途には、適しません。
熱老化条件 初期値 70 時間/70℃ 70 時間
/100℃ 70 時間
/125℃ 70 時間
/140℃ 70 時間
/150℃ 硬度、ショア A 88 88 88 88 88 88
変化（ポイント） --- 0 0 0 0 0
引張強度、psi 3550 3920 4120 2370 2750 3190
MPa 24.5 27.0 28.4 16.3 19.0 22.0変化（%） --- 10 16 -33 -23 -10
伸び、% 155 165 170 90 100 150
変化（%） --- 6 10 -42 -35 -3
圧縮永久歪み試験の条件
22 時間/70℃ 22 時間
/100℃ 22 時間
/125℃ 22 時間
/140℃ 22 時間
/150℃ 圧縮永久歪み、% 4 5 22 35 74
配合物は、加水分解防止剤 Millstab™ P を 1.5 部含んだ Millathane 66 のプレミルドタイプが
使用されました。 Millstab P は、ポリカルボジイミドであり、第一にポリエステルタイプのウレタ
ンの耐加水分解に利点があり、熱老化や耐圧縮永久歪み性にも利点があります。
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耐オゾン性と耐候性 Millathane ミラブルウレタンは、ウレタンポリマーの飽和構造により、優れ
た耐オゾン性を持っております。 カーボンブラック配合の Millathane ミラブルウレタン配合物は、紫外線 UVの影響に対し、優れた耐性が有ります。 淡い色または透明（Millathane 97 を使用）の配合物では、酸化防止剤や紫外線安定剤などの劣化防止剤を添加することによ
って、優れた耐紫外線性や黄変色への耐性を備えることが出来ます。 下記の表は、3 つの Millathane 配合物を 1 年間フロリダ州に放置した後の物性であり、その
物性に最小限の影響を示しています。
Millathane Millathane Millathane CM 5004* M97 配合物補強 カーボンブラック カーボンブラック 溶融シリカ 配合物の色 黒 黒 クリア/透明 初期特性 硬度、ショア A 70 70 72 TSE-100**、psi (MPa) 405 (2.8) 460 (3.2) 317 (2.2) 引張強度、psi (MPa) 3820 (26.3) 4100 (28.3) 3905 (26.9) 伸び、% 480 495 560 引裂、Die C、lb/in (kN/m) 269 (47.1) 284 (49.7) 219 (38.4) 1 年のフロリダ州屋外暴露後の物性（試料への応力なし） 硬度、ショア A 75 68 66 TSE-100*、psi (MPa) 695 (4.8) 530 (3.7) 310 (2.1) 引張強度、psi (MPa) 3650 (25.2) 3200 (22.1) 2600 (17.9) 伸び、% 335 490 475 引裂、Die C、lb/in (kN/m) 211 (36.9) 302 (52.9) 190 (33.3) 表面外観 亀裂やひび割れなし
* カルボジイミド加水分解防止剤 Millstab™ P を 5 部添加 **TSE-100 = 100%伸張したときの引張応力
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難燃性 Millathane ミラブルウレタンには、燃焼に対し本質的に耐性はありません、しかし難燃剤の添
加物を配合することで、他のゴムのように耐燃焼性を向上させることができます。 ハロゲン化
物質と酸化アンチモンを含む配合物を試験した結果、UL94 V-0 必要条件に準拠します。 ハ
ロゲンを含まない難燃剤配合物は、大量のアルミナ三水和物、または水酸化マグネシウムを
配合することに依りできます。
耐放射線性と耐殺菌性 Millathane® CM は、他のエラストマーと比べ、ガンマー線に対する優れた耐性を持っておりま
す。 医療製品のガンマー線殺菌で使用される放射線の典型的な量（75 kGy まで）において、
硫黄加硫の Millathane CM 配合物は、無視できるほど小さい値の物性変化を示します。 1000 kGy（100 メガラド）という比較的大量の放射線でも、Millathane CM 配合物は、良い物ﾞ
