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(とりまとめ)茨城⼤学 全学教育機構 嶌⽥ 敏⾏ H30.3.2 継続的改善のためのIR/IEセミナー2018 セッション2 ⽇本型IRの課題とその解決に向けたセッション 我が国のIRオフィスの現状から考え るIR⽴ち上げ後の課題とその解決

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(とりまとめ)茨城⼤学 全学教育機構嶌⽥ 敏⾏

H30.3.2継続的改善のためのIR/IEセミナー2018セッション2 ⽇本型IRの課題とその解決に向けたセッション

我が国のIRオフィスの現状から考えるIR⽴ち上げ後の課題とその解決

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はじめに• 橋本・⽩⽯(2018︔作成中)のIR全国調査(公益財団法⼈⽂教協会の助成を受けH30.1実施)の設問ごとに茨城、帯広畜産、神⼾、佐賀、四天王寺、清泉⼥⼦、明治の各⼤学の状況を報告し、全国の状況(速報値)と⽐較する。

• 報告の中で出てきた課題ごとに、どのように解決を考えて⾏けばよいかを各報告者と議論し、午後のグループ討論につないでいきたい。(他セッション参加の⽅︓午前中でのご発⾔歓迎します。)

• 岡部(帯広畜産⼤)、○嶌⽥(茨城⼤)、末次(佐賀⼤)、⽩⽯(清泉⼥⼦⼤)、⼟橋(神⼾⼤)、橋本(四天王寺⼤)、藤原将(⽴命館⼤)、⼭本(明治⼤)が担当します。

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IRとは何か• IRは、Institutional Research の略。

• 訳はややこしいのでしていない。⽶国でも⼤学によって業務が異なるので、IRの定義も曖昧。

• 現場の感覚としては、IR業務とは1)必要な時に、必要な情報を、必要とする依頼者に提供する業務、2)そのためのデータの情報への変換業務である。なお、最近は、3)情報流通についても携わることが多い。

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依頼者 IR

依頼

報告

データ収集・管理可視化・集計・分析(データを情報に変換)調整・報告準備

Department of Assessment and Planning for Higher Education, Ibaraki Univ., 2017

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⽇本型IRの特徴(と思っていること)• 異動を伴う事務系職員で実施(我が国では、いわゆる専⾨職の議論がなかなか進まない)

• ⽶国のようにIRをやらざるを得ない状況ではなく、動機が曖昧(政策誘導︖︖︖)

• 専任の配置が進まず、兼務だけで実施している場合も多い(悪いことばかりではないが、うまくルーティンには不向き︖)

• クライアントが存在せず、⾃主的な活動で⾏っているケースも少なくない(IRの⼈がIR業務として何をすればよいか、頭を抱える)

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全国調査(橋本・⽩⽯)• 名称︓ ⼤学におけるIRの実態に関するアンケート調査• 対象︓ 全国の⼤学(760校)• 期間︓ 1/12調査⽤紙郵送、1/26リマインダーはがき郵送、

2/2回答締め切り(その後も適宜受け付け)• 回収率︓ 31.7%、241/760(2/5時点)、有効回答数235• 構成︓ IR活動の定着度、IR組織への⼈的資源の配分、知識・スキル、

IR活動を⾏う上での困難、具体的な活動内容など• 特徴︓ IRについて調査側で定義をせず、直観的な回答をお願いした

(⼤学によって⽅針・活動内容・活⽤⽅法が異なるため。定義を⽰して調査を⾏うかは今回の結果を⾒て検討予定。)

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全国調査(橋本・⽩⽯) 6

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問1.IR組織にデータ分析などを依頼する学内の組織や個⼈に関して教えてください。なお、学外からの依頼(⽂部科学省や新聞社の調査など)は含めずにお答えください。

①特定の組織・個⼈からのみ依頼を受けている②特定の組織・個⼈から依頼を受けることが多い③特定の組織・個⼈から依頼を受けることはあまり多くない④依頼⾃体が少ない(IR組織による独⾃の調査・分析など)

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IRは依頼を受けてナンボ、という⾯がある。IRが定着している≒クライアントが想定できている、ということではないだろうか。

