現代GP NEWS - 北海道大学...現代GP NEWS 3...

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特集:ポリクリニック/フィールド教育 現代GP NEWS 特集記事:現代GP臨床実習教育・・・・・・・・ ・・・・・・・ 小岩 政照 NOSAI獣医師との連携によるポリクニニック・フィールド教育 ・・・・・・・・・・・・・・・・田口 フィールド実習を受け入れて・・・・・・・・・・・・増田 悦郎 現代GP「夏休み馬の臨床実習」概要・・・・・・・・・田島 誉士 日高馬実習における学生たち・・・・・・・・・・・・奥村 正裕 夏休み馬の臨床実習を終えて・・・・・・・・・・・・今尾 武士 コメント:現代GP公開セミナーへの取り組み・・・・・・・・・・遠藤 大二 March 1, 2008

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特集:ポリクリニック/フィールド教育

現代GP NEWS

特集記事:現代GP臨床実習教育・・・・・・・・ ・・・・・・・ 小岩 政照     NOSAI獣医師との連携によるポリクニニック・フィールド教育              ・・・・・・・・・・・・・・・・田口  清     フィールド実習を受け入れて・・・・・・・・・・・・増田 悦郎     現代GP「夏休み馬の臨床実習」概要・・・・・・・・・田島 誉士     日高馬実習における学生たち・・・・・・・・・・・・奥村 正裕      夏休み馬の臨床実習を終えて・・・・・・・・・・・・今尾 武士     コメント:現代GP公開セミナーへの取り組み・・・・・・・・・・遠藤 大二

March 1, 2008

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特 集 記 事

現代 GP臨床実習教育

酪農学園大学獣医学部生産動物医療学部門

小岩 政照

現在,北海道大学との共同で“北海道臨床獣医

学先進教育プログラム:現代 GP=Good Practice”

