学 科案 内 航空宇宙学科 - 東海大学 · 宇宙利用技術...

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2017 湘 南 航空宇宙学科 航空宇宙学専攻 東海大学 工学部 SHONAN Campus Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics School of Engineering

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2 017学 科 案 内湘 南航空宇宙学科

航空宇宙学専攻

東海大学 工学部

SHONANCampus

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eronautics and Astronautics

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻02

航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻

Course of Aerospace, Department ofAeronautics and AstronauticsSchool of Engineering

東海大学が育成する力●●●●

❶ 航空機・宇宙機の設計

❷ 宇宙や地球の神秘の解明

❸ 宇宙環境

❹ 宇宙開発

❺ ロケット

❻ 人工衛星

・学びのキーワード・

東海大学では建学の精神に基づき、「自ら考え、集い、挑み、成し遂げる」これら4つの力を身につけ、時代に即応できる人材を育成します。

 工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻では次のように教育目標を定めています。 飛行機に関わる工学やロケット・人工衛星に関わる工学に加え、地球を取り巻く宇宙の科学を含めた学際的分野も学修して、幅広い知識・技術を修得するとともに、国際的センスと豊かな人間性を兼ね備えた人材の育成を目指しています。近年の先端科学技術は、多くの課題が生じ困難に直面していますが、航空宇宙学専攻は、学生諸君が自ら問題意識を持ち、考え、主体的に課題に取り組んでこれらの問題を解決出来る能力を養うことを目標としています。 この教育目標を理解し、その目標を達成するために自ら学ぶ意欲を持った人を求めます。

本学全体及び各入学試験のアドミッション・ポリシーは、東海大学オフィシャルサイトにてご確認ください。

▶http://www.u-tokai.ac.jp/admissionpolicy

スマホ専用▶

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 03

field

EU教 育 方 針

■航空宇宙学の対象は航空機やロケット、人工衛星や惑星探査機、オーロラや宇宙プラズマなど幅広く存在します。これらの対象を幅広く、かつ深く理解するためには航空宇宙に限らず、機械や電気の知識、コンピュータを使いこなす知識、情報を集め処理する知識など多方面の技術や知識が必要になります。本専攻ではそのような知識や技術を身につけるだけではなく、積極的に行動し、知識や技術を使いこなせる人材を育成することを目標としています。そのモデルといえるものが本専攻で行っている「航空宇宙特別プロジェクト」です。これは学生が自分たちの力だけで航空機や人工衛星、惑星探査装置など企画して設計を行い、実際に打ち上げや飛行実験まで行う「ものづくり」のプロジェクトです。活動を通じて実践的な技術や知識、マネジメント能力、コミュニケーション能力などの幅広い能力を修得することに成功しています。現代の社会において必要とされているのはこのような人材であり、狭い分野に特化するのではなく、目の前の問題に対していくつもの可能性から分析を行い、問題の本質を見抜いて解決できる人材です。また、グローバルな視野を持ち、分野や国の違いを超えて他者とコラボレーションできる人材も必要とされています。「空」と「宇宙」への探求をコアとして、さまざまな問題に対応できるマルチな人材を育成することが本専攻の目標です。

■このような観点から航空宇宙学専攻は、幅広い分野の課題に自ら問題意識を持ち、その問題に主体的に取り組み、自らの思想を培いながら解決する能力を養う教育を実践します。航空宇宙学専攻の専門教育プログラムでは、次のような特色を持った課程を設定しています。(1)基礎課程では、コンピュータ関連科目を配した情報技術教育、航空宇宙学の基礎となる物

理学・数学科目及び複数教員が参加して行う少人数制ゼミナール科目に重点を置きます。(2)専門課程では、工学技術者として不可欠な設計製図、実験、航空宇宙英語などの共通科

目と興味や進度に応じて選択できる、航空工学、宇宙工学及び宇宙環境科学分野にわたる科目があります。

(3)応用課程の実験科目として、飛行機、ロケットや衛星機器を製作して飛ばす「航空宇宙特別プロジェクト」を配置しています。この科目では、実際にロケットや人工衛星の設計・開発・試験を学生自らが行い、打ち上げています。総まとめとしての「研究ゼミナール」や「卒業研究」では、研究能力、プレゼンテーション能力を養います。

■航空宇宙学専攻における教育理念は、「ものづくり」の面白さを再発見し、自主的な学習・研究の習慣を身につけて、自主的に物事を考え、国際的、工学的センスを持った人材を育てることを最重要テーマと考えています。

「空」と「宇宙」への探求を通して幅広い知識と行動力を身につけた人材を育成

z 先端科学技術の幅広い分野の課題に自ら問題意識を持つx 自主的意見を持ち、自己表現できる能力を養うc 豊かな人間性を兼ね備え、国際社会で活躍し得る人材の育成

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

z 「きぼう」日本実験棟

x H-IIAロケット

c 月周回衛星「かぐや」の観測画像

v 太陽観測衛星「ひので」の観測画像

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻04

EU1年次 2年次 3年次 4年次

 入門ゼミナールを通じて、航空工学、宇宙工学、宇宙環境科学の多岐にわたる専門分野の教員と親交を深めることができます。専門基礎科目である数学や物理は、復習も含め、重点的に学習できるよう配慮がなされています。 文理共通科目や現代教養科目を学び、幅広い視野を培います。

 「航空宇宙学実験1」や「航空宇宙学製図」を通して、専門分野の基礎となる実験・実習を行い、レポートの作成や図面の描き方を学びます。 専門科目の基礎として重要な応用数学や流体力学、応用電磁気学などについては講義に加え、充分な演習を実施することにより理解を深めます。