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問1 クライアント[茨城⼤学(IE)]①︓アドホックなリクエストは、副学⻑、学部や学科からFD⽤の分析や情報提供依頼。ルーティンには、教員個⼈向け(授業点検⽤データ、教員評価⽤データ)、学⽣や企業への⽣活実態や学修成果に関する調査結果については、関係委員会に提供。FD向けにBIツールなどを使った情報の流通について試⾏開始。[佐賀⼤学]②︓学⻑・理事など執⾏部からの依頼が中⼼である。時々,他部署からもデータ提供依頼や相談がある。[清泉⼥⼦⼤学]②︓アドホックなどものは、各部署や学科、委員会からサークル分析やキャリア分析などが求められる。ルーティンについては、内部質保証への対応や各種学⽣調査などがある。[神⼾⼤学]②︓本学のIRは分散体制を採っているが,私が所属する「戦略情報室」については,元々トップマネジメントに情報を提供する部署として設置したものであり,依頼者の基本は学⻑・理事・副学⻑及び,その命を受けた担当部署である。その他としては,データや分析ツールの蓄積があることから,IR機能を担う各部署から相談を時々受ける状況である。

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問1 クライアント[四天王寺⼤学]②︓学⻑からの依頼が多い。依頼内容が明確なことと、統計的な情報(有意差の有無)が重要視されることが特徴的。[明治⼤学]③︓全学のデータ⽀援組織として設置されているため,特定の組織・個⼈からの依頼ではなく,学内各所(教務部,国際部,研究部,各学部,各研究科など)から幅広く依頼を受けている。[帯広畜産⼤学]②︓担当理事、各事務部局からは,調査等の設計・分析依頼などアドホックなリクエストが中⼼。関係組織からは⼊学・在学・卒業時等の学⽣アンケートなどルーチンなもの。

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問2.IR活動について、定型的・定例的な業務(例︓半期ごとの授業評価分析、年度末の卒業⽣満⾜度調査、3年ごとの学⽣⽣活調査)と臨時的・突発的な業務は、それぞれ何%程度ですか。合計が100%となるようにお答えください。

定型的・定例的な業務︓ %臨時的・突発的な業務︓ %

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臨時的・突発的業務

定例的・定型的業務

説明責任(義務的)

学内の改善(⾃主的)

IRが定着している≒常時誰かの役に⽴っている → 情報の定期的な提供先がある → 定例的・定型的の⽐率が⾼い︖

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問2 ルーチン/アドホック[茨城⼤学(IE)]ルーチンは30%。アドホックは70%。各部局等に提供しているデータのうち、定番化してきたものをルーチン的に配信したい。[佐賀⼤学](エフォートでいうと)ルーチンは65%。アドホックは35%。(現在はアドホックなリクエストは件数⾃体は少ないが,リクエストから成果物まで年単位・数か⽉単位の時間がかかる⼤型案件が中⼼)。ルーチンの代表的業務として,毎⽉,役員や部局⻑が出席する会議に,中期⽬標・中期計画の達成に必要な指標など約40項⽬のデータを定期報告として提供し,モニタリングにより課題や⽅向性の共有を図っている。[清泉⼥⼦⼤学]ルーチンは60%。アドホックは40%。学内のアンケートを集約して実施しているので、ルーチン業務が多い。[神⼾⼤学]ルーチンは20%。アドホックは80%程度。全学レベルで管理する部局単位の指標を定めたので,進捗を促進するようなデータの提供を定型化していきたい。

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問2 ルーチン/アドホック[四天王寺⼤学]ルーチンは20%。アドホックは80%。IR活動の主な担当者(橋本)が1年⽬ということもあり、内容はアドホックなものが中⼼。⼊学前〜在学中〜卒業後までの情報の整理・体系化を進めているので、その中でルーティンが出てくると考えている。[明治⼤学]ルーチンは20%。アドホックは80%。ルーチンの20%は,データの使い⽅や分析視点を⽰した「IRデータカタログ」の作成。主要会議への年1回の報告。基本はアドホックな分析業務。[帯広畜産⼤学]ルーチンは30%。アドホックは70%。アドホックなものは,改組など施策に直接的な分析。

