株式会社フジタ 池内正明 - engineering-eye...Soil Plus について...

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株式会社フジタ 池内 正明 解析事例紹介 ■工事概要 最初沈殿池 40反応槽 最終沈殿池 606017.4m 主な施工数量 主な施工数量 ・コンクリート V=34,639m 3 ・鉄筋 W= 3,236t ・杭基礎工(SC・PHC杭 L=12~38m)N= 824本 ・SMW連続壁 A=13,800m 2 ・土留め支保工 W= 4,108t ・土工 V=97,050m 3 33m 63m

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Page 1: 株式会社フジタ 池内正明 - engineering-eye...Soil Plus について ①GEORAMAを用いれば複雑な地層もモデル化が容易 ②様々なアウトプット機能により見栄え良く結果を整理

株式会社フジタ池内 正明

~ 解析事例紹介 ~

■ 工 事 概 要

最初沈殿池

40m反応槽 最終沈殿池

60m 60m

17.4

m

主な施工数量主な施工数量

・コンクリート V=34,639m3

・鉄筋 W= 3,236t

・杭基礎工(SC・PHC杭 L=12~38m)N= 824本

・SMW連続壁 A=13,800m2

・土留め支保工 W= 4,108t

・土工 V=97,050m3

33m

63m

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■ 施工上の問題点

・最大掘削深さ17.4mに対し,盤ぶくれの危険性が高い

・DWによる地下水位低下工法が計画されているが

①地層構成が非常に複雑である

②DW配置が簡易な井戸公式で設計されている

・周辺には水産加工業者など,井戸利用が多い

解析によるシュミレーションが必要!!!

■ 解 析 目 的

・盤ぶくれに対する安全性の検討(DWの効果確認)

・DW配置の再計画(打設位置・本数)

・地下水汲み上げ時の周辺への影響検討

・複雑な地層構成を考慮する必要がある

・特に打設位置の検討では地層条件による影響が重要

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■ 解 析 概 要

解析種別 :3次元FEM浸透流解析

使用ソフト:Soil Plus 2008

解析領域 :横断方向⇒200m

縦断方向⇒400m

地層条件 :既往の地層推定断面図を適用する

解析手順 :①GEORAMAによるモデル化(地層条件)

②実施工のシュミレーション(過去)

③透水係数の見直し

④今後の計画(盤ぶくれに対する照査)

⑥境界面の推定(詳細部については手入力も必要?!)

⑤境界テーブルの入力(優先度の定義)

④各鉛直断面における地層境界線の定義

③鉛直断面の断面位置を定義

②地質テーブルの入力

①解析領域の定義

■ GEORAMA による地層のモデル化

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■ GEORAMA による地層のモデル化

①解析領域の定義

②地質テーブルの入力

③鉛直断面の断面位置を定義

④各鉛直断面における地層境界線の定義

⑤境界テーブルの入力(優先度の定義)

⑥境界面の推定(詳細部については手入力も必要?!)

⑦ソリッドに変換(Auto)

⑧平面メッシュ・鉛直分割ピッチを定義

⑨ボクセルメッシュを作成(Auto)

⑩Soil Plusデータに変換

■ GEORAMA による地層のモデル化

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■ Soil Plus によるモデル化

・土質条件(透水係数ほか)

■ Soil Plus によるモデル化

・仮設土留め壁およびディープウェル

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■ Soil Plus によるモデル化

・境界条件

水頭固定

■ Soil Plus によるモデル化(実施工シュミレーション)

・解析Step

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■ 解 析 結 果 (実施工シュミレーション)

時間~流量

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

時間 t(日)

流量 Q(m3/day)

揚水量実測データ

透水係数 100%

透水係数 90%

透水係数 80%

透水係数 70%

透水係数 60%

透水係数 50%

透水係数 20%

透水係数 10%

時間~圧力水頭(間隙水圧計測位置=DL-19.50m,節点位置=DL-19.60m)

-5.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

時間 t(日)

圧力水頭 p(m)

間隙水圧計実測データ

透水係数 100%

透水係数 90%

透水係数 80%

透水係数 70%

透水係数 60%

透水係数 50%

透水係数 20%

透水係数 10%

時間~圧力水頭(間隙水圧計測位置=DL-30.97m,節点位置=DL-31.00m)