 各自の関心・興味ある対象を中心に、高度な専門科目について学習します。 「航空宇宙学実験2」では、より専門的な実験・実習を実施します。「研究ゼミナール1・2」では少人数に分かれ、担当教員のもと、学習・研究発表などを行い、各自の専門分野で卒業研究の準備を進めていきます。

 「卒業研究1・2」では、ゼミナールごとに少人数に分かれ、大学での勉強の集大成となる専門性の高い研究を進めます。 各種の実験やシミュレーションなどを実施し、卒業研究発表会などで研究成果を発表します。

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 05

EUカ リ キュ ラム

工科の微積分1

工科の線形代数1

基礎数学A

基礎数学B

物理学B

基礎物理A

入門ゼミナール1

基礎情報処理

工科の微分方程式1

工科の確率統計

応用力学及び演習

応用電磁気学A

航空宇宙特別プロジェクト

航空産業論

航空宇宙学製図

宇宙科学B(地球と惑星の大気)

流体力学及び演習

航空宇宙学実験2

研究ゼミナール1

航空機システム工学

航法システム

航空宇宙機デザイン

振動工学A

弾性力学A

制御工学

工業熱力学B

航空推進工学

空気力学B

卒業研究1

計算工学

特許戦略

科学と倫理

航空機の運動と制御

衛星システム工学

宇宙電磁気学B

ロケットシステム工学

必修

必修

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必修

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必修

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必修

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必修

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選択

選択

授 業 科 目 名セメスター 必修選択

必修選択

■ 第1セメスター

 

■ 第3セメスター

 

■ 第5セメスター

 

■ 第7セメスター

 

工科の微積分2A、2B

工科の線形代数2

物理学演習

物理実験

入門ゼミナール2

プログラミングC

宇宙利用技術

宇宙科学A(太陽と恒星)

工科の微分方程式2

応用数学

応用電磁気学B

航空宇宙学実験1

飛行力学

航空機整備

材料力学

宇宙科学C(オーロラ)

工業熱力学A

空気力学A

宇宙計測・センサ工学

科学技術英語

研究ゼミナール2

数値計算

宇宙航行力学

振動工学B

弾性力学B

宇宙電磁気学A

宇宙推進工学

熱伝達工学

高速空気力学

卒業研究2

選択

必修

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必修

必修

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必修

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選択

選択

選択

必修

授 業 科 目 名セメスター

■ 第2セメスター

 

■ 第4セメスター

 

■ 第6セメスター

 

■ 第8セメスター

 

(1) この表は履修を推奨するセメスター別に挙げた授業科目であり、奇数セメスターは春学期開講、偶数セメスターは秋学期開講です。(2) 各セメスターは24単位まで履修登録できます。(3) 在籍するセメスター以外の授業も履修可能であり、このほかに他学部・他学科科目、副専攻科目、全学共通科目もあります。

工学基礎科目 専門科目 実験・実習科目 ゼミナール形式の専門科目

1年次

2年次

3年次

4年次

学 年

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻06

EU学 び の フィー ル ド

K e y w o r d

・数学・力学・電磁気学・・英語・計測学・・ゼミナール・製図・・実験・情報処理・

基礎共通分野

K e y w o r d

・推進・航行・計測・・制御・ロケット・・衛星・軌道・・センサ・探査・

宇宙工学

航空宇宙学航空宇宙学

●フライトシミュレータ ●オーロラの観測 ●ロケット搭載機器の製作

K e y w o r d

・構造・材料・振動・・流体・飛行・空力・・設計・製作・

航空工学

K e y w o r d

・プラズマ・オーロラ・・惑星・地球・・大気・太陽・・天文・気象・

宇宙環境科学

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EU航 空 工 学 分 野

Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 07

卒業研究テーマ

代表的な科目

超音速流中の凹状物体前方に発生する離脱衝撃波の不安定性解明

衝撃波風洞を用いた超音速空気取り入れ口形状の作動特性解明

衝撃波計測による火薬庫の安全性解析

飛翔体群制御を実現するための自動制御、機体間通信の研究

陸鳥の風切り羽や海鳥のガルウィングを応用した翼の研究

回転飛行する種の形状を応用した回転翼型飛翔体の開発

フライトシミュレータを用いた航空機の操縦性解析

非定常運動する物体周りの流れ解析

LESモデル構築のための高マッハ数混相乱流の直接解析

Grid-Free型流体騒音解析手法の開発と複雑形状から発生する騒音現象の解析

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航空操縦学専攻スタッフによる航空機整備の講義

学航空宇宙学科は、2006年4月に航空操縦学専攻を新設し、以来ANA(全日本空輸株式会社)の全面的な協

力のもと、エアラインパイロットの養成に取り組んでいます。航空宇宙学専攻では、航空機整備に興味をもつ学生の要望に応えて、航空操縦学専攻との合併授業として「航空機整備」を開講しています。航空操縦学専攻所属の専門スタッフが講師をつとめ、航空機の整備技術を中心に幅広い話題を扱った講義を展開しています。この授業では、航空機整備の目的や整備施設・設備といった基本事項に加え、整備規程・整備方式や信頼性管理、さらには航空法など、航空機整備について多岐にわたる項目を学習することができます。

飛行機の周りの流れの解析、設計や制御の手法、性能解析を学び、飛行機とそれにかかわる周辺技術を幅広く修得する  航空宇宙機の開発では非常に高度な設計製作技術が必要です。飛行機と宇宙までの往復や大気圏外を飛ぶスペースプレーンについて、どのように飛ぶか、機体の周りの流れはどのようになるか、どんな翼の形やエンジンがよいか、また安定した飛行はどうすれば得られるかということを学びます。