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問3.IR組織において、A︓専従でIR活動に携わっている⽅(フルタイム、パートタイムは問わない)と、B︓他の主業務を持ち兼務でIR活動に携わっている⽅について、⼈数と総時間数(繁忙期と閑散期がある場合は平均的な時間数)を教えてください。

A︓専従/B︓兼務でIR活動に携わっている⽅ ⼈数︓ ⼈総時間数︓ 時間(週あたりの専従全員分の時間)【例】 A(専従)が2で、それぞれ週あたり40時間、18時間の場合 ⇒ ⼈数︓2⼈、総時間数︓58時間。 → 58 / 40 = FTE 1.45⼈B(兼務)が7⼈(IR委員会が5⼈の学科教員、⼊試1⼈・教務1⼈の職員で構成されている)で、それぞれ週あたり10時間、5時間、1時間、2時間、3時間、7時間、2時間の場合 ⇒ ⼈数︓7⼈、総時間数︓30時間。→ FTE 0.75⼈この⼤学におけるIR機能に割いているリソースは フルタイム換算 2.2⼈

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その⼤学が実際にIRにかけている時間が明らかになります。ただ、IRの定義が現時点では曖昧(今後も曖昧︖)なので、もう⼀段、精度を上げる必要も。

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問3 FTE[茨城⼤学(IE)]A+B=FTE 2.875⼈A: 3⼈110時間(質保証、学⽣調査、企業調査、授業点検、授業アンケートの収集と提供)FTE 2.75⼈B: 事務1⼈(企画調整に関する業務部分)5時間 委員は、学部での教育改善を担当FTE 0.125⼈[佐賀⼤学]A+B=FTE 3.075⼈A: 1⼈ 35時間(IR室専従としてIR業務の企画⽴案・調整)FTE 0.875⼈B-1: 16⼈ 48時間(各業務へのIRデータの活⽤検討など)FTE 1.2⼈B-2: 2⼈ 40時間(室員ではないが専従のもとでIR業務に従事・協⼒)FTE 1⼈[清泉⼥⼦⼤学]A+B=FTE 1.075⼈A: 1⼈30時間(質保証や⼊試に係る各種調査など)︓FTE 0.75⼈B: 1⼈(DB、設計)10時間 委員︓6名(各⾃0.5時間)︓FTE 0.325⼈

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問3 FTE[神⼾⼤学]A+B=FTE 1.375⼈A︓1⼈30時間 FTE 0.75⼈(IR以外に評価業務,補助⾦等獲得業務あり)B︓b1 室⻑・担当事務職員(課⻑補佐・係員)3⼈15時間 FTE 0.375⼈

b2 兼務室員・協⼒教職員10⼈10時間 FTE 0.25⼈[四天王寺⼤学]A+B=FTE 0.875⼈A: 0⼈0時間、FTE 0⼈B: 21⼈(センター︓教員4名、課︓職員17名)33時間、FTE 0.825⼈

(センター・課では、いわゆる学⻑室・企画室の業務、申請業務なども⾏っている)

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問3 FTE[明治⼤学]A+B=FTE 1.2⼈A︓0名・0時間B(兼務)︓4⼈ 48時間(評価情報事務室)FTE1.2⼈[帯広畜産⼤学]A+B=FTE 1⼈A: 1⼈40時間 B: 事務7⼈(兼務教職員) 0時間

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専⾨的/分析的知性

●事実に関する知識基本的な⽤語の理解(例︓フルタイム学⽣、単位数)、数量的データの計算⽅法(例︓GPA、ST⽐)、データの構成、定義、基準⽇(例︓アドミッション、授

業登録)

●分析・⽅法論のスキル調査計画(量/質)、サンプリング、統計、測定(信頼性や妥当性の確保等)、質的研究⽅法(インタビュー等)、様々な調査スキル(アセスメント、将来予

測、プログラム評価等)

●コンピュータに関するスキルビジネスソフトの使⽤スキル、データベースに関するスキル、統計ソフトの操作スキル

→ 個⼈スキル︖

問題に関する知性

●経営にかかる主要な問題や意思決定に関する知識学⽣管理の⽬標設定、教員の業務量分析、リソース配分、施設設備計画、学費設定、教職員給与、全体のプランニング、⾃⼰点検・評価等