が行なわれています。このプログラムは「人と動

物の共存先進地域」としての北海道の活性化を目

標に,北海道大と酪農大とが共同で地域住民の生

涯教育と人材=獣医師の育成とを連動させた臨

床獣医学の先進的教育を推進するものです。プロ

グラムは①臨床実習教育,②特質的臨床教育,③

地域公開セミナーの 3つの柱からなり,本学にお

ける臨床実習教育は小岩,特質的臨床教育は田村

教授,地域公開セミナーは遠藤教授が担当してい

ます。

2007 年度の臨床実習教育は,8 月 19 日から 9

月 15 日の間に 2 班編成で,昨年度に引き続き,

遠軽地区 NOSAI において,本学の学生 13 名,北

海道大学 7名の学生が参加して,実習教育を行い

ました。参加した本学の教員は,小岩(1 班),

鈴木准教授(1 班),田口教授(2 班),中田准教

授(2 班)の4名で,実習内容は,①個体診療,

②外科手術,③牛群繁殖検診,④セミナー(教員,

NOSAI 獣医師)です。本学の教員によるセミナー

では,「子牛の感染症モニター(小岩)」,「牛のカ

リウム輸液について(鈴木)」,「牛削蹄法 UPDATE

(田口)」,「牛群の健康管理について(中田)」の

講演が行われました。臨床現場でフィールド教育

を行うことによって,学生は科学的根拠に基づい

た個体診療の基本の大切さと牛群管理の重要性

を実体験したようです。

NOSAI 獣医師との連携によるポリクリニ

ック・フィールド教育

酪農学園大学獣医学部生産動物医療学部門

田口 清

今年度も昨年度に引き続き、遠軽地区 NOSAI

の遠軽、湧別、佐呂間の三つの家畜診療所に大学

の教員とともに1週間勉学するスタイルの実習

を2クール実施した(NOSAI の先生方にはたいへ

んお世話になりました)。この教育(現代 GP)は

普段大学では体験できない事柄を NOSAI の大動

物臨床現場において経験するということにおい

ては学生が個々人で夏休みに NOSAI に実習に行

くことと同じである。しかし個々人で行く実習は

大学教育とは隔離された気分転換である傾向が

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強い。一方、この教育では大学で学んだことを捉

え直し、鍛え直し、獣医学を現実のなかにおいて

根拠を持った夢として認識するといった課題に

答えようとするものであること、さらに獣医学の

夢を実現するための条件を探るという本旨を有

するということが重要な相違点である。そしてこ

の点が、教員が実習中に最もかかわるべき課題で

ある。私自身は、明確なかたちでなくとも、ある

いは速効的なかたちでなくともこれらが理解さ

れ、現代の学生のなかにある新しい生活を求める

動きとして、どういうかたちでこれらがなされう

るものなのかということが気がかりであった。よ

り具体的にはこの教育による経験の実質が新た

な事態に対応する新たな知をつくるという契機

の強い出発点を形成することになるのであろう

かということである。そして教員がそこでよいサ

ポートを与えることができるとき、これらの総体

が現代 GP(Good Practice)の目的達成なのだろ

うというところまで考えが及んだ。実習のなかで

の質問においても「どうしてそう考えるのか、そ

の考えがどうやって生まれてきたのか」がそれぞ

れの学生のなかでよく捉え直されるとき、明快な

説明となり、また逆に他人の意見をよく聴くこと

ができるという気づきが生まれる。捉え直しのた

めには実習現場にもっと書籍やインターネット

アクセスなどの物理的条件を整えること、さらに

大学に居残っている他の専門教員ともインター

ネットなどを介して即時的にディスカッション

できればより充実したものになるであろうし、現

代だからできうる GP だろうという思いも生まれ

た。

もうひとつ、この教育の特徴は集団(10 人程

度であるが)で1週間過ごすということにもある。

ここでは共通の目的をもった集団の「健全さ」と

は何かということを考えた。前段で述べたような

大学で学んだ知識を捉え直し、鍛え直すという共

通利益を配慮し合う関係が学生間でかたちづく

られることを期待した。私的利益だけでなく共通

利益をきちんと考えられる態度を取ることがで

きるかどうかは、集団生活のなかで議論すること

によって経験実質がいきいきと変わって行くこ

とを実感できるかにかかっている。実感がなけれ

ば関心は伸びていかない。しかし、いきいきとし

たものにするためにはあまりにも言葉(正しく話

せること)と志(何のために行うのか)が不足し

ていたと感じた。これらの不足は個人と社会との

関係がうまくとれないということと共通するよ

うにも思われた。来年(最終年)の GP では今年

考えたことをより役立てるようにしたい。

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フィールド実習を受け入れて

遠軽地区NOSAI

増田 悦郎

近年、私たち生産動物に係る獣医師は、診療業

務だけでなく、食の安全に対する社会的なニーズ

の高まりを背景に畜産業の健全な発展に寄与す

ることを求められ、その役割は社会的により一層

重要なものになってきています。しかし、残念な

事に生産動物獣医療への従事希望者は年々減少

し、今後、畜産王国である北海道においては不足

が顕著となると言われており、生産動物獣医療の

現場にいる私たちにとっては後継者の育成・確保

という問題は大きな課題となってきています。

このような状況の中、現代GPのフィールド実

習先としての受け入れ打診があり、少しでも後継

者育成に役立てばという気持ちで平成18年

度・19年度と2年間受け入れさせていただきま

した。実習は、午前中は往診・繁殖検診随行、午

後からは手術見学、引率の先生方やNOSAI職

員のセミナーが主な内容であり、私たちは受け入

れにあたり、とにかく生産獣医療の現場を知って

もらう為にありのままの姿を見てもらおうとい

うことでやってまいりましたが、2年目の実習が