 気体や液体の力学的特性とその数学的取り扱いの基礎について勉強し、「流れ」の基礎を勉強します。

流体力学及び演習

 航空機の翼と空気との作用でなぜ飛ぶための力が発生するのか、その原理について勉強します。

空気力学A・B

 航空機やロケットが音よりも速い速度で飛ぶ際に起きる衝撃波や、超音速ノズルの仕組みを勉強します。

高速空気力学

 航空機が飛行中にどのようにして曲がり、上昇・下降するのか、航空機の飛び方について勉強します。

飛行力学

 航空機を安全・確実・快適に飛行させるため、どのようにコントロールするか、その基礎を勉強します。

航空機の運動と制御

 ジェットエンジンやロケットエンジンがどのようにしてパワーを出すのか、その仕組みと原理について勉強します。

航空推進工学

●航空宇宙学科の学生が実験で使用するフライトシミュレータ実験装置

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻08

EU

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卒業研究テーマ

▶▶▶

宇宙を翔ける

宙空間での宇宙飛行士による船外活動は、疲労度も高

く、また多くの危険をともないます。そこで、近い将来は故障した人工衛星の捕獲・修理や宇宙の塵を回収したりするためにロボットによる作業が期待されます。より高度なロボットの作業を目指し、コンピュータ・シミュレーションによる宇宙ロボットの制御実験を行っています。 また近年、惑星探査、なかでも火星探査や有人火星基地の建設などが計画されています。そこで、地球と火星を定期的に往復するような軌道について研究しています。地球と火星は2年の周期で同じ位置関係になります。これを利用して定期的な火星往復船により物資の輸送や観測が定常的に行えるような軌道設計を行っています。

ハイブリッドロケットエンジンの定常ならびに非定常燃焼特性の解明固体ロケットモータ内に発生する振動燃焼の予測手法の開発宇宙ロボットのターゲット捕捉のための関節軌道の生成大型宇宙構造物(宇宙ステーションなど)の3軸フィードバック姿勢制御火星周回軌道における衛星コンステレーションの一考察レーザアシスト型パルスプラズマ推進機の性能向上小型飛翔体姿勢制御用レーザ推進機の性能評価膜面を利用した大気圏再突入システムの一次構造部材に関する強度特性次世代型成層圏気球の構造安定性ならびに気球フィルムの応力分布緩和法惑星探査プレーン用インフレータブルウイングの設計と風洞実験月惑星探査ローバー用インフレータブルホイールの構成と走行特性モジュール型インフレータブル構造の展開特性評価

宇 宙 工 学 分 野

代表的な科目

ロケットと人工衛星を学び、宇宙開発へつながる力を修得する  ロケットの推進原理と人工衛星のシステムや飛行・姿勢制御について学びます。また、人工衛星やロケットの開発手法についても学び、宇宙開発へつながる能力を養います。ロケットエンジンの燃焼実験や小型ロケットの製作実習と観測機器を製作し、ロケットに載せて飛ばす実習もあります。

 打ち上げロケットとして使われる化学推進ロケットを取り上げ、構造、エンジン、誘導制御などについて学びます。

ロケットシステム工学

 通信・放送・観測などに加え、科学分野や環境分野などに対する宇宙利用の現状と課題について学びます。

宇宙利用技術

 人工衛星を設計・開発する上で必要となる技術分野及び開発手法であるシステム・エンジニアリングについて学びます。

衛星システム工学

 人工衛星の打ち上げ、軌道投入や惑星探査に必要となる宇宙船の軌道力学及び制御方法などについて学びます。

宇宙航行力学

 宇宙空間における観測技術や人工衛星の姿勢制御などに必要となるセンサの原理について学びます。

宇宙計測・センサ工学

 学生がロケットや人工衛星の設計・開発を行うとともに、打ち上げ実験を行う学生主体のプロジェクトです。

航空宇宙特別プロジェクト

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 09

EU

卒業研究テーマ

▶▶▶▶▶▶▶▶▶

次世代高エネルギー粒子検出器の開発太陽プロトン現象の変動特性観測ロケットによる電離圏プラズマのデータ解析電離圏擾乱予測技術の開発放射線帯高エネルギー電子フラックスの変動予測宇宙環境を模擬した放電実験サブストーム時のオーロラジェット電流太陽風と地磁気活動の相関解析ジェット旅客機からのオーロラ観測

●大学内天文台ドーム

●地球大気圏から宇宙空間へ

●夜空を彩るオーロラ

●観測ロケット搭載プラズマ計測器

地球と宇宙の環境を学び、自然現象を科学的に理解する力を養う  航空宇宙機を安全に飛ばすため、また地球環境を守る上で重要な地球大気圏と宇宙空間の性質について学びます。実際の人工衛星やロケットによって得られた最新のデータを使って各種観測、解析方法を学ぶとともに宇宙の神秘を探ります。

宇 宙 環 境 科 学 分 野

代表的な科目

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初年次向け授業「宇宙利用技術」を開講

宙工学や宇宙科学に関する幅広い専門分野に早くから慣れ親しんでもらうため、初年次向けの入門授業として「宇宙利用技術」を開講してい

ます。授業では、各教員がそれぞれの専門分野における技術や応用例を分かりやすく紹介します。この授業を通じて、2年次以降で勉強する専門分野が、どのように宇宙工学・宇宙科学と結びついているのかを理解することができるので、今後の学習のモチベーションを高めることができます。また、宇宙という大きな、そして未知な世界を対象とすることにより、既存の考え方や常識にとらわれない柔軟で自由な発想をはぐくむことができます。本授業には、本専攻の教員スタッフに加え、JAXA宇宙科学研究所の経験豊富なスタッフも参加し、授業を分担します。