25.0

27.5

30.0

32.5

35.0

37.5

40.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

時間 t(日)

圧力水頭 p(m)

間隙水圧計実測データ

透水係数 100%

透水係数 90%

透水係数 80%

透水係数 70%

透水係数 60%

透水係数 50%

透水係数 20%

透水係数 10%

■ 解 析 結 果 (実施工シュミレーション)

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・間隙水圧計測結果と値が異なるのは計測方法の不備

・間隙水圧計測結果の傾向との相関性は非常に高い

■ 解 析 結 果 (実施工シュミレーション)

・揚水量の比較結果から,透水係数20%程度が妥当

時間~流量

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

時間 t(日)

流量 Q(m3/day)

揚水量実測データ

透水係数 100%

透水係数 90%

透水係数 80%

透水係数 70%

透水係数 60%

透水係数 50%

透水係数 20%

透水係数 10%

時間~圧力水頭(間隙水圧計測位置=DL-19.50m,節点位置=DL-19.60m)

-5.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

時間 t(日)

圧力水頭 p(m)

間隙水圧計実測データ

透水係数 100%

透水係数 90%

透水係数 80%

透水係数 70%

透水係数 60%

透水係数 50%

透水係数 20%

透水係数 10%

時間~圧力水頭(間隙水圧計測位置=DL-30.97m,節点位置=DL-31.00m)

25.0

27.5

30.0

32.5

35.0

37.5

40.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

時間 t(日)

圧力水頭 p(m)

間隙水圧計実測データ

透水係数 100%

透水係数 90%

透水係数 80%

透水係数 70%

透水係数 60%

透水係数 50%

透水係数 20%

透水係数 10%・以降の解析では透水係数を20%に低減する

・以下の2ケースで盤ぶくれに対して検討する

CASE-1:DW-No.2,4の2本稼動

CASE-2:DW-No.2,3,4の3本稼動

■ 解 析 結 果 (対策工シュミレーション)

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■ 解 析 結 果 (対策工シュミレーション)CASE-1 t=10日

CASE-1 t=100日 CASE-2 t=100日

CASE-2 t=10日

■ 盤ぶくれに対する検討

・一般的には土砂重量と揚圧力のバランスで評価

・不透水層層厚が場所により異なる

・揚圧力が場所により異なる評価が困難!!!

どうするか???

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■ 盤ぶくれに対する検討

①不透水層下面全節点の圧力水頭を解析結果から抽出

⇒節点のグループ化,解析結果テーブルの活用

②各節点のZ座標より,掘削底面までの土被り厚を算出

⇒節点テーブル,エクセル関数の活用

③各節点上の地層構成を考慮して土砂重量を算出

⇒節点テーブル,グループ化,エクセルマクロの活用

④各節点について土砂重量と圧力水頭から安全率を算出

⇒エクセルによる計算

⑤各節点のXY座標より平面的な安全率分布を求める

⇒エクセルマクロの活用

■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=0日 CASE-2 DW⇒3本 t=0日

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■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=1日 CASE-2 DW⇒3本 t=1日

■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=3日 CASE-2 DW⇒3本 t=3日

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■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=5日 CASE-2 DW⇒3本 t=5日

■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=10日 CASE-2 DW⇒3本 t=10日

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■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=20日 CASE-2 DW⇒3本 t=20日

■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=50日 CASE-2 DW⇒3本 t=50日

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■ 盤ぶくれに対する検討

CASE-1 DW⇒2本 t=100日 CASE-2 DW⇒3本 t=100日

・DW-No.3付近に追加DWを打設

・間隙水圧計測井戸の追加を提案

■ Soil Plus について

① GEORAMAを用いれば複雑な地層もモデル化が容易

②様々なアウトプット機能により見栄え良く結果を整理

③テーブル機能とエクセルの活用で様々なデータ操作

④ Support体制が万全である!!!

■謝 辞

モデル化および解析に際し,多大なるご支援をいただ

いた GEORAMA,Soil Plusの Support スタッフの皆様

に厚く御礼申し上げます.