終わった後で、ありのままを見てもらう事は、教

育という意味で考えると本当に正しいのだろう

かという声が上がってきました。例えば手術の手

技は別として、手術前の術野・手指の消毒法等は

大学で教わったこととはかけ離れた現場流を見

せる事や、比較的長い時間を費やす往診随行時の

話題等も個人の自由に任せるのではなくてある

程度テーマを決め統一性を持った方がいいので

は etc・・・。これらの問題については、両大学

の先生方との受け入れ前の打合せの中で協議し

たいと考えております。

それから、2年間受け入れた学生は5年生でほ

とんどが生産獣医療に眼が向けられていて現場

を確認するという意味では十分意義のあること

だとは思いますが、それとは別に、生産動物獣医

療の後継者対策ということを考えれば、活動分野

を決定する前の1・2年生の学生達にも生産獣医

療の現場を見てもらえる機会があれば私たちの

思いを伝えることが出来るのにと考えています。

現代GPの事業は20年度で終了しますが、事

業終了後も私たちの現場をフィールドステーシ

ョンとして利用していただきたいと考えており

ますし、その中で私たちも成長していきたいと考

えております。

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現代 GP「夏休み馬の臨床実習」概要

北海道大学大学院獣医学研究科

附属動物病院

田島 誉士

2007 年9月 17日から 21日までの夏休み期間

を利用して、北海道大学および酪農学園大学の3

~5年生の希望学生を対象に「馬」を教材とした

合同実習が行われた。これは、セミナー方式の講

演会(馬の科学と運動生理)と演習方式の現地実

習(生産地における繁殖育成管理技術の実際)か

ら構成され、総合的な馬学の見識を深める場とし

て表1のような内容で試行された。

前半の講演会は、日本中央競馬会競走馬総合研

究所(JRA 総研)の全面的な協力を得て、多分野

にわたる8名の先生のお話を聴くことができた。

準備段階において演題をまとめたところ、本実習

履修学生だけを対象とするにはもったいないと

思われる内容が豊富に含まれていた。そこで、全

道の馬産地の獣医師も聴講できるよう、「現代 GP

産業動物臨床研修セミナー」として公開セミナー

方式での開催とした。両大学の履修学生 20名を

含めて、全道の NOSAI、家保、開業、農協、近隣

の大学などから 90名以上の聴衆が参集した。当

初 JRA 総研の先生方には、履修者は初習学生から

臨床実習を終えた学生までの混成である旨を伝

えていたため、基礎的なことから先端技術までを

解りやすく紹介していただけた。さらに、出席し

た NOSAI 獣医師などからは日常現場で遭遇する

症例への対応に関する専門的な質問もなされ、学

生にとっては刺激の多いセミナーになった。開講

時期はまさに、馬インフルエンザ発生の直後であ

り、競馬開催が各地で中止され、講師の先生方も

その対応にかり出されていた合間であった。講演

中にはそういったエピソードも盛り込まれ、競馬

産業の一面を垣間みることもできた講演会とな

った。

朝から夕刻まで座学に徹した2日間を終え、3

日目からは履修学生のみによる現地実習を実施

した。前週(9/11~9/16)実施されていた遠軽実

習(現代 GP産業動物ポリクリとして実施)から

の連続参加となった学生もおり、牛と馬の生産現

場における獣医療の相違を新鮮に体感できたこ

とと思われた。馬産地日高地方で実施した本実習

ではあらかじめ、できるだけ現物を体感できるよ

う、できれば症例に接することができるようにと

実習でお世話になる先生方にお願いしていたが、

上述のとおり馬インフルエンザ発生にともなう

防疫対策強化によって、訪問予定先はすべて部外

者入場禁止措置がとられていた。しかしながら、

本実習実施直前にはほとんどの入場制限が緩和

され、スムーズに実習できたとともに防疫対策の

重要性を体感することもできた。種付けシーズン

を終え、出産ラッシュが始まるまでのしばしの閑

寂期となる馬産地でどのような臨床実習になる

か、期待と不安に胸躍らせた実習の概要は下記の

とおりである。

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<1日目>

酪農大、北大経由で最初の目的地 JRA 日高育成

牧場のある浦河へと向かった。同牧場での実習の

お世話をいただいた南保泰雄先生からは、札幌か

ら浦河までのバス車中で予習してくるようにと

事前に馬の分娩管理方法に関するビデオが送ら

れてきていた。車中でのビデオ学習によって実習

モードになった学生たちは、昼過ぎに JRA 日高育

成牧場に到着した。若かりし頃の勇姿を車中のビ

デオ学習ですでに学生たちに認識されていた朝

井洋場長からご挨拶とインフルエンザ対策につ

いての諸注意がなされ、早川聡室長によるトレッ

ドミルによる検査の見学へと移った(写真 1)。疾

走する馬の各種機能検査の実際を学ぶとともに、

トレッドミルの有用性を体験することができた。

次に、南保先生と日高軽種馬農協の伊藤克己先生

により、雌馬の繁殖分野におけるカラードップラ

ー超音波装置の応用についての実習が行われた

(写真 2)。希望学生には実際に臓器の描出をさせ

ていただけたことは、各人にとって貴重な経験に

表1 夏休み馬の臨床実習の実施概要

講演会

馬の科学と運動生理 講師:日本中央競馬会(JRA)競走馬総合研究所スタッフ

9月17日

午前 馬という動物とは 楠瀬 良(企画調整室)

ゲノム研究の最前線 長谷川晃久(生命科学研究室)

午後 JRAにおける競走馬医療 石川裕博(企画調整室)

馬の海外伝染病に対する防疫対策 近藤高志(分子生物研究室)

9月18日

午前 運動生理学からみたサラブレッドの速さ 平賀 敦(運動科学研究室)

競走馬の呼吸器疾患:その診断と治療 帆保誠二(微生物研究室)

午後 蹄葉炎の病態解明:新しい知見から 桑野睦敏(臨床医学研究室)

競走馬の不治の病“屈腱炎”とは! 笠嶋快周(臨床医学研究室)