●⼤学がどう機能し、意思決定を⾏うかに関する知識特に政治的な側⾯︓フォーマルな政治構造だけでなく、インフォーマルな権限構造も含むもの。説得や妥協、根回しといった役割やその重要性に関する理解

→ 戦術形成︖ グループでの動き︖

⽂脈に関する知性

●⾼等教育⼀般の⽂化に関する理解⼤学の歴史や思想、⼤学教員や組織の⽂化、ガバナンス、⼤学をめぐる国家や国際的な環境等

●勤務⼤学の⽂化に関する理解同僚の教職員の価値観や信念、⾃⼤学特有の経営、学内のキーパーソン等

→ 戦略形成︖ チームとしての動き︖Terenzini(1993)より佐藤(2015)が作成。→部分は報告者が追記

テレンジーニの3つの知性(参考)

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

1)集計や分析を⾏う上での主要な数値(退学率、就職率、GPAなど)について、数値を算出する際の定義(基準⽇、対象者、計算⽅法など)は学内でどの程度統⼀されているでしょうか。①⼗分統⼀されている ②概ね統⼀されている ③どちらとも⾔えない④あまり統⼀されていない ⑤ほとんど統⼀されていない

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IR担当者に求められる知識、技能を3つインテリジェンスとして⽶国のTerenzini先⽣が整理されているが、佐藤さん(福岡⼤)は、1⼈で3つのインテリジェンスを持つ必要はなくて、チームとして持っていることが重要と説明。今回は、チームとして持っているかどうかを伺ってみた。

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問4 Intelligence(定義)[茨城⼤学(IE)]②: 法⼈評価指標や概算要求関連指標などの絡みがあり、1年かけて整理した。学修成果関係については、まだ整理中のものがある。[佐賀⼤学]③︓現在,基本的に分散型IRを志向しているため,各部署の業務上の都合が考慮される傾向あり。(以下私⾒)分散型IRを志向する場合,定義を統⼀的に定めて進めるよりは様々な定義で柔軟にデータを取り出せて融通しあえるような環境へもっていくほうが,⻑い⽬では効率的でデータ活⽤が進むかもしれない。[清泉⼥⼦⼤学]②︓基本的には、教学に係るものに関しては統⼀されている。ただし、留学⽣などは曖昧さが残る。[神⼾⼤学]④︓調査⽬的に応じて妥当な定義があるので無理に合わせることはしておらず,分析結果の報告の際は条件も説明するようにしている。指標の定義もさることながら,指標の前段階の元データの定義に部局ごとの揺れがあり,その調整が課題となっている。

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問4 Intelligence(定義)[四天王寺⼤学]②︓現状では⼤きな問題となっていない。IR活動の範囲の幅が広がるにつれて、定義が曖昧なものが出てくる可能性はある。[明治⼤学]②︓「概ね統⼀」IRデータカタログに各種数値の原典,⽐率の計算式を掲載している。掲載にあたり関連する部局と調整し,確認,合意しながら進めている。[帯広畜産⼤学]②︓単科⼤学ということもあり,部局等の違いはない。学内的には随時必要に応じて算出し,外部⽤についてはその定義に沿って作成する。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

2)基本的な統計の範囲(平均値、標準偏差など)での集計・分析について、どの程度説明が可能でしょうか。①統計に詳しい教職員に対して説明できる②⼀般の教職員に対してであれば説明できる③⼀般の教職員に対しても説明に困る場合がある④⼀般の教職員に対しても説明することができない

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どの程度、数的なリテラシーがあるのかを聴取。例えば統計検定3級レベルはありますか︖、みたいな感じで伺うことも考えたが、説明可能かどうかで聴取。どの程度のレベルが必要だと思ってますか︖、という部分も含め、このあたりのニーズはセミナーの設計上は知りたいところ。