 私たちの身近な太陽について、その物理状態や諸現象、さらに関連する諸天体・現象について宇宙の歴史まで含めて概観します。

宇宙科学A(太陽と恒星)

 大気圏は、宇宙空間からのエネルギーにより大きく変動し、また宇宙空間への物質の供給源でもあり、その関係を学びます。

宇宙科学B(地球と惑星の大気)

 オーロラを物理的な目で眺め、宇宙環境を客観的に理解する論理的思考を養い、自然の神秘に対する科学的アプローチを学びます。

宇宙科学C(オーロラ)

 宇宙プラズマを扱う基礎として、地球周辺の宇宙空間における荷電粒子(イオンと電子)の運動を学びます。

宇宙電磁気学A

 プラズマの流体近似による扱いを学び、太陽・地球惑星磁気圏における基本構造と動力学を理解します。

宇宙電磁気学B

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻10

EU教 員 紹 介

・研究テーマ・

三宅 亙 教授W.Miyake理学博士

衛星搭載プラズマ計測機器の開発、オーロラ粒子加速、太陽風擾乱

宇宙空間物理学、宇宙プラズマ計測

・専 門分野・

・研究テーマ・

角田 博明 教授H.Tsunoda博士(工学)

宇宙用展開構造物の構造と応用に関する研究超軽量な展開構造物の構造特性と応用に関する研究

宇宙工学、宇宙構造工学、宇宙システム工学

・専 門分野・

・研究テーマ・

那賀川 一郎 教授I.Nakagawa博士(工学)

ラムジェット系エンジンの基礎研究宇宙推進エンジンの燃焼研究

宇宙推進工学、熱流体力学、燃焼工学

・専 門分野・

・研究テーマ・

水書 稔治 教授T.Mizukaki博士(工学)

高速飛しょう体周りの空気力学複雑媒体中の衝撃波伝播量子光学的手法の空気力学研究への適用圧縮性流体の数値解析

衝撃波工学、高速空気力学、光応用計測・専門分野・

・研究テーマ・

稲田 喜信 教授Y.Inada博士(工学)

航空宇宙におけるバイオミメティクスの研究飛翔体の群制御の研究小型飛翔体の研究

飛行力学、飛行制御、バイオメカニクス・専門分野・

・研究テーマ・

堀澤 秀之 教授H.Horisawa博士(工学)

次世代型プラズマ推進機の開発レーザー加速プラズマ推進機の基礎実験高速気流中の燃料噴流の着火・保炎に関する基礎研究超小型飛翔体の基礎研究

宇宙推進工学、プラズマ・レーザー工学・専 門分野・

 大きな面積や長さを必要とする人工衛星用のアンテナや太陽電池パドルなどは、小さく折り畳んだものを宇宙で確実に展開させる必要があります。そこで、展開・伸展構造物を対象に、宇宙で確実に展開し性能が発揮できるように、基盤から実用化のためのシステム技術まで幅広い分野で研究を行っています。また、いっそうの軽量化と低コスト化・高信頼度化が可能なインフレータブル式(膨張展開式)構造の研究も行っています。新しいアイデアに基づく超軽量な構造物の折り畳み方法・展開方法・形状安定化方法などの解明を目指します。

軽くて大きな宇宙構造物を実現し宇宙への夢を展開しよう!

 宇宙輸送が商売として成り立っていくには、現在のコストの少なくとも10分の1以下にする必要があると言われています。このために、使い捨てロケットではなく完全再使用型の宇宙輸送システムとし、酸化剤をできるだけ大気から取り入れるラムジェットのような空気取り入れ型推進系を採用することが計画されています。皆さんは、このような宇宙輸送系の革新の時代に活躍されることになると思いますので、ここでは、そのために必要な熱流体力学や燃焼工学等の基礎学問、独自の新しい推進システムの性能予測計算、ラムジェット系エンジンの基礎実験等を学習していきます。

宇宙輸送系の革新を目指して

 宇宙空間はプラズマで満たされた世界です。太陽で発生したプラズマのエネルギーは、さまざまな変換や伝達を経て、地球の上層大気に達します。地球の極地方の夜空を彩るオーロラも、そのエネルギーが上層大気にまで到達した結果です。宇宙空間で生じているさまざまな現象を研究するには、人工衛星にプラズマ計測器を搭載し、直接に、宇宙プラズマを計測することが有効な手段です。そのために計測機器の開発を行うとともに、計測されたプラズマのデータを使って宇宙空間の諸現象の研究を行っています。

宇宙プラズマの世界を探査

 「衝撃波」という切り口で高エンタルピ流れ(高速流れ)の研究を行っています。衝撃波とは、音速を超えて伝播する圧力波であり、媒質の圧縮性に起因する非線形現象です。大気圏に再突入する宇宙船が火の玉に包まれる現象はその一例であり、爆発や高速衝突などの極限現象では必ず発生します。さらに、衝撃波を制御し、工学応用することで、今まで考えもつかなかった技術を創り出すことも可能であり、無限の可能性を秘めた現象です。航空宇宙工学に深くかかわるものはもとより、学際領域にいたるまで幅広い現象を研究しています。