現地実習(於:浦河、三石、静内)

生産地における繁殖育成管理技術の実際

9月19日

午前 バスにて浦河へ移動、車中:馬の分娩管理(ビデオ)

午後 JRA日高育成牧場

・概要説明施設見学

・トレッドミルと内視鏡 早川 聡(JRA日高育成牧場)

・超音波装置を用いた繁殖検診

・講義:競走馬の生産管理 南保泰雄(JRA日高育成牧場)

9月20日

午前 JRA日高育成牧場

・育成調教馴致見学 山野辺啓、南保泰雄(JRA日高育成牧場)

・講義:軽種馬の獣医療 樋口 徹(NOSAI日高)

午後 NOSAI日高家畜診療センター

・関節鏡手術見学

・切腱、スクリューによる骨固定実習 樋口 徹(NOSAI日高)

9月21日

午前 日本軽種馬協会静内種馬場

・場内施設および研修センターの見学

・講義:種雄馬の管理と種付け成績 仙波裕之(日本軽種馬協会)

午後 移動、帰学

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なったと思われた。その後、研究施設、診療施設

を見学して事務棟に戻り、南保先生による競走馬

生産における繁殖学についての講義を受けた。終

了後はどっぷりと日も暮れ、真っ暗闇の中その日

の宿泊所へとたどり着いた。夕食には、早川先生、

南保先生、さらに翌日お世話になる山野辺啓副場

長をお迎えして、懇親を深めるとともに実習中に

は聴けなかった様々なお話をお聞きすることが

できた。

<2日目>

8時前には牧場事務所に集合し、馴致放牧管理

の実際を見学後、広大な牧場の敷地内と調教施設

をバスで移動しながら見学した。厩舎へと移動し

て、山野辺先生から若馬のブレーキング(騎乗馴

致)について説明を受け、その実際を見学した(写

真 3)。事務棟に戻って、本日午後からの実習で

お世話になる NOSAI 日高の樋口徹先生の、生産地

における軽種馬の獣医療に関しての講義を受け

た(写真 4)。豊富な臨床経験を基に、基礎的事項

から応用技術まで、学生の学年の違いをも考慮し

ていただき、対話形式での講義であった。午後に

実施予定の手術実技の概要説明後、午後の実習開

始までに手術手順を理解しておくように、との宿

題を課され、宿に戻って実り多き(?)昼食

をとることとなった。

各自、午後からの実習手技を覚え込みあるいは

シュミレーションしつつ、日高三石の NOSAI 日高

家畜診療センターへとバス移動した。臨床実習を

ほとんど終えている5年生と、まだ講義を受け始

めたばかりのあるいは全く受けていない3年生、

その中間の4年生との混成であるため、学年と学

校のワクが完全になくなった瞬間を見たような

気がした。診療センターにはすでに樋口先生が戻

っておられ、午後一の手術予定馬の麻酔準備が完

了するところであった。早速車中で実習着に着替

え、諸注意を受けた後診療室へと向かう。手術準

備の最中に症例の概要および処置法の説明を受

け、関節鏡手術を見学した(写真 5, 6)。しばら

く見学した後、X線撮影室に移動して実技となっ

た。実技内容は、馬の肢端を用いたラグスクリュ

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ーによる骨固定術および切腱術である。樋口先生

によるデモの後、2班に分かれて汗だくになりな

がら取り組んだ(写真 7)。下級生と上級生のペ

アが交代しながら、納得いくまで取り組んでいた。

<3日目>

最終日は、日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場で、

仙波裕之先生の案内によって種牡馬を飼養する

ための広大な施設を見学した(写真 11参照)。場

内に新設されてからまだ3ヶ月しか経っていな

い軽種馬生産技術総合研修センターは、諸外国の

施設と比較しても劣らないと思われる充実した

設備であった(写真8)。生産地における研修セン

ターの役割についての壮大な構想は、学生のみな

らず非常に刺激を受ける内容であった。仙波先生

による種牡馬の能力判定と JBBA の役割について

の講義を受け、めったに経験することのない種牡

馬の繁殖管理の一端に触れることができた。

学生たちにとっては、馬産地における異なる3

団体(JRA , NOSAI, JBBA)の獣医療への関与の仕

方を体験でき、有意義な3日間になったと思われ

た。学習環境の異なる学生集団の実習は、本GP

で実施中の産業動物ポリクリからも有効である

ことが予測できていた。さらに今回の実習は複数

学年混在での実施となり、講師の先生方にはさら

なる負担をお願いすることとなってしまったが、

いろいろな面で有効であると考えられた。

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日高馬実習における学生たち

北海道大学大学院獣医学研究科

獣医外科学教室

奥村 正裕

北海道大学および酪農学園大学では、現代GP

「北海道臨床獣医学先進教育プログラム」の一環

として、平成 19年 9月 17 日(月)から 21日(金)

