DOBOKU - to-gisi.comto-gisi.com/magazine/75/doc06.pdfDOBOKU Information 平成30年度 実施報告...

1
Vol.75 DOBOKU 19 DOBOKU カルチャー DOBOKU カルチャー 人のために豊かさや便利さを提供する 土木を、生活のなかに浸透させていくこと。 ×カルチャーでは、私たちと土木の距離を縮めてくれる、 そんなコンテンツを紹介します。 DOBOKU ? 沿調DOBOKU×開催中の企画展 葛飾北斎「諸国名橋奇覧 かめゐど天神たいこばし」 すみだ北斎美術館蔵(前期[ 9 /11〜10/ 8 ]のみ展示。 後期[10/10〜11/ 4 ]は展示入れ替え予定) 江東区の亀戸天神社境内には人生を表す 3 つの橋があ る。ひときわ大きな反りの太鼓橋の意味は、「乗り越え てきた過去」 [開催期間] 2018年 9 月11日〜11月 4 日 ※10月10日からは一部展示替え [開館時間]  9 :30〜17:30 (入館は17:00まで) [休館日] 毎週月曜日 (祝日の場合、翌平日) ※臨時開館・休館日あり [観覧料] 個人一般1,200円、 65歳以上900円 常設展観覧料含む。学割、団体割引あり <すみだ北斎美術館> 東京都墨田区亀沢2-7-2 都営大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分 JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分 TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル) URL http://hokusai-museum.jp/ スリットによって分割された建物はどの方向からでも出入り可能。地域への開放を象徴する構造だ

Transcript of DOBOKU - to-gisi.comto-gisi.com/magazine/75/doc06.pdfDOBOKU Information 平成30年度 実施報告...

Page 1: DOBOKU - to-gisi.comto-gisi.com/magazine/75/doc06.pdfDOBOKU Information 平成30年度 実施報告 (7月〜9月分) 講習会名 コンクリート施工技術講習会 日 時

DOBOKU Information

平成30年度 実 施 報 告(7月〜9月分)講習会名 ◆コンクリート施工技術講習会日  時 平成30年 7 月20日㈮ 10時00分〜17時00分場  所 アットビジネスセンター東京駅八重洲通り「501号室」講  師 十河 茂幸氏 (近未来コンクリート研究会 代表)参 加 者 115名

講習会名 ◆環境管理講習会平成30年 9 月12日㈬開催を予定しておりました「環境管理講習会」は、諸般の事情により中止とさせていただきました。

平成30年度 開 催 案 内(10月〜12月分)❖工事請負契約に関する法的基礎知識日  時 平成30月10月 3 日㈬ 14時00分〜16時00分場  所 TKP東京駅セントラルカンファレンスセンター「ホール12A」講  師 二宮 照興氏 (丸市綜合法律事務所 代表弁護士)

内  容 工事請負契約について民法と建設業の2つの観点から解説し、2020年に施行される民法(債権法)のうち請負契約についても触れます。

❖ちば野菊の里浄水場(第2期)高度浄水処理施設築造工事現場見学会日  時 平成30月10月12日㈮ 13時30分〜16時00分場  所 千葉県松戸市栗山478-1 ちば野菊の里浄水場内

❖維持管理セミナー「道路トンネル編」日  時 平成30月10月19日㈮ 13時20分〜17時00分場  所 アットビジネスセンター東京駅八重洲通り「501号室」講  師 砂金 伸治氏 (首都大学東京 都市環境学部 教授)

内  容 トンネルに関する基本的な知識、維持管理を理解するうえで必要となる設計及び施工の考え方、近年の点検制度の概要などを紹介します。

❖異業種他分野施設見学会(大谷資料館ほか)日  時 平成30月11月 9 日㈮  9 時00分出発〜17時30分帰着予定場  所 栃木県宇都宮市大谷町周辺内  容 大谷資料館、採掘場跡、周辺の大谷石建造物などを視察します。

❖若手土木技術者施工技術基礎講習会日  時 平成30月11月22日㈭  9 時00分〜17時00分場  所 TKP東京駅八重洲カンファレンスセンター「4P」講  師 黒図 茂雄氏 (クロズテック株式会社 代表)