衝撃波研究で極限の世界を垣間見る

 惑星間飛行・恒星間飛行を目指す宇宙推進機の基礎研究:満天の星を見上げるたびに、誰しも吸い込まれるように、未知の星への旅に思いを馳せると思います。そんな夢をかなえるための宇宙推進機(エンジン)の開発を行っています。惑星間飛行、さらには恒星間飛行を可能にするためには、既存の概念にとらわれない全く新しい発想に基づいた推進機が必要になります。若い皆さんの柔軟なアイデアが活かされる場です。ここでは、その発想の基盤となる学問分野の学習を行います。

惑星間飛行・恒星間飛行を目指す宇宙推進機の基礎研究

 魚群が空を? いったい何? と感じられた方も多いと思いますが、これはフィクションではありません。研究室では生物が持つ優れた特徴を生かした飛行機や飛行システムを研究するバイオミメティクスという分野に取り組んでいます。魚群のように巨大な群を作って飛ぶ飛行機を実現し、さまざまな機器を搭載して地上を観測できたら、収集できる情報量が飛躍的に増加するかもしれません。また1機や2機が壊れても残りの機体で機能を維持できるため、故障に強いシステムを実現できます。そんな未来の飛行機を一緒に作ってみませんか? 皆さんの旺盛な好奇心と若いエネルギーに期待しています。

魚群が空を飛ぶ?! バイオミメティクスへの挑戦

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 11

・研究テーマ・

福田 紘大 准教授K.Fukuda博士(工学)

航空機の非定常運動時の空力特性把握設計・運転シミュレーション技術の開発乱流現象、空力音響現象の解明

流体工学、数値流体力学、空力音響学・専門分野・

・研究テーマ・

森田 貴和 准教授T.Morita博士(工学)

固体ロケットモータハイブリッドロケットエンジン

ロケット工学、熱工学・専門分野・

・研究テーマ・

中篠 恭一 准教授K.Nakashino博士(工学)

軽量宇宙構造物柔軟構造物の数値シミュレーション

構造力学、有限要素解析

・専門分野・

 航空機は、空気の力を利用することで大気中を自由に航行することができますが、実際の空気の流れは複雑で乱れています。また、航空機はさまざまな運動を行います。そこで、コンピュータによる数値解析及び実験により、流れの複雑性、乱れの現象を解明し、航空機の運動時の空気力学的特性を把握することで、航空機の高性能化、高速化を実現し、運動性能の高い航空機を設計するための研究を行っています。また、航空機の周りの流れから発生する騒音の発生メカニズムを解明し、低騒音で環境にやさしい航空機の実現に向けた研究を行っています。

航空機の空気力学的特性の把握

 科学衛星や実用衛星の打ち上げなど、いろいろな目的に使用されているロケットですが、性能ならびに信頼性向上を目指して現在もさまざまな研究が進められています。授業ではその基礎ともなる、流体、エネルギー、熱伝達、ロケットシステムなどを担当し、ロケットをはじめとする推進機や熱機関をゼミで教えています。研究室では、固体推進薬の非定常燃焼やレーザーで燃焼制御を行う固体燃料ロケットの研究を進めています。またコンピュータを使っていろいろな宇宙機のエンジンシステムについてシミュレーションをしています。

ロケットを学び、宇宙へアクセス!

 航空機の構造力学やその基礎となる材料力学等の授業を担当します。専門研究では、非線形有限要素解析と呼ばれる数理手法に基づいた柔軟膜面の構造解析に取り組んでいます。現在、宇宙工学分野ではポリイミドフィルムやメッシュ状膜面を用いた大型宇宙構造物の構想がさかんに推し進められており、膜面の構造解析はその際の基盤技術となる研究になります。重力から解放された宇宙空間では、自由度の高い構造デザインが可能で、時には大胆な発想が必要になります。皆さんの若い力と想像力に期待しています。

宇宙構造物の特性評価

・研究テーマ・

池田 知行 講師T.Ikeda博士(工学)

超小型人工衛星用推進システムの研究電気推進機の省電力化に関する研究

航空宇宙工学、宇宙推進工学・専門分野・

 近年、大学機関やベンチャー企業による質量50kg以下の超小型人工衛星の宇宙利用が急速に広まりつつあり、「宇宙大航海時代」への過渡期であるといっても過言ではありません。しかしながら、これまでに打ち上げられてきた超小型人工衛星のほとんどは搭載スペースの関係上、推進システムを搭載しておらず、軌道維持や軌道変更を行う能力を持ちません。そこでさらなる宇宙利用を推し進めるべく、推進性能に優れる電気推進機を対象として、超小型人工衛星搭載用の小型電気推進機の性能向上と、推進機を動かすためのシステムの構築、それらを搭載した超小型人工衛星についての研究を進めています。

小型推進システムの研究開発

・研究テーマ・

沼田 大樹 講師D. Numata博士(工学)

機能性分子センサを中心とした様々な流体計測手法の研究弾道飛行装置を用いた飛翔体由来の衝撃波に関する研究様々な媒体における衝撃波現象に関する基礎研究

実験空気力学、衝撃波工学、流体可視化計測・専門分野・

 物体の周りに生じるさまざまな流体現象を理解するためには、通常では見えない流れ現象を見えるようにするための、いわゆる「流体可視化技術」が極めて有効です。当研究室では、「光学的可視化手法」に着目しています。これは、流体現象により物体表面に誘起される圧力場や摩擦応力、もしくは物体周りに生じる現象そのものを「光」を用いることで検出する技術です。そのなかでも、特に感圧塗料や蛍光油膜法などの技術を駆使することで、翼や航空機の模型もしくは飛翔体上の流れ場、さらには衝撃波の反射などの流体現象を明らかにすることを目指します。

「見えない流れを見る技術」を駆使して流体現象の解明に挑もう!