に馬に関連した臨床獣医学教育関連の講演会お

よびフィールド実習が企画された。前半 2日間は

馬を扱う臨床獣医師および研究者による講演会

を開催し、後半 3日間は学生を日高地区の馬関連

施設に引率しての「夏休み馬の臨床実習」を開講

した。今回、この後半のフィールド実習で北海道

大学と酪農学園大学の学生を引率する機会を得

たので、その感想、特に学生たちの反応について

ここで紹介する。

獣医学の発展に馬という動物が関連していた

事実はよく知られている。世界的には、獣医学臨

床分野を区分すると小動物、産業動物および馬に

区分されるが、日本では馬が産業動物に含まれる

場合が多い。現在、日本の大学における臨床教育

において馬を含む産業動物に関する教育が必ず

しも十分ではない状況にあり、臨床分野に進む学

生たちの就職先をみても小動物に偏重される傾

向がある。ペットブームを背景にした社会的な趨

勢がそのようにさせているという向きもあろう

が、実際、今回のフィールド実習において学生た

ちが馬の臨床にどのように興味を示し、どのよう

に取り組んでくれるのか非常に興味があった。

今回のフィールド実習は、日本中央競馬会日高

育成牧場、日高地区農業共済組合三石家畜診療セ

ンターおよび日本軽種馬協会軽種馬生産技術総

合研修センターにおいて行われた。ここでは、学

生たちのはじめの訪問先である日高育成牧場で

の様子について示す。

今回のフィールド実習を前に、学生たちに馬に

関する実学の経験はほとんどなかった。彼らには

漠然と“馬”という動物について認識であったで

あろうが、決して身近な存在ではなかったと思わ

れた。しかし、彼らの馬の臨床実習に向き合う学

生の視線はとても真剣であった。

日高育成牧場では、臨床生理学および繁殖学の

実習および馬の疾病に関する講義を受けた。トレ

ッド・ミルの上をかなりの速度で走る馬(写真1)