内  容 入社 1〜 2年目の土木技術者を対象に建設業の基礎知識、施工管理の実践、施工計画の立案についてグループワーク等を行いながら学習します。

18 DOBOKU Vol.75 Vol.75 DOBOKU 19

第 回八

DOBOKU

カルチャー

DOBOKU

カルチャー人のために豊かさや便利さを提供する土木を、生活のなかに浸透させていくこと。

「     ×カルチャー」では、私たちと土木の距離を縮めてくれる、そんなコンテンツを紹介します。

DOBOKU

?土木

生活

墨田区は両国の注目スポット、その

名も「すみだ北ほく

斎さい

美術館」。二〇一六年

十一月に開館したばかりの真新しい美

術館だ。その名の通り、江戸時代の浮世

絵師・葛飾北斎の作品を展示している。

なぜ「すみだ」で「北斎」かというと、

ここ墨田区が北斎と縁の深い土地であ

るからだ。彼は現在の墨田区で生まれ、

生涯の多くをこの地に居住した。美術

館は、そんな北斎ゆかりの地に所在す

る。都営大江戸線両国駅からまっすぐ

東に伸びる街路は、もともと北斎の生

誕地にほど近い「本ほん

所じょ

割わり

下げ

水すい

」があった

ところで、現在は「北斎通り」と呼ばれ

ている。北斎美術館はこの通り沿いに

ある緑町公園に隣接し、北斎の顕彰と、

これを通して地域活性化を実現するこ

とを目指している。

建物は地域の新たな憩いの場となる

べく、どの方向からでも出入りできるよ

うに、「正面」を持たない独特の構造で

造られた。その装いはやわらかな銀色。

アルミの外壁をまとい、青空を淡く映し

ながら下町の景観と調和している。

ところで、読者の皆様の疑問は、「『北

斎』は『DOBOKU×カルチャー』な

のか?」というところにあるのではな

いだろうか。いやいや、北斎の絵はなか

なかに土木的要素で満ちているのだ。

「冨ふ

嶽がく

三さん

十じゅう

六ろっ

景けい

」に代表されるよう

に、北斎が遺した浮世絵が今日に伝え

るのは、日本が誇る見事な景観。そして、

その景色のなかには、当時の人々が日々

親しんでいた街道や橋梁といったイン

フラが描かれている。我々は北斎の絵を

通して、江戸時代の土木機構の在りよ

うをうかがい知ることができるのだ。

例えば、北斎の代表的な作品として

「諸しょ

国こく

名めい

橋きょう

奇き

覧らん

」という一一点の木版画

がある。亀戸天神社(江東区)の「太鼓

橋」など日本各地の橋を描いた連作だ。

精細に描写された橋の構造と、それら

の上を往来したり景勝を楽しんだりす

る人々の様子が合わさって、江戸時代

の表象を体感できる傑作である。

すみだ北斎美術館では九月から企画

展「北斎の橋

すみだの橋」を開催中。前

掲の「諸国名橋奇覧」を中心に、北斎と

その門人による「橋」のほか、江戸時代

以降の橋の発展に関する絵葉書・図面

などの資料が展示されている。

常設展示室では、北斎の画業を、彼の

生涯を追いかけながら堪能できる。更

に展示物の前に設置された端末を操作

することで作品の解説や関連データを

参照することも可能だ。また館内には

休憩スペースも豊富で、鑑賞の合間に

スカイツリーを眺めながらくつろぐこ

とができる。

更に、美術館の入場券があれば江戸

東京博物館やすみだ水族館などが割引

料金になる特典もある。土木技術者必

見の展示を、勢いのある墨田区の観光と

ともに楽しんでみてはいかがだろうか。

『すみだ北斎美術館』

開催中の企画展

葛飾北斎「諸国名橋奇覧 かめゐど天神たいこばし」すみだ北斎美術館蔵(前期[ 9 /11〜10/ 8 ]のみ展示。後期[10/10〜11/ 4 ]は展示入れ替え予定)江東区の亀戸天神社境内には人生を表す 3つの橋がある。ひときわ大きな反りの太鼓橋の意味は、「乗り越えてきた過去」

[開催期間] 2018年 9 月11日〜11月 4 日 ※10月10日からは一部展示替え

[開館時間]  9 :30〜17:30(入館は17:00まで)[休 館 日] 毎週月曜日(祝日の場合、翌平日)

 ※臨時開館・休館日あり[観 覧 料] 個人一般1,200円、65歳以上900円

※常設展観覧料含む。学割、団体割引あり<すみだ北斎美術館>東京都墨田区亀沢2-7-2都営大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩 5 分JR総武線「両国駅」東口より徒歩 9 分TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル)URL:http://hokusai-museum.jp/

スリットによって分割された建物はどの方向からでも出入り可能。地域への開放を象徴する構造だ