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問4 Intelligence(初歩統計⽤語)[茨城⼤学(IE)]②︓Nの値を出して、精度については察してもらっている。原則悉皆調査なので、解像度の問題はあるものの、少数意⾒もまた事実である、という考え⽅。検定はほぼできない。[佐賀⼤学]②︓ただし「○○を⾒せるにはどんな指標をどう可視化して⾒せれば効果的か」を考えて分析している程度。(以下私⾒)説明スキルにはまだあまり⾃信がなくても,実際にコミュニケーションに難が⽣じていなければ②で回答した⼤学もあるのではないか︖[清泉⼥⼦⼤学]②︓検定を⾏う能⼒⾃体はあるが、使う機会はない。基本的に、理解してもらうことの⽅が重要。なお、アンケート回収率は⼀部を除き90%程度は確保できている。[神⼾⼤学]②︓ただし,そもそもあまり複雑な解析は⾏わないし,分析の過程でデータの散らばり具合などを確認はしても,特に問題がなければ,結果報告の際にそこまで説明することはあまりない。[四天王寺⼤学]①︓学⻑(医学博⼠)への報告では有意差の有無が重要視される。曖昧な根拠で重要事項の意思決定はできないとの考え⽅。

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問4 Intelligence(初歩統計⽤語)[明治⼤学]②︓報告した分析レポートに対しての質問には,ほぼ回答できる。ただし,有意差の検定は,⼀般には説明していない。[帯広畜産⼤学]①︓専任教員が着任しており対応は可能である。ただし,ほとんどの場合,度数と割合をグラフ化することが中⼼で,資料としては平均値すらあまり⽤いない。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

3)データ分析に関するスキルについて教えてください。⽬的に応じた分析をどの程度⾏うことができるでしょうか。①かなりできる ②だいたいできる ③どちらとも⾔えない ④あまりできない⑤ほとんどできない

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これもちょっと曖昧感があるが、現状が分からない故に、ふんわり系の設問で対応。

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問4 Intelligence(分析スキル)[茨城⼤学(IE)]②︓データはコミュニケーションツールという位置づけなので、あまり複雑な分析はしない。というか、重回帰分析など10年以上やってないので、このくらいなら「⾔い切れるな」ラインが⾒えないから、あまり使わない。とにかくスピーディーな可視化。PHPで数値処理。クライアントの先⽣⽅と⼀緒に分析を進めるので、リサーチデザインもあまりしない。引き出す話術を鍛える︖[佐賀⼤学]②︓少なくとも茨城⼤学と同じく,むしろ統計の知識がなければコミュニケーションできないような分析は,IR室に求められていない。[清泉⼥⼦⼤学]②︓スキルについては、組織としては問題はない。が、それほどデータ分析を必要とされる機会はない。[神⼾⼤学]②︓⾼度な解析やシミュレーションはできないが,現状ではデータ収集の限界もあるし,意思決定における他の⼒学の影響が⼤きいので,まず簡単に分析・整理した情報を⾒ながら,深掘りの仕⽅やどこまでやるかを⼀緒に考えることとしており,その意味では,必要な分析は⼤体できていると思う。

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問4 Intelligence(分析スキル)[四天王寺⼤学]②︓知識については、必要に応じて各種統計⼿法の勉強・再確認をしている。使⽤している⼿法は現状では、相関分析、t検定、カイ⼆乗検定が中⼼。ツールについては、Excel、SPSS、Rを使い分けている。[明治⼤学]③︓(どちらとも)⼀定の課題や報告資料については問題ない。しかし,「留学体験の効果」などを2~3の指標で分析した時には,本来,より多様な要因が絡むリサーチなのではと思うことがある。[帯広畜産⼤学]①︓分析やストーリーあたりをつけたり,データをわかりやすくするために,多少の多変量解析を使うことはあるが,実際には,報告資料として統計的な分析を使う,もしくは重視することはほぼない。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

4)情報の可視化に関するスキルについて教えてください。⽬的に応じた情報の可視化をどの程度⾏うことができるでしょうか。①かなりできる ②だいたいできる ③どちらとも⾔えない ④あまりできない⑤ほとんどできない

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これもちょっと曖昧感があるが、まずは可視化。議論の素材なので、わかりやすさは重要。