やそれを用いた検査法の意義について説明を受

けた。学生たちは大学における講義・実習で馬の

上部気道の内視鏡検査の説明を受けたであろう

が、実際に走行する馬における気道における検査

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の意義をはじめて実際に認識できたのではない

だろうか。次に、馬の繁殖学の実習では実際に軽

種馬の直腸に手を入れて検査をする実習を行っ

た(写真9)。牛での直腸検査はある程度経験が

あっても、軽種馬の直腸検査を経験した学生は限

られるであろう。直腸に手を入れた学生も超音波

断層像を観察した学生も非常に真剣に説明を聞

いていた姿が印象的であった。さらに、設備の整

った馬の診察室や手術室を見学した(写真 10)。

学生たちは、馬専用に設計された施設を隅々まで

観察し、説明に熱心に聞き入る姿が印象的であっ

た。

次に、会議室に移動して日高地方の第一線で馬

の臨床を実践する日高地区農業共済組合三石家

畜診療センターの樋口 徹獣医師より生産地にお

ける馬の疾病とその治療法について講義を受け

た(写真4)。印象的であったのは、参加学生か

らの質問が多く、その内容も多岐にわたっていた

ことである。今さらながら学生たちの馬の臨床獣

医学に関する学習意欲は非常に高く、我々にもそ

の教育を提供する必要性を痛感させられた。

一般に、学生たちにとって野外実習は見るもの

すべてが目新しく、そのことにより実習に対する

モチベーションが高く保たれ、彼ら自身、非常に

有意義に感じるものである。今回のフィールド実

習でも学生たちの実習にのぞむ姿勢はとても積

極的であり、このような方式での教育の必要性を

強く認識させられた。今後、真に社会に貢献でき

る幅広い知識を兼ね備えた獣医師を養成するた

めには、大学内の教育資源だけでなく、大学外と

も広く協力関係を築き上げることが必要である

と考えられた。

末筆であるが、今回、本フィールド実習を快く

引き受けてくださった獣医師の先生方に深謝い

たします。

「夏休み馬の臨床実習」を終えて

北海道大学獣医学部5年

今尾 武士

子供の頃から競馬が好きで、そもそもこの学部

を選んだのも馬に関わる仕事に就きたかったこ

とが主な動機でした。しかし、実際に講義や実習

において学ぶことの多くは犬や牛などに関する

ことであり、馬は想像していた以上にその扱いが

小さなものでしかありませんでした。そのため、

今回の馬の臨床実習は非常に貴重な機会であり、

よい経験になりました。

本実習前半の札幌での講演会では、馬の一般的

なことから重要な疾患に関する最新の知見に至

るまで、様々な話をして頂きました。馬の進化の

歴史に始まり、血統登録におけるマイクロサテラ

イトマーカーの利用、JRA の診療設備と骨折など

の症例の紹介、ちょうど世間を騒がせていた馬イ

ンフルエンザを中心とした海外伝染病に対する

防疫対策、運動生理学、喘鳴症を代表とする吸器

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疾患の内視鏡所見を中心とした解説、蹄葉炎や屈

腱炎に関する解説と最新の知見など、非常に多岐

に渡る講演を聴かせて頂きました。そのなかでも

特に印象に残っているのは、蹄葉炎と屈腱炎につ

いての話です。

それまでは、馬の蹄葉炎は死につながる病気で

あると思い込んでいて、外科の授業で習ったよう

な治療法などは効くはずがないと信じて疑わな

かったため、治療は可能であるという今回の話に

は非常に驚かされました。説明は非常に親切、丁

寧で、蹄の解剖学的・組織学的な解説に始まり、

それに基づく発生メカニズムの分子レベルにま

で至る病態生理的な解説が続き、それらを受けて

の予防および治療方針の考え方について教えて

いただきました。また、それらの理論に基づいた

実際の治療法の、過去から最新のものまでの変遷

についても、面白い話を聞かせて頂きました。

屈腱炎の話でも、腱の解剖学的構造と運動時に

おける重要性についての説明や、屈腱炎の発生メ

カニズム、疾患パターン、予後などに関する説明

を受けましたが、屈腱炎後の瘢痕形成の際に見ら

れるエコー像と病理解剖写真との比較などの話

は、特に興味深く聞かせて頂きました。

このような競走馬の運動器疾患については、こ

の実習の以前にノーザンファームで研修を受け

てから非常に興味ある分野になっていたので、こ

のように改めて詳しく勉強する機会が得られ、非

常に楽しく話を聞かせて頂きました。

本実習後半の日高での現地実習に関しては、

JRA 日高育成牧場や日本軽種馬協会静内種馬場、

NOSAI 日高家畜診療センターにお世話になり、施

設見学や牧場で行われている業務や研究に関す

る説明、生産地で見られる様々な症例の紹介、切

断された肢を利用した模擬手術など、充実した時

間を過ごさせて頂きました。

育成牧場では競走馬に関する研究も行ってお

り、ここは一般の牧場などとの大きな違いだなと

感じました。トレッドミルを用いた運動能力の測

定や、NOSAI 日高の先生方と協力しての、競走馬

の繁殖医療におけるカラードップラーの適用に

関する研究など、ただの生産・育成牧場とは異な

る研究機関としての側面を持っている牧場であ

るという印象を強く受けました。牧場の調教施設

に関しては、他には無いような広大な面積を持つ

とともに、それが非常に安価な使用料で一般の牧

場の育成のために開放されているということに

驚かされました。また、馬に付き添ってきた人の

ために宿泊施設なども準備しており、この牧場が

日本の競走馬の能力の底上げに大きく貢献して

いるのだなと強く感じました。

静内種馬場は、あまり期待できそうに無い種牡

馬をよく買ってくるという印象を以前から持っ

ていたのですが、珍しい血統などを積極的に集め

ることで日本競馬界全体の血統の多様性の維持

を図っていると聞き、民間の種馬場にはない重要

な役割を感じました。また、検疫所や研修センタ

ーなどを設けており、種馬場としての機能以外に

も重要な役割を果たしていることを知りました。

NOSAI 日高に関しては、今回見学した家畜診療

センターは主に二次診療を担当しており、それ以

外の獣医師が往診などを行う一次診療を担当す

るという、はっきりとした分業がなされていると

いうことを初めて知り、驚かされました。先に研

修を受けたノーザンファームでも同様に、一次診