高橋 隆男 教授 (情報教育センター所属)T.Takahashi工学博士

ロケットや人工衛星の飛翔姿勢解析とシミュレーション超高層電離圏や地球磁気圏などの電磁気現象の解明

宇宙工学、宇宙科学、コンピュータシミュレーション

・研究テーマ・

・専門分野・

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(ISAS)の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げる科学観測衛星、工学実験衛星、観測ロケットの発射実験に参加し、地磁気姿勢計や太陽センサによるロケット飛翔姿勢決定や飛翔姿勢のシミュレーションを行っています。また、高感度磁力計をロケットに搭載し、中低緯度電離層に発生する特異な電磁気現象などや極域オーロラ発生帯でのオーロラにともなう電離層電流や磁力線に沿って流れる電流などによる微小磁場変動をロケットを打ち上げて観測し、超高層における電離現象の研究を行っています。

果てしない宇宙(夢)への懸け橋ロケット実験

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻12

EU教 員 紹 介10

教授・・・・・・・・・・・・

准教授・・・・・

10人

4人DATA

講師・・・・・・・・・・

助教・・・・・・・・・・・・

2人

1人

田中 真 准教授 (情報教育センター所属)M.Tanaka博士(工学)

・研究テーマ・

デブリ衝突を検出するセンサの開発、デブリの軌道計算、防御シールドの開発

宇宙計測工学、コンピュータ工学

・研究テーマ・

鈴木 昌和 教授 (航空操縦学専攻所属)M.Suzuki工学博士

・専門分野・

知能ロボットによる複雑行動の自律学習法大規模システムの効率的最適化手法

システム最適化、知能ロボット

・専 門分野・

 宇宙のゴミ・スペースデブリは、未来の宇宙開発にとって大きな障害となります。デブリは拳銃の弾の約30倍の猛スピードで地球の周りを飛行し、宇宙開発とともに急激に増加しました。現在、人工衛星や国際宇宙ステーションと衝突する確率が非常に高まっています。研究室では、地球のまわりにあるデブリの数を調べるため、小型のデブリ衝突センサを開発しています。またデブリが衝突しても壊れずに受け止めることができる、高性能のバンパーシールドの開発も行っています。

宇宙のゴミ・スペースデブリ問題に取り組む!

 今、宇宙空間でも自律的に活動できる賢いロボットが望まれています。そこで、従来のように決められた動作をプログラムすることで働くのではなく、高度な知性をもち、自らが行動を決定して、練習を繰り返し経験を積むことによって、人のように複雑な行動を器用に実現するロボットを究極の目標としています。そのために必要な人工知能、最適化手法、知的制御技術などのソフトウェアと、それらが地球外の省エネルギーや不整地活動を必要とする環境でも十分性能を発揮できる適応力の高い生物型ロボットハードウェアを研究しています。

高度な知性をもつ人間に近いロボットの実現を目指す

・研究テーマ・

利根川 豊 教授 (航空操縦学専攻所属)Y.Tonegawa工学博士

航空機によるオーロラ観測の研究人工衛星及び地上観測による太陽風と地球磁場の相互作用に関する研究

宇宙空間科学、宇宙電磁気学、航空科学・専門分野・

 オーロラは地球で見られる最も神秘的で美しい自然現象の一つで、そのオーロラは南北両極地方の周りの地上約100km以上に数千kmのスケールで現れます。そのオーロラがなぜ、どのように発生するかは、地球周辺の宇宙空間や太陽の活動に深くかかわっています。太陽からは常時高速のプラズマ流が太陽風として吹き出していて、その太陽風と地球磁場の相互作用でオーロラをはじめ、さまざまな宇宙電磁現象が地球周辺で繰り広げられています。それらの現象を人工衛星などさまざまな手段で観測し、宇宙空間を科学的に探る研究をしています。

太陽の活動と地球磁場を探る

三村 和男 教授(教養学部人間環境学科自然環境課程所属)K.Mimura理学博士・専門 分野・ 地球物理学

Course of Aerospace,Department of

Aeronautics and AstronauticsSchool of Engineering

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 13

EU在 学 生 からのメッセ ー ジ

三宅 真亜子さん

修士課程1年次私立明治学院東村山高等学校(東京都)出身

 私と航空宇宙の出合いは鳥人間コンテストです。幼少期に初めて見たとき、大学生が琵琶湖の大空を目指して奮闘する姿に強く心を打たれたことを今でも覚えています。それがきっかけで、私は航空宇宙について学ぶことを決意し、さらに鳥人間コンテストへの参加実績がある東海大学を選びました。本専攻は、工学と理学の多岐にわたる専門性の高い授業ならびに航空機・ロケット・航空気象に興味をもつ自発的な学生を有します。そのため、私は授業時間だけでなく、日々の大学生活にも多くの刺激を受けることができました。さらに、念願だった鳥人間コンテスト優勝を目指す「ライトパワープロジェクト」に所属し、座学だけでは分からない“ものづくり”の面白さや難しさについて、自らの手と頭を動かして学びました。 また、現在行っている研究においては、積み重ねてきた基礎学習を駆使して、誰も知らない事実を探求することの面白みを原動力に、充実した日々を送っています。東海大学には、好きなことを好きなだけできる環境があります。あなたも大学生活で何かに没頭し、好きなことを見つけてみませんか?