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問4 Intelligence(可視化スキル)[茨城⼤学(IE)]②︓Excelでグラフ描画なので、時間がかかる。BIツールが難しいので、JavaScriptのオブジェクト描画ライブラリとPHPでwebアプリを作って対応中。汎⽤性ゼロ。[佐賀⼤学]②︓Excelでのグラフ描画が中⼼。⽴ち上げ期のアドホック業務中⼼のうちはこれで⼗分だが,データが蓄積されルーチンとして定着すると,Excelでの整理では限界が⽣じるため,BIツール活⽤やシステム化の検討が視野に⼊る。[清泉⼥⼦⼤学]②︓基本的にTableauが中⼼。ただし、ものによってはRで⾏うこともある。エクセルでの描画はほぼ無い。[神⼾⼤学]②︓BIツールを⽤いて,その場で深掘りするファシリテーション能⼒も含めて可視化スキルというのであれば厳しいが,本学では,データを図表に整理して提⽰の上,議論し,次回 深めたり進んだ内容を⽰すというパターンが多いので,その意味では⼤体できていると思う。

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問4 Intelligence(可視化スキル)[四天王寺⼤学]①︓伝えたい内容に合わせたグラフ描画ができる。ツールはExcel。ただし、時間がかかるため、BIツールを導⼊予定。[明治⼤学]②︓可視化のツールは,TableauとPowerPivot(Excel)。Tableauに対応するためにデータベースをロング型に変更した。複雑な要望(複数のデータソースを混在させた情報からグループ化し,グループ間の⽐較を時間軸で⽐較するなど)は,やはり時間がかかる。[帯広畜産⼤学] ①︓昨年度まではExcelで作成していたので,かなりの時間がかかっていた。今年度からBIツールを導⼊し,かなり作業が効率的になった。作成したBIの資料の多くは,徐々に,⾃動化させる⽅向。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

5)理事会などで扱われている問題に関する知識はどの程度お持ちでしょうか。①⼗分持っている ②概ね持っている ③どちらとも⾔えない ④あまり持っていない ⑤ほとんど持っていない

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次に振ってくる依頼の準備などをするための嗅覚の問題。IR業務はレスポンスが命。

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問4 Intelligence(上層部の動き)[茨城⼤学(IE)]②︓会議には陪席しないので、副学⻑から結果とだいたいのコンテクストを伺う感じ。上の⽅の会議資料の閲覧権限はない。回覧も教授会のときに抜粋版を⾒るだけなので、知らない話も多い。[佐賀⼤学]②︓学内課題の把握・共有には基本的に問題はない。

・IR室会議には学⻑が出席,理事等も陪席しており,適宜コメント・情報提供をいただくため共有できる・各理事室の業務を⽀える学⻑補佐がIR室員であり,学⻑補佐は学内の主要会議に常に陪席または

資料共有・室⻑,副室⻑(専従職員),事務系室員の⼀部もいずれかの主要会議に陪席

[清泉⼥⼦⼤学]②︓理事2名とのコンスタントな打合せや意⾒交換(メール含む)があり、公式・⾮公式の状況把握は⾏い易い。[神⼾⼤学]①︓室⻑が役員会に出席しており,また専任室員も役員会に次ぐ戦略企画本部の⼀員となっている。さらに,企画・評価関係で役員会に諮る議題は事前にミーティングで確認を⾏うとともに,その際に直前の役員会の内容について理事から説明をいただける(資料あり)。

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問4 Intelligence(上層部の動き)[四天王寺⼤学]①︓センター・課は、いわゆる学⻑室・企画室の機能を持ち、重要会議の運営(議案調整、資料準備など)を⾏っている。また、その遂⾏のために適切な⼈員が配置されている。[明治⼤学]③︓IR委員会の委員は,学内の主要会議に出席はしているが,会議体の多くは⾮公開であるので,どこまで理解できているかも把握できない。ただし,現状の業務に差⽀えはない。[帯広畜産⼤学]③︓会議には陪席せず,上の⽅の会議資料の閲覧権限はなく,抜粋版を閲覧するのみで、知らない話も多い。ただし,⼩さい⼤学なので,Informalな形で⼊ってくる情報がかなり多い。なお,IR組織としての実態は,ほぼないに等しいが,組織上は理事・事務局⻑も構成員なので①ともいえる。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

6)⾃⼤学における意思決定プロセス(規則、⼿続き、雰囲気など)に関する知識ははどの程度お持ちでしょうか。①⼗分持っている ②概ね持っている ③どちらとも⾔えない ④あまり持っていない ⑤ほとんど持っていない