療と二次診療を行う獣医師を分けており、そのと

きも感じたことなのですが、このような分業は、

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特に骨折や腸捻転など、競走馬にとって致命的に

なり得る疾患の手術の経験を多く積むことがで

き、より多くの競走馬の命を救うことに繋がるの

で、とてもよいことだと思います。また、競馬は

走ってナンボの世界なので、術後の経過の良し悪

しもかなり重要であり、その点から考えても、や

はり手術のスペシャリストがいるのは良いこと

だと思いました。さらには、一次診療を担当する

獣医師に関しても、手術に参加することで奪われ

る時間が減ることで、一頭々々の馬の経過(病気

の経過だけでなく、成長の経過なども含めて)を

より多く見ることができたり、牧場スタッフとの

コミュニケーションをより密にすることができ

たりと、そのメリットは大きく、分業はとてもよ

いことではないかと改めて感じました。同じ日本

の獣医療でも、小動物医療とは異なり、競走馬の

世界でこのように一次診療と二次診療がはっき

りと分かれたのは、やはり扱う動物が非常に高価

であり、また競走能力を可能な限り維持すること

が求められてきた結果によるものであるのかな

という印象も受けました。

今回の5日間の実習を通じて、特に臨床分野の

研究という点においては、JRA の獣医師の役割は

大きいと強く感じました。競走馬はそれ自体が非

常に高価で、また管理費も多く必要になることか

ら、実験的に何かを行うということはなかなか難

しいことです。その点、JRA は民間では真似でき

ないようなことを積極的に行うことができ、日本

の大学において馬の研究はあまり盛んでは無い

ことを考えても、競走馬医療の進歩という点にお

いて非常に重要な役割を担っているということ

を印象付けられました。

馬の臨床は大学であまり扱われないため、一口

に馬の獣医師といってもどのような種類があり、

それぞれの実際はどのようになっているのかと

いう情報は個人で積極的に集めるしかなく、さら

に体験するとなると、NOSAI や牧場などに直接研

修に行かねばならず、将来の進路として考える上

では他の動物の場合に比べて敷居が高い印象が

あります。そのため今回のような実習は、馬の臨

床に興味を持っている人が気軽に第一歩を踏み

出せるよい機会になるのではないかと思います。

また、今回は北大と酪農の合同で、かつ複数の学

年に渡って参加者が募られたため、普段あまりお

目にかかることのできない馬臨床の志望者と話

す機会が生じ、互いの情報や研修の体験談などを

交換することができ、貴重な経験を得ることがで

きました。今後このような機会が、(隔年でなく

とも)定期的にあればいいのではないかと感じま

した。

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現代GP NEWS

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コメント

現代 GP 公開セミナーへの取り組み

酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室

遠藤 大二

私は、この現代 GP の開始時から酪農学園大学

で公開セミナーを担当しました。本稿では、これ

までの活動を報告するとともに、公開セミナーの

意義について企画者がどのように考えているか

を述べさせていただきます。

初年度は、公開セミナーについて主催者として

考えるところから活動が始まりました。「公開セ

ミナー」というのですから、現代 GP を通じた大

学での教育改善活動を、講演会やセミナーという

形で一般の臨床獣医師方や一般市民の皆さんに

知っていただくのがお役目というのは理解でき

たのですが、具体的な活動を企画するには至らな

かったため、とりあえず、一般市民の方に多数来

ていただけそうな作家兼獣医師の先生にお話し

をしていただくことにしました。お招きできるこ

とになった石井万寿美先生は、動物病院でのお仕

事の傍ら、作家としての活動を続けておられ、本

学の学生にも多数のファンがおります。会場が 3

月初旬に取れたので、その頃に来ていただければ、

多数の方に来ていただけるものと考えて企画し

ました。会場は、札幌駅から歩いて 10 分程度の

道民活動支援センターカデル 27 で 250 名収容の

大会議室を確保しました。ポスターは、石狩管内

の高校に送付しました。会場に人が入りきれなか

った場合の対応を考えた上で、当日を迎えました。

が、来場者は 10数名で、石井先生はじめ、ご挨

拶いただいた稲葉先生、谷山学部長(現酪農学園

大学学長)には、さみしいご経験をいただくこと

になってしまいました。

意外なことに、翌年度も公開セミナーを担当さ

せていただくことになりまして、まず、担当する

役割の明確化と来場人数の目標を立てることに

しました。

公開セミナーが持つ役割: 現代 GP という教育改

善事業を大学内で完結させず、地域の獣医師と一

般市民の方に知っていただく。

目標の来場者: 200 人 公共の中規模のホールが

大体埋まるぐらいの人数の方に来ていただくこ

とを一つの目安としました。

ここで、事業を企画する際の優先順位を来場数

に置くことにしました。役割の中に「知っていた

だく」ことが前提としてありますから、とにかく

来ていただかねば、コンテンツが良くても役割を

果たしたことにはなりません。それで、昨年度は

一般の市民の方にも、獣医師の先生方にも知名度

の高い永岡勝義先生をお招きすることにしまし

た。講演やセミナーには、なかなか来ていただけ

ないという噂とは違い、電話ですぐに快諾をいた

だきました。「これからの獣医さんに何を話せば

良いか楽しみだ」とのお言葉もいただきました。

すなわち、ご快諾いただけた背景には、大学から

の要請だから来ていただけるということがある

ことがわかりました。

一方、公開セミナーや講演会でヒトを集めると

いうことは、札幌などの地方都市ではかなり難し

いということがわかってきました。公開セミナー

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Hokkaido University & Rakuno Gakuen University 14