好きなことは好きなだけやる

矢野 楓さん

4年次私立東海大学付属相模高等学校(神奈川県)出身

 宇宙に興味をもって16年。子どもの頃に見た“宇宙探査機(Voyager 1)”が系外惑星を探査するCG映像に心を打たれ、大学では宇宙についての知識を深めたいと思い、航空宇宙学専攻に進学しました。本専攻では、宇宙工学や航空工学、宇宙環境科学など、宇宙に関する分野を幅広く勉強することができます。私は宇宙探査機について勉強したい一方、オーロラの仕組みや地球大気などの理学分野にも興味があったので、興味のある授業を積極的に履修していき、知識の幅を広げることができました。 また、本専攻が開講している航空宇宙特別プロジェクトに参加することで、自分に必要だと思っていた知識や技術をたくさんの「経験」とともに修得していくと同時に、仲間たちと一致団結して一つの「成功」に向かう、「挑み力」も養うことができます! 東海大学は、自分が「成し遂げたい」と思うチャレンジと仲間たちであふれています。自ら一歩踏み出し、充実した大学生活へ胸を張って歩いていきましょう!

何事にもチャレンジできる

 私は、小学生の頃からジュール・ヴェルヌをはじめとする宇宙物のSF小説が大好きで、いつか自分の力で宇宙へ行けるようになりたいと思い、航空宇宙学専攻に進学しました。 本専攻では、「航空工学」や「宇宙工学」、「宇宙環境科学」といった多様な分野を学ぶことができるので、自分の視野を広げることができます。また、私は航空宇宙特別プロジェクトの「東海大学学生ロケットプロジェクト(TSRP)」に所属しています。このプロジェクトは、学生が主体となって小型ロケットの設計・製作・実験・データ解析を行っています。私はこのプロジェクトでの活動から、より実践的な工学を学んでいるほか、メンバー間のやり取りやプロジェクトの広報活動から、マネジメント能力やコミュニケーション能力といった社会に出ても役立つ能力も日々磨いています。東海大学には、さまざまな分野を学び、経験できる環境があります。 ぜひ皆さんも、この環境を生かし、自分を成長させてみてはいかがでしょうか。

宇宙を目指して

岸里 大輝さん

4年次国立東京工業大学附属科学技術高等学校(東京都)出身

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■ 航 空 宇 宙 学 科 航 空 宇 宙 学 専 攻14

EU卒業生 からのメッセージ

 航空宇宙学専攻に興味のある皆さんは、どんな学生生活を想像していますか。将来、ロケット、航空機の設計や研究開発をしたいなどの夢があるのではないでしょうか。 私が航空宇宙学専攻を選んだ理由は「ものづくりが好き」、「気象などの自然現象に興味がある」などの漠然としたものでした。そのため、入学したばかりの頃は将来どんな仕事に就いているのか想像もつきませんでした。航空宇宙学専攻では基礎的な科目からはじまり、徐々に専門的な科目になっていきます。私は流体力学などの専門的な学問に触れるにつれて、将来やってみたいことが具体化してきたような気がします。特に4年次から修士課程2年までの3年間取り組んだ研究では専門性を深めるだけでなく、実験結果の分析、問題解決力やプレゼンテーション方法など多くを学びました。今も仕事で研究や授業において得た知識を使っており、英語やコンピュータを使ったデータ解析なども役立っています。 大学生活は4年間、修士課程に進学しても6年間です。自分のやりたいことを見つけ、知識を得るには短い時間ですが、これだけ学べる環境があるのは学生時代だけだと思います。皆さんも、この貴重な時間を航空宇宙学専攻で過ごしてみませんか。

塚田 佑貴さん

2010年度工学研究科航空宇宙学専攻修了防衛省技術研究本部 陸上装備研究所

 皆さんはもうやりたいことは見つかっていますか? 探している最中ですか? 私は、大学進学時に「宇宙分野」で「ものづくり」をしたい、と考えて探していました。しかし、何からすれば良いか分からないし、何がしたいかも分からない状態だったので、宇宙分野を幅広く学べる航空宇宙学専攻を選びました。 大学では一般的な教養ももちろん学べますが、航空宇宙分野に進みたい人のための授業がたくさんあります。また、多くの学科がある東海大学では、航空宇宙分野以外の授業も学ぶことができます。何を学べばいいの? 開発ってどのように行われるの? どんな仕事があるの? 大学入学前は疑問でいっぱいでしたが、授業を受けるうちに自分のやりたいことが分かってきました。初めは「宇宙」というくくりでしか見えていなかったのですが、徐々に細分化され、たくさんの選択肢ができました。 私は授業のほかにも学生ロケットプロジェクトという団体に入り、もの作りの基本と開発の進め方を学びました。授業で学んだことを使って、実際に物を作ったり、解析したりすることができました。このプロジェクトで学んだことは、現在の人工衛星の開発という職業にも結びついています。 いろいろな選択肢があるなかから選ぶのはとても難しいと思いますが、やれることを選ぶのではなくて、やりたいことを選んでほしいと思います。たくさんの道を探して、悩んで、一番やりたいことを見つけてください。航空宇宙学専攻はその手助けをしてくれると思います。

羽染 円絵さん 2010年度工学研究科航空宇宙学専攻修了NECエンジニアリング株式会社

 宇宙は好きですか? 飛行機は? ロケットは? 大好きだ! って叫びたいけどちょっと恥ずかしいあなた、心配しないでください。ここには宇宙好きや飛行機好きな仲間がたくさんいます。 この専攻の一つの特徴はさまざまな航空宇宙特別プロジェクトがあることです。これらのプロジェクトは学生が主体となり、学科や先生方が活動を支援してくれます。私は入学後、ここでロケットに出合いました。小型のハイブリットロケットの製作、実験、打ち上げを通して、仲間とともに多くの実践的経験とほかの大学には負けない自信を持つことができました。 そんなロケット漬けな大学生活(ちゃんと研究もしていました)を経て、私は今、ロケットのシステム設計の仕事に就いています。ロケットの打ち上げを成功させるため毎日さまざまな技術的課題に向き合い、技術者としてのやりがいを感じています。大学に入る前は将来このような仕事に就くとは思ってもみませんでした。この大学で学んだこと、ロケットプロジェクトで得た経験、そして何よりも、この大学で出会った先生、先輩、仲間の影響により今の自分があります。 これから大学を選ぶあなたに一つのアドバイス。小さな一歩でもいいので行動してみてください。そこで出会う仲間や先生があなたを後押しして、ちょっと踏み出した一歩がいつの間にか100歩になるかもしれない。大きくジャンプすれば宇宙にだって到達できる。今まで見えなかった新たな自分の可能性を広げるために、よりよい選択を。