性を保持し、満足のいく機能を発揮します。過酸化物加硫の配合物は、硫黄で加硫した配合物
よりも放射線に対し低い耐性があります。
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ガス透過性 Millathane®ミラブルポリウレタンは、ガス透過性に対する耐性を持っており、ポリエステル
Millathane グレードの透過率ブチルゴムに近い値です。 幾つかの Millathane グレードとネオ
プレンゴム（CR）、ニトリルゴム（NBR）、およびブチルゴム（IIR）における窒素透過性の比較を、
以下グラフに示します。 ポリエステルタイプのミラブルポリウレタンは、ブチルゴムに対しては若干劣るが、ニトリルゴム
とは同等若しくはそれ以上、非常に低い透過性を持っております。 ポリエーテルポリウレタン
の Millathane E34 は、ネオプレンゴムと同様、高い(悪い)窒素透過性であります。
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成形収縮 Millathane®ミラブルウレタン配合物の成形収縮は、一般的に 2.2～2.5%です。 Millathane ガ
ム配合物や低充填剤量の Millathane 配合物は、若干高めの成形収縮でありますが、高充填
剤量の配合物は、若干低めの成形収縮であります。 一般的に過酸化物加硫は、硫黄加硫よ
り若干低い成形収縮であります。
電気的特性 ミラブルウレタンは、通常は電気的用途には使用しません。 それは極性ウレタンポリマーで電
気的物性が比較的低いからです。 Millathane CM、天然ゴム、およびネオプレンを使用し、配
合物の電気の特性の比較を以下に示します。
抵抗値 ohm-cm
比誘電率（SIC） （1000 cps）
力率 （100 cps）
天然ゴム 1015 2.5 0.005
ネオプレン 1012 6.7 0.025
Millathane CM 1010 10.2 0.080 Millathane 配合物は、導電性カーボンの添加により、帯電防止、または半導電体を配合するこ
とができます。 帯電防止配合物は、通常、紙製品が移送される事務機器に使用する静電気
散逸性を持つローラーやベルト類に対し重要です。 導電性ブラックを 10～40 部、そして可塑剤を 5～25 部添加した硫黄加硫の Millathane 76 配
合物は、以下グラフに示しているように、電気抵抗値 108～103 を持っております。
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着色性 他の種類のゴムと同様、過酸化物加硫配合物は、硫黄で加硫した配合物よりも色が明るく、色
の保持に優れています。 硫黄加硫、特に高温での硫黄加硫は変色（黄変）します。 最も優れ
た色物配合物として、TSE は、過酸化物加硫が出来、ポリエーテルタイプのミラブルウレタンの
Millathane 97 を推奨いたします。 Millathane 97 は、スポーツ靴底など透明なゴム部分のために開発され、そして特有な配合で、
透明で、また色鮮やかなゴム部品が出来ます。
リサイクル性 Millathane ミラブルポリウレタンの加硫硬化製品は、細かく粉末に出来、物性に最小限の影響
を与える程度で、同様の配合物に添加することができます。
用途例 Millathane ミラブルポリウレタンの幅広い潜在的な利点を生かした用途のいくつかは、ソリッド
タイヤ、ゴム被覆ローラー、ブッシング、ベアリング、ダイヤフラム、ガスケット、テスターパッド、
運動靴、ベルト類、軍事用ダストカバー、飛行機用除氷ブラダー、緩衝バンパーなどがあります。
まとめ Millathane®ミラブルウレタンは、幅広い、優れた特性を持っており、この文献でご覧いただけま
す。 もしお客様が、お客様の用途に、最適な Millathane ミラセンポリウレタンをお探しの際、
いつ何時でもご気軽に当方にお問い合わせください。
TSE Industries, Inc.4370 112th Terrace NClearwater, FL 33762 USA(1) 727-573-7676Fax: (1) 727-572-0487www.tse-industries.commillathaneinfo@tse-industries.com
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