を担当することになって、はじめてポスターやイ

ンターネットでの告知に注意を払ってみたら、実

に多数の講演会が無料で開かれていることがわ

かりました。しかも、知り合いに尋ねたところ、

会場が便利なところでなければヒトは集まらな

いとのこと。つまり、会場に足を運んでいただく

ということは結構大変なことだということがわ

かってきました。したがって、本当に「聞きたい」

と思っていただける先生をお招きして、来場予定

者にとって都合の良い時間帯に、交通の便が良い

場所で開催しなければ、中規模のホールは埋まら

ない、ということがわかってきました。それで、

昨年度は、江別市に後援を依頼し、新聞各社には

掲載をお願いし、さらに、谷山先生のお薦めもあ

り、農業経済学科の工藤先生のお力もお借りして

酪農学園大学江別農業支援の会および酪農学園

大学クラスタークラブにも後援いただき、宣伝活

動を展開しました。告知のポスターやビラの文書

も、興味をひいていただける工夫をしました。こ

のような準備の一環としてマーケティングを勉

強しまして、宣伝効果の費用対効果ということを

知りました。公開セミナーの周知活動について言

えば、費用対効果は大きい順に、 直接に少人数

に話す > 講義などで大人数に話す > 動

物病院などの小規模施設のポスター > 新聞

での告知 > ホームページ となります。それ

で、昨年度からは、食事中の学生諸君のテーブル

にビラを持って参加させてもらい、勧誘活動をし

ました。「ちょっといい?耳寄りな話があるのだ

けれど、聞いてくれる?」と言いながら、ビラを

配ると 100%の学生さんが話のってくれ、50%近く

が公開セミナーに来てくれました。加えて、一般

市民の方と獣医師の先生方では、聞きたいお話し

が異なることを予想して一般向けと獣医師向け

の二回に講演会を分けました。効果が上がったた

めか、昨年度は、永岡先生の二回の講演会はいず

れも 200 人近い方に来場いただきました。

昨年度の時点で、活動から学んだことは下記の

ようなことになると思います。

広く市民の方に知っていただく活動をする

には、手間をかけて宣伝活動をする必要が

ある。

宣伝活動には労力がかかり、しかも、熱意

が伝わらないとあまり効果を上げない。

したがって、主催者が本当に伝えたいと考

える題材でなければ宣伝効果が上がらない。

すなわち、「広く知っていただく」ためには

主催者側の活動を見直し、改善する必要が

ある。

つまり、一般の市民の方や現場の獣医師の

方には、コンテンツの公開を通じて非常に

厳しい外部評価を頂いているようなもので

ある。

多くの学生諸君を公開セミナーに勧誘する際

にはいろいろお話ししたのですが、彼らの多くが

動物や食の安全について啓蒙活動を続けたいと

考えていることを知りました。獣医学部に来る学

生の多くが、動物と人間の良い関係を作っていき

たいと考えて受験倍率の高い学部を選んでくれ

たようです。ここで、公開セミナーの役割に、勝

手に下記を追加することにしました。

学生諸君に啓蒙活動の進め方を学んでもら

う。

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現代GP NEWS

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このようなわけで、3 年目にあたる今年度は、

学生ボランティアを募集して、運営準備や宣伝活

動に参加してもらいました。この中で、学生さん

に果たしていただいた役割や感想については、い

ずれ本 NEWS でご紹介します。

なお、講演会の告知や様子の写真については、

本ニュースに掲載するよりもホームページ等で

ご覧になっていただいた方が、今後の講演会を告

知する際にも知っていただけると考えました。検

索エンジンで『酪農学園大学 現代GP』と検索し

て く だ さ い 。 本 学 ホ ー ム ペ ー ジ

(http://www.rakuno.ac.jp/)が検索結果に出る

はずです。過去の公開セミナーの様子と合わせて、

新しい告知もご覧いただければ幸いです。

(酪農学園大学 HPより)

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