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どのタイミングでデータがあると効果的なのか。どの時点でデータがないと、意味がないのかを知っておかないと、優先順位が付けられない。(はず)

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問4 Intelligence(意思決定プロセス)[茨城⼤学(IE)]①︓事務系採⽤なので、⼿続き論は⼀通り学ばせてもらっている。学部さんへの説明(根回し︖連絡調整︖)は主要業務の⼀つ。[佐賀⼤学]②︓ 5)の回答に同じ。[清泉⼥⼦⼤学]② 内部関係者でもよくわからない部分がある。その都度、⼿続きが漏れず、通し易いところ探りながら進めている。[神⼾⼤学]②︓私は元事務職員で本部事務局勤務が⻑かったこともあり,⼀応のプロセス,学内⼒学は理解している。[四天王寺⼤学]①︓センター・課は、いわゆる学⻑室・企画室の機能を持ち、重要会議の運営(議案調整、資料準備など)を⾏っている。また、その遂⾏のために適切な⼈員が配置されている。

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問4 Intelligence(意思決定プロセス)[明治⼤学]②︓IRは学⻑室の⼀部⾨であり,教学系の⼿続き,規則の管理部⾨でもあるので,概ね知識はあるものの,校規の数が多いので,条⽂を追いながらの確認は必要。IRの業務に⼤きな影響があるように思われない。[帯広畜産⼤学]②︓ある程度,把握しているが,⼩規模ゆえに,もともと⼿続きが柔軟性なところがある。それに対応するため,内容に応じてコアな⼈物に直接交渉にあたることが多い。ただし,IR組織としての実態は,ほぼないに等しいが,組織上は理事・事務局⻑も構成員なので①ともいえる。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

7)⾃⼤学に関する知識(歴史、背景、規則、⼈間関係など)はどの程度お持ちでしょうか。①⼗分持っている ②概ね持っている ③どちらとも⾔えない ④あまり持っていない ⑤ほとんど持っていない

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意外とこれまでの経緯は重要。ただ、気を遣いすぎても、バイアスかけているように思われるので注意。

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問4 Intelligence(⾃⼤学のコンテクスト)[茨城⼤学(IE)]②︓本部棟を離れると、この⼿の情報があまり⼊って来なくなる。[佐賀⼤学]②︓室員は基本的に教授,副課⻑・係⻑級からなり,基本的に本学で少なくとも10年の勤続年数がある。また所属部局・部署も多様であることから,体制としてお互いに情報を補完しあえる環境にある。[清泉⼥⼦⼤学]①︓少⼈数なので、情報は⼿に⼊れやすい。[神⼾⼤学]②︓学⽣時代から20年以上 神⼾⼤学にいるので,⼤体のことは知っていると思う。[四天王寺⼤学]①︓センター・課は、いわゆる学⻑室・企画室の機能を持ち、重要会議の運営(議案調整、資料準備など)を⾏っている。また、その遂⾏のために適切な⼈員が配置されている。

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問4 Intelligence(⾃⼤学のコンテクスト)[明治⼤学]②︓歴史,背景で業務に⽀障を来したことはない。⼈間関係は,他の部⾨と同じではないかと思う(凡そ,学⻑室の教員と,全学部から選出された委員,業務上関連する部⻑で構成された委員会で運営される)。[帯広畜産⼤学]④︓着任後の期間が短いため,⼈間関係や背景・経緯などわからないことも多い。同様に,組織上は①ともいえる。

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問4. IR活動を⾏う際の知識・スキルなどに関して、IR組織の構成員の中で下記の項⽬に最も詳しい⽅を想定してお答えください。

8)⾼等教育⾏政に関する知識(歴史、背景、法令、政策の動向など)はどの程度お持ちでしょうか。①⼗分持っている ②概ね持っている ③どちらとも⾔えない ④あまり持っていない ⑤ほとんど持っていない

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主要な答申や競争的資⾦などの話は把握しておかないと、⾃⼤学での情報提供にも活かせないし、他⼤学との情報交換もできないのでは。