実践的な経験から自らの可能性を広げる

やりたいことを探す毎日を

貴重な時間に、貴重な経験を

渡部 俊輔さん

2010年度工学研究科航空宇宙学専攻修了株式会社IHIエアロスペースロケット技術部ロケット技術室

私立東海大学付属相模高等学校(神奈川県)出身

私立鎌倉女学院高等学校(神奈川県)出身

横浜市立東高等学校(神奈川県)出身

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and Astronautics ■ 15

EU卒業後の進路 ・ 取 得 できる資 格

 学科紹介、教員・研究室紹介、就職情報、学内地図、連絡先、学科のニュース、航空宇宙特別プロジェクト(東海大学学生衛星プロジェクト、学生航空機プロジェクトほか)などの情報を載せています。

 航空宇宙学専攻に興味があり、学科案内、見学、受験相談を希望する方に対し、学科と教員がいつでも対応します。お気軽にご連絡ください。FAX、Eメールでも随時受け付けております。

連絡先

航空宇宙学科航空宇宙学専攻ホームページアドレス

航空宇宙学専攻事務室●電 話 : 0463-58-1211(内線 4451) (月~金 9:00-17:00、 土 9:00-12:00)

●F A X : 0463-50-2060●Eメール : [email protected]

http://www.ea.u-tokai.ac.jp/

就 職

資 格

●2014年度産業別就職先※大学院修了生も含む

公務員6%

サ-ビス業7%

運輸業・郵便業

28%

◎主な就職先一覧[2014年度]中日本航空/日本貨物航空/JALエンジニアリング/朝日航洋/キヤノン電子/住友精密工業/本田技研工業/マツダ/菱友システムズ/東日本旅客鉄道/東海旅客鉄道/東京地下鉄/明星電気/朝日工業社/東京計器/巴工業/伊藤忠テクノソリューションズ/エイチ・アイ・エス/警視庁/横浜市消防局 など

◎その他・過去の主な就職先全日本空輸/IHI/三菱重工業/富士重工業/日本飛行機/新明和工業/三菱スペース・ソフトウエア/中菱エンジニアリング/菱友システムズ/川重岐阜エンジニアリング/NECエンジニアリング/AIRDO/東京急行電鉄/トヨタ自動車/日産自動車/マツダ/三菱自動車工業/いすゞ 自動車/スズキ/日立製作所/富士通/三菱電機/デンソー/アイシン精機/セイコーエプソン/コマツ/日立建機/NTTファシリティーズなど

製造業19%

学術研究・専門・技術サ-ビス業14%

情報通信業13%

生活関連サ-ビス業・娯楽業13%

航空宇宙学専攻では、専門基礎教育の徹底とプレゼンテーション能力・英語力の向上に加えて、ハードウェア・ソフトウェアのもの作り能力を航空宇宙特別プロジェクト(TSP/SAP/LSSP)活動などの実体験を通して高め、航空宇宙分野はもとより、自動車・一般機械・総合電機産業など、幅広い分野で活躍できる人材の育成に努めています。

■ 毎学期はじめに新入生から大学院生までを対象とした学科ガイダンスと、指導教員による個別指導を行っていますが、そこで一般的、具体的指導をできるだけ早くから行っています。

■ かつては、就職先として単に大企業、ネームバリューのある企業優先と考える学生が多く見受けられましたが、最近は自分がやりたいことのできる企業優先へと学生の意識も変化しています。また、大企業も機動性を持たせるため、分社化・グループ化が進んでいます。

■ 学部卒業生・大学院修了生のうち、かなりの数が重工業あるいは重工業直系の設計会社に就職して、航空宇宙関連の開発・設計の仕事をしています。

■ 航空輸送業では、航空機の整備あるいはパイロットとして仕事をしています。

【教職課程】 教職課程は、学科・専攻・課程に設置され、特定の免許教科について、中学校及び高等学校の教員免許状を取得するために学習します。本学科を卒業した者で、卒業までに所定の科目(教科に関する専門教育科目、教育原理、生徒指導論、教育心理学、教育実習など)を修得すれば、高等学校教諭一種免許状(工業)を取得できます。

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Course of Aerospace, Department of Aeronautics and AstronauticsSchool of Engineering

2016.4 EU53◎本案内は、特に記載がない限り2016年4月現在の内容を掲載しています。

常に未来を見据え自らが取り組むべき課題を探求する力

多様な人々の力を結集する力

困難かつ大きな課題に勇気をもって挑戦する力

失敗や挫折を乗り越えて目標を実現していく力

成し遂げ力挑み力

集い力自ら考える力

「4つの力」のイメージキャラクターリッキー

「明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材」に育つよう、全学を挙げて取り組んでいます。

東 海 大 学 は 4 つの力を育 成します。

〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1Tel:0463-58-6422(直通) Fax:0463-50-2186

入試広報課