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問4 Intelligence(⾼等教育)[茨城⼤学(IE)]③︓必要に迫られないとあまり答申などは読まない。[佐賀⼤学]②︓IR室専従職員は総務部の企画評価系の部署に配属されているため,政策動向等の情報は得られやすい環境にある。そのほかの知識や重要情報も室員間で補完可能な体制となっている。[清泉⼥⼦⼤学]②︓学内で情報共有を進めている。外部状況の情報提供などもひとつの機能となっている。[神⼾⼤学]③︓現在(就職後)の政策⾃体は知っているが,答申等はポイントを摘み読みするので,その背景や,ましてや歴史となると⾃信はない。[四天王寺⼤学]①︓センター・課は、いわゆる学⻑室・企画室の機能を持ち、重要会議の運営(議案調整、資料準備など)を⾏っている。また、その遂⾏のために適切な⼈員が配置されている。

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問4 Intelligence(⾼等教育)[明治⼤学]③︓関連した分野の事項(設置基準,設置認可,補助⾦,⼊試,科学技術など)には注⽬している(学校会計,スポーツ振興,防災などの答申は読む機会も少ない)。[帯広畜産⼤学]③︓⾃ら進んで調べることはあまりない。これらの研修会や研究会等で情報を収集しているところも多い。

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問5.IR活動を全学的な視点で俯瞰すると、①調査・分析の設計 → ②データの収集・管理(分析前処理を含む)→ ③分析→ ④報告 という流れがあります。IR組織が関わっている活動の中で、最も困っているものと、その具体的な内容を教えてください。

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※「3)いずれでもよい」については、記⼊内容を踏まえて、1)または2)に集計した。※キーワードの「1活動の設計」、「2収集」または「3分析」を選択された場合は、下位の各キーワードにそれぞれ加算した。

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

1-1評価設計

1-2 IR設計

2-1 データの所在把握と入手

2-2 データ整理

3-1 文章とりまとめ

3-2 数量データ解析

3-3 解釈

4 活用支援(レポーティング)

入力されたキーワードの集計結果(2017年度)

1)評価系 2)IR系

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問5.関連︓⼤学評価コンソーシアムでの実態 43

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0.00

0.25

0.50

0.75

1.00入力件

数/入力

者数

入力されたキーワードの比較【IR系】

IR系(2017年) IR系(2016年)

課題を解決するための場やコンテンツの提供が⼤学評価コンソーシアムのミッション。⽴ち上げは済んだものの、そこからどうしてよいのか分からなくて困っているのでは、と考えているが。。。

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問5 課題[茨城⼤学(IE)]④[報告]︓提供に時間がかかりすぎている。旬を過ぎてしまう。⼀気に細かいレベルまでのデータを可視化したい。[佐賀⼤学]⑤[その他]︓①〜④までの流れ⾃体はほぼ定着し,ルーチンとして回っている。ただし特にアウトカム(成果)に関するデータ収集は引き続き課題。また,それらのデータを改善や施策などにどう活かすかという「IRデータの⼤学経営への更なる活⽤」,またデータをどのように⾒せればより効果的に活かせるかという「可視化・分析スキルの更なる向上(⼈材育成)」は引き続き課題といえる。[清泉⼥⼦⼤学]④[報告]︓提供に時間がかかりすぎている。旬を過ぎてしまう。⼀気に細かいレベルまでのデータを可視化したい。[神⼾⼤学]② [収集・管理]︓データの定義の確認や部局ごとの揺れの調整など,分析の前処理に時間を要することが課題か。ただし,FTEが少ないこともあり,全体を通して,IRに求められることに対して⼗分対応できていない,⼜はスピード感を持って対応できていない,というのが適当かもしれない。

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問5 課題[四天王寺⼤学]①[リサーチデザイン]︓学内の調査・アンケートの体系化が⾏われていないため、現状では各調査・アンケートが個々に⾏われている。今後はそれらを整理することを予定している。継続的な改善活動を⾒越して、3つのポリシーとの関連付けなどを⾏っていく。[明治⼤学]②[収集・管理]︓学内の各種システムにあるデータをDWHへ⼀元管理することを進めている。⼀番の課題であったが,4年程かけて完成に近づき,課題解消に向かっている。[帯広畜産⼤学]④ [報告]︓報告する機会が少なく,分析結果が必ずしも学内に広く知られておらず,分析結果が⼤学全体として⼗分に活⽤されているとは感じていない。

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